原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

三人目：魔王の娘ヘルクレア

別次元の私２

終夜の家に着くと、まずフリルに着替えさせた。
「とりあえず、何時までもその格好じゃ目立ちすぎるから　この服に着替えて」
そう言って男物のカッターシャツに黒いジーパンを渡される。

「まぁ・・なんだ、一人で住んでるものだから　女性用の服なんてなくてね・・・
とりあえずそれで我慢してくれるかい？」

無言で頷くと　私はドレスを脱ごうとした
「わっ！！！ちょ、ちょっとまった！あっちに脱衣所があるから！！」
と言って終夜は顔を赤らめた。

なるほど、私がしている事は　この世界では恥ずかしいことなのかと理解した私は
言われるがままに脱衣所で着替えた。

意外にも終夜と身長がほとんど同じだったおかげもあり、ほとんど服に関してはピッタリだった。
「悪くない」

私がそう漏らすと終夜もウンウンと頷いた。

ひと段落ついた所で終夜は　そばにある白色のソファにバサッと身を投げフリルの方を見た。
「フリル、君は一体何者なんだい？　記憶に残っていることは何かある？」

「わからない、ただわかっているのは、この剣がとても大事なものだった気がする」
「だけど・・・」
フリルは窓辺に移動し、窓に手先を触れ
「この緑しかない世界を見ていると　とても心が落ち着く　なぜかな・・」

終夜も外を眺めた
「フリルにとってここは、居心地がいい場所ってことなのかな・・」
「そうだ！フリル、学校に行ってみないか？」
私は終夜をチラっと見る
「学校？」
「ああそうさ、見た目だと高校生くらいかなぁ、たぶん今のフリルの感じだと日本の文化とか
まったく知らないような気がするからね、記憶が戻るまで　ここで生活していくために
日本というものを覚える必要があるかもしれない。」

「なるほど、この土地での適正者になるためには必要なことなのですね
行ってみたいです」

「よし、それなら　私がなんとか手配してみよう」
終夜は両手で、ふとももをパンッと叩くと立ち上がる
「それじゃあ、夕飯までまだ時間はあるし、よかったら家の周辺を散歩してくるといいよ」
フリルは再び窓の外を見た
「うん、この世界のこと、もっと知りたい」

そう言うとフリルは家を出た。

「さてと、手続きを済ませる前にフリルの着ていたドレスを洗濯しとくかぁ
だいぶ汚れてたように見えてたし」

終夜は脱衣所に入りドレスを手に取る
「それにしてもドレスというか、鎧のような重さがあるなぁ・・
どう見てもパっと見は軽い　ふわっとしたドレスにしか見えないけど
なんでこんなに重たいんだろう・・。」

そう言いながら洗濯機にドレスを入れて、水と洗剤を入れると洗濯機のスイッチを押した。