原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

二人目：吟遊詩人は少女に謳う

詩人と少女１７

「それ、ダイアだろ、くははっ　おもしれえや　本当にダイアを掘り当てやがったのか」
アベルは額に汗をにじませ、両手で掴んでいるダイアに力が入る。
「な、なんだよ！！そうだダイアだ！！お前達には関係ないだろ！！」
「はあ？関係ないだぁ？お前バカか？関係ないわけないだろ
俺達は、おめぇら奴隷を雇ってるオーナーのファミリーなんだぜ
ゆってみりゃーおめぇらの監督官なわけよ
配当金は後で渡すからよ、さっさとそのダイア　俺達に渡しな」

ザッザッザッザッと男の一人がアベルに詰め寄る
（ロン・・・・これを持って外に逃げるんだ）
（アベルさんは　どうするつもりなんですか？！）
（なんとか食い止めてみせるさ、ようやく光が差したんだ絶対に掴んでみせる！！！）
アベルはロンにダイアを渡すと、近寄ってきた男目掛けて駆ける。
「アアアアッ！！！」
タンッ！！！と大地を蹴り　飛脚する
不意を突かれた男は、目を見開き対応できない。
男の顔面に渾身の右ストレートがめり込み、男は声もなくぶったおれた！！！！
「っ！！！」
ロンが　その瞬間に逃走する。
「ちっ！！逃がすか！！！！」
男の一人がロンを追いかけようとする
「追わせるものかっっ！！！！」
アベルは男に飛び掛る
「ちっ！！！くそっ！！！この！！！離せっ！！！離せコラッ！！！！！！！！」
足に纏わりつくアベルの顔を何度も何度も蹴る
蹴るたびに血が飛び散るが、アベルは決してその手を離すことはなかった。
「ちくしょうっっ！！！！こいつはなさねぇ！！！しょうがねぇからお前だけでも
あいつを追いかけろ！！急げっ！！」
「わ、わかった！！！！」
「くっ！！！行かせるかっ！！！」
捕まえている男の脚を離し、追いかけようとしている男に走ろうとする
「てめぇの相手は俺だ！！！！」
首後ろ辺りのローブを掴まれそのまま勢いよく壁に投げ飛ばされる。
バアアアアンッ！！！！という衝撃音と共に壁に亀裂が入る。
「がっはっ！！！！」
体の骨が軋む音がしたきがする
体中が痛む。
立つことができず、両膝を大地につかせ両腕で起き上がろうとする
体格差がつきすぎる戦いだ