三国志 群像譚 ~瞳の奥の天地~ 家族愛の三国志大河

墨笑

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短編・中編や他の人物を中心にした物語

医聖 張仲景9

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 同期とは良いものである。

 時が変われば人も変わり、人間関係も変わる。

 しかし同期の絆は一生だ。

 たとえ出世の速度が違ったとしても、立場が変わったとしても、この絆の糸はずっと張られたままでいる。ずっと繋がり続けられるのだ。

 だから張機チョウキはそんな同期の一人に至極善なる男がいることを嬉しく思っていた。

許靖キョセイ、今日は真っ直ぐ帰るんだよな?例の飲みには出ないんだろ?」

 張機は特に仲の良い同期、許靖の肩を叩きながら聞いた。

 赤くなった西陽が役所の窓を抜け、許靖の肩にかかっている。そこを叩いた。

 許靖は仕事道具をまとめていた手を止め、肩越しに振り返って笑った。

「ああ、行かないよ。私がいると色々やりづらいんだろう。誘ってくれる人もいない」

「僕もだ」

 二人はニヤリとして、それから喉の奥を鳴らした。

 例の飲み、とは中央政府の役人たちが集まる宴会なのだが、腐敗したこの時代の官吏が酒の席で話すことといえば賄賂だったり、癒着だったり、コネ人事だったりする。

 それを揶揄するような会話を大声ではできないし、ましてや笑い声など上げてはいけないから、二人は喉だけ鳴らして笑った。

「じゃあさ、僕らだけで飲みに行かないか?面白い店を見つけたんだ」

 張機は腐った飲み会は嫌いだが、仲の良い同期と飲むのは好きだ。

 許靖は賄賂を受け取らない。そういう信頼できる同僚というだけでなく、人当たりが優しく話していて嫌な気持ちになることがない。

 加えて二人は同い齢でもあった。孝廉に挙げられるのは年に二百人を超えるのだが、特に仲良くなったのも当然のことだろう。

 しかし許靖は同期の提案に対し、首を横に振った。

「すまない。昨日の夜から妻の体調が悪くて、今日は早めに帰りたいんだ」

 張機はそれを聞いて、すぐに体調不良の原因に思い至った。

「ああ……そういえば花琳カリンさん、毎年春先に風邪を引くって言ってたな」

「よく覚えてるな。前に一回だけ話したような気がするが」

「やっぱりそっちが本業だからかな。書類仕事とは記憶力の発揮され方が違う」

 今の張機は中央政府の尚書台しょうしょだいという部署で許靖とともに働いている。

 完全に行政官僚だ。医療分野の仕事があれば回されたり意見を求められたりはしたが、それまでと違って医業で食っているわけではない。

 張機が荊州で医師としてがむしゃらに働いていた頃、その献身的な診療と確かな腕が評判になっていた。

 しかも医術だけでなく、蔡幹のところで学問も修めているという。

 荊州南陽郡の張一族の中で、

『あの若者こそは』

とよく人の口にのぼるようになっていた。

 そしてそこから、

『孝廉に挙げてもらえるよう運動してみては?』

という話になった。

 初めに張機がそのことを聞いた時は、ただ戸惑った。

 孝廉とは高級官僚の登竜門であり、自分のような凡人が挙げられるものではないと思っていた。

 しかし意外なことに、師である張伯祖が受けることを勧めてくれた。

『何事も経験だ。医術だけ極めても良い医師になれるとは限らんしな』

『そういうものでしょうか』

『医師の相手が人間である以上、そういうものだな。それに都なら名医も医学書も豊富だろうから、先々医師に戻るにしても有意義だろう』

『伯先生……洛陽の医学書を送れって言うんでしょう?』 

『あっはっは!バレたか。できれば購入した医学書そのままではなく、お前がまとめ直したものがいい。その方がずっと分かりやすいからな』

 そこまで頼んでくる師に張機はあきれたものの、師が自分のためを思って勧めてくれていることも分かった。

 それに張機自身、ずっと医師をしていくことに疑問を持っていたのだ。

 医師になったのは完全に成り行きで、玉梅と張羨をくっつけるためだった。想い合う二人の間に自分が立っていることに耐えられず、その位置関係を壊すのにただ都合良かったからだ。

 ひたむきに医学を学び、医師として己を顧みず働いていたのも、心の底に淀んだイライラやモヤモヤを払おうともがいていただけだ。

 だから師に勧められた通り、孝廉を受けて洛陽へ行くことにした。

 幸い張機が間に入ることによって、張伯祖にも弟子か定着している。張機が抜けて忙しくはなるだろうが、診療が回らないほどではないだろう。

(でも……たとえ目の回るような忙しさだったとしたも、ここで働くよりは良かったかもしれないな)

 許靖との話で前職のことが出て、あらためてそんな感想を持った。

 ここ洛陽で働くこと自体をひどく後悔しているわけではない。

 国を動かすような仕事は身になる経験だと思うし、期待通り多くの医学書や名医とも出会えた。

 しかし、中央政府の腐敗は聞きしに勝るものだったのだ。

 朝廷は宦官(去勢した官吏)が牛耳っており、賄賂が横行している。

 それに対抗した者たちもいたが、『党錮とうこの禁』と呼ばれる弾圧によって禁錮、誅殺、指名手配され、政界から追放されてしまった。

 そういう腐った政治に関わる気になれない張機は同じく清廉な許靖と気が合い、仲良くなった。

 ちなみに二人は同期、同年齢というだけでなく、同じように腐敗から離れてもそれなりにやれているという点でも似ている。

 張機の噂を聞き診療を求めてくる役人、その知人が跡を絶たないから、張機の官庁での立場は悪くない。まるで役所付きの産業医のような使われ方で、忙しくも頼りにされている。

 同様に許靖もその能力と月旦評の名声で朝廷内の覚えが良い。

「花琳さん、ちゃんと薬は飲んでるのか?もし飲んでないなら今から行って処方するけど」

「本当か?助かるよ。毎年のことだからつい放ったらかしになってしまってるんだ。いつもそのうち治るからって」

「確かにすぐ薬に頼るのは良くないけど、やっぱり診ておいた方が安心だよ」

「そうだな。頼む」

 張機は薬の入った箱を持って役所を出た。普段からいきなり診療を頼まれることが多いので、基本的な医療資材は職場に置いているのだ。

 外へ出ると冷たい風が吹いてきて体が震えた。春になりたてのこの季節、日中は暖かくなったとはいえ朝晩はまだ冷える。

「これは花琳さんじゃなくても風邪を引くな。明日は本業の方が忙しくなりそうだ」

「体調を崩した役人たちが張機の薬を求めてふらふら現れるんだろうな」

「それは構わないけど、他の吏員もいるところで診察するのもなぁ。もういっそのこと一室もらいたいけど、僕らみたいな下っ端に個室は無理だろうな」

「今からでも飲み会に出て聞いてきてやろうか?『下っ端が個室をもらうためには袖の下が何銭ほど必要ですか?』って」

 二人はそんな馬鹿話に笑い合いながら歩いた。

 許靖の家に着くと、わざわざ来てくれた張機に花琳は恐縮した。

「お仕事でお疲れなのに、申し訳ありません」

「いえ、帰りに少し寄っただけですから」

 張機は花琳の顔色を診ながら脈を取った。それから症状を聞き、舌を診て、腹を押し、小さくうなずく。

「……うん、葛根湯でいいでしょう」

 いくつかの生薬が混ざった布袋を渡した。よく使われる薬はあらかじめ調製してある。

 花琳はそれを両手で受け取りながら頭を下げた。

「ありがとうございます。お礼に夕食でもごちそうしたいところですが、うつすといけないからやめておいた方がいいんでしようね」

「お構いなく。もう一人暮らしに慣れてますから。帰って干し肉でも炙りますよ」

 花琳も許靖も、張機の言うことをなんとなく不憫に感じた。

 現代と違って炊事にも手間がかかるので、多くの官吏は独り身でも家事をやってくれる人間を雇っている。しかし張機は完全な一人暮らしだった。

 理由は父のおせっかいだ。

 父は息子が洛陽へ上るに当たり、見目好い娘を使用人として同行させようとした。

 要はそれに手を付けさせ、子をもうけさせようとしていたわけだ。何を言っても結婚しない息子をなんとかしようとした苦肉の策だった。

 しかし玉梅が忘れられない張機はこれに反発した。親子喧嘩になったあげく、生活一切のことは自分でやると啖呵を切り、その言葉通り一人暮らしをしている。

 基本父と揉めることなどない張機だったが、こと結婚に関しては折り合いが悪い。

「張機は……」

 結婚しないのか?

 と許靖は聞きかけて、その口を止めた。友人がそう問われて嫌な気持ちになるのではないかと思ったからだ。

 その代わり、立ち上がって玄関の方を指した。

「診察のお礼に夕飯を奢るよ。どこか近場の店に行こう」

「え?いや、でも花琳さんが調子悪いんだから……」

「私の方は一杯だけ飲んだらすぐ帰るから」

 それならいいか、と張機も考えて好意を受け入れることにした。友人同士とはいえ、何かしてもらいっぱなしというのは気が引けるものだ。

 店までの道すがら、許靖は張機から聞いていた幼馴染の話を思い出していた。

(確か、玉梅と張羨という名だったな。とても大切な友人ということだったが、それだけの関係には感じられなかった……)

 その話をしていた時、張機自身はただ懐かしい故郷のことを口にしていたつもりだった。

 しかし人の心に敏感な許靖という男は、その裏にある感情の捻じれを感じ取っていた。そして張機が頑なに結婚しようとしないことにも同じ色合いの捻じれを感じている。

 許靖は張機の瞳を横目に見て、それから薄闇に光り始めた星を見上げた。

「あの星……綺麗だけど、手は届かないよな」

 突然妙なことを言い出した友人を、張機はいぶかしんだ。

「それはそうだろう。鳥だって無理だ」

「もしその星が欲しくてずっと見上げてる人間がいたら、どう思う?」

 張機はいっそうわけが分からなくなった友人の発言に眉をひそめた。

 が、しばらく考えて許靖がこんなことを言い出した理由を察した。

「……僕の瞳にそういうものが見えるのか?月旦評げったんひょうの許靖には」

 張機は中央政府で働き始めてから、何度もこの噂を耳にしていた。

 月旦評の許靖。

 人物鑑定家として著名なこの友人は、瞳を見るだけで相手の本質が分かるのだという。

 ただし、許靖自身はそれを否定している。だから張機は友人として、許靖が不快に思わないようこの話題は避けてきた。

 しかし今日の許靖はそこから何か言いたいのではないかと感じられた。

「本心を言うとね、僕も聞いてみたかったんだ。許靖の目には僕の瞳がどう映るのか」

 それをわざわざ聞かなかった友人の優しさに許靖は感謝しつつ、答えてやった。

「張機の瞳には、大きな棚が見える」

「棚?……って物を入れる、あの棚?」

「そうだ。棚の中身はほとんどが医学書や薬草だな。これはきっと、張機が医師として詰め込んできた知識なんだと思う。他には武器なんかもあるが、そちらはあまり多くない」

 この話を聞いて、張機は自嘲気味に笑った。

 武器などは蔡幹の私塾で得た戦の知識や技術などだろう。

 あまり多くないということは、あれだけ頑張ったのに、やはり大して身についていないということだ。

「なんとなく分かる気がするよ。でも僕は低能だから、そもそも棚自体が小さいだろ」

「いいや。棚はとても大きいし、とてもよく整理されている。これは私が一緒に働いていても思うことだが、張機は大量の情報を整理してまとめるのが得意だと思う。そういうところが現れてるんじゃないかな?」

 言われてみると、自分でもそういう自覚はある。

 張伯祖の下で大量の医学書を読み、それをまとめ直すことを続けていたせいで随分と鍛えられた。

「確かに情報の整理は得意だけど……僕はそもそもの物覚えが悪い。棚が大きいというのは意外だな」

「もともとは小さな棚だったみたいだ。それが後から増設されたようで、棚材の色が途中から違う。かなり努力したんだろう?」

 確かに張機はかなり無茶な努力の末に医師としての知識を身につけている。許靖の言うことは当たっていると思えた。

「そうか……月旦評の許靖は本当にすごいんだな。でも棚の話と星を見上げる人間の話はどう関係してるんだ?」

 元々はそういう話だったはずだ。

 許靖はまた星を見上げてから答えた。

「棚の前には男が一人いるんだが、それが棚の高いところをずっと見上げているんだ。手の届かないほど高いところで、そこには綺麗な宝石が置いてある」

「宝石?」

「玉なのかな?ポツポツとそばかすみたいな茶色い斑点があるが、それがなんとも言えない愛らしさになってるよ」

(そばかすの宝石……)

 それを想像した張機の胸がキュッと締まった。そして玉梅の顔が浮かんでくる。

 小さな頃からずっと大好きな、玉梅の頬。

 張機は胸の苦しさを誤魔化すように、無理やり笑った。

「た……高いところって言ったって、しょせんは棚の上なんだよな?道具を使って取ればいいのに」

「道具はあるんだ。高いところのものを取る棒も、はしごもある。でもその男はただ見上げるだけで、取ろうとしない。本当は欲しくてたまらないのに、自分で手にする選択肢を放棄したみたいだ」

「…………」

 張機は言葉を返すこともできなかった。

 今しがた無理やり笑ったが、その笑顔も完全に固化してしまっている。

 許靖はそこでふと、自らの発言のちぐはぐさに気づいた。

「ああ……そういう意味では星っていうのはあんまりいい例えじゃなかったな。星はどうやっても取れないから」

 そこで許靖は場を和ませるために笑おうとした。

 しかし笑えなかった。

 笑うには、宝石を見上げる男の顔があまりにも胸を締め付けるものだったからだ。

 見ているだけで切なくなる瞳の奥の「天地」を見つめながら、許靖は友人のためになる言葉を探した。

「張機が前に話してくれた、故郷の幼馴染たちのことだが……」

「は、腹が減ったな!!今日はすごく腹が減ってるから、たくさん食べたい!!」

 許靖の言葉を拒絶するように、張機は大声を出した。

 それから歩く足を早める。

 許靖の方は少しだけ足を止め、友人の背中を見つめた。しかしすぐに歩みを再開して追いついた。

「……じゃあ、あそこの店に行ってみるか。鶏を一羽丸々焼いてくれるって話の店。どんなに空腹でも腹いっぱいになるだろう」

 張機の胸は、先ほどとはまた別の締め付け方をされて切なくなった。

 この友人はとても優しい。無理に人の心へ踏み入るようなことはせず、ただ寄り添ってくれる。

 そういう同期を持てたことをありがたく思いながら、産まれて初めてヤケ食いというものに挑んでみようと思った。
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