11 / 86
麻黄湯5
しおりを挟む
景は怒気を全身から立ち昇らせて起き上がった。全身に痛みがはしったものの、それはだだ漏れになったエピネフリンが振り払ってくれる。
そして思い切り地面を蹴り、葛根刀の切っ先を病邪に向けて跳び上がった。
その吹き上がるマグマのような速度に病邪は反応すらできない。腹を思い切り突かれ、ゴム人形のように背中が盛り上がった。
そして景はさらに空中で葛根刀を振り上げ、振り下ろす。
「くたばれ!」
脳天に叩きつけられた刀身によって、病邪の体は隕石のように地面へ激突した。
かなり派手なやられ方だが、景はまだ倒し切れていないことを知っている。葛根刀を通してそう感じるのだ。
だから地面に降りるとすぐに踏み込み、畳み掛けようとした。
しかし次の攻撃が決まる前に、病邪は再び熱風を放ってきた。また至近距離だ。
「くっ」
景は慌てて刀の軌跡を捻じ曲げて、病邪の手のひらの前に出した。
ほぼゼロ距離で受けたせいか、熱風は初めに斬り裂いた時よりもずっと強い力で葛根刀を押してくる。
柄を離しかねないほどの圧が指にかかり、靴裏がジリジリと地面を擦った。
足と地面の間には闘薬術の効果で吸い付くような力場が発生しているが、それも耐えられないほどの風圧だった。
(くそっ、このままじゃまたぶっ飛ばされる!なんとか力を横にそらして……)
景はそう試みようと考えたが、実行する前に別の指示がかかった。
「景、そのままもう少し耐えてなさい!そいつを動かさないで!」
瑤姫の声だった。ようやく登って来たようだ。
何につけてイラッとさせられる駄女神だが、今だけはありがたい。
「早くしろ!長くは保たないぞ!」
「分かってるわよ!四診ビーム!」
瑤姫は短く答え、すぐに神術を発動させた。病邪の依代となっている人間の症状、体質を知ることができる神術だ。
景は瑤姫の方へ顔を向ける余裕すらなかったが、以前見たのでどういうことが起こっているかは想像できた。
瑤姫は両手の人差し指と親指で四角を作っていて、そこから光る枠を飛ばしているはずだ。
そして思った通り、その光る枠が景の視界にも映った。病邪の肩口にしっかりと当たり、瑤姫の頭に情報が流れ込む。
「発熱、倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛、喉の痛み、咳、鼻水……やはりインフルエンザね」
ここまでは景も予想していた。刑務所でインフルエンザが流行しているという話だったのだから、依代となった男も当然インフルエンザだろう。
瑤姫はさらに依代の体質等に触れる。
「十分な体力あり、無汗で、心疾患も甲状腺機能亢進症もなし……これは……」
瑤姫はいったん言葉を切り、そして叫んだ。
「麻黄湯証!」
瑤姫の腕が舞うように動き、そこから四つの光の玉が飛んだ。
「麻黄、桂皮、杏仁、甘草!」
生薬の力が込められた光の玉が景の左手首にはまった腕輪に吸い込まれ、さらなる輝きを放つ。
「いでよ!魔剣 麻黄刀!」
瑤姫の声が樹間に響いた直後、景の手の中にあった葛根刀は一瞬にして姿を変えていた。
現れた新たな刀、麻黄刀は葛根刀と比べてかなり分厚くて幅広だった。刀身の外見上はマチェット、もしくは青龍刀に近いだろう。
ただし持ち手は日本刀の柄であり、鍔もある。身幅の広い刀を段平と言うが、あえて分類するならそれが正しいかもしれない。
見た目かなりの重量級ではあるものの、身体強化のおかげか見た目ほどの重さは感じなかった。
「……!?風の威力が弱まった!」
景の指にかかっていた圧が急に軽くなった。踏ん張らなければならなかった葛根刀と違い、麻黄刀は軽々と風を斬り裂いてくれる。
「おっらぁ!」
景が麻黄刀を前へ押すと、思った通り簡単に進む。『インフルエンザ』の病邪は明らかにそれを嫌がって後ろに下がった。
そうして距離を取ったことで、いったんは双方が落ち着いた。
景は油断なく構えつつ、改めて麻黄刀の刀身を眺める。
「これが麻黄刀……なんか威力がありそうな刀だな」
「麻黄湯の力が込められた魔剣よ。熱が高くて節々が痛むような風邪には葛根湯よりも高い効果が期待できるわ」
瑤姫が言っているのは、まさにインフルエンザの特徴だろう。
「つまり、そこにいる『インフルエンザ』の病邪にはよく効くんだな?」
「景がさっき感じた通りよ」
瑤姫の言う通り、葛根刀よりも風を斬る反動がかなり小さくなっていた。確かにインフルエンザに特効があるようだ。
「これなら!」
景は病邪へ向かって全力で駆けた。
逆に病邪は後退りしつつ、景へ向かってまた熱風を放ってくる。
しかしその風はもう簡単に裂けるのだ。障害になどならない。
景と病邪の距離はすぐに縮まり、麻黄刀の間合いに入った。
「これで終わりだ!」
袈裟懸けに麻黄刀を振り下ろす。きらめく刃が肩口から入って胴を進み、腰から抜けた。
一刀両断だ。一つだった病邪の体は見事二つに斬り分かれて倒れた。
(一撃……やっぱり闘薬術は処方が最適かどうかで威力が段違いなんだな)
景は麻黄刀の分厚い刀身を眺めつつ、そのことを再認識した。
それから足元に転がった男へと視線を落とす。すると、その体には二つの変化が見られた。
一つはアメコミヴィランのようだった体格が随分としぼんでいた。元々それなりにガタイの良い方ではあったようだが、非現実的なものではなくなっていた。
そしてもう一つは、真っ二つになったはずの体がくっついていた。先ほど確かに斬ったはずなのに、どこにも斬られた跡は見当たらない。
「か、回復した!?」
焦った景は麻黄刀を再度振り上げたが、瑤姫の落ち着いた声がそれを制止した。
「大丈夫、病邪はちゃんと倒せてるわ」
「だけど……」
「闘薬術で傷つけられるのは基本的に病邪だけなのよ。むしろ人体には薬を使ったのと同じ効果が出るわ。その人も元気になってるはずよ」
「そ、そうか……」
景は色々な意味で安心した。
よく考えてみれば、真っ二つのままなら景は人を殺したことになる。
仮に状況としてそれが仕方ないことだったとしても、その覚悟は簡単にできるものではない。
「真っ二つになったように見えたけど、気のせいだったんだな」
「病邪の本体はちゃんと真っ二つになってたわよ。でも普通の医聖は一撃で両断なんてまずできないわ」
「そんなのか?」
「ええ。この間も思ったけど、景の闘薬術はちょっとありえないような威力が出てるわね。すごい才能よ」
(もう戦わないから才能なんて無くてもいいんだよ!)
景は全身の痛みに顔をしかめながらそう思ったが、不毛な言い争いよりも大事なことを思い出した。
由紀を置いてきたままなのだ。
景は瑤姫に背を向け、急いで山頂の石碑へと向かった。
そして思い切り地面を蹴り、葛根刀の切っ先を病邪に向けて跳び上がった。
その吹き上がるマグマのような速度に病邪は反応すらできない。腹を思い切り突かれ、ゴム人形のように背中が盛り上がった。
そして景はさらに空中で葛根刀を振り上げ、振り下ろす。
「くたばれ!」
脳天に叩きつけられた刀身によって、病邪の体は隕石のように地面へ激突した。
かなり派手なやられ方だが、景はまだ倒し切れていないことを知っている。葛根刀を通してそう感じるのだ。
だから地面に降りるとすぐに踏み込み、畳み掛けようとした。
しかし次の攻撃が決まる前に、病邪は再び熱風を放ってきた。また至近距離だ。
「くっ」
景は慌てて刀の軌跡を捻じ曲げて、病邪の手のひらの前に出した。
ほぼゼロ距離で受けたせいか、熱風は初めに斬り裂いた時よりもずっと強い力で葛根刀を押してくる。
柄を離しかねないほどの圧が指にかかり、靴裏がジリジリと地面を擦った。
足と地面の間には闘薬術の効果で吸い付くような力場が発生しているが、それも耐えられないほどの風圧だった。
(くそっ、このままじゃまたぶっ飛ばされる!なんとか力を横にそらして……)
景はそう試みようと考えたが、実行する前に別の指示がかかった。
「景、そのままもう少し耐えてなさい!そいつを動かさないで!」
瑤姫の声だった。ようやく登って来たようだ。
何につけてイラッとさせられる駄女神だが、今だけはありがたい。
「早くしろ!長くは保たないぞ!」
「分かってるわよ!四診ビーム!」
瑤姫は短く答え、すぐに神術を発動させた。病邪の依代となっている人間の症状、体質を知ることができる神術だ。
景は瑤姫の方へ顔を向ける余裕すらなかったが、以前見たのでどういうことが起こっているかは想像できた。
瑤姫は両手の人差し指と親指で四角を作っていて、そこから光る枠を飛ばしているはずだ。
そして思った通り、その光る枠が景の視界にも映った。病邪の肩口にしっかりと当たり、瑤姫の頭に情報が流れ込む。
「発熱、倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛、喉の痛み、咳、鼻水……やはりインフルエンザね」
ここまでは景も予想していた。刑務所でインフルエンザが流行しているという話だったのだから、依代となった男も当然インフルエンザだろう。
瑤姫はさらに依代の体質等に触れる。
「十分な体力あり、無汗で、心疾患も甲状腺機能亢進症もなし……これは……」
瑤姫はいったん言葉を切り、そして叫んだ。
「麻黄湯証!」
瑤姫の腕が舞うように動き、そこから四つの光の玉が飛んだ。
「麻黄、桂皮、杏仁、甘草!」
生薬の力が込められた光の玉が景の左手首にはまった腕輪に吸い込まれ、さらなる輝きを放つ。
「いでよ!魔剣 麻黄刀!」
瑤姫の声が樹間に響いた直後、景の手の中にあった葛根刀は一瞬にして姿を変えていた。
現れた新たな刀、麻黄刀は葛根刀と比べてかなり分厚くて幅広だった。刀身の外見上はマチェット、もしくは青龍刀に近いだろう。
ただし持ち手は日本刀の柄であり、鍔もある。身幅の広い刀を段平と言うが、あえて分類するならそれが正しいかもしれない。
見た目かなりの重量級ではあるものの、身体強化のおかげか見た目ほどの重さは感じなかった。
「……!?風の威力が弱まった!」
景の指にかかっていた圧が急に軽くなった。踏ん張らなければならなかった葛根刀と違い、麻黄刀は軽々と風を斬り裂いてくれる。
「おっらぁ!」
景が麻黄刀を前へ押すと、思った通り簡単に進む。『インフルエンザ』の病邪は明らかにそれを嫌がって後ろに下がった。
そうして距離を取ったことで、いったんは双方が落ち着いた。
景は油断なく構えつつ、改めて麻黄刀の刀身を眺める。
「これが麻黄刀……なんか威力がありそうな刀だな」
「麻黄湯の力が込められた魔剣よ。熱が高くて節々が痛むような風邪には葛根湯よりも高い効果が期待できるわ」
瑤姫が言っているのは、まさにインフルエンザの特徴だろう。
「つまり、そこにいる『インフルエンザ』の病邪にはよく効くんだな?」
「景がさっき感じた通りよ」
瑤姫の言う通り、葛根刀よりも風を斬る反動がかなり小さくなっていた。確かにインフルエンザに特効があるようだ。
「これなら!」
景は病邪へ向かって全力で駆けた。
逆に病邪は後退りしつつ、景へ向かってまた熱風を放ってくる。
しかしその風はもう簡単に裂けるのだ。障害になどならない。
景と病邪の距離はすぐに縮まり、麻黄刀の間合いに入った。
「これで終わりだ!」
袈裟懸けに麻黄刀を振り下ろす。きらめく刃が肩口から入って胴を進み、腰から抜けた。
一刀両断だ。一つだった病邪の体は見事二つに斬り分かれて倒れた。
(一撃……やっぱり闘薬術は処方が最適かどうかで威力が段違いなんだな)
景は麻黄刀の分厚い刀身を眺めつつ、そのことを再認識した。
それから足元に転がった男へと視線を落とす。すると、その体には二つの変化が見られた。
一つはアメコミヴィランのようだった体格が随分としぼんでいた。元々それなりにガタイの良い方ではあったようだが、非現実的なものではなくなっていた。
そしてもう一つは、真っ二つになったはずの体がくっついていた。先ほど確かに斬ったはずなのに、どこにも斬られた跡は見当たらない。
「か、回復した!?」
焦った景は麻黄刀を再度振り上げたが、瑤姫の落ち着いた声がそれを制止した。
「大丈夫、病邪はちゃんと倒せてるわ」
「だけど……」
「闘薬術で傷つけられるのは基本的に病邪だけなのよ。むしろ人体には薬を使ったのと同じ効果が出るわ。その人も元気になってるはずよ」
「そ、そうか……」
景は色々な意味で安心した。
よく考えてみれば、真っ二つのままなら景は人を殺したことになる。
仮に状況としてそれが仕方ないことだったとしても、その覚悟は簡単にできるものではない。
「真っ二つになったように見えたけど、気のせいだったんだな」
「病邪の本体はちゃんと真っ二つになってたわよ。でも普通の医聖は一撃で両断なんてまずできないわ」
「そんなのか?」
「ええ。この間も思ったけど、景の闘薬術はちょっとありえないような威力が出てるわね。すごい才能よ」
(もう戦わないから才能なんて無くてもいいんだよ!)
景は全身の痛みに顔をしかめながらそう思ったが、不毛な言い争いよりも大事なことを思い出した。
由紀を置いてきたままなのだ。
景は瑤姫に背を向け、急いで山頂の石碑へと向かった。
10
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
敏腕ドクターは孤独な事務員を溺愛で包み込む
華藤りえ
恋愛
塚森病院の事務員をする朱理は、心ない噂で心に傷を負って以来、メガネとマスクで顔を隠し、人目を避けるようにして一人、カルテ庫で書類整理をして過ごしていた。
ところがそんなある日、カルテ庫での昼寝を日課としていることから“眠り姫”と名付けた外科医・神野に眼鏡とマスクを奪われ、強引にキスをされてしまう。
それからも神野は頻繁にカルテ庫に来ては朱理とお茶をしたり、仕事のアドバイスをしてくれたりと関わりを深めだす……。
神野に惹かれることで、過去に受けた心の傷を徐々に忘れはじめていた朱理。
だが二人に思いもかけない事件が起きて――。
※大人ドクターと真面目事務員の恋愛です🌟
※R18シーン有
※全話投稿予約済
※2018.07.01 にLUNA文庫様より出版していた「眠りの森のドクターは堅物魔女を恋に堕とす」の改稿版です。
※現在の版権は華藤りえにあります。
💕💕💕神野視点と結婚式を追加してます💕💕💕
※イラスト:名残みちる(https://x.com/___NAGORI)様
デザイン:まお(https://x.com/MAO034626) 様 にお願いいたしました🌟
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる