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27ドワーフ2

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「……カ、カーバンクルが大発生しおった!!」

 ドヴェルグさんはそう叫んだが、正直なところ私にはいまいちピンとこなかった。

(小さな赤い魔石が宙に浮いているだけで、全然モンスターっぽくないけど……)

 そう思ったが、その印象はすぐに塗り替えられることになる。

 どの魔石からもユラユラとしたオーラのようなものが立ち登り、それが次第に形を得ていったのだ。

 それらは様々な形をしていたが、多くが蛇やドラゴンによく似たシルエットになった。

「これがカーバンクル……」

 綺麗だ。

 私はモンスターを相手に、ついそんなことを考えてしまった。

 ほの暗い坑道に輝く魔石も、生き物の姿を形作る流体も美しい。

 どのカーバンクルもどこか神秘的であり、思わず見惚れてしまうほど綺麗だった。

「来るぞ!!」

 私はドヴェルグさんの叫びで我に返った。

 近くに発生した数体のカーバンクルが飛んでくる。私に向かって来たのは三体だ。

 そのうちの二体をカクさんが爪で引き裂いた。しかし、もう一体には届かない。

 ドラゴンの様な形をしたカーバンクルの口が、私の肩に噛みつこうと大口を開けた。

 その攻撃は、もし私が見惚れたりしなければ盾で防げていたタイミングだっただろう。しかしもう間に合いそうにない。

 私は魔素による身体強化を行いつつ、痛みに備えた。

 が、カーバンクルに噛みつかれたのは私ではなかった。

 ドヴェルグさんが右手で私の肩を引き、左手でカーバンクルの攻撃を受け止めてくれた。

「ドヴェルグさん!!」

 私は尻もちをつきながら叫んだが、ドヴェルグさんはすぐに腕を振ってカーバンクルを剥がした。

 そして宙に舞ったカーバンクルに戦斧を振り下ろす。

 真っ二つにされたカーバンクルは発光するドラゴンのような部分が消え、綺麗な魔石になって地面に落ちた。

「だ、大丈夫ですか!?」

「ワシらドワーフは丈夫にできておる!このくらいどうという事はない!」

 腕から多少の血が流れてはいたが、本当に大したことはないらしい。ドヴェルグさんは噛まれた腕を使って戦斧を縦横無尽に振り回した。

 相当な重さであろう戦斧が、まるで羽根でも生えたかのように飛び回る。

 一閃するごとにカーバンクルたちが断ち斬られていった。

 カーバンクル自体が弱いというわけではないはずだ。その証拠に、外れた尻尾の一撃が地面を大きくえぐっていた。

(ドワーフって、頑丈で力が強いんだ。まるで戦車みたい)

 私はドヴェルグさんを見て、頼もしさと共にそんな感想を持った。

 私のカクさんも負けずに奮闘している。鋭い爪が一振りごとにカーバンクルたちを引き裂いた。

 カーバンクルの本体は魔石だということだったが、発光体の部分を壊すだけでも十分なダメージを与えられるらしい。

 そして一定以上ダメージを受けたカーバンクルはただの魔石へと戻るようだ。

 ただし、ただの魔石とはいっても普通の石とあまり見分けがつかなかった鉱石とは異なり、宝石のようにカラフルで透き通った色になっている。鉱石の魔石がカーバンクルになると、加工後の魔石と同じ状態になるらしい。

 ドヴェルグさんとカクさんの攻撃で、私たちの周りには元カーバンクルの魔石が量産されていく。

 宝石に囲まれているようで綺麗ではあるのだが、戦闘中でもありリッチな気分には浸れない。

 それに何より、敵の数が多いのだ。二、三十匹は倒したと思うが、敵はまだその倍以上いる。

「一体一体は十分相手できるが……この数相手ではジリ貧じゃ。実験はいったん諦めて逃げるぞ!!」

「は、はい!!」

 私たちはカーバンクルを捌きつつ、入り口に向かって走った。

 が、カーバンクルは私たちの意図を察したのか、その多くが入り口前に集まってきて逃げ道を塞いだ。

「な……なんじゃこいつらは!?こんなにまとまった意志を持つカーバンクルなど、普通はおらんぞ!!」

 足を止めざるを得なくなったドヴェルグさんの前に、一際大きいカーバンクルが飛んできた。

 その一体は明らかに他よりも重い威圧感を放っており、魔石の輝きも強かった。姿としてはドラゴンというよりも蛇に似ている。

 白く光る大蛇の額で、菱形の魔石が怪しく光った。

「この個体も普通じゃない……まずいぞ」

 確かに普通の個体ではなさそうだ。

 というか、なぜか私にはこの白蛇の個体が全ての元凶であるように感じられた。そして、それを肯定するような事態が目の前で起こることになる。

 突如として白蛇のカーバンクルの額が眩しいほどに輝き、その直後に部屋中の床、天井、壁から新たなカーバンクルが発生した。

 すでに数十体のカーバンクルに囲まれているのに、それでさらに数十体が追加されたのだ。計百体は超えているだろう。

「これは……ちょっと絶望的な展開になってきておるな……」

 歯噛みするドヴェルグさんに私も同意だった。

 何よりもキツイのは、坑道の崩落を考慮すると大規模な攻撃ができないことだ。小規模な攻撃では数の暴力に抑え込まれてしまう。

 もし大規模攻撃が可能ならスライムたちを暴れさせたり、ガルーダのゴッドバードを使ってもいいかもしれない。

 しかしそれはできないのだ。他の攻撃方法を考えなければならない。

 理想としては、ある程度の威力を範囲限定で、しかも大量かつ同時に出せる攻撃がいい。

 そして、私にはその理想に心当たりがあった。

(本当はあんまり喚びたくないんだけど……)

 この際、背に腹は変えられない。

 私は左手の人差し指と親指で輪を作り、その人の名前を念じた。

 すると一瞬だけ輪が赤い輝きを帯び、直後に召喚が成立した。

「おお。ついに喚んでくれたな、クウよ」

 状況的には明らかにピンチなのだが、ヴラド公は嬉々とした笑みを見せた。ホント嬉しそうだ。

 そして、その姿はドヴェルグさんを大いに安心させた。

「ホッ、串刺し公を喚びおったか!ならもう安心じゃわい。ワシらは横になって昼寝でもしとろうか」

「ああ、そうしていろ!!」

 ヴラド公はざっと周囲を見回すと、地面に向かって手をかざした。その動作でカーバンクルたちの下の地面に血のような染みが広がる。

 そしてヴラド公が腕を振り上げるのと同時に、血の色をした槍が天井へ向かって伸び上がった。

 その血槍にカーバンクルたちは一体残らず貫かれた。

 それからその姿を一瞬揺らめかせた後、ただの魔石となって落ちていく。

 魔石と地面とがぶつかるカラカラという音がいくつも重なった。

 一撃だ。ほんの一撃で百体以上いたカーバンクルたちは全て仕留められた。

 やはり串刺し公の名は伊達ではない。

(やっぱり召喚契約しておいて良かった)

 私はそう思ったものの、もちろん代償のことも忘れてはいない。

 そして、それはヴラド公も同じだった。

「クウよ、契約通り一回目の代償を……」

「た、たくさん魔石をゲットできましたね!綺麗!」

 私は地面に転がった大量の魔石たちに感動したふりをしてしゃがみ込んだ。ヴラド公とはあえて目を合わさない。

 実際のところ、普通ならそうしておかしくない光景が目の前に広がってるし。とても綺麗だと思うのは本心だ。



 しかしそんな私の頭上からジトッとした視線を浴びせられているのを感じる。

「……クウよ」

「あっ!!一体だけまだ生きてるカーバンクルがいますよ!!」

 聞こえない振りをした私は目ざとくそれを見つけ、即座に飛びついた。

 ホント、なんとかして代償をごまかせないだろうか。最後には死ぬし。

 まだ生きているカーバンクルは、例の一際大きな白蛇の個体だった。

 その発光体はすでにきちんとした形を維持できないほどに消耗していたが、この個体だけまだ魔石になりきっていない。

 こいつがカーバンクル大発生の元凶のように思えたが、実際のところはどうなのだろう。

 もしそれができるだけの力があるのなら、強い個体である可能性が高い。

「セルウス・リートゥス」

 呪文とともに私の人差し指が青く光り、魔石へと差し込まれていく。

 隷属魔法を成立させるには私が相手を屈服させないといけないが、私の召喚したヴラド公の攻撃でやっつけたのだ。

 それは即ち、私が屈服させたのと同じだという認識で間違いないらしい。

 カーバンクルの赤い魔石が一瞬だけ青く光り、その表面に蔦のような紋様が浮かび上がった。隷属魔法の完了だ。

 隷属魔法が完了したモンスターは受けていたダメージが完全回復する。

 カーバンクルは再び白蛇のような姿に戻ったが、そこにも蔦状の紋様が浮かんでいた。

「よしっ、隷属完了。君の名前は……バンクルだ!!バンクルには実験のお手伝いをしてもらうからね」

 私はヴラド公に発言のタイミングを与えないようにするために、すぐにドヴェルグさんの方へと向き直った。

「ラッキーなことに実験はできそうですよ。どうしたらいいですか?」

 ドヴェルグさんはヒゲを撫でながら教えてくれた。

「ふむ。では、まず魔石のみの姿になるよう命じてくれ。できるはずじゃ」

 言われた通りに念話でそれを伝えると、バンクルは指示通り菱形の魔石のみの姿になった。

「よし。次にワシの渡した指輪にセットするんじゃ」

「セット……でも指輪よりも魔石の方がかなり大きいんですが」

「指輪に魔素を送り、それから魔石を近づけてみろ」

 言われた通りにすると、指輪のすぐそばに魔石が浮いた状態で固定された。

 指輪を動かすと魔石もついて来る。

「これで準備は完了じゃ。あとはそのカーバンクルの魔石に魔素を込めればいい」

「えっと……こうですか?」

 私がバンクルに意識を集中すると、少し光が強くなったように見えた。魔素を込めることには成功しているのだろう。

「でも……特に何か起こったような感じがしないんですけど……」

 私は自分の体を見下ろし、さらに背中や足の裏までチェックしたが、やはり何も変化は見つけられなかった。

 ドヴェルグさんはまたヒゲを撫でながら尋ねてきた。

「ふむ……見た目の変化ではなく、何かしらの能力の違いなどは感じないか?」

 私は身体強化で体を動かしたり、スライム三匹衆を召喚して動かしてみた。

 が、やはり特段の変化は感じられない。

「やっぱり変わりないみたいです」

「ふむ……残念ながら、ワシの立てていた『仮説.二』が正しかったようじゃな」

「仮説.二?」

「そうじゃ。ワシはこの実験を考えるに当たり、二つの結果を仮定した。その指輪は魔石の属性を装着者に付与するが、召喚状態のカーバンクルは術者の魔素で活動している。だから付与される属性は術者自身のものじゃ」

「『同じ属性だから何も変わらない』、というのが仮説.二ですか。じゃあ、仮説.一はどんなものだったんです?」

「仮説.一は『その者の持つ性質、特殊能力や才能が重ね塗りされて強化される』というものじゃ。しかし、やはり強化はされないということじゃな」

「そうですか……」

 私の特殊能力や才能というと、この異世界に飛ばされた時にあのおじいさんから付与された召喚士としての才能だろうが、それも全く変わった感じがしない。

 結果は結果としてどうしようもないが、要は実験はスカだったわけだ。

 何だか申し訳ない気持ちになった。

 そんな私の肩をドヴェルグさんが優しく叩いた。

「そんなに残念そうな顔をするな。実験というのはこういうネガティブな結果を基にして少しずつ進歩していくものじゃ。それにこの結果は大方予想通りじゃった。性質付与は、普通の魔石を使った場合でもその魔石のポテンシャル以上の能力は付与できん。召喚されたカーバンクルを使っても同じだったということじゃ」

 なるほど。

 普通の強化なら魔素を込めれば込めるほど強くなるが、性質の場合はそうではないということだろう。

 納得している私のもう片方の肩を、今度はヴラド公が叩いた。

「お前たちヒューマンは結果を急ぎ過ぎる。私は短命な種族こそゆったりと生きるべきだと思うぞ。でなければ人生の楽しみなど分からんものだ」

「はぁ……そういうものですか」

「そういうものだ。私のような長命種は否応なくゆったり生きるからな。で、今回の召喚の代償だが……」

 げげっ

 ちゃんと覚えてたか……

 このままスルーできないかと淡い期待を抱いていたのだが、やはり無理らしい。

 私はヴラド公の口から覗く白い牙に目をやった。

 血を吸うための牙なのでもちろん怖いといえば怖いのだが、吸血されるのは凄まじく気持ちいい。

 それを体験してしまっている私の体は無意識に熱を帯びてきた。

 ただし、あまりに気持ちが良すぎて体が壊れそうになるのだ。

 普通の人ならすごく気持ちいい、くらいで済むような快楽も、この異世界に来て発情体質になってしまった私にとっては精神崩壊の恐怖を伴うほどの強過ぎる快楽になる。

(でも……仕方ないよね。約束だから)

 私は自分自身に言い訳するようにそう思い、シャツをずらしてうなじと肩を露出させた。

 体が熱くなり、自分でも肌が紅潮しているのがよく分かる。

 約束だから仕方ない。さぁ、バッチこーい。

「どうぞ……」

「いや、今日血を吸うのはやめておこう」

 え?

 私はちょっぴりの期待があった分、変に肩透かしを食ったような気分になった。

「や、やめるんですか?」

 そうなの?なんだか安心したような、残念なような……

「もちろん全くの無しにするつもりはない。今日はやめておくだけだ」

「じゃあ、いつ……?」

 ヴラド公は私の質問に質問を返した。

「クウよ、先日撃退したワイバーンロードを覚えているか?」

 覚えているっていうか、忘れられるはずがない。

 私が今まで見た中でも、ピカイチに危険なモンスターだった。

「それはもう、もちろん」

「そのワイバーンロードを討伐する遠征隊が組まれることになった。私もその一員だが、クウの名前も挙がっている。その時にクウの上質な血が飲めれば最高の補給に……」

「ちょ、ちょっと待ってください!!」

 寝耳に水な話に、私は慌ててヴラド公の言葉を遮った。

「そんなの聞いてません!!私行く気ありませんし!!」

 私は全力で拒否をした。

 当然だ。あんな怪獣を相手にしていたら命がいくつあっても足りない。

 私がモンスターを相手にすることもある仕事をしているのは、今後起こりうる事態に備えたトレーニングのためだ。

 この異世界に飛ばされるに当たり、お爺さんから『召喚士として世界を救え』と言われている。

 世界を救うのが何をどうする事なのかは一向に分からないままだが、その時に召喚士としての能力が求められる可能性は高いだろう。だから不本意ながら戦っている。

 しかし、あのワイバーンロードの相手は完全に別枠だ。

 獅子は子供を千尋の谷に突き落とすというが、現実でトレーニングのために死ぬかもしれない谷に落ちたりはしないだろう。

 っていうか、ライオンはそんなことしないし。実は子煩悩らしいし。

 ヴラド公ですら先日戦った時にはかなりの深手を負っている。

 首をブンブンと横に振る私へ、ヴラド公はにこやかな笑顔を見せた。

「そうか?しかし評議長のフレイはクウの参加に関し、既定路線のようなことを言ってたぞ?」

 何!?あのイケメンエルフめ……

 人を勝手に死地に送り込まないでほしい。

「そんな、いくら偉い人に言われたって……」

「なんでもサスケというスライムと、ケンタウロスの賢者ケイロンも参加するという話だ。この二人が来るならクウは間違いなく来るだろうという話だったが」

「……え?」

 私がこの異世界に来て一番お世話になっている二人が?

「な、何で二人が?」

「それは分からんが、ワイバーンロードは険しい山の上に住み、多くのモンスターを従えているからな。ワイバーンロードにたどり着くまでに、何かしらの役割があるのかもしれん」

 うーん……

 サスケとケイロンさんの事情は分からないものの、二人が行くなら私も無視するわけにはいかない気がする。

 ヴラド公も的確にそこを突いた指摘をしてきた。

「もちろんクウがいれば二人の危険は相当減るだろうな。ケイロンなど、私と同じく召喚契約を結んでいるというではないか。召喚状態なら死ぬこともない。それに非力なスライムも、クウなら守ってやれるだろう」

 最近のサスケはヴラド公が思っているほど非力ではないが、確かに二人だけを危険な討伐に向かわせるのは気が引けた。

「……まさかですけど、私を引っ張り出すためにフレイさんが悪知恵を働かせたんじゃないですよね?」

「さて。それは分からんが、クウは討伐対象のワイバーンロードとの戦闘経験がある。なんとかして引っ張り出したいと言うのが本音ではあるだろうな」

「……もしかして、ヴラド公も推薦したんじゃないですか?」

 先ほどの妙ににこやかな笑顔が私の心に引っかかっていた。

「さてさて。どうだかな?」

(これ絶対二人が悪巧みしたやつだ!!)

 いっそうにこやかな表情になったヴラド公を見て、私はそう確信した。

(まったく……ヴラド公もフレイさんも!!)

 二人とも権力者であり、世間では色んなことが許されてしまうほどのイケメンだ。

 しかし、だからといって私は許してあげるつもりはない。

(何か腹いせをしないと気がすまないな……)

 私はちょっと考えた末、今晩セルフケアの時に二人の綺麗な顔をめちゃくちゃにしてやろうと心に決めた。


***************


☆元ネタ&雑学コーナー☆

 ここから先は筆者が話の元ネタなどを気の向くままに書き記しているコーナーです。

 本編のストーリーとは関係ないので興味ない方は読み飛ばしてください。


〈ドワーフとドヴェルグ〉

 ドワーフといえば小さい、頑丈、力が強い、エルフと仲が悪い、地下に住む、手先が器用……など種々の定型化されたイメージがあるかと思います。

 そのあまりに多い設定からも推察できますが、単一の起源ではありません。

 神話や多くの民間伝承が元になり、そこからファンタジーの祖『指輪物語』などで描かれたドワーフの設定が現代ファンタジーにおけるドワーフの共通認識になっているようです。

 そして『ドヴェルグ』はその起源の一つとされる、北欧神話に登場する闇の妖精です。

 地下に住み、武器や宝物を作るのが上手いということなので確かにドワーフっぽいですよね。

 でもこのドヴェルグ、太陽の光を浴びると石になるとか、体が弾けて死ぬとか言われています。

 ちょっとそのままだとファンタジー世界の一種族としては使いづらいですね……

 ちなみに民話だと『白雪姫と七人の小人』に登場する『小人』もドワーフです。

 英題だと『Snow White and the Seven Dwarfs』ですし、筆者が子供の頃に見た絵本の中にはちゃんと『白雪姫と七人のドワーフ』という題名になってるものもありました。


〈カーバンクル〉

 割と多くの作品に出てくる幻想生物ですが、その元ネタはかなり曖昧なものです。

 初出は十七世紀の書物にある目撃談で、

『燃える石炭のように輝く鏡を頭にのせた小動物』

とだけ書いてあるそうです。

 つまりどんな形をした生き物なのか、さっぱり分からないんですね。

 しかもカーバンクルといったら『宝石とセット』がほぼ当たり前になってるのに、元ネタでは『鏡』なんですよ。

 どうも後の民間伝承で宝石と結び付けられ、『その宝石を手にすれば富と名声を得られる』という噂で盛り上がったみたいです。

 筆者は名作ダンジョンRPG『魔導物語』に出てくる『カーくん』がミステリアスで好きなのですが、まさか元ネタまで超ミステリアスとは思いませんでした。


〈地下資源〉

 石油、石炭、天然ガスなどの地下資源は当然のことながら有限であり、いつかなくなります。

 ではいつなくなるのでしょうか?

 筆者は父親が石油コンビナートで働いていたこともあり、小学生の頃(二十年以上前)に『石油はあと四十年くらい』という話をよく聞かされていました。

 では二十年以上経った今、あと何年と言われているのか?

 なんとこれが『四十年以上』なのです。

 計算が合いませんが、新しい油田が発見されたり、採掘技術が向上したりで延命を続けられているそうです。

 ただあくまでそれは延命措置であり、やはりいつかはなくなるのです。

 枯渇後の世界に最も寄与するものは、個人的には『科学技術の発展』だと思っています。

 とはいえ『消費者の意識』も無駄ではないでしょう。

 意識高い系とか正直苦手なのですが、できる範囲でできることをするのは悪いことではないと思います。

 ……と書きながら、つい先日ソーラーパネルの営業さんにお断りを伝えたばかりなんですけどね(汗)


***************


お読みいただき、ありがとうございました。
気が向いたらブクマ、評価、レビュー、感想等よろしくお願いします。
それと誤字脱字など指摘してくださる方々、めっちゃ助かってます。m(_ _)m
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