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22マミー2
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「タンブルウィードだ!!」
「タンブルウィード?」
私は聞き慣れない単語を耳にしてオウム返しにした。
「そうです!タンブルウィードは草が枯れてちぎれた後に、玉のようになって転がる植物です。そうやって転がった先に種子を落とすんです」
そういえば西部劇の荒野のシーンでは、よく丸い植物の塊が風でコロコロ転がっている。アレのことか。
「じゃあ、あれは岩じゃなくて植物なんですか?」
「恐らくそうじゃないかと思うんですが……とにかく行ってみましょう」
キノイさんは砂に足を取られながらも急いで駆けた。私もその後を追う。
「タンブルウィードは普通なら草ですが、もし低木が同じようなことになっているとしたら……」
キノイさんは口の中でそうつぶやきながら砂を蹴った。
赤い玉は転がるのでかなりの距離を走らなければならなかったが、だんだんと近づいてくる。
「はぁ、はぁ、はぁ……あっ!確かに植物ですね!」
キノイさんの言っていた通り、赤い低木が丸まった物のようだった。
そしてさらに嬉しいことに、その低木のあちこちが砂漠の強い日差しを反射して赤く輝いているように見えた。
明らかにただの植物の輝きではない。
「あれは……」
私の言葉にキノイさんも目を輝かせてうなずいた。
「ええ、多分あれが誓いの石なんだと思います。きっと他の場所で生きていた木がタンブルウィードになって砂漠に迷い込み、そこで樹液が固まったものが誓いの石なんでしょう」
その説明で、私が砂漠を歩きながら抱えていた疑問が解消された。
この砂漠には普通に樹液が出そうな木など生えていないのだ。
こんな環境でどうやって木が生きているのだろうと思っていたが、要は他所で生きていた木が死んでからこちらに転がって来たわけだ。
誓いの石をぶら下げた木はなおもコロコロと風で離れていく。
私たちは必死にそれを追った。
そしてあと少しで手が届く、というところで、木と私たちとの間の地面が急に盛り上がった。
「……!!クウさん下がって!!」
キノイさんの言葉とほぼ同時に、砂の中なから長くて太い管のようなものが現れた。
「お、おっきいミミズ……!?」
一言で言えば、そういうモンスターだった。
ただ大きいと言っても生半可なサイズではない。砂から出てきた部分だけで五メートルはあるだろうか。太さは私の体よりも太い。
「サンドワームです!かなりの大物ですよ!」
私は即座にスライム三匹衆を召喚した。なんだかんだでこの三匹が一番使いやすい。
それと同時にブロンテスさんからもらった盾を構える。
そこにハメた鑑定杖によって、サンドワームの情報が表示された。
「地中移動A、土魔法B、高温耐性B、低温耐性-B……」
特に目を引いたのはそういう情報だった。
先ほども砂から勢いよく出てきたし、地下を自由に移動できると思って間違いなさそうだ。
キノイさんが私へ警告の声を上げた。
「サンドワームは砂をぶつけてきたり、この巨体で体当たりしてきます!気をつけて……」
そこまで言ったところで、サンドワームはこちらへ向けていた顔をくるりと後ろへ回した。まるで私たちを無視したようだった。
「え?」
疑問の声を上げるキノイさんを尻目に、サンドワームはこちらとは反対側に頭を下ろしていった。
その先には誓いの石の付いた木がある。
「……おい、ちょっと待てくれ!!」
キノイさんはそう叫んだが、モンスターが聞いてくれるはずもない。
サンドワームは木をくわえてから、その頭を地面の中にうずめていった。
砂はひとりでに広がってサンドワームが潜るのを助けている。これが土魔法なのだろう。
「待て!!待つんだ!!」
キノイさんは腕から包帯を伸ばし、サンドワームに巻きつけた。
サンドワームの体はもうほとんどが地面に潜っていたが、すんでのところでそれが止まる。
キノイさんが必死の形相でそれを引き上げようとしていた。
「ぐぐぐ……それを……お前にやるわけには……いかない……」
包帯に全力で魔素を込めながら、絞り出すような声を上げた。
私は自分にできることは何だろうかと考えた。
「ど、どうしましょう!?出てる部分を私が攻撃しましょうか?」
「いえ……もしこの状態で倒したら……誓いの石は地中深くに埋まってしまいます……掘り出すのは難しいでしょう……」
「じゃあ一緒に引っ張ります」
「下手に刺激して……石を置いたまま出てこられても困ります……私が包帯で……傷つけないように引き上げますから……クウさんは出てきたところを攻撃してください……」
「わ、分かりました」
私は言われた通り、その瞬間を集中して待つことにした。
「でも、なんでサンドワームはあの木を欲しがったんでしょうか?」
私の疑問にキノイさんはプルプルと震えながら答えてくれた。
「誓いの石は長い時間……砂漠の日差しを浴びて……その魔素を溜め込んでいるそうです……それがモンスターにとっても……魅力的なのでしょう……」
私は不要な質問をしてしまったことを後悔した。
サンドワームの巨体を引き上げながらめっちゃ踏ん張ってるのに、無駄に喋らせてしまった。
キノイさんは腰から包帯をさらに伸ばして砂に刺した。自分の体を固定してもっとしっかり力をかけるためだろう。
そのおかげかサンドワームの体は少しだけ地面から出てきたのだが、その一方でキノイさんの方にも異変が生じていた。
「えっ!?キノイさん、包帯が……」
私は思わず頬を赤らめた。キノイさんの体を覆っていた包帯がだんだんと短くなってきて、その肌がかなりの部分あらわになっている。
「マミーの包帯は……魔素が枯渇すると……消えてしまいますからね……」
かなり際どい格好になっているのだが、キノイさんはそんなことお構いなしに全力でサンドワームを引き上げようとする。
「ムナイさん……待っててくださいね……僕は必ず……あなたに最高のプロポーズを……」
なんだか素敵なことを言っているのかもしれないが、正直私の頭にはまるで入ってこなかった。
(キノイさん……細マッチョのいい身体してるな。っていうか、乳首がめっちゃ綺麗なピンク!!)
私の頭はそのサーモンピンク一色に染まっていたが、さらに包帯が短くなってくるにつれて別の期待が湧いてきた。
キノイさんの包帯は、すでにほぼ股間だけになっている。
(こ、このままいけば……)
私はゴクリと生唾を飲んだ。
男性のナマのアレがポロリして目に入ってしまう。
「キノイさん……頑張ってください!!」
私は心からキノイさんを応援した。キノイさんが頑張れば頑張るほど、包帯が短くなっていく。
依頼を受ける時にキノイさんは無理しないと約束してくれたが、今はぜひとも無理してほしい。
「はいっ……頑張ります!!」
キノイさんはさらに魔素を込め、包帯はビキニパンツくらいの面積になった。
「おおぉぉお!!ムナイさん!!愛しています!!」
恥ずかしい気合の声とともに、サンドワームは砂の中から一気に引き上げられた。
そして幸いなことに、口の先に木をくわえたまま空に放り投げられる。
それは間違いなく快挙だったはずなのだが、ギリ包帯が残っているのを見た私は思わずため息を漏らした。
「あぁ……あとちょっとだったのに……」
「……えっ!?いや、引き上げましたよ!?攻撃をお願いします!!」
そうだった。残念がってる場合じゃない。
私は急いでブルーに魔素を込めた。そして全力でのアタックを命じる。
「ブルー!!カッチカチにしちゃいなさい!!」
ブルーは全身に冷気をまといながらサンドワームへぶつかった。そしてその部分が瞬時に凍りつく。
サンドワームは砂の上で苦しげにのたうち回ったが、それでも容赦はしない。どう見ても手加減できるような相手ではなかった。
ブルーはさらに他の部位へも立て続けにぶつかり、次々と凍らせていく。
それを繰り返しているうちにサンドワームはぐったりとして動かなくなった。
「やった!!ありがとうございます、クウさん!!」
キノイさんは砂に落ちた木へと駆け寄った。
そしてひときわ大きな雫型の塊を取り、空に透かして美しい赤色を眺める。
その誓いの石は確かに美しかったのだが、ほぼビキニパンツの包帯一丁でたたずむ細マッチョの姿の方が私の心を潤わせた。
(結局見えなかったけど……ちょっと見えない方がドキドキすることって、やっぱりあるんだよね)
私は宇宙の真理を一つ見出していた。
***************
☆元ネタ&雑学コーナー☆
ここから先は筆者が話の元ネタなどを気の向くままに書き記しているコーナーです。
本編のストーリーとは関係ないので興味ない方は読み飛ばしてください。
〈マミー〉
マミーはミイラの別称で、大元はペルシャ語の『蝋』を意味する単語から来ているそうです。
ちなみに英語で書くと『mummy』で、同じマミーでもお母さんを意味する『mammy』とはスペルが異なります。
中国語だと『木乃伊』と書き、発音が『ムーナイイー』って感じになることからキノイとムナイを人名として採用しました。
宗教的な理由から作られることも多かったマミーですが、なんと『薬になる』とされていた時代があったそうです。
それでヨーロッパではミイラを取るための業者まで現れ、日本もわざわざ輸入したんだとか。
大和本草という江戸期のメジャーな文献にもしっかり医薬品として載っています。
うたわれている効果効能は胸痛だったり外傷だったりと一貫性がなく、当然ですがそんな薬効はありません。
科学が十分発達していない時代とはいえ、少しゾッとしてしまいますね。
〈タンブルウィード〉
本編でも書きましたが、西部劇とかでコロコロと転がっている丸いやつです。
作中では樹液という都合上低木にしましたが、実際には草です。
『ウィード(weed)』も『雑草』っていう意味の英単語ですしね。
日本人からすると転がってるだけで『ガンマンとか出てきそう』なイイ雰囲気を醸し出すアイテムですが、現地の人からすると超ウザい厄介ものなんだとか。
考えてもみたら当たり前の話で、こんなん転がってたら交通事故の原因になるし、庭に入ってきたら邪魔だし。
荒野っぽくてイイ!
なんて思っちゃいますけど、実際の荒野は大変だってことですね。
***************
お読みいただき、ありがとうございました。
気が向いたらブクマ、評価、レビュー、感想等よろしくお願いします。
それと誤字脱字など指摘してくださる方々、めっちゃ助かってます。m(_ _)m
「タンブルウィード?」
私は聞き慣れない単語を耳にしてオウム返しにした。
「そうです!タンブルウィードは草が枯れてちぎれた後に、玉のようになって転がる植物です。そうやって転がった先に種子を落とすんです」
そういえば西部劇の荒野のシーンでは、よく丸い植物の塊が風でコロコロ転がっている。アレのことか。
「じゃあ、あれは岩じゃなくて植物なんですか?」
「恐らくそうじゃないかと思うんですが……とにかく行ってみましょう」
キノイさんは砂に足を取られながらも急いで駆けた。私もその後を追う。
「タンブルウィードは普通なら草ですが、もし低木が同じようなことになっているとしたら……」
キノイさんは口の中でそうつぶやきながら砂を蹴った。
赤い玉は転がるのでかなりの距離を走らなければならなかったが、だんだんと近づいてくる。
「はぁ、はぁ、はぁ……あっ!確かに植物ですね!」
キノイさんの言っていた通り、赤い低木が丸まった物のようだった。
そしてさらに嬉しいことに、その低木のあちこちが砂漠の強い日差しを反射して赤く輝いているように見えた。
明らかにただの植物の輝きではない。
「あれは……」
私の言葉にキノイさんも目を輝かせてうなずいた。
「ええ、多分あれが誓いの石なんだと思います。きっと他の場所で生きていた木がタンブルウィードになって砂漠に迷い込み、そこで樹液が固まったものが誓いの石なんでしょう」
その説明で、私が砂漠を歩きながら抱えていた疑問が解消された。
この砂漠には普通に樹液が出そうな木など生えていないのだ。
こんな環境でどうやって木が生きているのだろうと思っていたが、要は他所で生きていた木が死んでからこちらに転がって来たわけだ。
誓いの石をぶら下げた木はなおもコロコロと風で離れていく。
私たちは必死にそれを追った。
そしてあと少しで手が届く、というところで、木と私たちとの間の地面が急に盛り上がった。
「……!!クウさん下がって!!」
キノイさんの言葉とほぼ同時に、砂の中なから長くて太い管のようなものが現れた。
「お、おっきいミミズ……!?」
一言で言えば、そういうモンスターだった。
ただ大きいと言っても生半可なサイズではない。砂から出てきた部分だけで五メートルはあるだろうか。太さは私の体よりも太い。
「サンドワームです!かなりの大物ですよ!」
私は即座にスライム三匹衆を召喚した。なんだかんだでこの三匹が一番使いやすい。
それと同時にブロンテスさんからもらった盾を構える。
そこにハメた鑑定杖によって、サンドワームの情報が表示された。
「地中移動A、土魔法B、高温耐性B、低温耐性-B……」
特に目を引いたのはそういう情報だった。
先ほども砂から勢いよく出てきたし、地下を自由に移動できると思って間違いなさそうだ。
キノイさんが私へ警告の声を上げた。
「サンドワームは砂をぶつけてきたり、この巨体で体当たりしてきます!気をつけて……」
そこまで言ったところで、サンドワームはこちらへ向けていた顔をくるりと後ろへ回した。まるで私たちを無視したようだった。
「え?」
疑問の声を上げるキノイさんを尻目に、サンドワームはこちらとは反対側に頭を下ろしていった。
その先には誓いの石の付いた木がある。
「……おい、ちょっと待てくれ!!」
キノイさんはそう叫んだが、モンスターが聞いてくれるはずもない。
サンドワームは木をくわえてから、その頭を地面の中にうずめていった。
砂はひとりでに広がってサンドワームが潜るのを助けている。これが土魔法なのだろう。
「待て!!待つんだ!!」
キノイさんは腕から包帯を伸ばし、サンドワームに巻きつけた。
サンドワームの体はもうほとんどが地面に潜っていたが、すんでのところでそれが止まる。
キノイさんが必死の形相でそれを引き上げようとしていた。
「ぐぐぐ……それを……お前にやるわけには……いかない……」
包帯に全力で魔素を込めながら、絞り出すような声を上げた。
私は自分にできることは何だろうかと考えた。
「ど、どうしましょう!?出てる部分を私が攻撃しましょうか?」
「いえ……もしこの状態で倒したら……誓いの石は地中深くに埋まってしまいます……掘り出すのは難しいでしょう……」
「じゃあ一緒に引っ張ります」
「下手に刺激して……石を置いたまま出てこられても困ります……私が包帯で……傷つけないように引き上げますから……クウさんは出てきたところを攻撃してください……」
「わ、分かりました」
私は言われた通り、その瞬間を集中して待つことにした。
「でも、なんでサンドワームはあの木を欲しがったんでしょうか?」
私の疑問にキノイさんはプルプルと震えながら答えてくれた。
「誓いの石は長い時間……砂漠の日差しを浴びて……その魔素を溜め込んでいるそうです……それがモンスターにとっても……魅力的なのでしょう……」
私は不要な質問をしてしまったことを後悔した。
サンドワームの巨体を引き上げながらめっちゃ踏ん張ってるのに、無駄に喋らせてしまった。
キノイさんは腰から包帯をさらに伸ばして砂に刺した。自分の体を固定してもっとしっかり力をかけるためだろう。
そのおかげかサンドワームの体は少しだけ地面から出てきたのだが、その一方でキノイさんの方にも異変が生じていた。
「えっ!?キノイさん、包帯が……」
私は思わず頬を赤らめた。キノイさんの体を覆っていた包帯がだんだんと短くなってきて、その肌がかなりの部分あらわになっている。
「マミーの包帯は……魔素が枯渇すると……消えてしまいますからね……」
かなり際どい格好になっているのだが、キノイさんはそんなことお構いなしに全力でサンドワームを引き上げようとする。
「ムナイさん……待っててくださいね……僕は必ず……あなたに最高のプロポーズを……」
なんだか素敵なことを言っているのかもしれないが、正直私の頭にはまるで入ってこなかった。
(キノイさん……細マッチョのいい身体してるな。っていうか、乳首がめっちゃ綺麗なピンク!!)
私の頭はそのサーモンピンク一色に染まっていたが、さらに包帯が短くなってくるにつれて別の期待が湧いてきた。
キノイさんの包帯は、すでにほぼ股間だけになっている。
(こ、このままいけば……)
私はゴクリと生唾を飲んだ。
男性のナマのアレがポロリして目に入ってしまう。
「キノイさん……頑張ってください!!」
私は心からキノイさんを応援した。キノイさんが頑張れば頑張るほど、包帯が短くなっていく。
依頼を受ける時にキノイさんは無理しないと約束してくれたが、今はぜひとも無理してほしい。
「はいっ……頑張ります!!」
キノイさんはさらに魔素を込め、包帯はビキニパンツくらいの面積になった。
「おおぉぉお!!ムナイさん!!愛しています!!」
恥ずかしい気合の声とともに、サンドワームは砂の中から一気に引き上げられた。
そして幸いなことに、口の先に木をくわえたまま空に放り投げられる。
それは間違いなく快挙だったはずなのだが、ギリ包帯が残っているのを見た私は思わずため息を漏らした。
「あぁ……あとちょっとだったのに……」
「……えっ!?いや、引き上げましたよ!?攻撃をお願いします!!」
そうだった。残念がってる場合じゃない。
私は急いでブルーに魔素を込めた。そして全力でのアタックを命じる。
「ブルー!!カッチカチにしちゃいなさい!!」
ブルーは全身に冷気をまといながらサンドワームへぶつかった。そしてその部分が瞬時に凍りつく。
サンドワームは砂の上で苦しげにのたうち回ったが、それでも容赦はしない。どう見ても手加減できるような相手ではなかった。
ブルーはさらに他の部位へも立て続けにぶつかり、次々と凍らせていく。
それを繰り返しているうちにサンドワームはぐったりとして動かなくなった。
「やった!!ありがとうございます、クウさん!!」
キノイさんは砂に落ちた木へと駆け寄った。
そしてひときわ大きな雫型の塊を取り、空に透かして美しい赤色を眺める。
その誓いの石は確かに美しかったのだが、ほぼビキニパンツの包帯一丁でたたずむ細マッチョの姿の方が私の心を潤わせた。
(結局見えなかったけど……ちょっと見えない方がドキドキすることって、やっぱりあるんだよね)
私は宇宙の真理を一つ見出していた。
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☆元ネタ&雑学コーナー☆
ここから先は筆者が話の元ネタなどを気の向くままに書き記しているコーナーです。
本編のストーリーとは関係ないので興味ない方は読み飛ばしてください。
〈マミー〉
マミーはミイラの別称で、大元はペルシャ語の『蝋』を意味する単語から来ているそうです。
ちなみに英語で書くと『mummy』で、同じマミーでもお母さんを意味する『mammy』とはスペルが異なります。
中国語だと『木乃伊』と書き、発音が『ムーナイイー』って感じになることからキノイとムナイを人名として採用しました。
宗教的な理由から作られることも多かったマミーですが、なんと『薬になる』とされていた時代があったそうです。
それでヨーロッパではミイラを取るための業者まで現れ、日本もわざわざ輸入したんだとか。
大和本草という江戸期のメジャーな文献にもしっかり医薬品として載っています。
うたわれている効果効能は胸痛だったり外傷だったりと一貫性がなく、当然ですがそんな薬効はありません。
科学が十分発達していない時代とはいえ、少しゾッとしてしまいますね。
〈タンブルウィード〉
本編でも書きましたが、西部劇とかでコロコロと転がっている丸いやつです。
作中では樹液という都合上低木にしましたが、実際には草です。
『ウィード(weed)』も『雑草』っていう意味の英単語ですしね。
日本人からすると転がってるだけで『ガンマンとか出てきそう』なイイ雰囲気を醸し出すアイテムですが、現地の人からすると超ウザい厄介ものなんだとか。
考えてもみたら当たり前の話で、こんなん転がってたら交通事故の原因になるし、庭に入ってきたら邪魔だし。
荒野っぽくてイイ!
なんて思っちゃいますけど、実際の荒野は大変だってことですね。
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お読みいただき、ありがとうございました。
気が向いたらブクマ、評価、レビュー、感想等よろしくお願いします。
それと誤字脱字など指摘してくださる方々、めっちゃ助かってます。m(_ _)m
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