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第二章【強者と弱者】
2-1 南方道中村
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――――【 数時間後 夕方 南方の道 】
ザッザッザッ……
魔剣士「はぁ~…。色々あったが、ようやく落ち着いたな…」
白姫「よくあれだけの騎兵と、兵士を全部追い払えたね~……」
魔剣士「まぁな、鍛錬のたまものよ」
白姫「ずっと一人で鍛錬をしてきたのに、実践であれほど戦えるものなんだね?」
魔剣士「ん…」
魔剣士「俺は一人で生きるために獣なんかと戦ってたからな」
魔剣士「それより動きの遅い兵士たちなら、相手にならねぇよ」
白姫「ほえ~…。魔剣士ってば、思ったより凄い拾いものになったかも…なんて……」
魔剣士「人をモノ扱いしないでくれますかね」
白姫「えへへっ、ごめんごめんっ」
魔剣士「…」
魔剣士「…って、お前!足……!?」
白姫「うん?」チラッ
白姫「あっ……」
タラッ……
魔剣士「血ィ流してるじゃねえか…!」
魔剣士「どこかでケガしたのか、ちょっと見せてみろっ…」バッ!
白姫「いつの間に傷ついたんだろ…。全然痛くなかったんだけどな?」
魔剣士「逃げるのに必死だったりして気が付かなかったんだ。草かなんかで切ったんだろ…」
白姫「そっか…。全然気づかなかった……」
魔剣士「…ちょっと失礼すっからな」
…ソッ
白姫「うん?」
魔剣士「…ヒール」パァァッ
白姫「んっ…」ピクンッ
シュウウッ……
魔剣士「……よし。この程度の傷なら、俺のヒールで治せるからよかったぜ」フゥ
白姫「血が止まった……!」
魔剣士「深い傷だとさすがに無理だが、簡単な傷なら俺が治せるからな」
白姫「凄いね…。ありがとう、魔剣士」
魔剣士「…つか、お前大丈夫か?」
白姫「うん、傷は痛くないよ?」
魔剣士「違う違う。考えたらずっと歩きっぱなしで、昼飯も抜きで…もう夕方だ。」
魔剣士「お前はただでさえ体力もないはずなのに、疲労もハンパないだろ?」
白姫「…えへへ、それが大丈夫だったりするんだよね~」
白姫「不思議と、風景を見てるだけでどこまでも歩けるんだ」
魔剣士「…それならいいんだが」
白姫「うんっ、心配無用だよっ!」
トコトコ…
白姫「…」
白姫「……っ!」ズキッ!
フラッ…
白姫「って、あれ……」ヨロッ
魔剣士「っ!」バッ!
……ガシッ!!
白姫「あ、あれ……。急に脚に痛みが……」
白姫「っ!」ズキンッ!
魔剣士「…だから言わんこっちゃない。」
白姫「だ、大丈夫だって!まだ歩けるからー……」
ヨロヨロッ……
白姫「…あれっ」
ヘナヘナ…ペタンッ
魔剣士「…」
魔剣士「……だめだな、これは」
白姫「…そんな」
魔剣士「とはいえ、ここで休む暇もなし。兵士が追ってこないとは限らん」
白姫「そ、そうだよね。頑張るよっ!」
魔剣士「……バカ、ほれっ」クルッ
白姫「うん?」
魔剣士「…背負う。乗れ」クイッ
白姫「で、でも…!」
魔剣士「…俺はお前の従者なんだろ。主人に倒れられたら困るんだよ」
白姫「…」
魔剣士「…早くしろって!夜になると魔獣も活発になるからな、次の町を目指さにゃならん!」
白姫「…じゃ、じゃあ」
白姫「遠慮なく……失礼するね」
トコトコ…ポフッ
魔剣士「…うっし」
魔剣士「よいしょっと……」スクッ
白姫「お、重くないかな?」
魔剣士「軽いわ。軽すぎて、何も背負ってねぇみてぇだ」クハハ
白姫「…何それ」
魔剣士「つか、しっかり捕まってろよ。少し荒くても、走り気味にいくぜ?」
白姫「そ、そっか。じゃあ……」
……ギュウッ!!
魔剣士(…うっ)ドキッ
白姫「…これでいいかな?」ギュウウッ
魔剣士(…な、何だこのあったかいの…!)
白姫「…まだ足りない?」
…ギュウウウッ!!!
魔剣士「…」ビクビクッ!
白姫「…魔剣士?」
魔剣士「じ、充分だ…!」
魔剣士「少しだけ弱めてもいいぞ、お前も疲れるだろ……!」
白姫「う、うん…?」
魔剣士「…んじゃ、ちぃと荒いが走るぜ!」
白姫「迷惑かけてゴメンね…」
魔剣士「…気にすることか!」ダッ!
タタタタタタッ…!!
白姫「わっ…!」
…ヒュウウッ…
魔剣士「夕方になると少し冷えても来るな~…」
魔剣士「俺の服に、フードあるから頭にかぶっとけ!」
白姫「う、うんっ」パサッ
魔剣士「っしゃ、ガンガンいくぜー!」
ダダダダッ……!!
白姫「…」
白姫「……」
…ギュッ
魔剣士「いっ…!」ドキッ!
魔剣士「き、急に強く…!ど、どうした…!」
白姫「こうすれば、魔剣士もあったかいかなーって」エヘヘ
魔剣士「…っ!」
白姫「わ、私にこうされるのが嫌だったら…ゴメン」
魔剣士「…ばか、むしろ俺に背負われるのが嫌じゃねえかって思ってるくらいだよ!」
白姫「そ、そんなわけないっ!気になんかしてないよっ!」
魔剣士「そ、そうか…。俺も気にしてないし、なんか…あったけぇとは思うぞ…!」
白姫「じゃ、じゃあ走ってる間はこうしてるからっ!」
魔剣士「…ッ!」
白姫「…」ギュウッ…
ダダダダダッ……!!
魔剣士(や、やばいだろコレ…!)
魔剣士(…早く、早く町の明かりよ見えてくれぇぇっ!)
魔剣士(ぬぅぅおおおっ……!!)
魔剣士(そ、そういやこいつっていくつなんだ……?)
魔剣士(同い年くらいだとは思うが、こんな感覚初めて過ぎてやべぇぇ……!)
タッタッタッタッタッ……!!
………………
………
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 夜 南方道町 】
ガヤガヤ…ワイワイ……!!
タタタタッ…ズザザァッ……!
魔剣士「はぁっ、はぁ……!」
魔剣士「…つ、ついた…!」
魔剣士「良かった…。町が…あったか…………」ハァハァ
白姫「…」
魔剣士「おい、白姫っ。町についたぞ…」
白姫「…」スゥスゥ
魔剣士「…寝てんのかよ!」ゴーン
魔剣士「さすがに疲れた、か……。」
魔剣士「ん~、しかし……」チラッ
ガヤガヤ…!!
町人「…はははっ!」
町人「そうだなぁ、あとで呑みにいくかぁ!」
町人「裏通りにいい店もあったからなぁ~!」
魔剣士(…初めて訪れる町だが、結構でかいし人も多いな)
魔剣士(ここなら宿泊場所もあるだろ……。)
魔剣士(うしっ、それならさっさと宿泊所も探して休憩だな……)キョロキョロ
タッタッタッタッタッ……
……
…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 南方町 宿泊所 】
ガチャッ…
魔剣士「ういっすー」
宿屋の主人「…いらっしゃい」
魔剣士「良かった、宿泊所はやっぱりあったな……」
魔剣士「主人、部屋は空いてるか?」
宿屋の主人「…」
宿屋の主人「…ちょいまち、なんだその恰好」
魔剣士「ん?」
宿屋の主人「…腰に剣を持ってるようだが、冒険者の類にしてはみすぼらしい恰好だな」
魔剣士(盗賊の服だからな……)
宿屋の主人「それに、後ろに背負ってる人はフード深くかぶって…。まさか強盗とかじゃないだろうな」
魔剣士「あっ、いや……」
宿屋の主人「顔見せな。それじゃなけりゃ部屋は案内できんよ」
魔剣士(…まぁ、いいか)
…パサッ
白姫「…」スゥスゥ
宿屋の主人「……女の子?」
魔剣士「二人で冒険っつーか……、まぁそんな感じで。」
魔剣士「途中で疲労で倒れちまって、外は寒いからフードをかぶせてたんだ…すまんな」
宿屋の主人「そういうことだったか、それなら…構わん」
宿屋の主人「部屋は一部屋でいいかい。空いてる部屋の鍵はどこだったかな……」クルッ
カチャカチャ……
魔剣士「一部屋?」
宿屋の主人「ん、二部屋のバラバラにするのかい?」
魔剣士「…」
宿屋の主人「…もしもし?」
魔剣士(俺が姫様と一緒の部屋?)
魔剣士(い、いやさすがにそれは……)
魔剣士(だけど、一人にするわけにもいかねーし……)
宿屋の主人「もしもーし……」
魔剣士「…」
魔剣士「……一部屋で」キリッ
宿屋の主人「ふっ…」ニタッ
宿屋の主人「……はいよ、二人部屋の鍵だ」チャリッ
魔剣士「どーも」
魔剣士「ところで、料金はいくら支払えばいい?」
宿屋の主人「二人なら一晩、5000ゴールドだな」
魔剣士「…これで支払えるか?」スッ
…チャリンッ!!
宿屋の主人「……これは、き、金貨ァっ!?」
魔剣士「ダメか?」
宿屋の主人「…こりゃ、セントラル王国の金貨か」キラッ
魔剣士「生憎、手持ちがそれしかなくてな…」
宿屋の主人「セントラル金貨なら、10万貨幣にはなるが……」
宿屋の主人「ちっとうちじゃ、釣りはでねぇなぁ」
魔剣士「…」チラッ
…チャリチャリッ
魔剣士(…まだ残りは結構ある……)
魔剣士(…)
魔剣士(……あっ)ハッ
魔剣士「……そうだ、それなら」
宿屋の主人「ん、どうした」
魔剣士「…」キョロキョロ
魔剣士「……ちょっと、耳貸してもらっていいか」
宿屋の主人「なんだ」スッ
魔剣士「もしかしてだが、俺らを探している奴が来るかもしれないんだ」
宿屋の主人「おいおい、何かしたのか?」
魔剣士「詳しくは言えないが、この金貨1枚で一晩。代わりにだれが来ても黙っていてくれないか」
宿屋の主人「…あんたらの秘密を、10万で守れってか」
魔剣士「そういうことになるな」
宿屋の主人「ふむ…」
白姫「…」スヤスヤ
魔剣士(…一晩くらい、何も考えないで休ませてやりてぇと思うしな)
魔剣士(たかが1枚の金貨くらいで休まるなら、頼みたいが…)
宿屋の主人「…」
宿屋の主人「…そのあんたらを探してる奴ら、厄介な相手じゃないだろうな」
魔剣士「…えっ」ドキッ
宿屋の主人「どうなんだ。もし厄介な相手なら、他の客の迷惑になる可能性がある以上、泊めるわけにはー……」
……ガチャッ!!!
???「失礼する!」
魔剣士「!」
宿屋の主人「!」
ドタドタッ…!!
セントラル兵士A「…少し、この宿に話がある!」
セントラル兵士B「すぐ済む話故、話を聞いてもらうぞ!」
魔剣士「いっ…!?」
セントラル兵士A「むっ…?」
魔剣士「…っ!」ササッ
セントラル兵士A「…」
セントラル兵士A「……まぁいい、宿屋の主人ッ!」
宿屋の主人「は、はいっ?」
セントラル兵士A「…これを見ろっ!」
……バンッ!!!ペラッ
宿屋の主人「こ、この紙は…?」
セントラル兵士A「我々はセントラル王国の兵士だ!」
セントラル兵士A「今、我々の王国で白姫様が誘拐され、その誘拐した男の行方を追っている!」
宿屋の主人「セントラル王国の姫様が、誘拐っ!?」
セントラル兵士A「城内に忍び込み、金貨を盗んだうえ、姫様をも奪い逃げたのだ!」
セントラル兵士A「既に仲間の一人は牢へ閉じ込めたが、もう1人の賊と姫様の行方がつかめておらんっ!」
魔剣士(お、おい……)
魔剣士(金貨盗んだのは俺じゃねえし、仲間の一人で…あのクソ盗人のことか!?)
魔剣士(あのあと、兵士に捕まったのか…!つか、俺を仲間にしやがったなぁぁぁっ…!!!)
宿屋の主人「は、ははぁ……。王国へケンカを売ったようなもんですなぁ……」
セントラル兵士A「…その賊の名は魔剣士ッ!」
セントラル兵士A「現在分かっている情報は、ヤツはセントラル王国の金貨を持っているということだけ…」
セントラル兵士A「恐らく、姫様も一緒に行動しているかもしれぬが……」
宿屋の主人「…っ!?」ハッ!
魔剣士「…ッ!」
宿屋の主人(まさか…あいつ……!)
魔剣士(た、頼むっ!知らないふりをしてくれ、頼むっ!!)ブンブンッ
宿屋の主人(おまっ、そういうことかよ!めちゃくちゃ厄介じゃねえか!!)
魔剣士(…き、金貨2枚にする!)キラッ
宿屋の主人(割に合わねぇよっ!)ブンブンッ
魔剣士「…ッ!」
魔剣士(さ、3枚だぁぁっ!30万の価値がある、これで頼むっ!!)ギラッ!!
宿屋の主人(ん、んーむ…!)
セントラル兵士A「…聞いているのか、主人ッ!!」
宿屋の主人「えっ、あっ…!」
セントラル兵士A「むぅ…、さっきからどこを見ているのだ……」クルッ
宿屋の主人「あっ…」
魔剣士「…っ!」
セントラル兵士A「先ほどから、この宿へ並んでいたヤツか。」
セントラル兵士A「…」
セントラル兵士A「……なるほど」ギロッ
魔剣士(ば、バレたっ!?)
セントラル兵士A「…これは失礼した。」
セントラル兵士A「早く終わる話と言っておいて、客を待たせていて気になったのだな」
魔剣士(えっ)
セントラル兵士A「…客人」
セントラル兵士A「すまなかったな、我々の話はこれで終わらせておく。」
セントラル兵士A「客人も聞いた通り、怪しい奴がいたら我々に知らせてくれ」
セントラル兵士A「ではなっ」クルッ
セントラル兵士B「…失礼する」
トコトコトコ…ガチャッ、バタンッ!!!
魔剣士「…」
魔剣士「…っ!」
魔剣士「……た、助かったぁああ…!」ハァッ!
トコトコトコ…グイッ!!
魔剣士「ぐあっ!?」
宿屋の主人「…お、お前、冗談じゃねぇぞ!」
魔剣士「うっ…!」
宿屋の主人「まさかとは思うが、後ろに背負ってるその女の子は…!」
魔剣士「…セントラル王国の王様の娘、白姫サンだよ」
宿屋の主人「…ッ!」
魔剣士「…バレちまったか。くっそ、余計なこと言うんじゃなかったな」ハァ
宿屋の主人「…今の話、本当なのか。お前、金貨と姫様を誘拐って」
魔剣士「金貨は少し違うが、まぁ大体合ってるよ…」
宿屋の主人「おいおい……」
魔剣士「…通報するか?」
宿屋の主人「…」
魔剣士「…」
宿屋の主人「…」
魔剣士「…」
…モゾッ
白姫「あっ…」パチッ
魔剣士「ん…」
白姫「あっ、魔剣士っ……!」
魔剣士「め、目ぇ覚めたか…」
白姫「うんっ…。ここは…?」
魔剣士「…あんまよろしくない状況だが、一応宿屋だ」
白姫「…町についたんだっ!」
魔剣士「ま、まぁ…」
白姫「ずっと背負ってくれて、ありがとうっ。」エヘヘ
白姫「だいぶ楽になったよ、もう大丈夫♪」
魔剣士「…そ、そうか」
魔剣士「だけど、もうちょっと背負われててくれ。ちょっとよろしくない状況っつったろ?」
白姫「そ、そうなの?」
宿屋の主人「…」
魔剣士「…本当は休ませてやりたいんだが、ちょっと…な。まだしっかり背中でつかまっててくれ」
白姫「わ、わかった!」ギュッ!
魔剣士「っ…」
宿屋の主人「…」
宿屋の主人「……なんだ、誘拐された割に随分と仲がいいな」
魔剣士「…ワケありでこうなったって、さっき言っただろ」
宿屋の主人「ふむ…」
宿屋の主人「…」
宿屋の主人「…なら、金貨1枚よこせ。それで話を聞いてやる」
魔剣士「え…?」
宿屋の主人「その姫様が、アンタと仲良いのがちょっと気になったんだよ」
宿屋の主人「だが、俺も商売だ。」
宿屋の主人「金貨1枚で、こうなった理由を聞いてやる。」
宿屋の主人「もしそれで納得したなら、今晩、アンタらを秘密にして泊めてやろう」
魔剣士「…納得しなければ?」
宿屋の主人「…わかってるだろ?」
魔剣士「…」
魔剣士「……わかった。」
…………
……
…
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