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3通 #気持ち良さには敵わない件
しおりを挟む「ん……っん…ん…はぁっ…ちょっ…どこに手入れっ……ぁあっ」
素肌に触れ、胸元まで手が這う。胸の先端を指先で弾かれ、思わず変な声が出てしまい、恥ずかしくて口元を手で押さえる。
「もっと声聴かせて?」
耳元で囁く甘い声に鼓動が早くなる。
「やめっ…あっ…んっはぁ…キスだけじゃ…ぁっ……んっ……」
突起を擦られ、出そうになる声を押し殺す。中学生の男相手に、感じる自分が恥ずかしい。
ズボンのボタンが外された。下も触る気?! ボタンの外れたズボンの中に南の手が忍んでくる。
「何して!!! やめて!!! 俺男だよ?!」
「でも海里くん、その男の中学生相手に顔赤くして感じてるよ? 本当にやめちゃうの?」
下着の上からそっと幹が撫でられ、肩がビクッと震える。こんなこと、誰にもされたことないのに!!
「やめてっんっお願っあっ…んっはぁっ」
「どんどんここは大きくなってるよー」
下着の中に手が入り、自身が南の手に包まれた。
「硬くておっきぃ~~」
「やめて……ほんとお願い……やめて……」
「ねぇ気づいてる? 蜜でぐちゅぐちゅだよ」
「えっ?! あっやめっんっ…はぁっ…んっ…」
ねちゃにちゃ。
下着の中で手が上下に動く。蜜が先端から溢れ出ているせいで、いやらしい水音が部屋に響く。擦りあげられる手に、声が我慢できず、気持ち良さで漏れ出てしまう。
「はぁっ…やっ……んっ…ぁあっ……」
「もっと気持ち良くなってみない?」
はーー?
下着が脱がされ、脚が割開かれた。自分の中へめり込む指先に感じたことがない快感が全身を包み込む。
やめてと言っておきながら、身体はその先にある快楽を望む。もう、どうしていいか、分からないくらい、頭が気持ちよさでぼーっとしてくる。
指先が抜かれ、別の何かが宛てがわれた。
あぁ、俺はこのまま南と関係を持ってしまうのか?
ぐちゅ。
「んぁああっっ」
でも、どうしようもないくらい、感じる初めての気持ち良さに、南に自分の全てを委ねてしまった。
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目が覚め、慌てて上半身を起こす。隣を見ると南が寝息を立てて気持ちよさそうに寝ていた。
「あ……あ…ぁああぁあぁあぁあ!!!!」
つい、気持ち良くてヤッてしまった!!! なんてこと!!! どうしよう!!! こんなよく分からない中学生と!!! こんなのお互いダメだ!!! もうなかったことにしよう!!!
「み、南ちゃん、起きて!!!」
寝ている南の体を揺すり起こす。
「うぅん……え? ちょっ!! 何? やめて? わぁっ」
目を擦る南を引きずり、玄関の外へ連れて行く。
「帰って!!! もう会わない!!! ごめん!!! 全て忘れて!!!」
「はぁ?! 会わないってーー」
バタン。
ドアを閉め、鍵をかける。玄関扉に背をつけ、ずりずりと、その場へしゃがみ込んだ。顔が熱い。心臓がずっとバクバクしている。
これでいい、これでいいんだ。自分に言い聞かせる。
身体から少しだけ香る、南ちゃんの甘い匂い。耳に残る『海里くん』と呼ぶ声。脳裏に浮かぶのは気持ち良かったあの瞬間。色っぽく迫る南ちゃん。
目に焼きついて忘れられない。
思い出せば思い出すほど、恥ずかしさで顔が赤く染まる。
いつもの日常に戻れば、このうるさい心臓も、熱い身体も、頭から離れない南ちゃんの笑顔も、全てが忘れられるはず。
でも、日常生活を送っても、この感情は何ひとつ変わらなくて。
ご飯を食べても、掃除をしても、風呂へ入っても、スマホを触っても、頭の中は南、南、南、南、南、南。
少しの間だったけど、一緒に過ごした時間は楽しかった。
どうしようもないくらい、南のことしか考えられない。
気づけばいつも南を想う。
バカだなぁ。あんな別れ方して。
どうしよう。
忘れることなんて、出来ないよ。
何をしても心、ここにあらず。
南ちゃんのことを考えると、自分の世界が少しだけ、色づく。
もう一度、南ちゃんに会いたい。
今日はまだ一度も開いていない、DMを開いた。
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