5DAYS私はあなたを落としたい!

霜月@サブタイ改稿中

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 白濱女子高等学校2年、夜山芽衣よやまめい。私には好きな人がいる。この学校にいる人気ナンバーワンイケメン教師、朝霞あさか先生だ。


 整った目鼻立ち、丸メガネ、二重瞼、色白!! 全てが尊い!! 今日も朝霞先生に会うためだけに学校へ来ているようなもの!!!


「早く朝霞先生来ないかなぁ~~」
「朝霞先生より昼仲ひるなか先生派」
「昼仲先生チャラいもん」


 窓から外を眺め、朝霞先生が学校へ来るのを待つ。昼仲先生ね~~。朝霞先生に並ぶ、人気イケメン教師だ。この2人の先生以外は眼中にない。


 だってイケメンじゃないし。


「イケメンこそ眼福!!!! イケメンの彼氏欲しい!!! 何故この学校には女子しか居ない?!」
「女子校ですから」


 友達の結菜ゆいなが腐冊子を片手に冷めた目で私を見てくる。自分だってイケメン同士の腐を見てるくせに、そんな目で私を見るな。


「ぁああぁあぁあ!!!! 朝霞先生だ!!! はぁはぁ…やばい!!! 今日もイケメン過ぎる!!! やばみ!!! 尊っ!!!」


 窓から乗り出し、朝霞先生に向かって手を振る。私に気づいてくれ!!! 手を振るライバルは多い。もはやアイドル。私も負けずに手を振りまくる。


「はぁはぁはぁ……手…振り返してくれたぁ~~いやはや、もうこれは両思い!!!」
「いやいや、芽衣に振ったとは限らんて。アホだな」


 朝霞先生にもっとお近づきになりたい。デートとかしたい。むしろ付き合ってみたい。出来るのかな? いや、出来る!!! やれば、出来る!!!(※根性論)


「結菜!!! 私、朝霞先生と付き合う」
「何言ってんの。無理だろ。ついに頭沸いたか」


 カーテンに包まりながら、朝霞先生が校内へ入っていく様子をじぃっと眺める。カーテンから顔だけ出し、腐冊子を読む結菜を見つめた。

 
「無理じゃないもん。だって毎日、手振り返してくれるし」
「相手は先生だよ? 無理だって」
「無理じゃないもん!!! 見てろ結菜!!! 私は金曜までに朝霞先生を落とす!!!」


 カーテンから離れ、結菜の目の前に行き、ドンと、机を叩く。これは宣誓だ。結菜と自分への誓い。絶対に朝霞先生と付き合ってみせる!!!!


「燃えてきたぁああぁあぁあ!!!」
「まぁ、頑張れ。応援してる」


 私の朝霞先生への戦いが始まった。


 * * *


 この戦いは私が有利!!! 何故なら朝霞先生はうちのクラスの担任だ。これは勝機がある。毎日会えるし、確実に朝霞先生は、私のことを知っている。既にライバルより一歩リードしてる状態だ。


 着席のチャイムが鳴り、席に着く。教壇に立つ朝霞先生も麗しい。目の保養。ご馳走さまです。


 朝霞先生に私の存在をアピールしなければならない。朝の時間のアピールといえば、出席確認!!! 大きな声で可愛く言うべし!!!


 先生に苗字を呼ばれ、ライバルたちが可愛く返事をしていく。負けない!!


「矢野」
「はぁい」


 次は私の番!!!


「夜山」
「はぁあぁあぁああい!!!!」
「……いつになく元気ですね」


 はわわわわわわわ!!!!


 唇に人差し指を当て、クスッと笑う朝霞先生にきゅん。でもなんか笑われた?! これはアピール成功?! 一応お話は出来た!!!


「暑いので水分はきちんと摂って過ごしましょう。ホームルームを終わります」


 2人でお話ししたいなぁ。机に頬杖をつき、教室を出ていく朝霞先生を見つめる。視線に気付いたのか、先生は立ち止まり、私を見て笑みを浮かべた。


「次は移動教室でしょう? 遅れますよ」
「えっ?!」


 急に声をかけられて、頬が赤く染まる。担任の先生とは言え、個人的に声をかけられることは今まで殆どなかった。突然のことで鼓動が早くなる。


 こっこれは……出席確認アピ効果?!


 自分の中で少しだけ、朝霞先生との関係に期待が高まった。





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