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60話(2)#声を堪える貴方から声を出させたいです?!布団の中はいやらしい?!
しおりを挟むくちゅ。
「……ここ?」
「んっ……んん…ふ……んっ……」
手のひらで優しく幹を包み込む。指の腹で先端を撫でながら睦月の耳元で囁いた。身体をビクビクと震わせ、籠った鳴き声をあげる睦月が可愛くて、いじわるしたくなる。
「……そんなにビクビクして、溜まってるの?」
「っっ……ん……~~っん……ん」
布団をギュッと掴み、声を堪えている。口は塞いでるけど、声を出して欲しい。なんて、ひどいかな? ゆっくりと手で幹を擦ると、睦月の肩が小さく上がった。垂れ下がった瞳で一生懸命私を見つめる睦月がたまらなく可愛い。
分けられた前髪の隙間から額に口付けする。
ちゅ。
「睦月さん、聞こえる? すごくねちゃねちゃするよ」
「んっ……ん…ん……んんっ…ぁ…ん…」
先端から溢れる蜜が手を滑らせ、ねちゃにちゃといやらしい水音を立てる。睦月の幹が硬く張り詰めてきているのを手のひらで感じた。言葉での責めがいがある。
「んん……っん……ん~~……んっはぁ……」
「口元、緩んでるよ」
気持ち良さで緩む睦月の口元にキスする。ちゅ。その咥えている布団の端が外れるぐらい気持ちよくさせたい。もっと鳴かせたくて、擦りあげる手を早めた。
「んん…ん~~っっあっ…はぁっ…あっ…」
「し~~っ」
咥えていた布団の端が外れ、手のひらで睦月の口元を押さえる。口を塞がれ、睦月の頬が染まった。こんなことされて、感じちゃう睦月さんはえっちだ。睦月さんがどんどんえっちになっている気がする。これは私のせい?
手を前から後ろに移動させ、割れ目に沿って尻を撫でた。
「~~っ…如月っ…あのっ……後ろはちょっと……声が……」
「我慢して、睦月さん」
「これ、我慢プレイとかじゃな……んっぁ……」
「睦月さん反対向いて」
「え? あっやめっ…はぁ……んっ……」
睦月を後ろから抱きしめ、片手で口を塞ぎ、二本の指先を窄みに飲み込ませていく。指先を押し込むたびに、とろんとした表情をみせる睦月に情欲が掻き立てられ、身体の中が熱くなる。
「そんな顔されると挿れたくなっちゃうなぁ」
「今日はだめ……みんないる……」
「本当にだめって思ってる?」
肩に顎を乗せ、睦月の顔を覗き込む。恥ずかしそうに俯き、垂れ下がった大きな瞳を私から逸らす。はぁ、可愛い。肉壁を辿り、感じる部分を突いた。
ぐちゅ。
「ちょっあっ…んっ……はぁ…あっ……んっ……」
「そんな声出したら旭さんに聞こえちゃうかも」
「ねっ寝てるでしょっ…あっ…ん~~っきさらぎっ……おれ……やっ…イきそ……んっ……はぁ…っ…」
指先がキュッと甘く締め付けられる。睦月さんの限界を知らせる締め付けだ。イッたら、このいちゃいちゃはお終いで、睦月さんが寝てしまう……そう思うと寂しい。寝に来たはずなのに、寝ることが惜しい。
熱く湿った内部に強請られるまま、指先で突き続けた。
くちゅふちゅ。
「はあっ…んっ…あっ…ぁあっ…やっだめぇっあっんぁっ…」
「『だめ』じゃなくてきもちいいって言って?」
「~~~~っっ」
そっと、睦月の耳朶に触れる。お揃いのピアスがきらりと黒光りした。口内に唾液を含み、舌先で耳の中を音を立てながら擽る。睦月がびくんと首をすぼめた。ふふ、可愛い。相変わらず、睦月さんは耳が弱い。
「ひあっ…んっ…耳はだめだってばぁっ……」
「こっちなら良いのかな?」
「ちょっ何してっだめだってば…んあっ…やっんっ」
「睦月さん静かに」
布団の中で睦月の下着を下ろし、自身を窄みに沈める。あたたかく、濡れていて、粘着性のある内部は気持ちがいい。押しては戻しを繰り返し、気持ち良さを分かち合う。
「はぁっ…あっ…んっだめっ…きさらぎっ抜いてっ」
「折角挿れたのに?」
「う~~っちょっとだけ!!」
そうやって許してしまう睦月さんに、思わずクスッと笑ってしまう。気持ちいいこと大好きなんだから。お互いの脈動をダイレクトに感じながら、ゆっくりと奥を抉る。
ずちゅ。ぬちゅ。
「はぁあっ……あっ…はぁ…んっ…あっ…ぁあっ…んっ…きもちい……」
「……はぁ……締まるよ、睦月さん……」
腰を擦りつけると、緩やかで優しい快楽が身体の中に広がった。オーガニズムにいかなくても、これはこれで幸せ。幸福で笑みが溢れる。
「如月、笑ってる?」
「ん~~? ふふ」
横になった睦月の背中を抱きしめる。もう、布団が暑いくらいだ。睦月の背中からも熱が伝わる。緩く奥を探り、もどかしい快感に身体も脳も溶かされていく。
もう少しだけ、もう少しだけ、奥へ。私を締め付ける甘い誘惑に飲み込まれ、穏やかに深く穿つ。
くちゅぬちゅ。ずちゅっ。
「あっ…はあ……やっ…きさらっ…だめっあっ…はぁっ…んあっ…ああっっ……」
「ん?」
違和感。少し身体を起こし、睦月の顔を見ると、真っ赤に染まっていた。手で睦月の幹に触れる。ねちゃ。出ちゃったんだ。このタイミングで? 可愛いなぁ、もう。耳元で小さな声で話しかける。
「……妹も旭さんも居るのに出ちゃったの? 睦月さんはえっちだねぇ」
「~~~~っ」
ゆっくり幹を引き抜くと、睦月が私の方へ寝返りを打ち、頬を膨らませながら、私の胸元を拳で叩いた。
「なんですかぁ~~」
「もぉっ!!! 如月のせいで布団の中が大変なことになってるんだけどぉ!!!」
「知りませんよ~~自分のでしょ~~」
ぎゅう。
湿っぽい布団の中で、睦月を抱きしめる。ゆっくりと瞼を閉じた。この腕の中に睦月さんが収まっているだけで、幸せ。
貴方のそばに居られることがこんなにも幸せなことだったなんて知らなかった。今ある幸せを噛み締めるように、腕に力を入れる。
「如月くるしい」
「もう少しだけ」
薄目を開けると睦月が私を見つめていた。私の顔に掛かった髪を睦月が指先で退けていく。開けた瞼をもう一度閉じると、唇が触れ合った。
ちゅ。
「おやすみ、如月」
「おやすみ、睦月さん」
抱きしめあいながら、ぼんやりと明日のことを考える。良くないことをしているのは分かっている。
でも、睦月さんが愛しくて仕方がない。
睦月の頭に頬を擦る。夢と現実の境界が分からなくなりながら、柔らかな眠りに落ちていった。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
*
朝、目覚めると、やっぱり隣には如月が居なくて。旭が身体を起こした俺の肩を叩いた。
「ごちそうさまでした」
「え? どういう意味……」
「…………」
「なんで黙るの?!?!」
「むしろ就寝中にあんなことしておいて、起きないと思った? あの状況で爆睡してた卯月を尊敬するよ!!!」
「!!!!」
聞かれてた?!?! 如月は気づいてたの?!?! なんで教えてくれないの?!?! 恥ずかしさで頬が染まる。
「むっちゃんって、えっちの時は声高いんだね」
「言うなぁあぁああ!!!!」かぁあ。
「なんで? 可愛かったよ? 『だめぇっぁあっ』とか燃えたわぁ。まぁしばらく困らないな、色々」
「何に?!?! やめて?!?!」
けらけらと笑う旭を横目で見つつ、枕元にあるスマホに手を伸ばす。通知、1件。如月。
メール画面を開き、内容を確認する。平仮名で『あいしてる』とだけ書かれていた。
この時は如月らしいとは思ったけど、如月に会えたのはこの夜が最後で、このメール以降、如月とは連絡がつかなくなったーー。
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