如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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59話(2)備えあれば憂いなし?!えっちな下着で如月を誘惑して落とします?!

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「あ、そうだ。お兄ちゃん、如月から荷物届いてたよ」
「荷物?」


 卯月から小さな段ボールを受け取る。確かに如月から届いている。こんなことがあると、なんだかこういう荷物も警戒してしまう。


 よっぽど寒かったのか、冷えた身体を暖めるように卯月がこたつに入り込んで、うとうとしていた。泣いて少し疲れたのかもしれない。落書きを見た卯月のショックは大きかったと思うと怒りが湧く。


 それにしても、如月から荷物なんて、なんだろう? ガムテープを剥がし、ダンボールの中を確認する。


 あは~~ん。(※大人のおもちゃとえっちな下着)


「ぉお……えっちだぁ……」


 これは100%如月からに間違いない!!! お、俺にこれ使って1人でシろってこと?!?! この下着はホテルで一緒に見てたやつ?!?! 


 手に持って広げてみる。


 ぺろーん。いや~~ん。


 後ろ丸あき。こ、こんなのすぐ挿れられちゃう!!! しかも横紐っ!!! なにこれ!!! 両サイドでりぼん結びするの?!?! そんなのすぐ脱がされちゃう!!! なんでまた黒なの?!?! なんかレースだし、透けてるし、えっちすぎる!!!


「ぁああ……やだぁ……こんなの……恥ずかしくて外干せないよぉ……」


 そういえば如月からメールが来てた気がする!!! ポケットからスマホを取り出し、メールの画面を開いた。


 【ハッピーバースデー睦月さん。1日早い誕生日プレゼントだよ。今日はその下着付けて寝てね】


 なんで? いや……なんで??? 誕生日プレゼントに、これ贈るか? 今日俺はこれを穿いて寝るの?!?! 意味もなく?!?!


「むーー」


 えっちな下着を両手で持ち、じぃっと見つめる。これ着けたら、如月は俺を見て興奮するのかな。どきどき。し、試着は必要だな!!! おけ!!! 今日はこれを穿こう!!! そして万が一に備えて俺は洗浄する!!!!(?)


 ポケットに下着を突っ込み、夕飯の準備に取り掛かった。


 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー
 *


 澪がやっと寝た。ベッドから身体を起こし、リビングへ向かう。チャンスは今しかない。早々と出掛ける準備を済ませ、物音を立てないように玄関を出た。


「久しぶりに外に出た気がする……」


 日中は執筆と家事に追われ、外へ息抜きに出る余裕がない。出たいと言っても、きっと、澪の機嫌を損ねるだけだろう。


 私が今、佐野家に向かっているなんてバレたら、酷い目に遭うことが想像できる。


 30分程歩き、久しぶりに着いた睦月さんの家。腕時計で時間を確認する。もう0時を回っている。卯月さんはもう寝たかな。鍵を差し込もうと、扉に視線を送る。なんだろう。薄汚れている。


 スマホのライトで扉を照らすと、消された暴言が薄ら見えた。仕事から帰ってきた澪の手は汚れていた。デスクワークなのに。澪の手の汚れの色と落書きの色が同じだ。


 睦月さんに嫌がらせしているのは澪。自分の中で確信する。


「あぁ……」


 一生懸命消した後のある扉を指先で撫でる。早くやめさせないと。睦月さんに何かあってからじゃ遅い。でもどうやって? 言い逃れ出来ないように悪戯している時に捕まえる?


 1人では出来ない。誰かの協力がいる!!!


「家に帰ってから考えよう。今は睦月さんに会わなきゃ……」


 静かに鍵を差し込み、家の中へ入った。電気は全て消され、真っ暗でよく見えない。家具の配置も、匂いも、何も変わっていない。1週間ほどしか離れていないのに、懐かしく思えた。


 暗闇の中を歩き、和室の襖をそうっと開ける。私の布団で寝る睦月の姿が目に入った。睦月のそばに寄り、寝顔を見つめる。唇の端から涎を垂らしながら気持ち良さそうに寝ている。


 起こすのは少しばかり心苦しいが、起こす!!!! 睦月の頬をぺちぺちと手のひらで叩いた。


 *


 誰かが俺を呼ぶ声がする。でも如月の布団が心地よくて、瞼が開けられない。それに、ここに如月がいる訳がないしね。


「ーーさん」
「ん……」
「ーー月さぁ~~ん」
「ん~~……」
「睦月さぁああん!!!!」
「あぁああ!!!! なにもぉ!!!!」


 ごちん。


 勢いよく起き上がると誰かと額がぶつかった。いったぁ……。額を片手で押さえながら、前を見る。暗闇の中で感じる、懐かしい人影。そっと手を伸ばし、相手の頬に触れた。


 指先から伝わるさらりとした髪。暗闇に慣れてきた目で見えた如月の姿に泣きそうになる。これが誕生日プレゼント……?


「如月……会いに来てくれたの? 夢じゃない?」
「夢じゃないよ ほら」


 ぎゅっと抱きしめられ、涙の雫が落ちた。夢でも、偽物でもなく、如月だ。如月の背中に腕を回し、きつめに抱きつくと如月がバランスを崩し、床に倒れた。如月の暖かい手が俺の頭を撫でる。


「如月ぃ~~会いたかったぁ……」
「25歳、お誕生日、おめでとう。睦月さん」
「きさらぎぃ……」
「愛してます、ずっと……。プレゼントなくてごめんね」
「ふぇ……もうもらったから要らないよ。ねぇ、だ、大丈夫なの? うちに来て……?」
「ん~~大丈夫ではないと思います、ふふ……」


 目線を逸らし、怪しげに笑う如月が少し心配になる。これは絶対、大丈夫じゃないやつ。でも、全て覚悟の上で俺に会いに来ていると思うと、嬉しかった。


 如月の匂い……。


 抱きしめられ、微かに感じる如月の下半身。どきどきどき。如月が居なくなってから、キスもハグもしていなかったし、なんなら、性欲が湧かず、1人でもシてなかった。


 今すごくむらむらする!!!!!


 だがしかし!!!! 今日の俺は如月を誘惑出来る下着を装備している!!! そして洗浄済み!!!! ふっ。備えあれば憂いなし!!!! なんなら入浴剤も入れて、ちょっと良い匂いまでもする!!!


 今から如月をこの魅惑の下着で落とす!!!!(?)


 こっそり、ズボンを少しずらし、下着の紐をチラ見せさせる。これでドキッと間違いなし!!! 付けてますよ、ほらほらぁ~~。見たくない? 俺の下着姿!!!


「…………(じぃ)」
「卯月が起きちゃうからリビング行こ、如月」
「は、はい……」


 如月の手を掴み、和室から連れ出す。見てるな、うん。見てる。もっと見ろ!!!(?)如月は上目遣いに弱いからな!!! リビングに着き、目線を上げ、じぃっと如月を見つめる。


「如月……大好き」
「くっ……(睦月さんがえっちだぁ)」


 何かを耐えるように手のひらで口元を隠している。もうひと押しかな。やっぱりここは胸を強調して触りたくさせる!!!! Tシャツの裾を引っ張り、胸の突起を浮き立たせる。どやぁあぁあ!!!!


「あの……えと…………(えっちすぎる!!!)」
「……んっ……はぁっ……」
「……ちょっ……睦月さ……(ぁあぁああぁあ!!!)」


 Tシャツに胸の尖りが擦れてえっちな気持ちになる。うぅ。久しぶりの刺激に頬が染まる。ずらしていたズボンがすとんと、落ちた。








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