如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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54話 大晦日!3人でカウントダウン?!ジェンガはドキドキビクビクするゲーム?!

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 ーー大晦日 夜


 気づけば今年も最後の日だ。新しい年を迎える準備はバッチリ進んでいるが、俺の身体は如月を迎え入れたくて、むらむらの限界まで進んでいた。


 元々、週1程度のえっち。明日で、1週間、えっちなし。通常運転といえば、通常運転だが、仕事も連休に入り、如月と過ごす時間が増え、余計に気持ちが煽られる!!!


 蕎麦を茹でている傍らで、ひとくちサイズにカットした鶏むね肉を、フライパンで焼く。


 じゅ~~。


 なのに、如月はえっちどころか、俺の身体に触れるどころかハグも少し遠慮気味!!! というか、触ってこない!!!(※むらむらされると困るから)なんということ!!! レス以前の問題!!!


「まぁ、アレだな。とりあえず誘ってみよう!!!」


 しばらくえっちはなくてもいいとか言ってた如月を、その気にさせるには相当、難易度の高い技が必要になる!!! ここはゲームか何かして、俺のお願いごとを聞いてもらうしかない!!!


 何か如月と遊べる年末っぽいゲームを考えよう!!!


 鶏肉に焼き色をつけ終わり、酒を加え蓋をする。


 じゅ~~。


 青ネギを斜めに刻み、めんつゆを温める。茹で上がった蕎麦をどんぶりに盛り付け、麺つゆを注ぐ。あと少しで完成。焼いた鶏肉、卵、ネギを乗せていく。


「年越しそば出来たぁ~~っ!!!」


 両手にどんぶりを持ち、こたつへ運ぶ。こたつには既に如月と卯月がぬくぬくして待っていた。少しは手伝って欲しい。


 こたつに年越しそばと箸を並べ、自分もこたつに脚を入れる。


「えっとぉ……今年1年お疲れ様でした!! 来年もよろしくお願いします!! いただきます!!」
「はぁい~~よろしくお願いします、いただきます~~」
「よろしくーーー!! いただきます!!」


 箸で麺を掬いあげ、口元に運ぶ。麺を啜ると、蕎麦の芳醇な香りが鼻をくすぐった。丁度良い歯応えと、出汁の味わいがとても美味しい!!!


「んまぁ!!!」
「お蕎麦美味しいです」


 2人が美味しそうに食べてくれることが俺にとってすごく嬉しい。3人で年越しそばを食べるなんて、本当に家族みたいだ。


 1年を振り返り、思い出話に花を咲かせていると、除夜の鐘の音が遠くから、ごーんと聞こえてきた。年が変わるんだなぁ、としみじみ思う。


「もうすぐ、新年ですね」
「そうだね!!」


 時計の針が少しずつカウントダウンの時刻に近づく。テレビの前に3人で横並びに座った。カウントダウンまであと少し。


 かち、かち、かち……。


「「「5、4、3、2、1!!!! ハッピーニューイヤー!!!! あけましておめでとう!!!」」」

「お兄ちゃんハッピーニューイヤー!!!」
「うわぁあっ!!!」


 ぎゅっ。


 卯月が勢いよく抱きついてきた。優しく卯月を両腕で包み、頭を撫でると、卯月の腕が俺の背中をきつく締めた。


「お兄ちゃん、今年もよろしくね」
「こちらこそ、よろしく」


 卯月も高校生になる。こんな風に抱きついてくれるのもこれで最後になるかもしれない。そう思うと、少し寂しくて、抱き締める腕に力が入った。


「睦月さん、卯月さん、あけましておめでとうございます~~! 今年もよろしくお願いします~~」
「ちょっとぉ~~」
「く~る~し~いぃ~~」


 ぎゅう~~。


 後ろから如月が俺と卯月をまとめて抱きしめる。3人で抱きしめ合うこのあたたかな気持ちに、これから始まる1年も幸せな年になるよう願った。


「お兄ちゃん、苦しいで~~す」
「卯月、大好きだよ」
「きもい」
「ひどい!!! 素直な気持ちなのに!!!」


 卯月を抱きしめていた手をそっと緩める。卯月が俺から離れ、立ち上がりこちらを見つめた。


「私もお兄ちゃんだいすき!!」
「卯月ぃ~~っ……」


 ほんのり頬を赤く染め、にこっと笑う卯月に、涙が出そうになる。頭の中で『だいすき』がやまびこのように鳴り響く。


「じゃあ、私ゆっくりお風呂入ってくるね」
「え?」


 俺を見て、卯月がウインクすると、脱衣所に向かい歩いて行った。それは、如月といちゃいちゃする時間をくれるってこと?!?! 後ろから俺を抱きしめる如月をチラリと見る。


「なんですか?」
「如月とゲームでもしようかなって」
「えぇー……」
「ジェンガだよ? ジェンガ。簡単簡単」


 立ち上がり、用意しておいたジェンガをこたつの上に置く。


「ジェンガねぇ……」
「うん?」


 如月が俺を見てクスッと笑った。え、何? 手を引っ張られ、如月の膝の上に座る。俺は良いけど、如月は積み木を引きにくいのでは? こたつの上にジェンガを組み立てていく。


「ジェンガといえば、ドキドキビクビクしながらやるものですよね」
「うん……?」


 ドキドキビクビク? ハラハラドキドキの間違いじゃ? 少し言葉に違和感を覚えながら、頷いた。


「どうせなら、そのドキドキビクビク感を高めてやりませんか?」
「うん? どうやって?」
「倒れるまでたくさん抜いた方が勝ちとか」
「なるほど?」


 積み上げないってこと? 積み上げなかったら、積み木なくなっちゃうじゃん。(?)まぁ、抜けば、段々不安定になってきて、倒れる要素あるし、一応それもジェンガか? なんだかよく分からない。


「あ、交代で抜くのではなく、倒れるまで1人で抜いていきましょう」
「ジェンガ個人戦?!?!」
「そうです、睦月さんからね」
「なんで俺から?!?!」
「まぁまぁ~~」


 ジェンガに手を伸ばすと、如月の手が俺のパーカーの下に入って来た。素肌に触れ、腹筋を辿り、胸の突起を摘んだ。これもジェンガのルールの一部?


「ちょっちょっ…この手はなに?」
「大丈夫、睦月さんが木を抜くまで動きません」
「あぁ、なるほど……ってちっがーーうっ!!! なななななんで触る必要が!!!!」
「ドキドキビクビクするゲームなので」


 ビクビクの意味!!! 俺が提案したゲームのはずなのにいつの間にか如月にゲーム乗っ取られてるし!!! 如月をその気にさせるっていう点では成功してるのか?!?!


 でもなんか違う気がする!!!


「睦月さん、早く抜いて~~あっちの方を私の前で抜いてくれてもいいけど」
「なっ……ななななにを言ってるの?!?!」
「早くしないと睦月さんのおてて、無理やり気持ちいいところに添えさせるよ?」
「っだあぁあぁあ!!! 今すぐ積み木抜くってばあ!!!」


 身体を少しでも動かすと、胸の突起が如月の指先に擦れ、肩が小さくビクッと震える。こんな小さなことで感じやすくなってる自分が恥ずかしくて、頬が染まる。


「とっても感じやすくなってるね」


 如月が俺の耳元で囁く。如月の息遣いがダイレクトに聞こえ、鼓動が早くなる。もぉっ……耳元で話さないでよ。


「ほら、早く抜かないと」
「う、うん……」


 俺が積み木を抜こうとした瞬間、優しく摘んでいた如月の指先にキュッといやらしく力が入り、突起を挟む。


「っん…あぁっ……んっ…積み木抜けた……」
「ふふ、個人戦だからね。次も睦月さんのターンだよ」
「え゛」


 は、はめられたぁああぁあぁぁあ!!!!!


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