如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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46話(2)読書のためのドーピング?!俺を満たしてくれないと困ります?!

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 如月の『あとで』は信用できない。ましてや本を読んでいるパターンは更に信用出来ない。何故なら俺より本を優先されるから!!!!


 む~~っ。


 俺があげた本を読む如月を後ろから見つめる。とりあえず風呂に入って、準備だけは済ませておこう。


 立ち上がり、着替えを持ち、脱衣所へ向かう。後ろを振り返り、こたつで暖まっている如月を見る。さっきと変わらず、俺があげた本を読んでいる。


「あの本、面白いのかなぁ……」


 自分があげた本を取り上げてまで、この性的欲求を満たそうとするのはどうなのか。我慢するべき?


「っあぁあぁああ!!! 我慢したくなぁあぁああい!!!!」


 何故俺が我慢を!!! 寸止めばっかりしてきたのは如月なのに!!! もぉっ!!! とりあえず身を清めて精神を統一しよう!!!(※風呂)


 全ての服を脱ぎ、洗濯機に突っ込む。浴室へ入った。


 *


「何故、敢えてこの本を選んだのか……」


 睦月さんが居るであろう脱衣所を見つめる。いやぁ、面白くない。眠たくなってくる。そもそも自宅警備員で、世界を無双すること自体間違っていると思う。


 シラフでは読みづらいな。(つまらなさすぎて)


 こたつから立ち上がり、キッチンへ行き、冷蔵庫を開ける。こたつを出して以来飲んでないし、いっか。冷蔵庫から梅酒瓶を取り出し、こたつへ戻った。


 とくとく。


 コップに青色の瓶に入った綺麗な梅酒を注ぐ。一杯だけなら、ちょっと強いけど大丈夫。これは本を読むため!!!


 睦月さんが私のために買ってくれた本。どんなに面白くなくても最後まで読んで、感想を伝えたい。こたつに肘をつき、梅酒に口を付けながら、読み進めた。



 ーー30分後



 すこーー。


 如月は読書による眠気と酒が身体に回ったことにより、こたつで寝た。



 *



「如月さぁああぁああん!!!!」


 ゆさゆさゆさ。


 如月の肩を掴み揺さぶる。寝るのはナシですよ!!! 俺を…俺を満たしてくれないと!!! 困りますぅうぅうう!!!


 ゆさゆさゆさ。


「……睦月さぁん……?」
「やっと起きた!!!! うわ!! 酒?!?! なんで飲んでるの!!!」
「読書を進めるためのドーピング的なぁ~~」


 酔ってる?!?! 頬赤いし、目がとろんとしてる!!!


「何杯飲んだの?!?!」
「梅酒一杯だよぅ~~」


 弱いんだから、梅酒なんて飲むなぁああぉあぁあ!!!! とりあえず風呂に入ってもらわねば!!!


「卯月さぁんは?」
「家帰ってきてから風呂入って速攻寝たよ!!! 如月お風呂入ってきて!!」
「一緒に入ろぉ~~」
「いや、俺もぉ入った!!!」
「入ろうよぅ~~」


 ぁああぁあぁあ!!!! 話が進まない!!!! 満たされた腹と風呂上がりで俺が眠くなってくる!!!


 如月の両手を掴み、じぃっと見つめる。


「俺、待ってるから。お風呂入ってきて」
「お風呂で待っててくれるの?」
「もぉ~~っ!!! しょうがないなぁ~~っ! 俺が一緒にお風呂へ入って洗ってあげるよぉ~~っ」
「結構です」


 急にとりすました真顔で俺を見つめてくる。ひど。こたつから動こうとしない如月を背負い、ずりずりと脱衣所へ運ぶ。


「はい、脱衣所着いた!!! お風呂入ってきて!!」
「はぁい」


 にこにこ。


 服を脱ごうとしない。扉を閉めるに閉めれない。


「だっあぁあぁあぁああ!!!!」


 如月の服を一枚ずつ脱がせていく。風呂はダメなのに服は脱がせろと?!?! もぉっ!!! 手間がかかるなぁっ!!!


「ほら!!! お風呂入ってきて!!!」


 如月の背中を押し、浴室へ押し込む。


「はぁい」


 ばん。


「やっと入ったぁ~~」


 無駄に疲労した。ここまで手伝ったのだから、絶対に満たしてもらわないと!!! 心配だし、ここで待ってようかな。


 脱衣所のドアに背をつけ、座り込んだ。



 ーー30分後



 がらら。


 浴室の中折れドアが開き、如月が出てきた。


「何やってるんですか?」
「……べつに(酔い冷めてるな)」
「寝ないの?」
「……べつに(『あとで』も忘れてやがる)」


 身体を拭きながら、こちらをじっと見てくる如月に対して、はぁ、と小さくため息を吐く。


 今日は、もう寝ちゃおうかな。シたいけど、如月はそういう気はないのかも。なんだか寂しくて、膝を抱え、俯く。


「どうしたの?」
「……べつに」
「べつにじゃ分かんないでしょ」


 着替え終わると、如月が俺の隣に座り、肩を抱き寄せてきた。なんだよ、もぉ。


「言ってごらん」
「なんもないってば!」


 俯く俺の頬に触れようとする如月の手を、思わず払う。やっちゃった。こんなことするつもりなんてなかったのに。どうして俺はこんなにいつもガキなんだろう。


 自分がとった如月への態度に合わせる顔もなく、そのまま膝を抱え、俯き続ける。


「何かあるからこうしてるんでしょ」
「……うるさいなぁ……忘れてるくせに……」
「『あとで』のこと?」
「え?」


 伏せていた顔を上げるとクスッと笑う如月と目が合った。如月の手がまた俺の頬に触れる。振り払ったこと謝らなきゃ。


「覚えてたんだ……」
「忘れるとでも?」
「手、振り払ってごめん……」
「傷ついたなぁ~~ちょっと~~」


 えっ?! 何このパターン?! いつもなら『私はいいから』とか言って許してくれるんじゃないの?!


「えっ?! えっ?! ごめん!!」
「どうしよっかなぁ~~」
「ぇえっ?! ごめんってばぁ!! 如月ぃ~~っ」


 如月の方を向き服を掴む。う~~っ。許してもらえないのはやだぁ。じぃ~~。許してぇっ!!!


「そんな上目遣いで甘えても~~」
「な、何それ?! どうしたらいいの?!」
「分からないの? 睦月さんが満たされてないってことは私も満たされてないってことだよ?」
「え゛?」


 それは考えてなかったーー!!!! た、確かに?! 寸止めに遭ってたのは俺だけだと思ってたけど、如月もか?!?! 挿れてないもんね?!?!


「待って待って待って!!! それってえっと…どういうこと?」
「睦月さんが動いて」


 うわぁ、めっちゃ嬉しそうな笑顔。俺が得意じゃないの知ってるでしょ~~っ!! 上になるの、恥ずかしいんだからね!!! 如月のためなら、いいけどぉ!!!


「う、う~~ん」
「もう顔赤くなってるよ」
「だって自分で挿れるのは恥ずかしいから……」
「慣らしはどうします?」
「少しだけ……」


 しばらく如月と見つめ合うと、顎が持たれ、親指で、下唇が撫でられた。気恥ずかしくて頬が染まる。そのまま、顎を上に持ち上げられると、如月と唇が触れ合った。


「んっ……ん……っんん…ふ……んっはぁっ」


 何度も口唇を如月に口付けされながら、ゆっくり押し倒されていく。如月の身体が俺を覆うように被さる。如月、当たるよ。まだキスしかしてないのに、膨れ上がってる。可愛い。


 手が惹かれるように如月の幹へ伸び、そっと触れる。如月の身体がビクッと震えた。


「あっ……睦月さん……?」
「触りたくなっちゃった……」
「慣らしてる最中に私のこと触ってくれるの?」
「えっ?! あ、うん?!」


 咄嗟に返事をしてしまった!!! なんか色々ハードモードな気が!!! 出来るかな?!


 ジャージと下着が脱がされ、脚が両サイドに割り開かれる。脚の間に如月が入った。指先にゴムを被せ、潤滑剤をかけている。


「慣らすよ? でもその前に……ん」
「えっ、あっちょっ…んっあっ」


 片膝を持ち上げ、何度も腿に口付けする如月の姿に鼓動が早くなった。


 *


「な、慣らしはぁ……やっ…んっ」
「するよ。キスさせて」


 腿の付け根に近づいて口付けする度に、睦月の脚が小さく震える。幹に近いから感じちゃうの? 可愛いね。片脚を上げた姿は恥ずかしいのか、顔を手で隠している。はぁ。可愛くてそそられる。


「顔見せてよ、睦月さん」
「やだぁ……」
「可愛い顔見せて」
「っ……」


 睦月の手を掴み、顔から剥がす。頬を赤く染め、恥じらっている姿が可愛い。ぐちゃぐちゃにしたい。潤滑剤で濡れた指先て、窄みをなぞった。


「ん…ぁっ……」
「慣らしとはいえ欲しいんじゃない?」
「~~~~っ」


 ただ、ただ窄みを撫で続ける。


「ほら、言わないと」
「……もぉ早く挿れてぇ~~っ」


 片脚を上げたまま言うおねだりがいやらしくて、性的欲求がみなぎった。

 
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