如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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43話(4)膨れ上がったらプラマイゼロ?!見せつけられるいちゃらぶに仕返しの悪戯?!

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 キスをすると、両腕を上げ、「う~~ん」と背伸びしてから、如月がどこかへ行ってしまった。


 え? 挿れないの?! 最後までシないの?! ムラムラするんですけど!!! どういうこと?!?!


 中途半端に脱がされたストッキングを脱ぎ捨てる。男の娘だから最後までまたやらない的な?!?! なんで?! 如月だって結構おおきくなってましたよね?!?!


「ハッピーハロウィンとかそういう問題ではない!!!!」


 長袖のTシャツとジャージに着替え、如月の居る和室へ向かう。


 スパン!!!!


 襖を思いっきり開けた。


「びっくりしたぁ……なんですかぁ……」
「なんですかじゃなぁあぁああい!!!! 消化不良なんですけど!!!!」
「え? 睦月さんはスッキリしてますよね?」
「あ?」


 ずかずかずか。


 和室へ入り、折りたたみ式ローテーブルの前に座り、ノートパソコンを打つ如月の隣に行き、脚をやや広げ、しゃがみ込む。


 じぃ。もうシスターじゃないし。(※速攻脱いだ)


「な、なんですかぁ~~」
「出しても膨れ上がったらプラマイゼロです」
「何を言ってるんですか?」


 パソコンを打つ手を止めようとしない如月にイラッとして、飛びつくように背中に抱きつく。


 ぎゅううぅ~~。


「だ~~か~~ら~~なんで途中でやめたのぉ~~っっ!!!」
「へ?」
「挿れてよ!!! 俺に!!!!」


 如月のパソコンを打つ手が止まった。如月が振り返り、こちらを見る。むぅ。やっと俺の方を見た!!! 抱きつく俺の頭を如月の手が撫でる。撫でれば済むと思ってるんでしょ!!!!


 むーーっ!!!


「卯月さんもお風呂から上がってくるだろうし……挿れたいって思ってたけど、キスしたらなんていうか満足しちゃったというか……」
「そんな理由で!!!!」


 まだ俺はいまだにムラムラしているというのに!!! なんて身勝手(?)な!!! 責任を取ってもらわねば!!!


「俺はまだムラムラしています」
「いや……そんなこと言われても……今日は無理ですって」
「一緒にお風呂入って!!!!」
「ぇえ~~寒い~~っ」


 寒いって!!!! 何もぉっ!!! ひどいっ!!! ばかばかばか!!!!


 如月の背中をぐーで殴る。


 ぽこぽこぽこ。


「ちょっ!!! 叩かないで!!! 叩くならもう少し右上!!! あっもうちょっと右!!! そして強めに!!!」
「ふざけんなぁああぁあ!!!! 俺は肩叩き屋じゃなぁあぁあああい!!!」


 とんとんとんとん。


 また如月の手が俺の頭を撫でる。頭撫でれば俺がなんでも許すとでも思ってるんでしょ!!!


 もぉっ……。


「ありがとう」
「べつにいいけど……」
「来月、卯月さんも誘って紅葉狩りに行きませんか?」
「うん……」


 2人で行きたいと思うのはワガママ?


 如月が卯月を誘うのはちゃんと妹のことを大切に想っている証拠。分かっていても、如月との時間を独り占めしたいと思ってしまう。

 
「睦月さん?」
「あ、いや……行こう! 紅葉狩り!!」


 頭を撫でる手が止まり、腰の後ろに腕が回った。グイッと引き寄せられ、脚の間へ座ると、肩に顎が乗った。


 ぎゅう。


「今度2人で、美術館とか行きません?」
「美術館~~っ?!」
「今つまんなさそうって思ったでしょ」
「お、思ってないし!!!」


 バ、バレた!!!


 俺の顔を如月が横から覗き込んで来る。目を合わせるように、俺も横を向く。


「紅葉狩りは3人で行きましょ。ね?」
「うん。その代わり俺とちゃんとデートしてよ?」
「もちろん」


 頭の後ろを優しく掴まれる。後ろから頭が押され、唇が重なった。


 ちゅ。


「き、きすしてる!!!!」
「!!」
「…………」


 卯月が襖の側に立ち、こちらを見ている。どうやら風呂からあがったらしい。もぉ、見るなよ。兄の接吻を。意外と風呂長かったな。絶対最後までえっち出来たし!!!


「しますよー恋人ですから」
「ちょっ……」


 さりげなくTシャツの下に如月の手が忍び、腹筋の割れ目を指先がなぞる。いやらしくゆっくり触れる指先に頬が染まる。


「11月、卯月さんも一緒に紅葉狩りに行きませんか?」
「えっ!!! 行くーーっ!!! 勉強の息抜きにもなる!!!」
「~~~~っっ」


 もぉっ!!! 親指で突起擦るなっ!!!


 卯月のいる前で胸の先端が弄られ、見られていると思うと、恥ずかしくて頬が赤く染まる。顔を見られたくなくて、俯く。


「計画立てておきますね~~」
「わぁい~~楽しみ!!!」


 耳に如月の口元が近づき、妖艶な笑みを浮かべ、小さな声で囁かれた。如月の吐息が耳にかかり、耳まで赤くなる。


「……一緒にお風呂入りますか?」
「だっ……誰が入るかぁ!! ばぁか!!!」
「さっきと言ってること違う~~」
「うるさ~~いっ!!」


 一緒に入りたいのに、恥ずかしくて反射的に断ってしまった!!! 俺のばかぁあぁああぁあ!!!


 自己嫌悪しながら立ち上がり、和室を出て脱衣所へ向かう。


 どたどたどた。


 ぎゅう。


 後ろから抱きしめられた。


「つーかまえたぁ~~」
「えっ?」
「本当は私と一緒に入りたいんじゃないですか?」
「ちっ違……わないこともなくもない」
「どっち」


 如月に抱きしめられたまま、ずりずりと脱衣所へ向かって歩く。なんだか素直に言えない!!! でも素直にならねば損をする!!!


「入るの? 入らないの?」
「……如月と一緒に入る」
「寒いから早く入りましょー」
「うん」


 頭の上に如月の顎が乗る。背中から感じる如月の体温と、身体を包む両腕に頬が緩む。


 もう少しだけこのまま抱きしめられていたくて、さりげなくゆっくり歩いた。



 *


 兄たちが風呂に入ったのを確認し、和室からリビングへ向かう。入るのも遅ければ、2人で入ると出てくるのも遅い。全く、風呂場でナニしてるんだか。


「なんだこれ」


 床に落ちた黒いストッキング。こんなとこに脱ぎ捨てるなよ。ストッキングを手に持ち、脱衣所へ行く。


 扉の前までくると入るのを躊躇った。


「開けても大丈夫か?」


 風呂には入っていると思う。開けたらめっちゃ、あっあっ言ってるとかない? 言ってたらどうする? 聞き耳を立てる? 脱衣所を出ていく? 


 いや、既に何度も聞いてるし、今更聞こえてきたってどうってことない!!! むしろ全力で聴く!!!


 ガラッ。


 脱衣所の取手に手をかけ、開ける。意外と静か。何も聞こえない。少し安堵する。ちょっと、あっあっ聞こえて欲しかったような気もする。


 洗濯機の蓋を開け、ストッキングを放り込むと、浴室から話し声が聞こえた。


『きっ…きさらぎっ……んっ……んっ…あ…』
『そのまま腰落として』


 こ、これは!!! 間違いない!!!! えっちなことしてる!!!! 私の勘がそういっている!!!お兄ちゃんが腰を落とす?!?! 騎乗位?!?!(※知識だけは豊富)


 もっと聴いていたくて、中々脱衣所から出れない。でもここにずっと居るわけにもいかない。それに聴いていると思われたくない!!! 既に如月にはバレてるけど!!!


 そっと脱衣所を出る。リビングのこたつに潜り込み、うつ伏せに寝転がった。


 ごろん。


「むーー。いつもらぶらぶいちゃいちゃ」


 そんなにちゅーが良いか!!! あっあっがいいか!!! 謎は深まるばかり。


 床に置かれた如月の本を手に取り、ぱらぱらと捲り目を通す。なんだか難しくてよく分からない。ポケットからボールペンを取り出し、ページの右下に一枚一枚落書きをしていく。


「ふっ」


 ぱらぱらぱら~~。


 我ながら上手にパラパラ漫画が描けた。如月はこれで小説と漫画が一緒に楽しめる。良かったな!!!


 こたつの上から兄のスマホを取る。ロック解除。ロック画面が如月との富山旅行写真になっている。


「惚気かよ」


 なんかいい写真ないかな。写真アプリを開くと、今日撮ったであろう、ハロウィンのコスプレ写真があった。こんなのいつ撮ったの?


 ハロウィンの写真を一枚一枚みていく。ある写真が目に留まった。


「はは~~ん」


 またちゅーしてる写真撮ってる。待受にしてやんよ!!! シスターコスとねこコスでキスしている写真を兄のロック画面に設定する。


「おっけー」


 2人ともざまぁ~~。


「ふぁあ~~」


 お風呂長いなぁ。この悪戯をみた2人の反応を見る予定だったのに、上下の目蓋が仲良しになり始めている。


 あがってくるまですこしだけ……。


 うとうと。


 こたつの暖かさで目がほとんど開けられなくなり、そのまま眠りに落ちた。



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