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42話(7)#心と身体は満たされてもお腹は満たされない?!腹減り女将軍がご立腹?!
しおりを挟む睦月の肩に触れ、ゆっくり床へ押し倒す。睦月の背中が床に付いたのを確認し、優しく口付けする。ちゅ。柔らかい笑みを浮かべる睦月を見て、同じように笑みが溢れる。
「挿れるよ」
「うん」
脚を両側に割り開き、体を脚の間へ割り込ませる。今日はバックは疎か、アブノーマルなプレイもしない。抱きしめ合い、睦月さんに愛情を伝えたい。
「んっはぁ…んっ…はあっ…んっ……如月……」
「なに?」
「きもちい……」
押しては戻し、押しては戻しを繰り返し、痛くないように、ゆっくりと沈み込ませていく。深く穿つと、あたたかく自身が包み込まれた。
私の腹の奥が満たされ、熱を感じるように、睦月さんも腰の奥が満たされ、熱を感じるのか、再び目尻が下がり始める。
腰を持ち上げ、優しく揺さぶった。
「はぁっあっ…んっ…あっはあっ…ぁあっ」
「可愛いよ、睦月さん」
睦月の両手が私の頬を包む。グッと引き寄せられ、口付けされた。身体を重ねながら触れ合う唇に愛情を感じ、今度は私から口唇を重ねる。
ちゅ。
「ん……あっ…んっはぁ……きさらぎっ…奥っ…はぁっ…ぁあっ…突いてっはぁっ…」
「んっ……はぁ…はっ……」
強請るように吸い付いてくる。中の脈動を感じながら、抉るように突き上げる。睦月の手足が私に絡みつき、身体を締め付けた。
「ぁっあっはぁっ…んっはあっあっやっああっんっああっ」
「睦月さん……脚もう少し開いて」
「やぁあっはぁっんっ」
快感で睦月の脚が閉まってくる。脇腹を擦る睦月の脚は今にもイキそうなほど震えている。いつもより甘い声で鳴く睦月が可愛くて、更に激しく突く。
「ぁああっんはあんっやっあっだめぇっあっんっあっあっもっとぉっ」
「だめなのにもっとなの?」
「はぁっやっぁあっ」
矛盾したことを言う睦月にクスっと笑ってしまう。とろんとした瞳にたくさん涙を浮かべ、じぃっと見つめてくる姿は「もっとして」のおねだり。
「はぁあっやっあっんっ…きさらぎっもっとぉっ…あぁああっ」
睦月がぎゅっと私を抱きしめる。睦月の気持ちに応えるように、奥を貫き、抱きしめ合った。結びつく身体に気持ち良さを感じる。
「あっあっやぁっきさらぎっんっおれっもぉっだめかもぉぁあっ」
「ふふ…はぁ…はっ……イッていいですよ…はぁ…」
焦点の合わない睦月を見つめた。身体の全てを乱し、溢れ出る涙は妖艶で美しい。両腕で睦月を抱き留め、熱に呑まれながらも、頂を目指して駆け上がる。
「ぁあっきさらぎっだいすきっはあっんっあっやぁあっあっぁあぁあ~~っっ」
「はぁ……はっ……はっ…睦月さん、大好きですよ……んっんん」
激しい快感に打ち震え、脳が揺れる。一瞬強張った体はすぐ脱力感に苛まれた。睦月へ倒れ込むと、優しく背中が抱きしめられる。私もそっと睦月を抱きしめた。
「睦月さん」
「なぁに?」
「ん~~~~っ」
ちゅう。
「ちょっとぉ~~なにもぉっ」
強く唇を押し付けると、睦月が頬を赤く染めた。可愛い。
「好き好き睦月さん大好き~~ん~~っっ」
「あっちょっ…ん~~~~っはぁっもぉっ」
睦月に覆い被さったまま、何度も唇を押し付ける。笑いながら私のキスを受ける睦月が可愛くて致し方ない。
何気ない、この時間が楽しくて、私は好き。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
*
如月が俺を抱きしめたまま、身体を起こした。脚の震えが止まらない。それどころか、手も震える。全身に広がる怠さと震えに動ける気がしない。
でも心と身体は未だかつてないくらい、満たされている。
ベランダに目を向けると、外は真っ暗になっていた。脳裏に卯月の顔が浮かぶ。快楽に溺れ、忘れていた!!! 身体に滲む汗とは違う汗が流れる。
「如月!!! い、今何時?!?!」
「えっと……19時?」
19時って!!! めっちゃえっちしてた!!!(?)卯月がお腹を空かせているに違いない!!! 横目で如月を見つめる。お腹を押さえ、しょぼんとしている。
如月、お前もか!!!!
震える手でシャツのボタンを閉じていると、如月に手が掴まれた。
「私がやります」
「ありがとう」
「服、濡れているので着替え持ってきますね」
「うん」
着替えを取りに行く如月の背中を見つめる。
なんだか如月の全てが優しい!!! もぉ、大好き!!! もっといちゃいちゃしたい!!! そればかりが頭を巡る。いや、今はそれよりも早く家に帰らなければ!!!
いちゃいちゃの続きはそれからだ!!!(?)
「持ってきましたよ」
「ありがとう!!!」
如月が俺の濡れたシャツと肌着を脱がせる。上を脱がされたら俺は、もはや全裸である。あれ? 如月ほっぺ赤くなってるし。ニヤ。
「きっさっらっぎぃ~~」
「ちょっ!!!!」
全裸で抱きつくと、如月の顔が真っ赤に染まった。あは~~ん。可愛い。
「……そんなことするなら、もういっかい襲うよ?」
「俺は別にいいけど? 帰ってからなら」
「なんか元気そうだし、自分で着替えて?」
「うん?」
クスッと鼻で笑われ、頭の上にオーバーサイズのTシャツが乗せられた。
ぐちゅ。
「えっ? んぁっあっ」
えっ? 今、指挿れました? 後ろから感じる違和感と気持ち良さに身体がビクッと反応する。それに連動するように脚が小刻みに震え、立っていられない。
「何するの!!! 着替えれないでしょうが!!! はぁあっ」
「上は着替えれるでしょー」
くちゅくちゅ。
「あっ…む……むり……んっ…はぁ…あっ…」
「早く着替えないと遅くなっちゃうよ?」
指先が絶妙なところをなぞってくる。快感が全身を襲い、Tシャツに着替えている最中も身体が震える。感じながら着替えている自分が恥ずかしくて、頬が真っ赤に染まった。
「やっ…如月っだめぇっあっ…着替えたぁっんっ……」
「もう、そんなえっちな顔して~~」
如月の手が俺の顎を掴み、軽く持ち上げる。ちゅ。唇が重なった。いっぱいキスしてくれて、嬉しい。
色々あったけど、仲が深まったってことでオーケーなのかな。前よりもっと如月が好き。大好き。
もう一度、如月に抱きつく。
ぎゅううぅ~~。
「もう~~なんですかぁ~~」
「如月が大好き~~」
「はいはい。私も好きですよ」
如月の腕が背中に回り、ふわっと如月の匂いが香る。俺の好きな匂い。優しく包んでくれるこの腕も好き。
ハグから離れがたい。
でもそろそろ帰らなくちゃ。卯月が待ってる。そっと如月から離れる。
如月のデニムを穿き、濡れた服はビニール袋に入れカバンへ押し込む。あと忘れ物はなかったかな? 辺りを見回す。
「睦月さぁん、お腹空きましたぁ」
ぎゅう。
後ろから如月に抱き込められた。俺が離れても如月が来たら同じだな。後ろから感じるぬくもりに顔が綻ぶ。
「もぉ~~早く帰ってご飯にしよ!!!」
「ですねぇ~~」
後ろを振り返り、如月を見つめる。幸せそうに笑う如月に釣られて、目尻が下がり、笑みが溢れた。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー佐野家帰宅
「遅ーー!!! どこで何をしてこんなに帰るのが遅くなったのか言えぇえぇえぇえ!!!!」
「…………(言えない)」
「…………(言えない)」
卯月がとってもご立腹。そりゃそうだ。腹を空かせて1人で待っていたんだ。卯月の目の前に如月と一緒に正座をさせられ、俯く。
「……すみません」
「すみませんで済んだら警察要らないんだよぉおぉお!!!」
スパーン!
「……いたい」
隣に座る如月の頭が職員室のスリッパで叩かれた。痛そう……。これは下手なこと言えないな。
ここは誠実にことの成り行きを説明するべきか? えっちして遅くなりましたって? そんなこと言ったら高級な飯屋に連れてけって話になる!!! そんなの絶対だめぇええぇえぇえ!!!! どうする?!?! どうする?!?!
隣に座る如月を見ると、先程叩かれて心が折れたのか、目を濁らせ何か話し始めた。
「アレですよ、ちょっとすれ違いして、睦月さんが私を探して……雨に濡れた睦月さんの色香に惑わされるように身体が熱くなり、昂った気持ちは抑えきれずえっ「真実でもそれ以上言うなぁあぁあぁああ!!!!」
卯月から職員室のスリッパを奪い、如月の頭を思いっきり叩いた。
スパーーン!!
「いたい……睦月さんひどい……」
「アレか? ケンカして、仲直りついでにあっあっしてたら遅くなりました的な?!?! ふざけんなぁあぁあぁあ!!!!」
スパーン!!
如月と睦月は卯月に職員室のスリッパでみっちり叩かれた後、高級焼肉店へ連れていく羽目になり、良い肉ばかり食われ、2人の財布が泣いたのであったーー。
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