如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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40話(2)#お手洗いの個室でつやつやに?!ジムデートはもう無理です?!

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 旭さんとのストレッチが、こんなにヤキモチを妬く結果を招くなんて思わなかった。


 ちょっとヤキモチの抱き方は、過度な気もするが、むすっとしながら、頬を赤らめ気持ちをぶつけてくる睦月さんが、可愛くて致し方ない。


 そして、個室に入ったっきり、出るタイミングを失った。人が途切れなく、お手洗いに来る。


「なんか出るに出れませんね」
「うん……」


 2人で入る個室のトイレは狭い。トイレの蓋を閉じ、腰掛けた。


「こっちおいで」
「え?」


 膝の上に睦月を座らせ、肩に顎を乗せる。ぎゅ。膝の上で抱きしめたら、なんだか、えっちな気分になってきた。睦月のハーフパンツの中に手を入れ、下着の上からゆっくり幹を撫でる。


「んっ……如月っ……」
「声出すとバレちゃうよ」
「~~っっ」


 口元を押さえ、睦月が小さくビクビク震える。すごく可愛い。下着を撫でる手のひらに湿りを感じた。もう、蜜が出ちゃったの? 


 下着の中に手を入れると睦月の肩が大きく上がった。睦月の耳元で小さな声で囁く。


「こんなに硬くおおきくなっちゃって、睦月さんはえっちだね。ねちゃねちゃするよ?」
「っん……い…言わないでっ…はぁ……あ……っん…んはあ……」


 ダメとは言わず、されるがまま、気持ちよく感じちゃってる睦月さんは、本当にえっちで可愛い。そそられる。


 幹にそっと手を添える。先端から蜜が滴っているせいか、手のひらがねちゃりとする。溢れた蜜ごと全て手のひらで包み込み、擦り上げた。


「あっ……はぁっ……如月だめ……んっ…出ちゃう…あぁっ…」
「出しちゃったら? ふふ」
「~~っっ」


 頬を赤く染め、恥ずかしそうに、声を我慢しながら、甘い吐息と一緒に小さく鳴く。視界から入ってくる、睦月の全てが私の身体を熱くする。


 正直、シたくなる。


 理性を保つように、上下に動かす手を早めた。


「如月っ出ちゃう~~っ…はぁっ…だめっ…あっ…んんっあっっ」


 膝の上で睦月が身体を震わせると同時に、手の中にあたたかいものが広がった。そっと、下着から手を抜く。いやらしく手に付着する白濁を睦月に見せた。


「もぉ~~やめてっ!! 見せないで!! 早く拭いて!!!」かぁ。
「こんなところでイッちゃうなんてえっちなんだからぁ~~」
「だぁーーっっ!!!」


 顔を両手で隠して、恥ずかしがっておる。可愛い。そろそろ居なくなったかな? 唇を舌で舐め、睦月の首筋に口唇を密着させる。


「ちょっとぉ!!! 待っ待って!!! あっだめっ!!!」


 ちう。


 やきもち妬きさんだからね。これぐらい付けておいた方がいいでしょ。唇を離すと、赤い染みが睦月の首筋に出来ていた。


「付けたの?!?!」
「付けたよ?」
「ぇえ!!!」
「ジムデートまだ終わってないですよ。行きましょう」


 睦月を膝の上から下ろし、トイレの個室から出る。ちょっと、痕目立つかな。まぁいっか。睦月の手を握り、指先を絡める。


「あ……」
「手、やだ?」
「ううん、手繋ぎたい」


 手を繋いだまま、お手洗いを出て、旭のいるトレーニングルームへと向かった。


 *


「おせーー!!!」
「旭、ごめーん」
「す、すみません……」
「むっちゃん、つやつやしてるね」
「え?」


 旭がじーーっと訝しげに見てくる。つやつやしてると言われれば、つやつやしてるのは間違いない!!! スッキリしてますから!!!


「じゃあチェストプレスから~~前後の動きで胸周りの筋肉を鍛えまーす」
「へー」
「なるほど」
「じゃあ、俺がまずやってみるね」


 何か椅子のようなところに旭が腰掛け、バーを持ち、中央に動かし始めた。


「チェストぉおおぉおぉおぉお!!!!!」
「…………(掛け声までやらされないですよね?)」
「…………(た、たぶん)」
「って感じー。どう? わかった?」
「……うん」


 如月と一緒に少し淀んだ目で頷く。さりげなく、如月の背中を押す。チェスト言わされたら嫌だし。


「ちょっと!!! なんで押すんですか!!!」
「いや、べつに」
「弥生さんからね」
「ぇえ!!!」


 椅子に腰掛け、バーを握っている。如月、頑張れ。


「ん゛~~っ!!! がはっ……無理っ……」
「弥生さん、運動マジぽんこつですねー」
「…………(イラ)」
「軽め、短めでいいので、身体慣らしていきましょー! はい、あと2回~~」
「チェストぉおぉおぉおぉおぉ!!!!」


 如月、結局自分で言ってるし。如月が旭に指導されている姿を見て、少しだけまた、イラッとする。むすー。


「睦月さん、終わりました。交代しましょう!!!」
「え? う、うん」


 如月は苦労して、バーを動かしていたけど、動かしてみると、そんなに重くないし、意外と簡単に動く。チェストな掛け声も不要。余裕余裕。


 ガシャガシャ。


「むっちゃんは楽勝だね」
「意外と筋肉ありますから!!!」


 背中、太腿、お腹など、器具を使いながら、セット数を重ね、鍛えていく。ひとつずつ順番にこなすのは、中々大変。隣で如月はヘロヘロになっていた。


「もう無理です~~」
「最後は有酸素運動して脂肪を燃やしましょう!!!」
「まだ運動しろというのか……」
「はーーい!!!」


 如月の首根っこが旭に掴まれ、ずりずりと引き摺られながらウォーキングマシーンのコーナーへ連れて行かれる。その2人の後ろを俺はついて行く。


 全く~~っっ!! 2人の距離感に妬ける!!!!


 こんなに仲良かったっけ? 思えば、酒の介抱とか? 動物園とか? 銭湯とか? 仕事の手伝いとか!!! 何気にたくさん関わってる!!! これは仲も良くなる?!?!


 でもなんかやだ!!!!


「20分くらい、ウォーキングしてね!」
「はぁい~~」
「やっと2人になったぁ……」
「ジム楽しいです~~」
「……俺は楽しくない」


 如月とお喋りしながら、ウォーキングをマシンの上を歩く。俺の方を見て、笑みを浮かべる如月を見ると、この嫉妬している気持ちが少しだけ溶かされた。


 ーー20分後


「はーい、有酸素運動終わりでーす。クールダウンしよー」
「くーるだうん?」
「ストレッチだよ。疲労回復しまーす」


 またストレッチ!!! 旭と如月のいちゃいちゃは見たくない!!! 俺のトレーナーとチェンジすればいいのかな?


「旭、トレーナーのペアを変えよう」
「いいよー?」
「蓮です、如月さん、よろしくお願いしまーす」
「え? あ、はい(如月さんなんて新鮮)」


 ペアを変えても目線は如月へいってしまう。旭に背中を押されながら、如月を観察する。ペアが旭じゃなくても、やっぱりやだ!!!


「むっちゃん、見過ぎ」
「だって嫌なんだもん!!!」
「自分のストレッチに集中すれば忘れられる!!!」
「忘れるか!!!」


 如月も同じように、蓮に背中を押されている。さっきよりは良くなったのか、あまり痛そうにはしていない。


「肩マッサージしますよ~~」
「え、良いんですか?」
「ついでです~~」


 なんだあいつ!!! 俺にはあんなことしなかったくせに!!! 如月には積極的に触って!!!! 早く離れろ!!!


「むっちゃん、シャワー浴びてく?」
「いや、もぉ帰ります!!!!」
「…………(ヤキモチが限界か)」


 まだマッサージしてるし!!! なんなの?! 俺にはしなかったじゃん!!! 如月の脚とか身体とかベタベタベタベタ触って!!! しかも距離近い!!! 腹立つ!!!


「あの……近くないですか?」
「距離近い系男子だから~~」
「……(なにそれ)」


 ペア変えても無理!!! 早く如月から離れろよ!!! イライラ。旭よりひどいし!!!


「むっちゃんにジムデートは無理」
「もぉ帰る!!!! 旭またね!!!」
「次は1人できてね~~ばいばーい!!」


 ストレッチする如月の元へ向かい、声をかけた。


「如月!!! 帰る!!!」
「へ? 帰るんですか?!」
「帰るの!!!!」


 如月の手を掴み、引っ張り、ジムを出る。やっとヤキモチ地獄から解放された!!! もう2度とジムデートはしない!!!


「睦月さんのヤキモチは嬉しかったけど、睦月さんが楽しめないんじゃ、意味がないから……今度はおうちでジムデートしましょうね」
「うん!!!」



 掴んだ手が、ぎゅっと如月に握られる。



「恋人繋ぎしないんですか?」
「する!!! ってなんで笑うのさ~~」
「べつにぃ」



 俺を見て、如月がクスッと笑う。如月の笑みに俺も笑顔になる。



「如月、大好き!」



 にぱぁ。



 繋がれた手は、指先同士が絡まり、お互いの想いを伝えるように、強く握り合った。



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