如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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38話(3)甘えさせという強制命令執行中?!正直、警戒します?!

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 卯月と一緒に昼ごはんを食べ終わり、汚れた食器をスポンジで洗っていく。如月が熱を出して、ランチデートが出来なくなっても、今日の俺の目標は変わっていない!!!!


 如月を俺に甘えさせる!!!!


 甘えんぼとか言われたからな!!! 甘えさせて逆に言ってやるぜ!!!! でも如月が俺に甘えるとは一体どういうアレだ???


 う~~ん。如月の甘え……(※妄想)『睦月さん…膝枕して?(照れ)睦月さん…キスして?(上目遣い)睦月さぁんっ……私っもうっ…挿れてぇっっ(?)』なるほど!!!!


「まずは膝枕だな!!!!」


 スポンジをギュッと握りしめる。如月は布団で寝ているし、具合が悪いなら、上手く誘い出せば、膝枕で甘えんぼは出来るかもしれない!!! よし!!! やろう!!!


「っらあぁあぁぁあぁあ!!!!」


 洗い物を一気に片付ける。如月の居る、和室へ向かった。和室へ入ると、ごろんと横になりながら、本を読む如月が目に入り、近づく。


「如月、具合はどう?」
「さっきよりは」


 如月が読んでいた本をパタンと閉じた。これはチャンス!!! 如月の頭のそばで不自然に胡座あぐらをかく。


「な、なんですか?」
「べつに?」


 俺から言っても意味がない!!! 如月から『膝枕して?』って言わせないと!!! 如月が訝しげな眼差しで俺を見てくる。甘えやすいようにフォロー(?)をしよう!!!


 アイテム温度計!!! これで如月にもっと近づく!!! ポケットから温度計を取り出し、如月に見せる。


「熱測ろう、如月」
「え? あ、はい…ってちょっと!!! 自分でやりますって!!! やめてやめてっ!!!」
「うるさいなぁ~~病人でしょ?」


 如月のシャツのボタンをひとつずつ外す。どきどき。胸元の半分くらいまで外し、シャツ隙間から手を入れ、体温計を如月の脇に挟む。そっと手をずらし、胸元に置く。


 鼓動が早い。如月がどきどきしてる。


 如月を見つめると頬を赤く染め、恥ずかしそうに目線が逸らされた。俺に対し、緊張してどきどきしてくれてるのかと思うと、嬉しくなる。


「いつまで胸元そこに手を置くつもり?」
「あ……いや……」


 ぴぴぴぴぴーーっ。


 体温計のブザーが鳴り、脇から抜き取り、温度を確認する。38.2度。中々の熱。これは病院へ行った方が良いのでは?


「病院行く?」
「うぅん、いいや。意外と元気です」
「俺、如月が熱下がらなかったら明日仕事休む!!!」
「えー……」


 だって看病したいし。
 如月の枕を手に取り、壁へ投げつけた。


 ばふ。


「ちょっと!!! 私の枕!!! 何するんですか!!!」
「べつに? 熱がある時は少し頭を高くした方良いんじゃない?」
「なら、なんで枕投げたんですか!!!」
「べつに?」


 胡座をかいた腿を動かしてみる。


「なっ……な…んですか?」
「べつに?」
「……………(警戒)」


 何故乗ってこない!!! 分かるでしょ!!! ほらぁ!!! 膝枕!!! 俺全然するのに!!! 甘えて良いのに!!! なんで?!?! なんで何も言わないの?! 俺が年下だから?!


 むーーっ!!!


 ぱんぱん。自分の腿を手で叩く。もぉこれなら分かるでしょ!!! ほら、来い!!!! 如月!!!!


「え~~っと……」
「ん!!!!」ぱんぱん。


 じぃーーーー。


 すっごい見てくる。見てないで来い!!!! 如月!!!!


 *


 これはどういうアレなのか。膝枕を強要しているように見えるが、睦月さんからは誘ってこない。(圧力は感じる)何か裏があるのでは?


 睦月の腿を見つめると、促すように腿を叩く。不自然な誘導に警戒。がるるるる。


 中々動かない私に睦月が頬を膨らませた。んーー。機嫌は損ねたくない。膝枕自体は魅力的ではある!!! でも、私から言うの?! それは恥ずかしい!!!


「ひ……ひざ……」
「え? 何? 弥生さん?」


 こんな時に名前で呼ぶな!!!!


 大きな瞳を細くして、ニヤニヤしながら私を見つめる。呼ばれ慣れない名前と、自分が言おうとしていることに顔が紅潮する。


「……ひっ……ひざ…まくらして……」
「いいよ。おいで弥生さん」


 小さな声で言う私に睦月が嬉しそうな笑みを浮かべた。弥生さん、やめれ。睦月の両手が私の頭に触れる。頭がそっと持ち上がり、睦月の腿の上に乗った。


「……如月、もっと甘えていいよ?」
「……甘え方とか分からないし」


 熱でぼーっとする私の頭を睦月が優しく撫でる。どうしようもない本音が言えたということは、少しは睦月さんに甘えることが出来てるのだろうか?


 お腹も心も満たされ、眠りに落ちそうになる。重くなる瞼と戦いながら、睦月を見つめた。睦月のTシャツに手を伸ばし、引っ張る。


「……キスして、睦月さん」
「そう来なくっちゃ」


 屈むように、睦月の顔が近づく。もう、瞼が開けていられない。瞼を閉じると、唇が触れ合い、口唇の隙間から舌が差し込まれた。


 だけど、どうしても眠たくて、抗うことが出来ず、口付けする睦月を置き去りにして、夢の中へ落ちた。


 *


「普通、キスしてる最中に寝るかぁ?」


 膝の上でぐっすりと眠る如月に呆れる。具合が悪いのは分かってるけど、おねだりしといて、寝る如月に少し腹が立つ。顔を近づけ、如月の顔をまじまじと見る。


 こうしてゆっくり見るのは久しぶり。


「まつ毛長い……綺麗……」


 出会った頃と同じ感想を言っている気がする。指の背で如月の頬を撫でた。ほんのり染まっている頬が色っぽくて、思わず口付けする。


 ちゅ。


 一度キスしてしまったら、なんだか止まらず、もう一度頬に口付けする。ちゅ。前髪を退けて、額にも。ちゅ。口にもしたい。舌で唇を舐め、口唇を重ねる。ちゅ。


 やめられない。


 如月。好き、好き、だぁいすき。


 ちゅ。ちゅ。ちゅ。ちゅっ。


「もっとキスしたい。ぎゅーしたい。えっちしたいぃ~~早く風邪治せばか!!!」
「もう~~何? 睦月さぁん……」


 如月が身体を起こし、はにかみながら、俺の頭を撫でた。


「起きたの?」
「寝込み襲われましたからね」
「あはは……わあっっ」


 手が引っ張られ、如月の胸元へ手繰り寄せられる。ぎゅ。強く抱きしめられると、そのまま、一緒に布団へ倒れ込んだ。


「ふふ。私もキスしたいし、ぎゅーしたいし、えっちしたいです」
「へ?」


 そんな虚な目で言われても、今からシようなんて言えないよ。それに、抱きしめられた腕の中は、如月の身体が熱を帯びているせいで、熱い。


「私にとってはこれが甘えです」
「ぎゅーが?」
「うん。貴方を抱きしめることが私の甘え」


 ぎゅ。


 如月の腕に力が入り、背中が強く締めつけられた。


「それに睦月さんに『抱きしめて?』なんて、恥ずかして言えなぁい~~」
「何それ!!! なんで?!?! 言ってよ!!!」


 如月の頬を両手で引っ張る。むにぃ。むにむにむに。甘えろ、ばかぁ~~。


「いたたたたたっ!!! やだぁ~~って、やめて!!! 離して!!! いたい!!!」
「じゃあ甘えて!!! 俺に甘えて!!! ほら言って!!! 言え!!!」


 むにむにむに。びよーん。頬を上下に動かしたり、横に引っ張る。


「命令?!?! いったーーーーい!!! やめてそれ!!! ちなみに抱きしめることで甘えたい気持ちを昇華させています」
「するか!!!!」


 頬から手を離し、如月と距離を取る。


「ふん。ほら、俺と抱き合いたくば言うが良い!!!!」
「なんか間違ってません? それ!!!」


 如月をじぃーーっと見つめる。甘えろ~~っ!! 頬を赤らめ、恥ずかしそうに俺をじぃっと見つめてくる。目線が俺から外されると、如月が小さな声で呟いた。


「……抱きしめて……」
「甘えてるの~~? しょうがないなぁ」
「……(うざ)」


 後ろから抱きしめちゃお。ぎゅ。胡座の中に如月を挟む。如月が振り返り、俺の頬に触れた。


「キスして? 睦月さん」
「どうしたの? 急に」
「ん~~? 甘えてみようかと思って」


 頬に触れた手を握り、顔を近づける。さっきはキスしている最中に寝られたからね。目が覚めるくらい激しくしてあげないと。濡れて色づいた口唇に唇を重ねた。


「ん……んん…ふ…んっ…んんっ…っ……んっ」


 少し開いた口唇に舌を捩じ込む。濡れた粘膜を舌で愛撫する。感情を高めるように、激しく絡め合わせた。浅く、熱い吐息が俺の中へ吐き出され、全てを飲み込む。


「~~っはぁっ…もう……手加減して?」
「やだ」


 そっと左手を如月のズボンの中へ入れ、下着の上から幹を撫でた。


「ちょっ……んっ…睦月さぁん……何して……」
「甘えてよ、如月」
「もう~~どういうこと……んっ…」


 いやらしく、焦らすようにゆっくり撫で続ける。撫でる手のひらが熱くなってきた。


「如月、熱なのに、ここは元気だね。おっきくなってるよ? 俺に甘えないの?」
「……なんか分からないけど言いたくない……」
「ぇえ~~っあっちょっと後ろに回らないでよ!!」


 いつの間にか俺が如月の胡座の間にすっぽりはまっている。これじゃ甘えんぼ作戦は失敗じゃん。


「抱きしめられるより、抱きしめたい」
「もぉ~~」


 とん。


 襖が閉まる。閉められた襖を見て如月がクスッと笑った。


「閉められちゃいましたね? 睦月さんのせいでむらむらしてきました。よいしょっ」
「ぇえ?! わっ?! ちょっえっ?!」


 身体を持ち上げられ、如月の胡座の上に仰向けで寝かされる。如月の左手で頭が倒れないように支えられた。


「睦月さんにもむらむらしてもらわなきゃね」
「え?」


 穿いていたズボンが如月によって、脱がされる。ちょっとぉ~~。何するつもり? 具合悪いんじゃないの? 


 もぉ~~っ。如月さぁん~~っ。





 
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