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37話(3)スーツの良さにお互い悶絶?!飯を食わねば戦は出来ぬ?!
しおりを挟む「なんで如月の家?!?!」
一度佐野家へ帰ったが、如月が行きたいところがある、っていうからついて来たら、如月の家だった件!!!!
「何ここ!!! すごい!! 部屋綺麗!! 広っ!!!」
「だって卯月さんを1人で佐野家へ置いておく訳にもいかないじゃないですかぁ……」
それはそうだけど。まぁ、部屋はいっぱいあるし? うちより壁も厚いし?(多分)部屋を跨げば、卯月が居てもえっちしても大丈夫?!
でもなんか2人だけの秘密をバラされた気分!!!
「卯月さんはこっちの部屋でこの簡易ベッドで今日は寝てください」
「はぁい~~」
如月が卯月に枕を渡し、マットレスと布団を抱えながら、仕事部屋へ案内している。その後ろをついて行く。
「ありがと!!!」
「置いてある本は自由に読んで良いですからねー」
「べつに読まんし」
「…………(誰も本読まない……)」
じぃ~~。スーツ良いっ!!! その身体のラインがスッキリ見える感じ、むらむらする!!! あと髪の毛のひとつ縛りもちょっとえっちぃ!!! うぅ、早くシたい!!! 身体が…身体がぁあぁあぁあ!!!! 疼く!!!!
でもでもぉ!!! まずは俺のやるべきことをしないと!!! 飯だ!!! 戦場に出る前に、飯を食わねば!!!!
そっと、その場を離れ、リビングへ戻る。羽織っていた上着を脱ぎ、椅子に掛けた。片手でネクタイを緩める。よし、行こう!!!
エコバッグを片手に持ち、玄関を出た。軽い足取りで近くのスーパーまで向かう。簡単に作れるスタミナものにしよう!!! なんかパワー出るやつ!!!
スーパーに着き、カゴを手に取り、精肉売り場を見る。
牛肉……。
高いっっ!!! 何故こんなに高いんだ!!! でも俺は牛丼が食べたい!!! 店で買うよりは作った方が断然安い!!! 買うより安い買うより安い買うより安い買うより安い買うより安い……ぶつぶつ。
目を瞑り、牛肉をカゴへ入れた。
くっ。卯月も如月も牛丼が好き!!!! 良いんだ!!! これで良いんだ!!! 美味しくてみんなハッピーなんだから、これで良いんだ!!!!(※自己暗示)
玉ねぎと卵買おう。
どうせ如月の家に置いてあっても腐るだけだからなぁ。バラの玉ねぎと卵のミニパックでいっか。
店内を巡回し、玉ねぎと卵をカゴに入れる。
あと朝ごはん!!! 和食派の如月とパン派の卯月が居る。まぁ作るのは俺だし、パンの方が楽だからパンにしよー。バナナとヨーグルトと食パンでオーケー!!!!
全部サンドして朝食として出す!! 栄養満点、完璧!!! バナナ、ヨーグルト、食パンをカゴに回収し、レジへ向かった。
会計を済ませ、袋詰めしていく。買い忘れはないと思う!!! よぉし、おうちへ帰ろう~~っ!!!
エコバッグを片手に持ち、如月の家へ向かう。そんなに買ってないから重くはない。もう少し買えば良かったかな?
エントランスを通り抜け、エレベーターで上へあがる。もうここも慣れた。それだけ何度も来ている。エレベーターを降り、如月の部屋の前まで歩き、立ち止まる。鍵を開け、中へ入った。
「ただいまぁ!!!」
如月が玄関で出迎えてくれた。如月の服を見て震える。
わなわな。
何ぃいいぃいいぃい!!!! スーツじゃないぃいぃいぃい!!! なんかオーバーサイズの新しいルームウェアになってる!!!! ゆったりしたシルエット過ぎて身体のラインが全く分からない!!!!
燃えない!!!!(?)
エコバッグを床に置き、如月へ近づく。如月の服をギュッと掴み、見上げた。
*
「着替えてる~~っ!!!!!!」
「え?」
反則。それ、反則だから!!!服掴んで、上目遣いとか反則!!!! 何そのネクタイ。なんで緩んでるの? なんで上着着てないの? シャツがピタッとし過ぎてえっちだよ? 誘ってるの? ぁあぁぁあぁあ!!! むらむらする!!!!
くっ……萌える!!!!(?)
精神を沈めるため、指の背で睦月の頬を撫でる。なでなでなで。はぁはぁはぁ。可愛いよぉ。はぁはぁ。
「俺、スーツ着た如月とシたかったぁ……」
何ぃいいぃいいぃい!!!! まさかの睦月さんの方からシチュエーション希望?!?! ここここここれは叶えなければ!!!! やっぱりアレですか?!?! オフィスラブえっちシチュ?!?!
アリだ!!!!(ガン見)
「着ます、今すぐ着替えます」
「着てくれるの?」
大きな瞳がキラキラしている。可愛い。喜んで着ますよ、ぇえ!!!! 睦月の両手をガッと掴む。
「睦月さんも勿論、スーツ着てシてくれるんですよね?」
「え? 俺? なんで?」
「私だけ着ろと?」すん。
「いや……大丈夫、着る!!! スーツなんて余裕!!!(服系はイージーモード!!!)」
なんか睦月さんの感性がおかしくなっているのは、私のせいなのだろうか。でも、もっと色んなことしたいし、寛容になってくれるのは助かる。
「如月?」
首を傾げ、見つめてくる。ふふ。可愛いなぁ。キスしちゃおうかな。
そっと、顎に手を添え、私の方を向かせる。少し上げた顎のせいで、私を見つめる睦月の視線は上目遣いになる。
可愛い。
大きな瞳に吸い寄せられるように、唇を重ねる。薄く開いた口唇から舌を捩じ込み、口蓋をなぞる。濡れた粘膜を辿り、舌を絡め合う。喘ぐように睦月が声を漏らした。
「ん……んんっ…ん…ふ…んっ…ん~~っんはぁっ……」
頬を赤く染め、とろんとした目で私をみる睦月が可愛くて、思わず胸元へ手が伸びる。
「んっ……だっだめだって!!! ま、まだ!!!」
「だって可愛いんだもん」
「あっあとで!!! 俺、ご飯作らなきゃだからっ!!」
床に置いたエコバッグをサッと持ち、恥ずかしそうにキッチンへ行ってしまった。もう、愛しさと可愛さしかない。もっと触れたい。睦月の背中を追い、キッチンへ向かった。
*
腕まくりし、まな板を取り出す。玉ねぎの皮を剥き、薄切りにしていく。とんとんとんとん。
ぎゅ。
来た。如月のぬくもりが背中から伝わる。顔の横にずいっと如月の顔が来て、頬が触れ合う。ドキ。
「もぉ~~今作ってるからぁ」
「今日のご飯なぁに?」
「牛丼!!!!」
横目で如月を見ると、嬉しそうな笑みを浮かべていた。牛丼にして良かったぁ。フライパンに水と玉ねぎを入れ、火にかける。
「出汁入れなきゃ」
「はい、どーぞ」
如月から出汁顆粒を受け取り、フライパンへ入れる。玉ねぎが柔らかくなるまで煮ないと~~。
「お兄ちゃんお腹空いたぁ!!!」
「今作ってるって!!!」
卯月がフライパンを覗き込んでくる。まだ玉ねぎしか入れてない!!! がっかりした顔で俺を見る。
「まだ全然出来てないじゃん~~」
「うるさいな!!! 今作ってるところなんだから仕方ないでしょ!!!」
出来てない夕飯にため息を吐き、また勉強の続きをするのか、仕事部屋へと戻って行った。そういえば、まだお風呂洗ってない。
「如月お風呂洗ってきて!!!」
「ぇえ~~……」
如月が少し嫌そうな顔をしながら、俺の背中から離れる。背中のぬくもりがなくなり、少し寂しく感じた。
「やっぱだめ」
「え?」
振り向いて、如月の手を引っ張り、自分の体に触れさせる。抱きしめて。もういっかい。風呂は俺が洗うから。
「誘ってるの?」
「ち~が~います~~っっ…その…えっとぉ……だっ…抱きしめてっ……」
は、恥ずかしっ!!! 俺は一体、何を!!!! 頬が赤く染まる。後ろでクスッと鼻で笑うような声が聞こえ、腰回りに腕が絡みついた。
ぎゅう。
「抱きしめてるから、早くご飯作って?」
「え? う、うん」
再び背中から感じる如月の体温に鼓動が早くなる。玉ねぎもいい感じに柔らかくなった。フライパンの中に醤油、酒、砂糖、牛肉を入れ、蓋をする。
ぐつぐつ。
10分も煮ればいいでしょ!!! しょうがのチューブを少し入れ、味を整える。いい感じ!!!
「できたよー、早く食べーーんっんん」
いきなりキスされ、戸惑う。急に何?!?! なんかきっかけあった?!?!
「ーーっはぁっ…ちょっ如月?!」
「『抱きしめて』が可愛い過ぎて……もっと自分に素直になって、私を誘惑してくださいね」
それはそれで危険なのでは? なんて思いつつ、牛丼を盛り付け、リビングへ運ぶ。
まぁでも、俺が素直になることで如月が俺に夢中でいてくれるなら、自分の気持ちを打ち明けるのも良いのかもしれない。
「如月」
「ん~~?」
「あ……あい…してる……」
「え? 今なんて? え? ちょっもう1回言って?」
「はぁ?! なんで!!! やだ!!! もぉ言わない!!!」
「ぇえ~~っ!!!」
なんで聞いてないの!!! 如月のばぁか!!! 熱くなった顔を手で扇ぐ。卯月を部屋へ呼びに行き、3人揃ったところで席に着き、手を合わせる。
今日は如月の家だから、ローテーブルじゃない。雰囲気が違って変な感じ。
「「「いただきまぁす!!!」」」
スプーンで牛丼を掬い、口元へ運ぶ。
ん~~!! 美味しい!!!
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