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35話(5)#セーラー服姿そそられて?!魅惑たっぷりのスカートに手が伸びる?!
しおりを挟む睦月さん遅いなぁ。日が暮れて来た。いい加減、そろそろ帰って来て欲しい。少しさびしいよ。旭さんとお楽しみ中だったらどうしよう。
ピンポーン
「誰だろう……」
出るべき? 出ないべき? インターホンにはあまり出るなと言われている。今は私しかいないし、とりあえず覗き穴から相手が誰か確認しよう。
玄関へ行き、覗き穴から相手を確認する。
3本線の白いラインが入った黒い大きな襟に、白いリボン。膝下までのプリーツスカート。上下黒で統一された服は、清楚で凛とした美しさがある。
「……………」
何故にセーラー服? いや、ちょっと待って。え? この格好で帰って来たの? 正気? 元の服はどうした。そもそもカラオケに行ったのでは? 違うの?! 旭さんとカラオケで一体ナニを……?
思うところはいっぱいあるが、セーラー服姿の睦月さんをこのまま玄関の外に置いておく訳にはいかない。こんな可愛い子を外に放置したら危ない!!! 誘拐される!!!!
玄関扉をゆっくり開けた。
「えっと……おかえりなさい」
「ただいま!! 如月っ」
なんで笑顔? 何かに目覚めたとか? どういう状況? なんて反応すればいいの? セーラー服について何かコメントするべき? あえてのスルー?
「とりあえず中へ……」
「うん!」
睦月を中へ引き入れ、ドアを閉める。特に何も気にすることもなく、睦月はスニーカーを脱いで、さっさとリビングへ行ってしまった。着替えるのかな? 睦月の後を追い、リビングへ向かう。
(セーラー服のまま、夕飯作ってるし)
何これ? どういうシチュエーション? なんで何も言わないの? とりあえずいつも通り、後ろから抱きしめてみる?
睦月の背後に立ち、そっと抱きしめた。
「…………(なんか変な感じ!!!)」
「もうすぐご飯できるよー」
年齢のせいか、セーラー服を着られると、悪いことをしている錯覚に陥る。いや、可愛いよ。うん、すごく可愛い!!! よく似合ってる!!!
一旦、睦月から離れ、和室に引き篭もる。もう一度考え直そう。まぁ、可愛い。ブレザーの男子制服を着せたが、顔が甘いから女物もアリだったな。
失敗した。
違う違う違う。そうじゃない!!! 何故あんな格好をしているのか? っていう問題!! 何か意味があるから、着ているのは間違いない!! 理由を突き止めねば!!
「如月、ご飯出来たよー」
「あぁ……はい……」
頭に考えを巡らせながら、リビングへ向かう。本人に訊けばいいだけの話ではある。でも触れてはいけないことだった時がこわい。もうしばらく様子を見よう。
隣に座るセーラー服姿の恋人。チラッ。睦月の顔をみる。こちらに気づき、照れながら、にぱぁと笑みを浮かべた。可愛いなぁ。何気にサイドの髪、編み込んでるし。またそれが可愛い。
「青椒肉絲にしたんだけど、口に合ったかな?」
「え? えぇ、大丈夫ですよ(話聞いてなかった……)」
夕食を食べ終わり、睦月が食器を片付け始める様子を眺める。セーラー服姿で片付けるの? それいつまで着ているつもり? 私が言わないと脱がないのかな。
まぁ、せっかく着ているんだ。ちょっと楽しもう。
「睦月さぁん」
「なにー」
「今日はとっても可愛いですね」
後ろから抱きしめ、スカートを捲り、下から手を入れる。少し背徳的な気持ちに駆られる。
アレ? 下から入れた手に違和感。
「え……」
「あ~~ちょっとね、旭が……穿いた方が絶対良いって……」
手から感じる下着のレース感。ちょっと捲って見てみたい気も……。それをやる前に、旭さんの前で着替えているということがハッキリした。
下着までも変えさせられて、旭さんと一体、ナニをしたのか?!?! これは問い詰め案件!!!
「洗い物おーわり~~」
「そんな格好で旭さんとナニして帰って来たんですか?」
疑いの眼差しで見てしまう。私としては不信感しかないのに、本人は悪いことなんてしてませんよ? とでも言いたげに、ケロッとしている。
「何もしてないよ。俺が自主的に着て帰ってきた」
「自らの意思で着ているというのかぁああぁあぁあ!!!」
「え? ちょっ!! あっ如月っ?!」
睦月の肩を掴み、無理やり床へ座らせる。スカートの中から見える脚が、なんともえっちである。睦月の前にしゃがむと、手をぎゅっと掴まれた。
「……デート断ってごめん」
「うん」
「今度デートしよ」
睦月が歯を見せながらぎこちなく笑った。そんなこと気にしていたのか。気にしなくてもいいのに。優しく睦月の頬を撫でる。
セーラー服を着てるのに、胡座をかいて座る姿はやっぱり男性だ。色気のない座り方が睦月の可愛らしさとギャップを感じて、少しそそられる。
「少しだけいちゃいちゃしない?」
「えっ? うん……(俺から誘うまでもなかったな)」
頬を染め、恥ずかしそうに俯く睦月に、身体の奥の方が少しずつ熱を持ち始める。床に座る睦月へ近づき、上着の裾から手を忍ばせていく。
「んっ……」
「なんで肌着、着てないの?」
「……着てない方がえっちかなって……」
まさかこのセーラー服は私とえっちするために着ている?!?! しかしセーラー服が趣味なんて言った記憶はないしそんな趣味はないが、えっちだ!!!!
胸筋を辿り、胸の先端に指先を置く。弾くわけでもなく、押し潰すように何度も撫でる。繰り返すうちに、胸の尖りがピンと、立っているのを指先で感じた。
「あっ……や……んっ……はぁ……」
「こんないやらしい格好までして私を誘うなんて、睦月さんはえっちな子だね」
「そ…それは……っ」
顔を真っ赤にして、目線を外す睦月がどうしようもなく可愛い。少し背徳感を感じるが、制服のスカートの裾から手を入れ、指先を下着に引っ掛ける。
あ。レースの下着を穿いてるんだっけ? 見たいなぁ。
「如月?」
「……胡座じゃなくて私の膝の上に乗らない?」
「いいけどぉ……」
恥ずかしいのか、目線を下げながら私の膝の上に睦月が座った。正面にセーラー服姿で座られるのは、思ったよりどきどきする。
一体どんなレースの下着を穿いているのか……。想像して、思わず唾を飲む。スカート中から手を抜き、スカートの裾をゆっくり捲りあげた。
どきどきどきどき。
「ちょっと!!!! 何!!! 如月のえっち!!!」かぁあぁあ。
「見せる為に穿いたのでしょう」
「そうだけど違ぁあぁあぁあ!!!」
耳まで真っ赤になって可愛い。はあ~~女性ものの下着かぁ。小さな下着が膨れ上がって、はち切れそうになっている。それがなんともいやらしくて、性的欲求が身体の中を渦巻く。
「如月、顔が緩んでる……」
「ちょっとコーフンして来たかもしれない」
「へ?」
「あっ…ちょっ急に下着の中…んっ…あっんっちょっやあっ」
下着の中に手を入れ、幹を包み込む。面積が狭い下着はちょっと私が手を動かすと尻に食い込んでしまうらしい。
私の擦り上げる手にビクビクと肩を震わせながら、睦月が片手で尻に食い込む下着を、引っ張り直そうとする。それ、直しちゃうの? 直させないよ。
「直しちゃだーめ」
「えっ? んっぁあっ…あっ…あっあっ」
直そうとする手を優しく引き剥がし、剥き出しになっている双丘を両手で揉む。そういえば、あんまり触ったことなかったな。意外と良き。指先を窄みにめり込ませ、激しく揉む。
「ちょっんあっはぁっやっあっんっあっ」
「ねぇ、気持ちいいの?」
「んっあっやあっきもちぃっぁあっんっあっ」
首の後ろに腕が絡みつく。少し痛みを感じるのはそれだけ睦月が感じているということ。頬は赤く染まり、目尻が垂れ、艶っぽく鳴き続ける。
男の娘というのも良い。睦月さんもすごく可愛いし、燃える要素もある。だけど、その背景に重なって見える、千早とのえっち。
過去の話。頭では分かっていても、男の娘の格好は過去の恋愛を思い出す。動かしていた手が自然に止まると同時に、自分の中の熱も冷めていく。
「如月?」
「ん~~お風呂入ろうかなって」
「え?」
納得のいってなさそうな顔だ。まぁ一応、いちゃいちゃだけと言ってあったとはいえ、全てが中途半端である。逆の立場なら気分の良いものではない。睦月を膝の上からそうっと下ろし、立ち上がる。
「ギブアップです(色んな意味で)」
「どういうこと?」
「う~~ん。ごめんなさい」
正直なことを言ったって傷つけるだけ。傷つけたくはない。睦月の頭をぐしゃぐしゃっと撫でる。自分の都合でやめてしまい、申し訳ない。罪滅ぼしのような気持ちで頭を撫で続ける。
とりあえず、風呂に入って一旦、気持ちをリセットしよう。
「えっ? ちょっと!! どこ行くの?!」
「風呂」
「はぁあぁあぁあ?! 俺は?!?!」
騒いでいる睦月を無視し、脱衣所へ向かう。赤く染まった頬を片手で隠す。顔が熱くなるくらい、睦月のセーラー服姿を可愛いと思ってしまった自分が少し恥ずかしい。
ぎゅ。
背中の服が掴まれ、足が止まる。
「待って如月」
「なに?」
「……俺とのえっち嫌だった?」
「違う」
拒否されたように感じたのかもしれない。振り返り、今にも泣きそうな顔をする睦月を抱きしめる。ごめんね、そんなことないよ。
「ちょっと昔のことを思い出してしまって、萎えちゃっただけですよ。ごめんね。一緒にお風呂入りますか?」
「いいの?!?! 入る!!!!」
抱きしめている腕を緩め、睦月の手を握る。再び脱衣所へと歩き出す。
「あ、抱っこの方が良かったかな」
「1人で歩けるわ!!!」
繋がれた手に指先を絡め合う。脱衣所まで距離がないだけに、まだ離したくない一心で繋がれた手に力を入れる。
「今度は私の萎えない格好にしましょ」
「変な格好はやだよ~~」
変な格好って。セーラー服姿で現れた人に言われても。
なんだか可笑しくて、クスッと笑みが溢れる。沈んだ心が穏やかな気持ちへと変わった。ありがとう。これはお礼だよ。
ちゅ。
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