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33話(8)#気持ち良すぎて鯨になっちゃいました?!情事の後は甘えんぼ?!
しおりを挟む壊れたおもちゃのように、ぐったりと動かなくなった睦月を抱きしめる。お楽しみはこれから。まだダウンされては困る。震える睦月の内腿を片手で優しく撫でた。
「ぁあっ……」
「撫でただけだよ、どうしたの?」
「……急にさわらないでぇ……」
良い感じに睦月さんの身体は仕上がっている。睦月さんの身体に快感が続いているうちに、挿れて、ぐちゃぐちゃにもっと乱したい。スラックスと下着を少し下げ、気持ち良くなるための準備をする。
「睦月さん、腰あげて」
「もぉむり……」
「私を満足させてくれないと困りますよ」
睦月の腰を掴み。持ち上げ、抱きしめ合う。熱く、跳ね上がる幹に、睦月の腰を少しずつ落としていく。
「んぁあっ…ぁあっ…ああっ」
まだ少ししか挿れてないのに、すごくビクビクしている。ドライオーガズムの快感が睦月をいやらしく変化させ、私を掻き立てる。
「きつ……睦月さん…今日すごく締まります……」
「はぁ…待ってきさらぎっ…はぁ…なんか……漏れそう(?)」
漏れそうね。これは快感に集中させてあげなくちゃ。ソファの座面に背を付け、睦月を馬乗りにさせる。
「良いんじゃない? 漏らしてみても」
「何言ってゃあっちょっああっ」
より深く飲み込まれ、睦月を穿つ。腰を掴み揺さぶる。感じている姿がよく見えて、欲情を煽る。
「ぁあっやあっ待っ…だめっんあっきもちっぁあっはぁ…だめっあぁっやっ」
「…………(だめって言いながら自分で腰振ってるし。可愛い)」
睦月の手を軽く引っ張り、身体に寄せ、屈ませる。下から突き上げることはやめない。
「睦月さん。キスして、キス」
「やっぁあっんっっ…ぁあっむっむりぃっぁあっんっん~~~~っんん…ん」
遅い。我慢出来ない。睦月の後頭部を掴み、自分へ押し付け、唇を重ねる。少し開いた口唇から、舌を差し込み、ざらりとした口蓋の表面をなぞり挨拶する。
「んっっんんんっ…んふっんっんっんふっんっ…ん~~~~っ」
鳴きたくても口唇が塞がれていて鳴けないのか、声にならない声を上げ続けている。私の中にだけ捧げられる、籠るような鳴き声にそそられ、さらに突き上げる。
「んはぁっんぁああっ…やっぁあっ…きさらぎっもれるってっはっ…ああっはっ…だめっんっはぁっむりいっぁあっ」
強請るように収縮を繰り返す中は、とても締まり、気持ちいい。今までで1番締まっているかもしれない。気を抜くと出そうなる。身体を起こし、睦月に覆い被さった。
「睦月さん、変えるね」
「あ、うん(珍しい……)」
脚の間に身体を割り込ませ、腰を持ち上げると、睦月の腕が首の後ろに絡みついてきた。ふふ、可愛い。脇腹を擦る脚は震えが止まっていない。
快楽の頂に向かって、激しく突いた。
「んあっあっやっきさらぎっあっぁあっだめぇっぁあっあっ」
「まだイッちゃだめ。イクなら私を見て」
顔を真っ赤に染め、トロンと垂れた瞳からぼろぼろと涙を溢し、私を真っ直ぐ見つめる。私も睦月さんと同じくらい快感に溺れた甘い顔をしているだろう。
苦しいくらい気持ちがいい。この繋がりが幸せだと感じる。幸福と快感を追い求め、無我夢中で腰を振り続ける。
「ぁああっだめぇっやあっんあっあっきさらぎっぁあっんっきさらぎっぁああ~~っっ」
「はっ……はっ…睦月さん……はっ…あ…んんっ……」
同じ場所を目指し駆け上り、全てを解き放つ。白い幸福に包まれると共に、お互いの背を強く引き寄せ、抱きしめた。
腹の上が白濁とは別のサラサラとしたもので濡れ湿る。腕の中の睦月を見ると、身体をひくひくと引き攣らせていた。
「睦月さん、大丈夫?」
「大丈夫だけどぉ……なんかでたぁ……」
「ちょっと鯨さんになっちゃっただけだよ」
「~~~~っっ!!」
耳まで真っ赤になっちゃった。可愛い。顔を赤く染め、腕の中で俯く睦月の頭を撫でる。
「これで私の授業は終わりです~~」
「こんな身体にされて終わられてもっ!!」
「なになに~~まだ敏感なの?」
「あっちょっやめっあっ…んっもぉっだめぇっ!!!」
シャツの下に手を這わせ、胸の突起を弾く。目を瞑ってビクビクして可愛い。クス。おおきくなってるし。
「睦月さんは元気だねー」
「もぉ今日は無理だから!!! って言ってる側からやめてっあっちょっやぁっ」
睦月の幹に手を添え、擦り上げる。反応が可愛くて、楽しい。
にちゃねちゃ。
「いやらしい音する~~」
「もぉやめてっ!! んっぁあっやめっぁあっはぁっ」
いやらしく溢れ始める蜜をぺろりと舌で拭うと、睦月が更に身体を震わせる。可愛い。
「むりむりもぉむりぃ~~」
「はいはい、じゃあキスしよ」
赤く染まった頬を両手で包み、口付けする。
ちゅ。
「ん……」
「愛してますよ、本当に。浮気しちゃダメですよ」
「しないよぉ~~なんで俺がぁ」
愛を囁かれて、ふにゃんと笑う睦月が可愛くて、淡く色づくその唇にもう一度、口唇を触れ合わせた。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
*
はっ……。
「寝てた……」
身体を起こすと、ベッドの上。朝洗ったシーツは、きちんと変えられている。身体の震えは収まっているが、とても怠く、筋肉痛のような痛さを身体から感じる。
「今何時? 如月どこ?」
ベッドから降り、立ち上がり歩く。
どたーーーーん。
膝に上手く力が入らず、壁に激突。頭ぶつけた。いたぁい。きさらぎぃ~~。床に座り込み、痛むところを押さえた。
「大きな音したけど、大丈夫?」
「だっこ」
如月に向けて両手を広げる。
「もう~~っ甘えんぼさん~~」
甘える俺に、嬉しそうな笑みを浮かべている。俺が甘えると、如月が喜ぶ。如月の顔が近づき、首の後ろへ腕を回す。そのまま抱き抱えられ、身体が地面から離れた。
ソファ、掃除されてる。ありがとう。ゆっくり、ソファに降ろされた。
「今何時?」
「16時くらいかなぁ?」
そろそろ帰らなければ。このまったりした時間を終わらせるのは少し名残惜しい。もう少しだけ、2人で過ごしたい。
「はい、どーぞ」
「ありがとう」
コップに入った冷えたお茶を渡され、一気に飲み干し、喉の渇きを潤す。冷たくて美味しい。
「今日泊まりたいなー……」
「明日から仕事でしょ」
隣に如月が座る。ぽて。如月の肩に頭を乗せる。俺、今日いっぱい頑張ったんだから、たくさん甘えさせて。
あることを思い出す。そういえば来週飲み会だったなぁ。如月に一応報告しないと。
「如月、来週の金曜なんだけど……」
「ん~~?」
「の、飲み会があって……偉い人が来るからその参加しないといけなくて……ご飯は卯月と2人でお願いします……」
本当は飲み会なんて行きたくない!!! だって飲めないし!!! 飲んだところで目が腫れるだけ!!!(※泣き上戸)
「分かりました。来週、旅行行く予定だったと思うのですが、来月に回しても良いですか?」
「え? なんで?」
「来週、姉さんと母さんが来るって」
なぁぁあぁあぁにぃぃぃぃい!!!!! そういえば来るって言ってたような!!! 来週くるの?! 部屋掃除しないと!!! 美味しいお店予約しなきゃ!!!
「あ、気遣いは要らないですから。ご飯とかも睦月さんの手料理で構いません」
「いや、でもぉ……う~~ん」
「睦月さんのご飯は美味しいから大丈夫ですよ」
ちゅ。
頬に口付けされ、赤く染まる。色々恥ずかしい。
「飲みすぎちゃダメですよ。あと知らない人について行っちゃダメです」
「ついていかないってば~~」
なでなでなで。
如月の手が俺の頭を撫でる。子ども扱いして。もぉっ。
「そろそろ帰らないとね、卯月さんが待ってる」
「うん」
バサ。
膝の上に何かが置かれた。なんだ? 手に取ってみる。如月のスーツ。アシンメトリーに描かれた白い模様付き。
「クリーニングに出しといて」にこ。
「ぇえっ!! 俺が?! なんで?! 如月のスーツでしょ?!」
「誰の汚れだと思ってるの?」うっ。
「いやぁあぁぁあぁあ!!! 恥ずかしいぃいいぃ!!! やだ!!! 絶対やだ!!!」
お店の人に見せるとか絶対嫌だ!!! 手洗いできないの?!?! 洗濯表示マークを確認する。お高いスーツらしく、出来ない!!! クリーニング推奨!!! どうしよう!!!
「無理無理無理!!!! 恥ずかしい!!! こんないかにもえっちしましたみたいなスーツ!!!」
「浴衣もイケたんだから、スーツもイケるでしょ」
そういう問題違ーーう!!!
「ちょっと、鯨になっちゃったんです~~って言えば大丈夫ですって」
「それのどこが大丈夫なの?!?! ドン引きされるだけでしょ!!!!」
渡されたスーツを綺麗にハンガーにかける。もぉっ。出せば良いんでしょ!! 出せば!!!
ずい。
如月の顔が耳元に近づく。
「今日すっごく可愛かったよ」
吐息が耳元にかかり、耳を甘く噛まれる。
「帰るんでしょ」
少しの痛みは気持ち良さへと変わりゆく。
「そうだけど、あと少しだけ」
「もぉ…ひゃあぁあっ」
あたたかい舌先がくちゅくちゅと音を立て、耳の中を這う。頭の中で響く淫らな音に耳朶が熱を持った。
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