如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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32話(2)#あの時の続きをシよう?!

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 稲刈りから帰ってきた。睦月さんは汗だくの身体を洗い流すためにシャワーを浴びている。卯月さんは稲刈りが疲れたのか、和室でぐっすりだ。


 田植えをした時と同じように、濡れた髪でうつらうつらしながら思い出していた。あの日9話(3)、初めて睦月さんとケンカしたことを。


 睦月さんのこと受け入れられなくて、言いたいことも言えず、家も出て行った。卯月さんにも、神谷さんにも迷惑をかけた。


 気づけばあの日から4か月も経っており、なんだか遠い日の記憶のような気がする。4か月も経てば苗も稲穂になるということか。


 今あの時と同じことを睦月さんにされたら、私はきっと拒否をしないだろう。


 ぽたぽたと、水滴が髪を伝い、机の上に雫が落ちる。ふふ、乾かせばいいのに。もう眠くて動けないや。眠たくて、頭が前後にこっくりこっくり動いてしまう。


「……如月…濡れた髪で寝ると風邪ひくよ」


 ぱさ。頭にフェイスタオルが乗る。両手で頭が優しく包み込まれ、フェイスタオルで拭かれた。背中からふわっと香る睦月さんの甘い匂いに鼓動が早くなる。


 ぶぉおお~~。


 自分が後ろから抱きしめて座るのは良いけど、されるのは少し恥ずかしい。睦月の股の間にすっぽりはまりながら、ドライヤーの生暖かい風を受けた。


「……乾いたよ、如月」


 不意に口から出た。


「……あの時の続き、する?」


 乾かしていた睦月の指先が髪の間をすり抜ける。顔を横に向け、睦月の目を見つめると、戸惑いの表情を浮かべながら、私の脚にそっと触れた。


「……でも私が受けはイヤだなぁ」
「あの時は如月が受けだったでしょ」


 さりげなく、あぐらを組み始める睦月を見て、言わなきゃ良かったと少し後悔する。肩がギュッと掴まれ、あぐらの上に横向きに座らされた。お姫さま抱っこ座り。うぅん、やる気ですね。


 あの日感じた、獲物を狙うようなオスのオーラは睦月さんから感じない。ただ、全てを包み込むように優しく、愛情に溢れた瞳で私を見つめる。


 睦月さんもあれから変わったのだと、そう思う。


「……私のこと好き?」


 まるで10代、20代の恋人が訊くような質問だ。何が返ってくるかなんて、分かりきっているのに、『好きだよ』『愛してるよ』が、ただ訊きたい。


「好きだよ、愛してる」


 睦月の顔が首筋に近づき、しっとりと口付けする。首元から耳の後ろに向かって、繰り返しされる口付けに、身体は熱くなるばかり。


「如月……」
「っん……ん……はぁっんん……っんはぁ…ん…ん…ん…」


 手で後頭部を押され、唇が重なる。唇を押し付け、離し、何度も重ね合う。求めるように強く頭部が押され、普段は見せない睦月の激しさに頬が染まる。


「っはぁ…睦月さん……だ、だめです…これ以上はその……」睦月の手がTシャツの下を這う。
「あの時の続きじゃないの?」指先が胸の突起に少し触れ、肩がビクッと上がる。

「ねこはやだ……」睦月のTシャツを握り、じとりと目を見つめた。
「何その目……俺のことは受け入れてくれないの?」


 もう、あの時と同じセリフだし。わざとでしょ。そんなセリフ、ずるい。悪戯な笑みを浮かべる睦月に心がくすぐられ、つい、ねこを許してしまいそうになる。


「何回も受け入れてると思いますけど?」緊張しているのか、服の下を這う睦月の手に湿りを感じる。

「……そうだね。少しだけ触っていい?」
「好きにすれば?」


 何をそんなに緊張しているのか。時計の音がチクタク鳴り響く静かな部屋に、余計緊張を煽られているのか、恐る恐る、睦月の指先が私の胸の先端に触れた。


「ん……さっき触れたのは偶然だった?」あまりのたどたどしさに、笑みが溢れてしまう。

「うん……なんか分かんないけど、物凄く緊張する……はぁ~~」睦月は頭をグシャっと掻いた。

「じゃあ、交代する?」睦月の頬に手を軽く触れ、口付けする。ちゅ。
「それはやだ。俺のターン、最近全然回ってこないから」

「ぁっ……本当に少しだけですからね……んっ」


 何かスイッチでも入ったかのように、大きな瞳が私をいやらしく見つめ、胸の突起を擦り始めた。


 *


 『あの時』と何度も言われると当時を思い出してしまい、なんだか緊張してしまう。今の如月が逃げるようなことはないとは思うけど、逃げ出してしまうようなことはしたくはない。


「っん……はぁ……あっ……はぁ」


 膝の上から感じる如月の体温と小さく漏れる甘い吐息。頬を赤く染め、こちらを見る表情は、上から目線の如月らしさはなく、とても可愛い。身体全身に熱が巡る。


「如月……可愛いよ……」
「あっ……んっ…はぁ……はぁ…あっ…」胸の先端をつまむと如月の肩がビクッと震えた。口元を手で隠し、恥ずかしそうに小さく喘ぐ姿に感情が昂る。


「普段もこのくらい素直になればいいのに」
「はぁ…あっ…もうそれぐら…あっ…はぁ…あっ…だめ…睦月さ…あっ…だめですっ」可愛い。そっと下着の中に手を入れ込み、幹に手を添える。大きくて、熱い。


 もう少しだけ。ちゃんと代わるから。もう少しだけ見せて。そのとろんとした、恥ずかしげなその表情。


「あとちょっとだけ」
「っん…はぁ…あっ…だめ…ほんとだめ…あっ……はぁ…んっ…」びくりと跳ねる幹をゆっくり擦ると如月の身体が小さく震え、先端から蜜が滲んだ。


「睦月さぁんっ……」聴きなれない甘えた声に少し欲情するけど。そろそろ勘弁してあげようかな。下着の中から手を抜き、如月の頬に触れ、軽く口付けした。


 ちゅ。


「如月ごめんね? 代わるよ」如月をじぃっと見つめる。
「睦月さんのばかぁ~~やりすぎ……」頬が赤くなって可愛い。代わるのは勿体なかったかな?


 のそのそと俺のあぐらから如月が下りていく。あぐらから降りた如月の瞳は、俺を誘う妖艶なものに変わっていた。



 *



「こっち、おいで」


 睦月の手を引っ張り、自分の脚の間に手繰り寄せ、座らせる。ぎゅっと後ろから抱きしめると、睦月さんの甘い匂いがふわっと香り、抑えている性的な気持ちが溢れ出た。


 そっと、Tシャツの下から手を忍ばせ、胸の先端を何度も指先で弾くと、腕の中で睦月が小さく震えた。


「んっ……あっ……やっ…ちょっ…んっはぁ…」
「この程度じゃ物足りなさそうだね?」


 体から伝わる体温が熱い。攻められている私を見て、体が疼いたのだろう。ビクビクはするけど、貴方はこんな程度じゃないもんね。膝を持ち、閉じている両脚を横に割り広げた。


「ちょっ…恥ずかしいって……両脚広げる必要あるの? 卯月、和室で寝てるっ……ん」脚を広げられて顔を赤くする睦月さんが可愛いくて、咄嗟に頬へ口付けする。


 ちゅ。


「ふふ。卯月さんが寝た瞬間に襖は閉めました」指先にゴムを被せながらニコッと睦月へ笑いかけた。
「ドヤ顔で何言ってんの~~ちょっ待っあっ」下着の中に手を入れ、淫らな窄まりを探す。

「どこかな~~あっ、ここかなぁ?」
「やっ……んっ…ぁああっはぁ…あっ…あっ…やっ…」ぐちゅ。あたたかい中は、指先を飲み込んで甘く締め付けてくる。

「あんまり大きな声を出すと卯月さんが起きちゃうよ?」もっと奥へ。気持ちいいと感じるところへ、指先を進めていく。
「あっ…だめっ…あっ…はぁ…んっ…それ以上奥挿れたらおれおおきな声でちゃう~~っ」


 あと少しで前立腺。睦月の顔を覗き込むと、目尻は下がり、視線がとろけていた。まだちょっとしか触ってないのに、こんな風になっちゃって可愛い。もっと官能的に乱れて、私に可愛い姿を見せてよ、睦月さん。


「ぁああっやっ…はぁ…ぁっあっだめっはぁんっあっきさらぎっあっ」指先で感じる部分を激しく突く。水分をたっぷり含んだ眼差しが私へ向いた。

「なに?」まともには話は聞いてあげない。指先を動かし続ける。

「ゃっあっ声が…はぁ…あっだめっあっ我慢できなぁあっ」腕の中で震えながら一生懸命お話しする姿に内側から性欲が湧き上がってくる。我慢できなくなりそうなのは私の方。

「今更、声なんて気にするの? 本能のまま喘いだら?」


 ぐちゅぬちゅ。


「ぁあっんっ…おとっ音やめてっ…あっもぉっあっやっ…ぁああっ今日はげしっああっっ」くちゅくちゅと水音を立てながら、中を突き続ける。睦月の瞳に溜まっていた涙が溢れ出た。

「ふふ。気持ちいいの間違いじゃない?」


 挿れたい。目の縁を赤く染めながら、涙を溢して鳴く睦月さんに挿れたい。トロンとした瞳が開かなくなるくらい、感じさせたい。でも挿れたら卯月さんは確実に起きる。むー。どうしたものか。


 この大きく膨れ上がっている下半身で突き上げたい……。


「やっあっ…だめっ…きもち…はぁああっ…おかしくなっちゃっ…ぁっあっあっ~~っっ…もぉっきさらぎっ」



 激しく突くたびに可愛い鳴き声をあげるせいで、やめられない。睦月さん。可愛すぎて抑えきれないです。



 腕の中で睦月さんの震えを小刻みに感じる。でも、まだイッてはいないでしょ。私、どうしようもないくらい、貴方が好きです。心も身体も全て欲しいです。挿れても良いですか。睦月さん。



 卯月さんが起きちゃったら、私、謝りますから。



「睦月さん、挿れたいです」



 後ろから睦月に覆い被さり、押し倒す。



「あっ! ちょっとぉ……もぉ~~仕方ないなぁ」



 少し振り向き、大きな瞳で私をじぃっと見つめてくる。
 ふふ、何かな?



「……顔がみたいから、こっちでも良い? 如月」



 仰向けになり、私を見つめながら首へ絡めてくる腕が愛しくて、導かれるように、唇を触れ合わせた。



 
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