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31話(6)#俺がまぐろとでも?!キスしてくれないと気持ちよくシてあげません?!
しおりを挟む今日は卯月が修学旅行から帰ってくる。お迎えの関係上、有給を取った。如月が家に来てから、ものすごい勢いで有給が減っていく。消化できるのはいいことでもあるけど、減りすぎて不安になるこの頃。
18時頃に学校へお迎え。時刻はまだ15時。お迎えに行くには少し早い。家事も終わり、特にやることもなく。
ひま。
如月何してるかな。和室の襖を開けて、中を覗く。タイピングしながら寝てるし。もぉ。なんでいつもパソコン打ちながら寝てるの?
タオルケットを掴み、如月の肩にかけた。
「……ん~~睦月さん……?」
開いているのか開いていないのか分からないような目で見つめてくる。眠そう。でもちょっとかわいい。
「如月おはよ。お迎えまでまだ時間あるよ、もう少し寝る?」如月の腕を引っ張り布団へ誘う。
「うん……眠い……行こうかな……」2人でごろんと布団に横になった。
じぃ。
お互い横向きになり、向かい合う。
そういえば、昨日なんだかんだえっちしなかった。というか、シなかったのは多分俺のせい!!! だってだって!!! あんなにシた次の日は流石に身体が!!!
今日は卯月が帰ってくる。またいちゃいちゃ出来ない日が続く……!!! 出来る時にシておかねば!!!
「……如月……」背中に腕を回し、抱きつく。もうわかるでしょ、これで!!!
すこー。
「…………は?」
顔を上げて、如月を見る。爆睡。どんだけ!!! 俺が……俺が!!! こんなに近くにいるのに!!! 寝るとか!!! どういう神経してるの!!! 起こそう!!!
「起きて!!! 如月ぃ!!!」ぽこぽこ。胸元をぐーで叩く。
「もぉなにぃ……ねむいんですけど……」眠そうな如月に頭が撫でられた。
「だって……今日で卯月帰ってくるからぁ……」
帰ってくる前に少しでもいちゃいちゃしておきたい。如月をその気にさせたくて、如月の脚に自分の脚を絡める。触れ合う脚は性的な気持ちを刺激する。
「なに? シたいの? 昨日シたくないってグズったくせにぃ」
如月の顎が頭の上に乗った。ゆっくりと背中に腕が回り、抱きしめられる。密着する身体は、ドキドキする心臓を余計に速くする。
「それは……その……だって……そんなにシたら感じすぎて、からだ壊れちゃう……」自分で言っていて恥ずかしい。顔が熱くなる。
「もう壊れてるんじゃなくて?」
「……んっ…」
背中から如月の手がTシャツの下を這う。素肌へ触れる手に色んなことを期待してしまう。お迎えのタイムリミットは3時間。学校まで迎えにいく時間を含めれば3時間を切っている。
少しでいいから、その指先に翻弄されたい。
「なんだか目が覚めて来ちゃった」
如月の目がぱっちり開いている。お目覚め。背中を這う手は、肩を触れたり、肩甲骨に沿ったり、腰を撫でたり、愛撫を始める。
「ふふ。まだ何もしてないよ? ビクビクしちゃって可愛い。顔見せて?」如月に言われるがまま、顔を上げた。
「だって~~……っん…ぁっ…はぁ…」後ろにあったはずの手が胸元へ来た。指先で胸の先端が押し潰され、気持ち良さで声が漏れる。
「でも? 昨日断ってるよね? 睦月さん」
「へ? そ…れはぁ…っん……仕方ないじゃん…ぁっ…」何度も人差し指で先端が押し潰され、小さな気持ち良さだけが身体に広がる。もっと欲しい。
「傷ついたなぁ~~どうやって慰めてくれるの?」挑発的な瞳に物怖じしてしまう。
「慰め……」
慰めるとは? 慰めるって何?!?! おくちでする的な?!?! また自分で挿れないとだめなやつ?!?! ぇえ!!! なんか違うのがいい!!!
「えっと……うぅん……俺からキスする……」
如月の顔を両手で包み、自分へ引き寄せ、唇を重ねる。されることが多すぎて、上手に出来ない。どんどん下手になっている気がする。顔を傾け、もう一度、口付けすると、鼻が当たった。うぅ。
「下手になってません?」見抜かれている。
「やっぱり? なんでだろう!!! こんなに下手になるもの?!」
「その拙さも逆に可愛いですよ。もっとキスして?」如月の手が頬に触れる自分の手の上に重なる。
「逆にって何さぁ……ん」もう一度、唇を触れ合わせた。
拙くてもいいや。唇を通して、愛情が伝わればそれで良い。少し開いている唇の隙間から舌を差し込む。ちゃんと出来そう。粘膜をなぞりながら、ゆっくりと舌を絡める。
「ん……ん…はぁ……んっ……はぁ……睦月さ…ん…」自分がする側になって気づく。如月の吐息が熱い。なんか……飲み込まれそう!!!
「はぁっ……睦月さん…知ってます? 何もしてくれない人のこと『まぐろ』っていうんですよー」如月は横になりながら、肘をつき、にっこり笑った。
「お、俺が『まぐろ』だとでも……?」如月をじぃっと見つめる。
「別に? そんなこと言ってませんけど」
言ってなくても遠回しに言われた気がするんですけど!!! 何? おくちでしてって言ってるの?! そういうこと?!
「……くちでする?」恥ずかしくて目線が下がる。
「いや、しなくて良いですって。たまには睦月さんからキスして欲しいなぁって話」
「あっ……」如月の手が下着の中に入り、硬く、大きくなりかけている自身に添えられる。
「ほら、早くキスして? キスしてくれたら手を動かしてあげる」妖艶な笑みを浮かべる如月に惹かれ、そっと口付けした。
「んっ……んんんっ…んっはぁんっ…んっ……」キスに合わせて、擦り上げられる手に身体がビクビク反応してしまう。はぁ。きもちい。
「キス止まってるよ? ちゃんとキスしないと最後までイケないよ?」
身体が反応して、少しでもキスが緩むと、同時に包んでいる手も止まる。なんという仕組み。この制度(?)相当頑張らないと全然イケない!!!
「もう少しお手柔らかにお願いしますよ、如月さぁあん!!!」如月のTシャツを掴み、くっつく。ぎゅう。
「またそうやって甘えて~~」
そう言いながら、顔を近づけてくれる如月が好き。優しく口唇を触れ合わせる。少し開いた唇の隙間に導かれるように、如月の舌が差し込まれ、深く触れ合った。
「ーーんっはぁ……あ……」
時計を見ると、もうそろそろ良い時間。この辺で切り上げないと。なんか中途半端なった!!! 消化不良!!! むらむらする!!!
「ふふ、立ったまんま行くつもり? こんな姿、卯月さんには見せられないよ?」再び動き出す手に気持ち良さで瞼が落ちて来る。
早く、そして容赦なく、擦り上げられ、身体中に熱が帯びていく。快感で目はトロンと垂れ下がる。こんな姿じゃ迎えにいけない。溢れ出す蜜のせいで、擦り上げられるたびににちゃにちゃ音が立ち始める。出ちゃいそう。
「あっ…ちょっ…んっ…はぁ…あっ…はぁ…だめっ…待っ…はぁぁっあっだめっあっ…きさらぎっあっはあぁっ」
ゾクゾクとした激しい快感が全身を貫く。その後襲ってくる倦怠感。だるい。如月の顔をチラッと見る。にこぉと満面の笑みを浮かべている。満足気~~。
「みて、睦月さん。いっぱい出た」
手のひらに広がった、白濁のどろっとしたもの見せ、笑っている。毎回なんで見せるの? なんなのこの癖。
「早く拭いてきて!!! もぉ!!!」
恥ずかしさで顔が熱くなる。俺の様子を見るなり、クスッと笑う如月が腹立しい。からかってる。絶対からかってる。
「あっ!!! 時間!!! 早く迎えに行かなきゃ!!! 如月早く!!!」急いで身体を起こし、着替えの準備をする。
「慌ただしいなぁ……」
全然急ごうとしない如月の手を引っ張り、家を出た。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
*
「全然迎えに来ないから、忘れてるのかと思ったぁ」
やっと家に着いた。ドアノブに手をかけ、引く。3日ぶりの家は少し懐かしく感じる。はぁ、帰ってきたという安心感。落ち着く。荷物を玄関に置き、部屋の中へ上がった。
「疲れたぁ~~!!!」
布団に、ばふっと倒れ込む。あれ? 無意識に横になっちゃったけど、なんで布団敷いてあるんだ? 身体を起こす。
「…………」
迎えに遅れた理由とは。
「……(こいつらいちゃいちゃして遅れやがったな)」
まぁいいけどさ!!! なんかむかつくな!!!
玄関に戻り、荷物の中から、2人へのお土産を取り出す。めちゃくちゃ悩んで買ったもの。喜んで欲しい。リビングに居る2人の元へ向かった。
相変わらず、ハグして座ってる。らぶらぶ。気に入ってもらえるかな?
「2人へのお土産です!!!」袋に入ったペンをそれぞれ手渡した。
「ありがとうございます~~」
「ありがとー」
嬉しそうに受け取ってくれる2人を見ると、買ってきて良かったと思える。あとは中身を気に入ってくれれば!!!
「ペン?」
「名前入ってますね、使わせて頂きます」如月はサッとポケットにボールペンを仕舞った。
「俺、如月のペンがいい」再び取り出される如月のボールペン。
「え、イヤですよ。自分のもらったやつ使って下さいよ」ぐぐぐ。ボールペンの取り合いになってるし。
「なんで!!! いいじゃん!!! 俺ピアスもあげたのに!!! 何今更イヤがってるの!!! 俺のあげるから!!! 中身は同じ色だって!!!」ぐぐぐ。
「折れる折れる折れる!!!! そういう問題違います!!! 明らかにデザイン違うじゃないですか!!! そっちイヤです!!!」ぐぐぐ。
ボールペンを巡る取っ組み合いのケンカが始まった。ん~~。こんな予定ではなかったんだけど。交換しろとは言いづらいな。
すぽ。
「あーー!!! 私のボールペンがぁああぁあ!!!」
winner睦月。
「ほら、やるよ。俺のボールペン」兄らしからぬ、上から目線。
「ひどぉい……」めっちゃ悲しそう。
「睦月さんのばかぁ~~」
「あっ~~っ ちょっ!!! 耳噛まないで!!! だめだってばぁっ!!! んっ」
如月に文句を言われながらも膝の上へ座り、耳を甘噛みされて騒いでる兄の姿を見ると、やれやれとしか思えない。仲良しかよ。
そんな2人を少し離れて見守りながら、兄、如月、私の家の鍵に同じキーホルダーをそれぞれつけていく。
でーきたっ。
これで、3人お揃いだね。
家を守る大切な鍵。
私の大切なものも守ってくれますように。
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