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31話(4)#情事の後はお風呂でまったり?!修学旅行の2人へのお土産選びは難しい?!
しおりを挟む唾液とホイップクリームでどろどろになった上半身。何度イッたか分からない身体は震えが止まらない。たくさん求め、求められ。身体は限界に達していた。
「はぁ…はぁ…あっあっぁあっもぉむりぃ~~っっ…あっだめぇっはぁ…はぁ…ゃっんっあっぁあああっ!!」
再び全身に巡る快感。ピクピクと腿が震える。瞼はまともに開けられない。きちんと開けたところで、自分がどこを見ているのかもよく分からない。口からはだらしなく涎が垂れた。
「はぁ…はぁ…もぉむりです…弥生さん……」自分に倒れ込み、動かない如月を抱きしめる。
「ん……はぁ…いいの? 終わりで?」
「…はぁ…今日はね…はぁ……んっ」ぬちゅ。いやらしく水音を立てながら、窄みから幹が抜かれていく。
「はぁ~~なんか飲も」如月は髪を掻き上げ、体を起こした。
「うぅ~~もう動けない……」
未だ震え続ける身体。震える手で、どこか行こうとする如月の手を掴む。置いていかないでよ。
「どうしたの?」如月が屈んで俺の顔を見てきた。
「俺も連れていって」身体に力が入らず、起き上がれない。
「お風呂入る? べとべと」膝の裏に如月の腕が通る。
「うん……」如月の首に腕を絡ませると、ふわっと身体が持ち上がった。
最近お姫さま抱っこばっかり。しかもする方じゃなくて、される側。恥ずかしい。頬がほんのり赤くに染まる。
浴室までいくと、身体が降ろされ、目の前にバスチェアが置かれた。座っていいの? 置かれたバスチェアに腰を下ろした。
頭のてっぺんから足の指先まで丁寧に洗う如月を座りながら眺める。指先の間まで綺麗に洗うので、少しこそばゆい。目が合うと、薄く微笑む如月に、胸がドキッとする。
「はい、終わり~~」頭の上から丁度良いお湯加減のシャワーによって、泡が流された。
「ありがと」
湯船くらい自分で入れるのに。再び如月に抱っこされ、一緒に湯船の中へ入った。湯船から、少しだけお湯が溢れる。後ろから抱きしめられる形で浸かるお風呂は、心も身体もとても満たされた。
「卯月、修学旅行楽しんでるかな……?」
如月の胸元にもたれかかり、他県に居る卯月を想う。こんな風に、すぐに会いに行けない距離で離れることはなかった。少し、心配になる。
「んーー? どうですかね。あんまり学校生活のこと話してくれないので、よく分かりませんが、楽しく過ごしているのではないでしょうか?」如月の手が俺の頭を撫でた。
「如月」
「なんですか?」
少し振り向き如月の顔を見つめる。薄い二重に切れ長の茶色い瞳。真っ直ぐで整った鼻。柔らかくて長いナチュラルブラウンの髪。なんて綺麗な顔。
俺が女だったら、結婚して幸せな家庭を如月と築くことが出来ただろうか?
「何? 睦月さん」
「……俺がもし女でも好きになってた?」
訊いたってなんにもならない質問だ。
「……仮定の話をするのは好きではありません……。だって分からないし。私は性的指向の変化に悩みながらも、自分のセクシュアルマイノリティを受け入れ、私を好きになった貴方が好きです」
「だから男とか、女とかじゃないですよ。『睦月』さんが好きなんですから」
如月は、ふふっと笑みを浮かべ、睦月に顔を近づけ、優しく唇を触れ合わせた。
「ごめん、変なこと訊いちゃった。俺の理解が足りなかった」情けない。
「良いんです。何回でも聞いてください」
「あっ…ちょっ…んっ…どこ触ってるの~~」胸の先端が指先で弄られ、肩がビクッと上がる。
「可愛い。どうする? お風呂でもイッちゃう~~?」
クスッと笑う如月にそのまま委ねそうになる。しかしそれはダメだ!!! そんなことしたら明日、絶対仕事行けなくなる!!! 既に身体おかしいのに!!!
「ダメ!!! 絶対ダメ!!! 今日はもう終わり!!!」立ち上がると、上手く脚に力が入らず、サバっと湯船の中に尻餅をついた。痛い。
「大丈夫ですか?」如月に手を引かれて、立ち上がった。
「う、うん……」
結局、如月に抱っこされて、風呂を出る始末。もう何やってるの!!! 俺!!! リビングで如月が綺麗に水滴をバスタオルで拭いてくれた。
「はい、着替え」
「迷惑いっぱいかけてる……ありがとう」手渡されたれた着替えを受け取り、Tシャツを頭から被った。
「迷惑だなんて思ってないですよ。私、和室の掃除してくるので、着替え終わったら呼んでくださいね」
いつになく如月が優しい。いつもこんなに優しかったっけ? 俺が優しさに気づいてないだけ? まぁでも、病院も毎日付き添いしてくれたくらいだし。気づかないところで優しくされてたのかも。
悪いなぁ。気づいてあげられなくて。
立ち上がり、おぼつかない足取りで、和室へ向かう。和室を覗くと、如月が汚れたタオルやシーツを取り替え、寝る準備をしていた。
「どうしたの? 呼んでくれれば運んであげたのに」
フラフラと如月に近づき、後ろからぎゅっと抱きしめた。
「ふふ、なに~~? 睦月さん?」嬉しそうに微笑み、振り向きこちらを見る如月が愛しい。
「好き。大好き」抱きしめる腕に力が入る。
「私も好きですよ、睦月さん。ほら、終わりましたよ」
もう少し、このままで居たい。
「こっちへおいで」
抱きしめている腕が引っ張られ、誘導されるまま、如月に抱きしめられた。ぎゅ。如月の匂いがふわっと香る。
「このまま寝ちゃおっか」
そのまま布団に倒れ込み、抱き合いながら寝転がった。あ。また触ろうとしてる。如月の手が後ろからTシャツの下を這う。
「寝るんじゃなかったの?」じぃっと如月を見つめた。
「睦月さんが拒否しないから」ハーフパンツの中で腰回りを撫でる手に胸の鼓動が早くなる。
「あっ…ちょっ…もう今日散々シたってばぁ~~っんっぁあっ」
指先が窄みからめり込み、身体は何が起こるのかを知っているかのように、打ち震えた。
求め、求められ。
愛し、愛され。
快楽に溺れ、頭の中が真っ白になり、甘い痺れが全身を包んでも。
貴方を想う、その気持ちだけは、変わらない。
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ーー次の日 朝
足腰が……!!! なんか服が擦れるだけで気持ち良さが!!! もぉ仕事行きたくない!!! だるい!!! 起き上がれない!!! 誰?! 如月が鱈とか言ったやつ!!! 肉食獣過ぎる!!!!
「あんなに如月がえっちだとは思わなかった!!!!」
隣で気持ち良さそうに寝ている如月を見る。憎たらしい。自分はいつも家に居て、何もしないくせに、ぐーぐー寝て!!!
「俺の身体、変なんだけど!!! 全部如月のせい!!! ばかばかばか!!!」ぽかぽか。寝ている如月の胸元をぐーで叩く。
「ん~~……なにぃ~~?」目を擦りながら如月が身体を起こした。
「えっちし過ぎて未だに感じちゃうの!!! ばか!!!」
「へーよかったね」妖しい笑みで面白そうに俺を見てくる。
「よくねーわ!!!」
起き上がり、キッチンへ向かう。今日は手抜き。トーストで充分。目玉焼きぐらいは作ってやんよ!!! フライパンを取り出し、朝食の準備を始めた。
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*
ーー昼過ぎ 修学旅行
私は有名テーマパークに来ていた。修学旅行とは楽しい!!!! 一通りアトラクションとパレードを楽しみ、今はお土産売り場を巡回している。
修学旅行のお小遣い。お兄ちゃんからは1万円。めっちゃケチ。ほんとケチ。修学旅行なのに。足りないから如月からこっそり1万円を貰い合計2万円!!!
お兄ちゃんと如月に感謝を込めて、2人には何か買ってあげたい!!! 2人からもらったお金で2人へプレゼントを買うっていう!!! 何がいいかなぁ??
「2人はらぶらぶだからお揃いとか??」
キャラクターが描かれたTシャツが目に入り、手に取る。Tシャツは、とても可愛い。如月は37歳、お兄ちゃんは24歳の年の差13歳の同性カップル。
「…………やめよ(このTシャツ2人でお揃いで着てたらまじきもい)」
Tシャツを元の位置に戻し、他の商品を見る。う~~ん。贈り物とは難しい!!! 如月ってセンス良い!!! よくあんなマグカップ見つけれるなぁ。
「卯月ちゃん!! 何みてるの??」星奈だ。
「星奈~~!! お兄ちゃんと如月へのお土産が決まらなくて……」
壁一面に掛かっているキーホルダーをひとつひとつ見るが、どれもピンと来ない。どれも可愛いんだけど。そもそも装飾品があまり好きではない如月にとっては、キーホルダーは微妙なのかもしれない。
「あの2人にお土産ねぇ~~キーホルダーはダメなの?」星奈はキーホルダーをひとつつまみ、卯月の目の前で揺らした。
「う~~ん。お兄ちゃんがつければ、如月も付けると思うけど……」
なんだかしっくり来ない。
「3人で鍵とかにつければいいじゃない。あっ、みて!! これかわいー!!」星奈が隣に並ぶ、ぬいぐるみ付きキーホルダーを見始めたので、私も一緒に見て回った。
そりゃあ、鍵とか? 3人でお揃いでつけるとか、良いと思うけど~~。それとは別にお兄ちゃんと如月へ贈りたい。
なんか良いものないかなぁ。
先ほどのキーホルダーコーナーへ戻り、アヒルのキャラクターが笑ったキーホルダーを3つカゴの中へ入れ、再び店内を彷徨く。
あるボールペンが目に入った。
「名入れボールペン……?」
少しお高い。だけど、なんだか透明感があっておしゃれで可愛い。名前が入れることが出来るのも尚、良い。お兄ちゃんと如月の名前を入れて、交換して持てば良くない?
「仲良し!!! らぶらぶ!!! これにしよう!!!」
う~~ん、どのカラーにしようかなぁ?? 迷う~~。いいなぁ、私も欲しくなっちゃうよ~~。
ボールペンを見つめ、再び悩み出した。
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