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21話 #全身鏡を撤去せよ?!焦ったすぎる慣らし?!俺に遠慮しないで?!
しおりを挟むお風呂から上がった。ふきふき。いやぁ、こわいよぉ~~……。あの笑みがこわい。変なことしないでね、マジで。
Tシャツとハーフパンツに着替えて、リビングへ行く。如月が居ないこと以外は特に何も変化無し。大丈夫。そうだよ、いくらなんでもアブノーマルなことする訳ないじゃん。
そこまでされるようなことしてないし!!
「如月、お風呂空いたよ~~」
どこ行ったんだろう。
「今入りまーーす」
寝室から声が聞こえた。
何かベッドに仕込みを?!?! 危険!! 如月がお風呂に入ってる間に確認しないと!! 危ないものは即、取り除かねば!!!
「睦月さん、そんなところで目、見開いて、何やってるんですか?」
「なんも!!!」
「そうですか。では入ってきますね~~」
なんか楽しそうに脱衣所行ったなぁ。水が流れる音が聞こえる。つまり、お風呂に入った!! いざ寝室へ!! ドアを、そーっと開け、中を覗いてみる。
「んーー、大丈夫そう?」
なんだこれ。布が被せられた何かが、ベッドの横に立っている。こんなのあったっけ? いや、なかったような。布に手を伸ばす。
はらり
「全身鏡!!!!!」
即座に理解する。
男なら誰でも一度は彼女にやってみたいと憧れを抱く(?)非日常感と羞恥心を得るプレイ!!!
そして、200%鏡に映されて恥ずかしい姿を晒すのは、この俺!!!! これは間違いない!! 断言出来る!!! 思えば14話(2)も! 19話(4)も! 俺が恥じらってる時は如月はいつも欲情気味!!
これはもしや……性癖?!?!(※違います。恥じらいこそ最高のスパイス。by如月)
じゃあ、やっぱりこの鏡で俺は…………。
「ぁあぁあぁぁあぁあ!! 絶対無理ぃいいぃいいいい!!」
そんなことされたら死ぬ! 恥ずかしくて死ぬ! 羞恥で死ぬ! 生きていけない!! 絶対無理!! 早く鏡を撤去しないと!!!!
落ちた布を拾い、姿見鏡に被せる。スタンド式か。鏡を折りたたみ、抱える。よし、このまま寝室を出よう。つかこれ、どこから持ってきたの!! どこにしまってあったの!! どこに隠すの!!!
やっぱり衣装ケースのある仕事部屋?! いや、ここは執筆部屋へ持っていき、混乱を?! それともあえて玄関へ持っていき、最初からここにありました的な?!
「睦月さ~~ん、何してるの~~?」
背後から軽く抱きしめられ、肩に顎が乗る。あぁ~~っ! 隠せなかった!! 今日風呂出るの早っ!!
「な、なんも!!!」
「さっきと同じ返答じゃない? それ。あ、もう鏡に気づいちゃったの~~?」
ニヤニヤしてる。やばい。
「邪魔だから、仕事部屋に置いてくるね」にこ。
「いいよ~~そんなことしなくて~~なんなら、ここに置く?」にこ。
ここ? リビングですけど。
「え?」
「リビングだよ? 鏡は明るいところで見た方が見やすいもんね」
当たり前のように正論を説いてるけど、意味絶対違うよね。
「まぁ、そうだね……」
「だよねーー、睦月さんもそう思う?」
待て、俺!!! 流されるな!! 同意するな!! このままだと明るいところで、羞恥の如く、する羽目になるのでは?!?! それはだめぇええぇええ!!!
「いや……元あった場所へ戻そう」
「ベッド行こうってこと?」
「ちっがーーーーう!!!!」
「何もう睦月さん~~早くいこ~~」
姿見鏡を抱え、如月と一緒に寝室へ向かう。はぁ、持ってきちゃったぁ……。置いてあった場所に鏡を立たせる。今からするのかなぁ。なんとなく憂鬱になり、顔が少しばかり曇る。
「……疲れたし、ちょっと休みません?」
如月は睦月に微笑みかけ、落ちている布を拾う。全身鏡に被せた。
「え? う、うん」
俺の早とちり? 考え過ぎ? 如月に手を引かれるまま、ベッドの上に一緒に座る。
「いいこいいこ~~」
突然頭を撫でられた。
「えっ、なにぃ?」
「別に? よしよし~~」
「ハグしよ、ハグ~~」
如月が両手を広げ、待っている。
「う、うん」
いつもと雰囲気が違う。ちょっと可愛い。なんか癒され。
「あ、正面向いて、膝の上に乗ってね」
前言撤回!!!いつもの如月!!! いいけどね!! 別に!! 正面を向き、如月の膝の上に乗り、如月の首の後ろに手を回す。
「警戒しないで。何もしないし」
如月は睦月を優しく抱きしめた。何もう。なんなの。頭撫でたり、ハグしたり。変なの。先ほどまであった、塞がったような気持ちはなくなっていた。
「一緒に温泉入れなかったね」
「如月が居なくなるからぁ~~」
「戻ろうとしたら、なんかものすごい暑いところに入りました」
如月が笑いながら話している。
「それサウナじゃない~~?」
そんな如月に釣られて笑みが溢れる。
如月なりに気遣ってくれたのかな? もう大丈夫だよ、如月。心配かけちゃったね。顔を近づける。
「……サウナよりもっと熱くなってみる?」
如月の目を見つめ、訊く。
「ふふ。睦月さんから誘うの? なってみようかなぁ?」
「ーーっん」
如月の顔が近づき、唇を重なる。背中を抱きしめている手がTシャツの下に入り、素肌に触れた。
「んっ……あっ……」
もっとキスしたい。如月の目に訴えかける。
「いい瞳。良いよ、キスしてあげる」
「ん……ふ……はぁ……っんふ……はぁ~~んっはぁ…ん……ふっ……っん」
如月の唇が重なると同時に、舌が強引に捩じ込まれてきた。舌が絡み合うのを欲深く、望み、いくら続けても、もっとそれを欲しがってくる。はぁ、キスだけで目が半開きになる。
「睦月さん、まだ早いです」
唇が離され、手が背中から前へ這うようにくる。
「あっ…んっ……わかってるてばぁ~~っんっあっ…ぁっん…」
胸の突起が擦られる。指の腹でつままれ、肩がビクっとなる。
「睦月さんって……結構、胸も感じるようになったね」
如月はTシャツを捲り、突起の周りを舐めた。
「あぁっ! っだめっ…そんな舐めないで…あっ……っん…あっはっ…んっ…あぁ~~っ」
舐められるだけで肩がビクビクする。
「ふふ~~あとは後ろをもう少し」
掛け布団の下から潤滑剤を取り出すと、指先にゴムをはめ始めた。指先に潤滑剤をかけている。ハーフパンツの中に手が入ってきた。
「いくよ」
今日全体的に進行が早い気がする。
「~~んあっっ」
くちゃ。指先が中へ入ってくる。
「ぁっ…んっ…あっぁっ如月…そんなゆっくりやらな…っん…あっ…くても俺だいじょぶあっ」
慣らし。なんだか念入り。焦ったい。早く挿れて欲しい。
「あともう少しだけ。ごめんね」
まだやるの?!
「っん…ぁあっ…もういいんじゃっあっ…はぁ…あっ…あっ…ん~っ…ぁっ…まだぁ? あっ…んっあぁっ」
焦ったい。すごく焦ったい。しかもしっかり奥まで指が入ってくる訳じゃない。指を動かして慣らしている。気持ちいいけど、焦ったくて、前を触りたくなる。
「もう良いかなぁ」
お、終わった……。指先が抜かれる。
「睦月さん、下りて」
「え? う、うん」
「よいしょっと」
えっ? なんで立つの? えっ? まさか? まさか? え~~? 嘘でしょ? しないよね? 如月さぁん!!!
「どうしたの? 服脱いで? 睦月さん」
動揺しつつ、Tシャツとハーフパンツを脱ぐ。如月、パンツしか脱いでないし。なんで上は脱がないの。攻めだから?
「わっ」
急に後ろから如月に抱きしめられ、驚く。
「っん…ぁ…っあ……ちょっ…んっ…あっ」
立ったまま、何度も首筋にキスをされる。密着した体に押され、少しずつ足が前に出る。一歩ずつ進んでいる。
「…あっ…ぁっ……えっうそ…あっ」
今気づく。もう目の前に全身鏡があるところまで来ていた。如月は手を伸ばし、布を落とした。自分と如月の姿が写し出される。
「……恥ずかしいって……」
自分の頬が染まっていくのが見て取れる。
「これも要らないね」
如月は鏡の前で睦月の下着を脱がせ始めた。
「やめてっ……恥ずかしいってばぁ……」
脱がされていく自分の姿が鏡に映り、恥ずかしさ倍増。
「全部脱いじゃったね~~」
「睦月さん、鏡に手をついて」
「ほら、早く」
両手首を掴まれ、鏡に手が押し付けられる。鏡に顔が近い。自分の表情が嫌でも目に入ってくる。
「ふふ。何からする?」
如月の手が胸の突起に移動し、指で弾かれる。
「え? ーーあっっ」
たったそれだけのことなのに肩が大きく震えた。
「あっちょっ待って あっ だめっ あっ ん~~っ ぁっあっ もうっ あっ つままないでっあっ」
もしかして、さっきまでのは全て、このための、前準備……? たかが、胸の突起のはずなのに、擦られ、いじられ、つままれ、全てに体が反応し、震える。
前は見たくない。自分が映っているから。目を瞑る。
「ここだけでイケそうだね。でもそれはまた今度~~後ろ触るね」
「……はぁっ……はぁ…また今度って……んっぁあっ」
来た。鏡に触れる手に力が入る。
「あっ…んっ…あっぁっ…はっ…あっ如月…あっ…もっと…あっ」
まただ。これも慣らし? 焦らされている。気持ち的には、もう挿れて欲しいんだけど。
「もっとなに?」
「もっと奥……いや……もう挿れて……」
声が小さくなってしまう。
「じゃあ目開けて?」
少しずつ瞼を上げる。鏡の前の自分と目が合う。自分の姿が恥ずかしくて、顔を横に逸らす。耳が熱い。如月が挿れる準備をしている。
「目、つぶっちゃダメだからね」
「え? っんぁっ…ぁあっああっ…」
入ってきた。ゆっくり奥までくる。
鏡で如月を見る。細めた目、頬は赤く染まっている。そそられてますって言ってるみたい。そんな顔で見ないで。
腰を掴まれた。焦らすように突かれる。どこかセーブされている。
「あっぁっあっ…んっ…あっあっあっ…如月っ…あっ…ぁっあっ」
「ごめんね、もうちょっと……」
なにか不安なの? これも慣らし?!
「んっあぁっ…だぃじょうぶだからっあっもう焦ったいのっあっぁあっ」
「そう? 痛かったらいってね」
心配そうに見つめてくる。
顔を横に向け、如月を見つめる。鏡に付いた左手を離し、如月の顎に触れる。自分に引き寄せ、唇を重ね、離した。
「……ここまで来て、遠慮しないで」
「じゃあ、遠慮なく」
さっきまでとは違い、突き上げるように動き始めた。
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