如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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18話(3) #

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 また受け入れてしまった……。しかも出ちゃった。はぁ。もう少し、様子見ながら加減してやってほしい。


 二十代の時ほどの性欲はない。なんだかんだアラサーだ。睦月さんのパワーに付き合えているだけ、頑張ってると思う。いやぁ、しかし、もう1回ねぇ……。出来れば今日はもうごめんなさいしたい。


 少し、満足してしまっている自分がいるが、睦月さんにはオーガズムは究極の快楽であることを分からせたい。


 本人は経験してるはずなのに。鈍いんだから。仕事部屋で着替えを済ませ、リビングへ戻る。


「如月、ねぇ見て~~」小さな七夕飾りが付いた笹を持ち、揺らす。
「付けてくれたんですか?」きゅん。
「うん。ね、星でも観ない?」睦月は小さな笹を如月に渡した。


 ベランダに向かいながら渡された笹を見る。小さくて付けづらかったのか、綺麗に折ったはずの七夕飾りは、型崩れしている。
 

 私に見せるためにわざわざ苦手なことしてつけてくれたの? そう思うと愛しく思える。ベランダに寄りかかって空を見上げる睦月を後ろから抱きしめた。


「アレかな? 夏の大三角」睦月は明るい星を指差す。
「う~~ん、私、星はちょっと分かりかねます……」睦月の頭に顎を乗せ、空を見上げる。
「ぇえ? 俺もよく知らないけど。一等星でしょ」

「知ったかぶりですかぁ~~もぉ。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブを繋いで夏の大三角。どの星かは分かりませんけど~~」睦月は真剣に星空を見ている。

「ベガが織姫でアルタイルが彦星ですよ」
 

 ちゅ。睦月の頭にキスをする。七夕笹と綺麗な星空が作り出すロマンティックなムードに気分が良くなってくる。続きやっぱり、しようかな。


「睦月さん」抱きしめていた腕を離し、隣に並び、顔を見る。
「なぁに?」くりっとした目が私を見つめる。
「おねだりして?」睦月の耳元で囁く。
「……如月とえっちしたい……」それ、おねだりじゃなくて、願望でしょ。まぁいいけどね。

「じゃあ、いこっか」


 睦月の手を引き、ベランダを出る。リビングのテーブルにそっと、笹を置く。睦月は恥ずかしそうに目線を下げ、黙ってついてくる。さぁ寝室へ。ベッドに腰掛ける睦月をゆっくり押し倒し、覆い被さる。


「七夕プレイといきましょう」如月は艶かしく笑う。
「待って、何それ!! 聞いてなーーっん」


 両手で睦月の顔を挟み、唇を重ねる。薄目を開け、睦月の目を見る。瞼を閉じている。閉じていても分かる綺麗な二重のライン。表情を際立たせてくれる、睦月さんの魅力的なパーツだ。


「目、開けて」
「えっ?」ゆっくり睦月の瞼が上がる。


 睦月の目を見つめながら、軽いキスを繰り返す。薄目で見つめあって唇を重ね続ける。睦月から漂う、自分を求める柔らかな甘い雰囲気に感情が高まる。右手をそっと頬から頭上にずらし、指先で撫でる。


「…はぁ…ん……如月……えと……」舌はまだ入れない。
「お願い事は?」一旦、唇を離す。
「あ……深くキスしたい……です……」睦月の頬が少し赤く染まる。
「はぁい」もう一度、軽いキスを繰り返し、睦月の髪を撫でる。さてと。


 唇を少し開いて重ねる。合わせるように睦月の唇が開くのを感じた。優しく唇の内側に舌を入れる。ゆっくり、そっと、睦月の口内を舌で愛撫する。


「~~~~はぁっ」呼吸を整え、もう一度。


 今度は舌を感じながら、少しずつ深く絡めていく。呼吸を合わせ、顔を傾け、深く、ゆるりと、甘く。キスを重ねるたびに睦月の目尻が少しずつ下がる。


「はぁ……んっ……あ……」キスにより漏れる吐息と睦月の声。欲情してしまう。


 焦らされているようで、物足りなくなってきたのか、睦月の舌が次第に激しく私を求める。動きを感じ、同じペースで激しく絡め合う。常に意識する。舌先から感じる睦月を。


 強弱をつけながら深いキスを重ね、穏やかに唇から離した。


「ーーはぁっ……」名残惜しそうにしている。
「次は何する? 睦月さん」指の背で頬を撫でる。
「……全身攻めて……」顔を赤らめ呟く。
「それじゃあ、お願い事七夕プレイにならないでしょ~~」可愛いから、許してあげる。

「ここから、攻めるね」服の上から胸元に触れる。
「あ……うん……」恥ずかしそうにこちらを見ている。可愛いよ、睦月さん。


 いきなりは肌には触れない。だって、いきなり触ったらもったいない。首筋を下から上へ舌先で這わせながら、服の上から突起を探す。


「あっ……ん……」睦月さんが首と耳が弱いのは知っている。
「どこかな~~?」指先を立て、胸筋に沿って、探していく。耳を唇で挟み、軽く舌で舐める。

「ひゃっ……あっ」胸に触れているだけで感じるみたい。突起が分かりやすくなる。見つけたよ。

「あっ……あ……ん~~」


 洋服越しに人差し指で掻くように刺激する。服の上から痛くないように甘噛みして、立たせる。


「……如月……服の下から……」睦月は自分の言葉に恥じらい、手の甲で顔を隠した。
「直に触って欲しくなっちゃった? いいよ」Tシャツの下に手を入れる。

「んっ……ぁ…あっ……ん……あっ」指の側面で、ひたすら擦る。焦らしてきたせいか、敏感になっている。


 まだここしか触ってないのに、さっきより目尻が下がっている。感じているんだね。とろけるにはまだ早いよ。


「あっ……はぁ……あ……ちょ……やば……ぁ…ん」指の腹で円を描くように動かして、てっぺんを攻める。睦月の体がビクッと反応する。ふふ。

「どう? 良い感じ? 次は舐めちゃうよ」わざと舌を出して睦月にみせる。
「……如月って、えっち」睦月は舌を出す如月を見て、唾を飲んだ。
「今更気付いたの?」指先を口の中に入れて、湿らせる。

「あっ……やめ……ん……あぁ……あ……」唇を突起に吸い付けて、口の中で舐める。反対側は濡れた指先で上下左右からテンポ良くつまむ。

「睦月さん横向いて」睦月の服を脱がせ下着姿にする。そして横へ向ける。
「…ぁ……え?」軽く膝を曲げさせ、自分の手にローションをつける。準備オッケー。

「後ろ、触るね。いつもより気持ち良くさせてあげる」耳元で優しく声をかける。
「えっ……ぁあっ…あ…」ぐちゃ。


 まずは薬指だけ。時間をかけてゆっくり慣らす。慣れてきたら、中指に変更。大分ほぐれてきた。人差し指と中指を少しずつ挿れていく。


「ちょっあっ あっ んっ…あぁっ」指先を軽く曲げて、中で動かす。
「ここ? ここかな?」指をゆっくり押し込み、前立腺を刺激する。

「あっ だめっ…あっぁあっ…はぁ……押さないで……あぁっんっ」睦月の荒い呼吸に合わせながら、指先を動かす。


 伸ばそうとする膝を手で押さえ、曲げたままを維持する。膝が伸びたら感度落ちるよ、睦月さん。


「きさ……あっ膝…ぁあっあっ曲げると…あっそこ……きもち…あっ っん あぁっだめっあっ」睦月の顔を覗き込む。
 

 快感により、大きな瞳は涙で潤み、目がとろんとしている。腕の中で、睦月の体の震えを感じる。あともう少しかな。


「睦月さん、深呼吸して。リラックス」身体の緊張をほぐしたい。聞こえているかは分からないが、徐々に激しく指を動かしながら、声をかける。


「……あっはぁ…できなぁあっはぁ…あっ あぁっ あっ…はぁ…んっ ぁあっっ! あっ あっ あぁっ っんはぁ」喘ぐ声が大きくなって来ている。絶頂が近い。指先を更に激しく動かす。空いた手で、胸の突起を擦る。あとちょっと。

「ああっっ! あっ はぁっ ぁあっ あっぁっ あっ らめっあっ あっ! はぁ んっあっ きさらりあっ あぁあっっ! あっああぁっぁあっ!! ぁーー……」はぁ、愛しい。下半身を中心に体の中へ熱が帯びていく。


 ふふ。最後は叫んじゃったね。ドライオーガズム。私の努力と執念の賜物。こんなに感じることが出来る睦月さんに攻めは似合わないよ。


 体全身を震わせて動かなくなった睦月をそっと抱きしめた。


 *


 体が震えるようなゾクゾクした感覚と快感が全身を巡る。叫ぶように出てしまった声を最後に声が出なくなった。


 頭の中がモヤモヤする。思考が停止し、何も考えられない。今どうなってるのかも分からない。焦点が定まらず、視界はぼやんとしている。半開きの口からは唾液が垂れた。


 如月の腕の中で腰がガクガクと小刻みに震える。腰だけじゃない。脚も、手も震える。未だに続く全身への快感。下半身はおさまる気配がない。そもそも、出していない。
 

 なのに、本能的に分かる。自分は絶頂オーガズムを迎えたのだと。


「睦月さん、大丈夫?」動けなくて、振り返れない。
「あ……うん……」体の震えがおさまらない。

「じゃ、快感が残ってるうちに続きしなきゃね」え?
「きゅうけいは……」出したいけど、体が持たない。
「そんなのないよ、睦月さん」抱きしめていた手が腰に移動し、下着を脱がせた。さっき指が抜けたばかりなのに。

「んあぁっ!!」入ってきた。如月によって体が横向きからうつ伏せに変わる。
「奥まで挿れたよ。動くよ」如月は睦月の後ろから覆い被さった。

「はっあっあっあっあっ! あぁっあっんあっあっあっ」動きに合わせて声が出てしまう。先ほどの快感を引きずってるせいもあり、すごく気持ち良い。

「これ、邪魔だね」如月は睦月の肌着を脱がせた。全裸なんだけど……。

「あっあっもうっあっんっあっ! あっぁあっはっあっあっ」脱がされてはまた始まる。ベッドのシーツをギュッと掴む。

「いくよ?」腰が持ち上がり、動きが速くなる。
「えっーーちょっあっあっはっあっぁあっ! まっ きさらっあっやめっあっんっあっぁあっ! だめっなにっあっあぁっっ!!」奥突きすぎ……。


 お、おわった……。視野がボヤボヤする。涙が止まらない。体がビクビク震える。気持ち良かったぁ……。もうだめ。そのままベッドに倒れ込む。


 少し顔を傾け、如月を見る。瞳の奥にある熱い眼差し。赤く染まった頬。口元には緩い笑み。物欲しげに人差し指で唇を触っている。まだ求めているかのような艶かしい美しさに息を呑む。


「……睦月さん」抜かれたはずの腰がまた持ち上がる。
「え……? ちょ……うそ……んぁあっっ!!」如月のばか!!


 第3ラウンド突入。何回イクの俺……。


「あっはっあっぁあっ! あっきさらぎっあっおれっあっもうあぁっぁっんっむりぃっあっんあっイっちゃうんっああぁっ……はぁ…はぁ」あぁ、まただ。体、全体が震える。後ろからゆっくり抜かれた。


 全然動けない。さっきからずっと涙が出る。口のよだれもどうにかして。顔が熱い。きっと真っ赤だ。汗もすごくかいている。如月め、何してくれちゃってんの。でも、すごく気持ち良かった……。


「睦月さぁん。今日どうだった?」体を仰向けに変えられる。
「……すごく良かったよ……」涙で如月がよくみえない。腰と手が震える。

「抱きしめていい?」如月は訊く。
「うん。後ろから抱きしめて。でもその前にキスして」ぼやけた視界で如月を見つめる。
「ん……」如月は壊れものでも触れるかのように、そっと唇を重ねた。


 動けない俺を如月は横に向かせてくれた。ありがとう。ぎゅっと後ろから抱きしめられる。夜も遅い。疲労感で瞼が落ちる。


「おやすみ、睦月さん」ちゅ。如月は頬にキスし、そのまま睦月と眠りについた。


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