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18話(2) #
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「それ、持っていくの?」如月の手にある、へし折った笹を見つめる。
「えぇ。風情があった方が良くないですか?」如月は余った折り紙を鞄に入れた。
「まぁ? 俺、準備できたよ」着替えを入れた鞄を肩から掛ける。
あ。如月の家、食べるもん何もないわ。買い物してから行かないと。如月に美味しい朝ごはん作れない。
「買い物行ってから、家行かない?」如月を誘う。
「良いですけど……」
「卯月、朝ごはん冷蔵庫に入れたから。食べる時は温めて。行ってきまぁす」卯月に軽く手を振る。
「ありがとーー。お幸せにぃ~~」卯月が手を振り返すのを確認し、家を出た。
この時間帯の買い物はドラッグストアになっちゃうな。なんだかんだ、21時を過ぎている。遅くまで営業しているドラッグストアへ入る。
冷凍食品から野菜、肉まであって、便利で助かる。ドラッグストアというより、スーパーだ。カゴを手に取り、朝食になりそうな食材を入れていく。
「私、ちょっとあっち見てきますね~~」如月はにこやかに、どこかへ向かう。
(何みるんだろう……)
手に取った野菜を一度売り場へ戻し、如月の後をつける。
あぁね、必要ですもんね! 前準備!
「なんですかぁ、睦月さん。見ないでくださいよ~~」如月は通路を移動し、ある場所で立ち止まる。
避妊具。あぁね! 要るもんね! でも何か悩んでいる様子。如月の隣に立ち、声を掛ける。
「どうしたの?」
「んーーやっぱネットで買おうかなって。なんか持っていくの恥ずかしいですし……」人目ですか……。
「もうストックないですし、今日はまた今度で……」はぁああぁあ?!
名の通ってるメーカーブランドの箱を手に取り、カゴに突っ込む。
「俺が買う!!!」いくら俺でも、このコーナーを男2人で見ることに周囲の目は気になる。如月の手を引き、場所を移動した。
「手、繋いだら余計変な目で見られるよ?」如月は伏し目がちで言う。
「別にいいでしょ、多様性なんだから」如月は手を離したがるが離さない。如月の手をきつく握る。
手を繋いだまま、会計へ向かう。如月を見ると、人前で手を繋ぐのは恥ずかしいのか、頬がほんのり赤くなっている。やっぱり、嫁だな。
店員が異質な目で見てくる。カゴに入ってる物も、入ってる物だしな。まぁ、どうでも良い。そんなこと、いちいち気にしていたら、恋人としてやっていけない。
「何か?」あまりにもジロジロ見てくるので、思わず口から言葉が出る。
「い、いえ。お支払い方法は……」
「IDで」なんか不快!! スマホで決済を終了させ、買ったものを袋に詰め店を出る。
「だから言ったじゃないですかぁ……」如月は握られた手に指を絡める。
「うるさい。それでもこうしていたいからいいの」
絡めてくれた指が嬉しくて、歩く足が早くなった。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
今日は一緒にお風呂に入ってくれなかった。お風呂から上がると、如月はリビングでミニサイズの七夕飾りを作っていた。
「手先が器用だね」感心しながら、折り紙で作られた小さな七夕飾りを見る。
「指先が器用じゃないと、気持ち良くなれないよ?」如月は手を止め、指先で睦月の頬に触れる。
「早くお風呂入れば?」頬に触れた如月の指先をぎゅっと掴み、口元に付ける。
「入りますって」如月は脱衣所へ向かった。
んーー。もう1回お風呂入っちゃう? もう、ずーーっと、ずーーっと我慢している。掴んだ指先を抱き寄せて、机に押し倒したかった。
我慢の限界だ。ベッドまで、待てない。入ろうかな。どうしようかな。既に足は脱衣所へ向かっている。
入っちゃう? 怒るかな? どうする? 入って『睦月さんとはもうシない!!』とかになったらヤダなぁ。うーん、うーーん。
とはいえ、上半身はもう脱いでしまった。ぇえ? どうするよ? ここまで来て、引き返すか? 如月の嫌がることはしたくないなぁ。と言いつつもう下半身も露わだ。入るしかあるまい。浴室のドアを開けた。
「ちょっ……さっきお風呂入ったでしょうが!! 何故入る!!」髪をひとつ縛りにして、湯船に浸かる如月が目に入る。後れ毛がえっちぃ。
「気づいたら裸に!!」少し掛け湯をして、湯船へ入る。如月の後ろに入ろうっと。
「そんな訳ないでしょ!!」如月は片手で目元を押さえた。
「まぁまぁ、何もしないから……多分」後ろからぎゅっと抱きしめる。自分が首筋に付けた跡が目につき、もっと付けたくなる。
「本当ですか?」訝しげな目で睦月をみつめる。
「………………」思わず黙る。
「なんで黙るんですか!! もう!!」如月は湯船のお湯を弾き、睦月に掛ける。
「やめて~~触るよ?」弾くお湯が止まる。お湯のかかった顔を手で拭く。
ちょっとぐらい、いっか。折角、俺が後ろに居るんだし? 横目で、如月を確認しつつ、抱きしめている手を移動させようとする。
「あ! 今絶対悪いこと考えてた! 上がります!!」あーーん。バレた。如月は湯船から立ち上がり、浴室を出た。
「待ってよ~~考えてないって~~」バスタオルを手に取る。
「嘘!! 絶対嘘!!」バスタオルで体を拭き、着替え始める。
もぉ~~、すぐバレちゃう。そんなに顔に出やすいのかな。気をつけないと。この後、どういう流れで誘えばいいんだ? タイミングを見失う。
如月は部屋着に着替え、ソファへ座った。とりあえず、隣に座り、様子を伺う。如月は口を開いた。
「アイス食べよ」ソファから立ち上がり、冷凍庫から棒付きアイスを取り出す。マジでタイミングを見失った。
「睦月さんも食べる~~?」
「いやぁ、如月がくれれば要らない」
「えぇ、あげないよ?」棒付きアイスを咥え、ソファに座る如月を見つめる。
はぁ。どうしよ。もう全てがえっちに見える。その咥え口!! なんで薄目でアイス食べるの? 誘ってるの? あぁ~~っ! 少しアイスが溶けてるところもえっち!
俺のも咥……っ。『…はぁ……睦月さんのも…美味しいです……っん(妄想)』ぁあぁあぁあ!! 見てるだけで、えっち過ぎて頭おかしくなる!! アイスを頂いて気分変えよう!!
ソファに手をつき、如月を囲う。溶けかけているアイスを舌で拭き取る。美味しい。如月の口から棒付きアイスを抜き取る。綺麗に棒だけが取れた。棒をコーヒーテーブルに置く。
「アイスちょうだい」
「ーーっ!!」
如月を囲ったまま、ソファに押し倒す。唇を重ね、舌を差し込む。舌でアイスの塊を自分の口内へ運ぶ。唇の端から溶けたアイスが垂れる。口の中にチョコレートの甘さが広がった。美味しい。
「……もう」如月の頬が赤い。可愛い。
「口の周りについちゃった」如月の口の端についたチョコをゆっくり舌先で拭き取る。甘。
「あっ、ちょ、舐めなくても……」如月は恥ずかしそうに目を瞑っている。
「如月、美味しかった」むらむらしてきた。
受けを脱したい。俺が隙だらけだからダメなのかも。隙を与えなければ脱却できる!! そして、最後は如月に挿れたい!!
「ん~~」まずはキスで封鎖しよう。
顔を傾け、唇を重ねる。顔を傾け直し、もう一度。何度も何度も繰り返す。手で如月のTシャツを捲る。
「ーーーーっ!!」キスしてるせいか何も言わない。いいぞ。
「あっ……」今回も手で口元を押さえている。外したい。
ちゅ。今度は胸元に唇を繰り返し付けていく。同時に親指と人差し指で胸の突起の周りを優しく触る。いきなりは触らない。焦らす。
「睦月さ……っあ」
柔らかい手加減で、時間をかけて触る。焦らす。そして焦らす。感じてきたね、如月。優しく、つまむ。焦らし続けてきたせいか、敏感になっている。如月の肩が震えた。
「……あっ……そんな……あっ…さわら……ないで…っん」薄目を開けて、こちらを見る姿は欲情しているように見える。
「え? やめて欲しそうには見えないけど?」
指先で弾く。口元で愛撫しながら、つまんだり、弾いたりして、色んな刺激を与え、立たせる。下も触ろう。テーパードパンツの中に手を入れる。
「あ……もう……んっ…その辺に…して…あ……」顔が赤い。瞼が閉じた。
目を瞑った後、この前、急に正気に戻ったからなぁ。それは防ぎたい。会話は必要だね。
「如月、こっちみて。俺の目、見て」
「……あっ見れな……ん……あっ……まだ続け…るの……?」眉と目尻が下がり、瞳が潤んでいる。かわいい。そそられる。
「挿れたいなぁ~~」
もう少し堪能してから後ろを触ろう。そして挿れよう!! 疎かになっていた胸元の手を動かし、突起を刺激する。また立った。下着の中にある手の動きは早める。
「それはだめ……あっ……睦月さ…それ以じょ…は……ん……あ……睦月さん……すとっぷ……あっ……だめ…出…はぁあっ……」ん?
手の中が生暖かい。まさか……。手を引き抜き、手のひらを確認する。べと。やり過ぎたぁあぁあぁあ!!!
「……今日……もう……できない……」如月は両手で顔を隠している。
「いやいやいや、出来るでしょ。いけるっしょ」てか出来ないと困るんですけど。
「……しばらくは無理……睦月さんって……下手……」如月は目線を逸らし、小さく呟く。
「はぁ?! 俺が下手?! ぇえっ?! オーガズム、イッたでしょ?!」如月の体を起こし、抱きつく。下手とかショック……。
「……ふ。アレがオーガズムとは言われたくないねぇ、睦月さんはまだまだだなぁ~~。自分のこと思い返してみたら?」如月は睦月の頬を親指と人差し指で押し、たこの口にさせる。む。やめて。
「ちがうの? わかんにゃいぃ」如月は、頬を掴んだまま、たこ口になっている睦月の唇に口付けした。
「知ってる? 睦月さん。男性はココだけでもイケるんですよ」如月は睦月の胸の突起を人差し指で押す。
「いや、イケないでしょ」睦月の目が濁る。俺への開発フラグ。
「とりあえず着替えてきます」如月は睦月を少し見つめ微笑む。仕事部屋へ服を取りに行った。
如月の顔、まだほんのり赤かった。気持ち良かったんでしょ、じゃあ良いじゃん。あ。良くないわ。如月にしろ、俺にしろ、まだ挿れてないし!!
てか下手って……。マジで傷つく。
脱衣所へ行き、手を洗う。とりあえず、1回休憩挟んで、2回戦だな。でもこれ、次は俺が 受けだよねーー。絶対。
気持ち良いのは好きだけどっ! 如月になら身体中攻められたいけどっ! けどけど~~俺も如月に挿れてみたいぃ~~。
まずは下手を脱却せねば!!
頑張れ、俺!! 負けるな、俺!!
ーー果たして、睦月が如月に挿れることが出来る日はくるのだろうか?!
睦月の戦いは続く。
「えぇ。風情があった方が良くないですか?」如月は余った折り紙を鞄に入れた。
「まぁ? 俺、準備できたよ」着替えを入れた鞄を肩から掛ける。
あ。如月の家、食べるもん何もないわ。買い物してから行かないと。如月に美味しい朝ごはん作れない。
「買い物行ってから、家行かない?」如月を誘う。
「良いですけど……」
「卯月、朝ごはん冷蔵庫に入れたから。食べる時は温めて。行ってきまぁす」卯月に軽く手を振る。
「ありがとーー。お幸せにぃ~~」卯月が手を振り返すのを確認し、家を出た。
この時間帯の買い物はドラッグストアになっちゃうな。なんだかんだ、21時を過ぎている。遅くまで営業しているドラッグストアへ入る。
冷凍食品から野菜、肉まであって、便利で助かる。ドラッグストアというより、スーパーだ。カゴを手に取り、朝食になりそうな食材を入れていく。
「私、ちょっとあっち見てきますね~~」如月はにこやかに、どこかへ向かう。
(何みるんだろう……)
手に取った野菜を一度売り場へ戻し、如月の後をつける。
あぁね、必要ですもんね! 前準備!
「なんですかぁ、睦月さん。見ないでくださいよ~~」如月は通路を移動し、ある場所で立ち止まる。
避妊具。あぁね! 要るもんね! でも何か悩んでいる様子。如月の隣に立ち、声を掛ける。
「どうしたの?」
「んーーやっぱネットで買おうかなって。なんか持っていくの恥ずかしいですし……」人目ですか……。
「もうストックないですし、今日はまた今度で……」はぁああぁあ?!
名の通ってるメーカーブランドの箱を手に取り、カゴに突っ込む。
「俺が買う!!!」いくら俺でも、このコーナーを男2人で見ることに周囲の目は気になる。如月の手を引き、場所を移動した。
「手、繋いだら余計変な目で見られるよ?」如月は伏し目がちで言う。
「別にいいでしょ、多様性なんだから」如月は手を離したがるが離さない。如月の手をきつく握る。
手を繋いだまま、会計へ向かう。如月を見ると、人前で手を繋ぐのは恥ずかしいのか、頬がほんのり赤くなっている。やっぱり、嫁だな。
店員が異質な目で見てくる。カゴに入ってる物も、入ってる物だしな。まぁ、どうでも良い。そんなこと、いちいち気にしていたら、恋人としてやっていけない。
「何か?」あまりにもジロジロ見てくるので、思わず口から言葉が出る。
「い、いえ。お支払い方法は……」
「IDで」なんか不快!! スマホで決済を終了させ、買ったものを袋に詰め店を出る。
「だから言ったじゃないですかぁ……」如月は握られた手に指を絡める。
「うるさい。それでもこうしていたいからいいの」
絡めてくれた指が嬉しくて、歩く足が早くなった。
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今日は一緒にお風呂に入ってくれなかった。お風呂から上がると、如月はリビングでミニサイズの七夕飾りを作っていた。
「手先が器用だね」感心しながら、折り紙で作られた小さな七夕飾りを見る。
「指先が器用じゃないと、気持ち良くなれないよ?」如月は手を止め、指先で睦月の頬に触れる。
「早くお風呂入れば?」頬に触れた如月の指先をぎゅっと掴み、口元に付ける。
「入りますって」如月は脱衣所へ向かった。
んーー。もう1回お風呂入っちゃう? もう、ずーーっと、ずーーっと我慢している。掴んだ指先を抱き寄せて、机に押し倒したかった。
我慢の限界だ。ベッドまで、待てない。入ろうかな。どうしようかな。既に足は脱衣所へ向かっている。
入っちゃう? 怒るかな? どうする? 入って『睦月さんとはもうシない!!』とかになったらヤダなぁ。うーん、うーーん。
とはいえ、上半身はもう脱いでしまった。ぇえ? どうするよ? ここまで来て、引き返すか? 如月の嫌がることはしたくないなぁ。と言いつつもう下半身も露わだ。入るしかあるまい。浴室のドアを開けた。
「ちょっ……さっきお風呂入ったでしょうが!! 何故入る!!」髪をひとつ縛りにして、湯船に浸かる如月が目に入る。後れ毛がえっちぃ。
「気づいたら裸に!!」少し掛け湯をして、湯船へ入る。如月の後ろに入ろうっと。
「そんな訳ないでしょ!!」如月は片手で目元を押さえた。
「まぁまぁ、何もしないから……多分」後ろからぎゅっと抱きしめる。自分が首筋に付けた跡が目につき、もっと付けたくなる。
「本当ですか?」訝しげな目で睦月をみつめる。
「………………」思わず黙る。
「なんで黙るんですか!! もう!!」如月は湯船のお湯を弾き、睦月に掛ける。
「やめて~~触るよ?」弾くお湯が止まる。お湯のかかった顔を手で拭く。
ちょっとぐらい、いっか。折角、俺が後ろに居るんだし? 横目で、如月を確認しつつ、抱きしめている手を移動させようとする。
「あ! 今絶対悪いこと考えてた! 上がります!!」あーーん。バレた。如月は湯船から立ち上がり、浴室を出た。
「待ってよ~~考えてないって~~」バスタオルを手に取る。
「嘘!! 絶対嘘!!」バスタオルで体を拭き、着替え始める。
もぉ~~、すぐバレちゃう。そんなに顔に出やすいのかな。気をつけないと。この後、どういう流れで誘えばいいんだ? タイミングを見失う。
如月は部屋着に着替え、ソファへ座った。とりあえず、隣に座り、様子を伺う。如月は口を開いた。
「アイス食べよ」ソファから立ち上がり、冷凍庫から棒付きアイスを取り出す。マジでタイミングを見失った。
「睦月さんも食べる~~?」
「いやぁ、如月がくれれば要らない」
「えぇ、あげないよ?」棒付きアイスを咥え、ソファに座る如月を見つめる。
はぁ。どうしよ。もう全てがえっちに見える。その咥え口!! なんで薄目でアイス食べるの? 誘ってるの? あぁ~~っ! 少しアイスが溶けてるところもえっち!
俺のも咥……っ。『…はぁ……睦月さんのも…美味しいです……っん(妄想)』ぁあぁあぁあ!! 見てるだけで、えっち過ぎて頭おかしくなる!! アイスを頂いて気分変えよう!!
ソファに手をつき、如月を囲う。溶けかけているアイスを舌で拭き取る。美味しい。如月の口から棒付きアイスを抜き取る。綺麗に棒だけが取れた。棒をコーヒーテーブルに置く。
「アイスちょうだい」
「ーーっ!!」
如月を囲ったまま、ソファに押し倒す。唇を重ね、舌を差し込む。舌でアイスの塊を自分の口内へ運ぶ。唇の端から溶けたアイスが垂れる。口の中にチョコレートの甘さが広がった。美味しい。
「……もう」如月の頬が赤い。可愛い。
「口の周りについちゃった」如月の口の端についたチョコをゆっくり舌先で拭き取る。甘。
「あっ、ちょ、舐めなくても……」如月は恥ずかしそうに目を瞑っている。
「如月、美味しかった」むらむらしてきた。
受けを脱したい。俺が隙だらけだからダメなのかも。隙を与えなければ脱却できる!! そして、最後は如月に挿れたい!!
「ん~~」まずはキスで封鎖しよう。
顔を傾け、唇を重ねる。顔を傾け直し、もう一度。何度も何度も繰り返す。手で如月のTシャツを捲る。
「ーーーーっ!!」キスしてるせいか何も言わない。いいぞ。
「あっ……」今回も手で口元を押さえている。外したい。
ちゅ。今度は胸元に唇を繰り返し付けていく。同時に親指と人差し指で胸の突起の周りを優しく触る。いきなりは触らない。焦らす。
「睦月さ……っあ」
柔らかい手加減で、時間をかけて触る。焦らす。そして焦らす。感じてきたね、如月。優しく、つまむ。焦らし続けてきたせいか、敏感になっている。如月の肩が震えた。
「……あっ……そんな……あっ…さわら……ないで…っん」薄目を開けて、こちらを見る姿は欲情しているように見える。
「え? やめて欲しそうには見えないけど?」
指先で弾く。口元で愛撫しながら、つまんだり、弾いたりして、色んな刺激を与え、立たせる。下も触ろう。テーパードパンツの中に手を入れる。
「あ……もう……んっ…その辺に…して…あ……」顔が赤い。瞼が閉じた。
目を瞑った後、この前、急に正気に戻ったからなぁ。それは防ぎたい。会話は必要だね。
「如月、こっちみて。俺の目、見て」
「……あっ見れな……ん……あっ……まだ続け…るの……?」眉と目尻が下がり、瞳が潤んでいる。かわいい。そそられる。
「挿れたいなぁ~~」
もう少し堪能してから後ろを触ろう。そして挿れよう!! 疎かになっていた胸元の手を動かし、突起を刺激する。また立った。下着の中にある手の動きは早める。
「それはだめ……あっ……睦月さ…それ以じょ…は……ん……あ……睦月さん……すとっぷ……あっ……だめ…出…はぁあっ……」ん?
手の中が生暖かい。まさか……。手を引き抜き、手のひらを確認する。べと。やり過ぎたぁあぁあぁあ!!!
「……今日……もう……できない……」如月は両手で顔を隠している。
「いやいやいや、出来るでしょ。いけるっしょ」てか出来ないと困るんですけど。
「……しばらくは無理……睦月さんって……下手……」如月は目線を逸らし、小さく呟く。
「はぁ?! 俺が下手?! ぇえっ?! オーガズム、イッたでしょ?!」如月の体を起こし、抱きつく。下手とかショック……。
「……ふ。アレがオーガズムとは言われたくないねぇ、睦月さんはまだまだだなぁ~~。自分のこと思い返してみたら?」如月は睦月の頬を親指と人差し指で押し、たこの口にさせる。む。やめて。
「ちがうの? わかんにゃいぃ」如月は、頬を掴んだまま、たこ口になっている睦月の唇に口付けした。
「知ってる? 睦月さん。男性はココだけでもイケるんですよ」如月は睦月の胸の突起を人差し指で押す。
「いや、イケないでしょ」睦月の目が濁る。俺への開発フラグ。
「とりあえず着替えてきます」如月は睦月を少し見つめ微笑む。仕事部屋へ服を取りに行った。
如月の顔、まだほんのり赤かった。気持ち良かったんでしょ、じゃあ良いじゃん。あ。良くないわ。如月にしろ、俺にしろ、まだ挿れてないし!!
てか下手って……。マジで傷つく。
脱衣所へ行き、手を洗う。とりあえず、1回休憩挟んで、2回戦だな。でもこれ、次は俺が 受けだよねーー。絶対。
気持ち良いのは好きだけどっ! 如月になら身体中攻められたいけどっ! けどけど~~俺も如月に挿れてみたいぃ~~。
まずは下手を脱却せねば!!
頑張れ、俺!! 負けるな、俺!!
ーー果たして、睦月が如月に挿れることが出来る日はくるのだろうか?!
睦月の戦いは続く。
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