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14話(7)#お風呂場でラブアイテム?!今日は俺が動いちゃう?!
しおりを挟む「……洗い合いっこしたかった……」
湯船の淵に顎を乗せ、如月が身体を洗う姿を見つめる。
(水滴と泡がついてえっちだぁ~~)
「ちょっと! 変な目でこっち見ないで!」
如月が手に取ったシャワーのベッドがこちらを向き、顔面に水が掛かった。ぶっ。
「うわあ!! ちょ、やめて!! 見てない!! 見てないって、しかも水!! 冷たい!! やめて!!」
手で水が顔にかかるのを防ぐ。
「うそ! 絶対うそ! えっちだぁ~~みたいな顔してた!」
バ、バレてる! シャワーの水圧が強まる。
「やめて!! 冷たい!! 見ない!! 見ないからやめて!!」
でも見たい。水を防ぐ手の隙間から、如月の裸を見つめる。はぁ、えっち~~。むらむらする。
「睦月さぁあぁあん!!!」
水が止まり、げんこつで頭を挟まれ、ぐりぐりされる。
「痛い痛い痛い痛い!!! ごめんなさい!! 見ません!! もう見ません!!」
「もうっ!!」
頭から手が離され、如月が湯船に入った。俺の後ろに如月が座る。どき。
「はぁ~~。ごめんね?」
髪を額の上から掻き上げ、一息付きつく如月に鼓動が早くなる。なんかえっちだな。真面目な顔をする如月を目線を上げ、見つめた。
「それは、何に対して?」
「んーー全部。別に睦月さんが私の為に何もしてないとは思ってないですし。他にも色々」
「もう良いって。元は俺が悪いんだし。俺の方こそ、傷つけるようなこといっぱい言ってごめん」
やっと、きちんと謝れた気がする。
「これで仲直りね?」
「うん」
顎が如月に掴まれ、如月と顔が近づく。唇を重ねた。
ちゅ。
良かった。モヤモヤしたものが全て晴れた。きちんと仲直りできた。距離が少し空いた分、今度はいちゃいちゃしたい。よし、俺から攻めよう。いつも俺ばっかり受けなんてずるい。
如月に挿れたい!!!
如月の方に身体を向けた。
「どうしたんですか?」
ドン。
「ーーえ?」
壁ドンうぇ~い。如月が目を見開いて、固まっている。
浴室の壁に手を付き、如月に迫る。唇を重ね、離す。唇同士を軽く当て、小鳥のように何度もキスを繰り返す。キスしている音が、浴室にいやらしく響き、体の中が少し熱くなる。
「ーーーーっ」
頬を赤く染め、されるがままの如月に感情が昂る。如月は手を伸ばし、何かを手に取り、湯船に入れた。
とろ。浴槽のお湯に違和感。一旦キスをやめ、湯船を見る。なんかお湯がトロトロする。ローション? ちょっと柑橘系のいい匂いする。なんかすごい!! なにこれ!!
「何入れたの?」
とろとろするお湯が面白くて手でかき混ぜて遊ぶ。
「ラブアイテム」
「らぶあいてむぅ~~? すごいね! これ! 楽しい!! 面白い!!」
初めてのとろとろのお風呂にテンションが上がる。
「空気読もうよ~~」
顔が如月の両手に挟まれ、引き寄せられる。唇で唇をこじ開け、強引に舌が差し込まれた。
「~~~~っ!!」
あぁ、もぉー。結局~~。
絡み合う舌。ゆっくり、しっとり、吸い付くように奥へ。もっと如月を感じたくて、もう一度、浴室の壁に手を付き、如月の上に跨り密着する。
背中に如月の腕が回り、ぎゅっと抱きしめられた。
「ーーはぁ……」
「挿れていい?」
浴槽の淵置いてあるゴムを手に取り、如月へ訊く。
「私にはダメですよ」
頬がほんのり赤く、目尻が垂れている。色っぽい。挿れたい。
「如月はけちだなぁ……」
お風呂の栓を抜き、湯量を少し調節する。
「けちじゃないし」
ゴムを開封し、如月の幹に付けた。
「今日は俺が動いちゃうもんね~~」
ゆっくり腰を下ろし、如月の幹を窄みに擦り付ける。
「……まだぁ? 手伝いましょうか?」
自分で挿れるのって難しい。うまく入らない。
「いや、いい! 頑張る」くっ、むずい!
「ふっ。そんなんじゃ、私に挿れるのは到底無理ですねぇ」
鼻で笑うな!! むか。
「……っ……はぁ……出来たしぃ」
この前より奥にくる。やばい、むりかも……。
「ゆっくりでいいよ?」
「ぁあっ……あっむりぃ……」
腰に如月の手が添えられる。少しでも動くとイっちゃいそう。お風呂のとろみがいつもより身体を敏感にさせる。
「全然動いてないよ、睦月さん。ほら頑張って」
ちゅ。お腹の辺りから胸に向かって、何度も口付けされ、身体がビクッと反応する。
「ぁっ、あっあっやめっ ぁああっ あっ だめっあっ」
腰へ添えられた手に力が入り、無理やり上下に動かされる。気持ち良さで目が開けられない。
「この前より良い顔してるよ?」
首筋、鎖骨、胸と順番に愛撫され、少しずつ、動きが早まる。気持ちいい。
「だめっあっあっ あぁっあっんっあっ」
熱い。自分の体の中が、とても熱い。ローションのぬるぬるさが滑りを良くして、余計に気持ち良い。卑猥な音が浴室に反響し、官能を刺激する。
「あっあっぁあっ…はぁ…ああっあっだめっもうだめっぁあっんっ」
体の奥が熱く、心臓はすごくドキドキする。体の全ての神経が性感帯。涙腺も刺激され、気持ち良さで涙が出てくる。如月と目が合い、強く抱きしめられた。
「ひああっ」
耳元が甘噛みされる。音を立てながら、舌先で耳の中をなぞられ、ゾクゾクする。荒い吐息を耳元で感じ、身震いしてしまう。耳元で如月の声が響く。
「…あっ…はぁ……名前…呼んで?…はぁ…んっ」
如月の顔を見る。ちゃんと気持ち良さを感じているのか、目はうっとりしている。今日は少し喘いでいるなぁ。かわいい。
「ぁあっあっぁっ やぁっやよ……あっ」
上下に動かすのをやめてくれない。上手く名前が呼べないよ。
「…はぁ…あっ…もう一回、もう一回言って…はぁ」
如月の背中に腕を回し、強く抱きしめる。
「弥生すき…ぁああっ」
「…出っ…はぁ…睦月さん好きですよ…っんはぁ……」
もう大好きなんだから。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
*
お風呂から上がった。なんでしょう。恥ずかしくて、気まずい。一旦冷静になってしまうからだろうか。ソファに座る睦月の方をチラッと見る。
目が合った。向こうも頬を染め、気まずそうしている。
どう接するのが正解?! パターン1。『睦月さ~~ん、気持ち良かったね?』パターン2。『お茶飲む?』パターン3『もう1回する? 嘘だよ~~ん』どれだ? 分からない!!!
嘘だよんパターンが私っぽい? 今日はもうする気ないけど。3で行こう!!!
睦月の隣に座り、首を傾け、じーっと目を見つめる。
「な、なに?」
耳元に顔を寄せ、呟く。
「もう1回、する?」
耳の外側を甘噛みする。
「えっ!! いいの?! 俺、挿れちゃうよ?!」ん?
「いや、それはちょっと……」あれ?
「如月から2回戦誘ってくれるなんて嬉しいなぁ」え、ちょっ。
「ベッド行く?」話進めないで!!!
あるぇ?? おかしい!! いつもなら『えっ……』みたいな感じでしょうがぁああああ!!! 墓穴掘ったぁ!!!!! 嘘って言いづらい!!! 嘘つきって言われる!! ぁあああぁああ!!!
「えっと、あの……その……に、2回戦はちょっと……」
断りづらい。顔に手のひらを当て、目線が合わないようにする。
「は? また思わせぶり!! なんで誘ったの!!!」
「いやぁ~~えーーっと……」
「如月からちゅーしてくれたら許してあげる」
口を尖らせ、拗ねている。可愛い。
「えぇ~~? ーーん」
睦月の頬に口付けする。ちゅ。
「ほっぺーー? まぁ良いけどぉ」
私の髪に睦月の手が触れた。
「髪、濡れてる。乾かしてあげよう」
睦月は脱衣所からドライヤーを持ってくると、コンセントを差した。
ぶぉおお~~。
「如月、こっちおいで?」
「なんか変な感じ」
睦月の前に体育座りする。
「変な感じって~~?」
私の髪に触れ、指先を通しながら乾かす睦月の手に心地よさを感じる。
「んーー? 睦月さんのくせに優しい」
「はぁ? 俺はいつも優しいでしょ」
睦月さんの顔は見えないけど、分かる。きっと、笑ってる。
「ふふ、そうですね」
口元が緩み、笑みが溢れた。
ドライヤーの風が暖かくて、心を和ませる。なんだか、お世話をしてもらってるようで、愛を感じる。もう、歯止めとか、どうでもいいか。
愛してしまっているんだ。お互い。
きっと、それはどうにもすることも出来ない。例え、この先、睦月さんが私との未来を選ばず、自分が傷つく結果が待っていたとしても、気持ちを押さえず、愛情を注いでいこう。
睦月がベランダで言った言葉を思い出す。
『あなたを一生愛することを誓います』
あなたが私を愛し続ける限り、私も誓うよ。睦月さん。
「乾いたよ~~如月ぃ」
睦月に顔を覗き込まれる。
「ありがとうございます。今から何します?」
寝るにはまだ少し早い。
「朝までえっちしよ」
えぇ……無理……。
「今日は、もう……ちょっと……」
「ぇえ? 如月が言い出したのに?」くっ。
「うっ……いや……その……朝までとは……言ってな……」
「そうだっけ? でも嘘は良くないよねぇ~~寝室はどこかな?」
ぁああぁああぁあぁ!!
「行かない!! 今日はもう無理!! やだぁ~~」
睦月に手を引っ張られる。ずりずり。
「早く~~自分が言い出したんでしょ」
「違う~~違わないですけど~~そんなつもりじゃなかったぁ~~」
無理やり立たされ、半ば強引に寝室へ連れて行かれる。
「まぁまぁ、優しくするから愛でさせて?」
睦月にベッドに押し倒され、優しく唇が重なった。
「……睦月さんのそれは信用出来ない」
「ひどくね? でも俺はぁ、如月が少し疲れてるくらいが大人しくてちょうど良いかな」
太腿の間に睦月の手がくる。
「ひどい……優しくしてーーぁあっ」
指入れるなんて聞いてない。いつも出さない声が出て、口元を手で押さえる。恥ずかしさで顔が真っ赤に染まる。
「わぁ、かわいい。優しくするって。心配性だね。夜は長いよ、如月」
いつになく、艶かしい微笑みを浮かべる睦月に、少しだけ気持ちがそそられた。
今日はこれも悪くないかもしれないーー。
睦月に身を委ねた。
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