如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

文字の大きさ
上 下
57 / 306

14話(7)#お風呂場でラブアイテム?!今日は俺が動いちゃう?!

しおりを挟む


「……洗い合いっこしたかった……」


 湯船の淵に顎を乗せ、如月が身体を洗う姿を見つめる。


(水滴と泡がついてえっちだぁ~~)


「ちょっと! 変な目でこっち見ないで!」


 如月が手に取ったシャワーのベッドがこちらを向き、顔面に水が掛かった。ぶっ。


「うわあ!! ちょ、やめて!! 見てない!! 見てないって、しかも水!! 冷たい!! やめて!!」


 手で水が顔にかかるのを防ぐ。


「うそ! 絶対うそ! えっちだぁ~~みたいな顔してた!」


 バ、バレてる! シャワーの水圧が強まる。


「やめて!! 冷たい!! 見ない!! 見ないからやめて!!」


 でも見たい。水を防ぐ手の隙間から、如月の裸を見つめる。はぁ、えっち~~。むらむらする。


「睦月さぁあぁあん!!!」


 水が止まり、げんこつで頭を挟まれ、ぐりぐりされる。


「痛い痛い痛い痛い!!! ごめんなさい!! 見ません!! もう見ません!!」
「もうっ!!」


 頭から手が離され、如月が湯船に入った。俺の後ろに如月が座る。どき。


「はぁ~~。ごめんね?」


 髪を額の上から掻き上げ、一息付きつく如月に鼓動が早くなる。なんかえっちだな。真面目な顔をする如月を目線を上げ、見つめた。


「それは、何に対して?」
「んーー全部。別に睦月さんが私の為に何もしてないとは思ってないですし。他にも色々」
「もう良いって。元は俺が悪いんだし。俺の方こそ、傷つけるようなこといっぱい言ってごめん」


 やっと、きちんと謝れた気がする。


「これで仲直りね?」
「うん」


 顎が如月に掴まれ、如月と顔が近づく。唇を重ねた。


 ちゅ。


 良かった。モヤモヤしたものが全て晴れた。きちんと仲直りできた。距離が少し空いた分、今度はいちゃいちゃしたい。よし、俺から攻めよう。いつも俺ばっかり受けねこなんてずるい。


 如月に挿れたい!!!


 如月の方に身体を向けた。


「どうしたんですか?」


 ドン。


「ーーえ?」


 壁ドンうぇ~い。如月が目を見開いて、固まっている。


 浴室の壁に手を付き、如月に迫る。唇を重ね、離す。唇同士を軽く当て、小鳥のように何度もキスを繰り返す。キスしている音が、浴室にいやらしく響き、体の中が少し熱くなる。


「ーーーーっ」


 頬を赤く染め、されるがままの如月に感情が昂る。如月は手を伸ばし、何かを手に取り、湯船に入れた。


 とろ。浴槽のお湯に違和感。一旦キスをやめ、湯船を見る。なんかお湯がトロトロする。ローション? ちょっと柑橘系のいい匂いする。なんかすごい!! なにこれ!!


「何入れたの?」


 とろとろするお湯が面白くて手でかき混ぜて遊ぶ。


「ラブアイテム」
「らぶあいてむぅ~~? すごいね! これ! 楽しい!! 面白い!!」


 初めてのとろとろのお風呂にテンションが上がる。


「空気読もうよ~~」


 顔が如月の両手に挟まれ、引き寄せられる。唇で唇をこじ開け、強引に舌が差し込まれた。


「~~~~っ!!」


 あぁ、もぉー。結局~~。


 絡み合う舌。ゆっくり、しっとり、吸い付くように奥へ。もっと如月を感じたくて、もう一度、浴室の壁に手を付き、如月の上にまたがり密着する。


 背中に如月の腕が回り、ぎゅっと抱きしめられた。


「ーーはぁ……」
「挿れていい?」


 浴槽の淵置いてあるゴムを手に取り、如月へ訊く。


「私にはダメですよ」


 頬がほんのり赤く、目尻が垂れている。色っぽい。挿れたい。


「如月はけちだなぁ……」


 お風呂の栓を抜き、湯量を少し調節する。


「けちじゃないし」


 ゴムを開封し、如月の幹に付けた。


「今日は俺が動いちゃうもんね~~」


 ゆっくり腰を下ろし、如月の幹を窄みに擦り付ける。


「……まだぁ? 手伝いましょうか?」


 自分で挿れるのって難しい。うまく入らない。


「いや、いい! 頑張る」くっ、むずい!
「ふっ。そんなんじゃ、私に挿れるのは到底無理ですねぇ」


 鼻で笑うな!! むか。


「……っ……はぁ……出来たしぃ」


 この前より奥にくる。やばい、むりかも……。


「ゆっくりでいいよ?」
「ぁあっ……あっむりぃ……」


 腰に如月の手が添えられる。少しでも動くとイっちゃいそう。お風呂のとろみがいつもより身体を敏感にさせる。


「全然動いてないよ、睦月さん。ほら頑張って」


 ちゅ。お腹の辺りから胸に向かって、何度も口付けされ、身体がビクッと反応する。


「ぁっ、あっあっやめっ ぁああっ あっ だめっあっ」


 腰へ添えられた手に力が入り、無理やり上下に動かされる。気持ち良さで目が開けられない。


「この前より良い顔してるよ?」


 首筋、鎖骨、胸と順番に愛撫され、少しずつ、動きが早まる。気持ちいい。


「だめっあっあっ あぁっあっんっあっ」


 熱い。自分の体の中が、とても熱い。ローションのぬるぬるさが滑りを良くして、余計に気持ち良い。卑猥な音が浴室に反響し、官能を刺激する。


「あっあっぁあっ…はぁ…ああっあっだめっもうだめっぁあっんっ」


 体の奥が熱く、心臓はすごくドキドキする。体の全ての神経が性感帯。涙腺も刺激され、気持ち良さで涙が出てくる。如月と目が合い、強く抱きしめられた。


「ひああっ」


 耳元が甘噛みされる。音を立てながら、舌先で耳の中をなぞられ、ゾクゾクする。荒い吐息を耳元で感じ、身震いしてしまう。耳元で如月の声が響く。


「…あっ…はぁ……名前…呼んで?…はぁ…んっ」


 如月の顔を見る。ちゃんと気持ち良さを感じているのか、目はうっとりしている。今日は少し喘いでいるなぁ。かわいい。


「ぁあっあっぁっ やぁっやよ……あっ」


 上下に動かすのをやめてくれない。上手く名前が呼べないよ。


「…はぁ…あっ…もう一回、もう一回言って…はぁ」


 如月の背中に腕を回し、強く抱きしめる。


「弥生すき…ぁああっ」
「…出っ…はぁ…睦月さん好きですよ…っんはぁ……」


 もう大好きなんだから。


 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー
 *


 お風呂から上がった。なんでしょう。恥ずかしくて、気まずい。一旦冷静になってしまうからだろうか。ソファに座る睦月の方をチラッと見る。


 目が合った。向こうも頬を染め、気まずそうしている。


 どう接するのが正解?! パターン1。『睦月さ~~ん、気持ち良かったね?』パターン2。『お茶飲む?』パターン3『もう1回する? 嘘だよ~~ん』どれだ? 分からない!!!


 嘘だよんパターンが私っぽい? 今日はもうする気ないけど。3で行こう!!!


 睦月の隣に座り、首を傾け、じーっと目を見つめる。


「な、なに?」


 耳元に顔を寄せ、呟く。


「もう1回、する?」


 耳の外側を甘噛みする。


「えっ!! いいの?! 俺、挿れちゃうよ?!」ん?
「いや、それはちょっと……」あれ?

「如月から2回戦誘ってくれるなんて嬉しいなぁ」え、ちょっ。
「ベッド行く?」話進めないで!!!


 あるぇ?? おかしい!! いつもなら『えっ……』みたいな感じでしょうがぁああああ!!! 墓穴掘ったぁ!!!!! 嘘って言いづらい!!! 嘘つきって言われる!! ぁあああぁああ!!!


「えっと、あの……その……に、2回戦はちょっと……」


 断りづらい。顔に手のひらを当て、目線が合わないようにする。


「は? また思わせぶり!! なんで誘ったの!!!」
「いやぁ~~えーーっと……」
「如月からちゅーしてくれたら許してあげる」


 口を尖らせ、拗ねている。可愛い。


「えぇ~~? ーーん」


 睦月の頬に口付けする。ちゅ。


「ほっぺーー? まぁ良いけどぉ」


 私の髪に睦月の手が触れた。


「髪、濡れてる。乾かしてあげよう」


 睦月は脱衣所からドライヤーを持ってくると、コンセントを差した。


 ぶぉおお~~。


「如月、こっちおいで?」
「なんか変な感じ」


 睦月の前に体育座りする。


「変な感じって~~?」


 私の髪に触れ、指先を通しながら乾かす睦月の手に心地よさを感じる。


「んーー? 睦月さんのくせに優しい」
「はぁ? 俺はいつも優しいでしょ」


 睦月さんの顔は見えないけど、分かる。きっと、笑ってる。


「ふふ、そうですね」


 口元が緩み、笑みが溢れた。


 ドライヤーの風が暖かくて、心を和ませる。なんだか、お世話をしてもらってるようで、愛を感じる。もう、歯止めとか、どうでもいいか。


 愛してしまっているんだ。お互い。


 きっと、それはどうにもすることも出来ない。例え、この先、睦月さんが私との未来を選ばず、自分が傷つく結果が待っていたとしても、気持ちを押さえず、愛情を注いでいこう。


 睦月がベランダで言った言葉を思い出す。


『あなたを一生愛することを誓います』


 あなたが私を愛し続ける限り、私も誓うよ。睦月さん。


「乾いたよ~~如月ぃ」


 睦月に顔を覗き込まれる。


「ありがとうございます。今から何します?」


 寝るにはまだ少し早い。


「朝までえっちしよ」


 えぇ……無理……。


「今日は、もう……ちょっと……」
「ぇえ? 如月が言い出したのに?」くっ。
「うっ……いや……その……朝までとは……言ってな……」
「そうだっけ? でも嘘は良くないよねぇ~~寝室はどこかな?」


 ぁああぁああぁあぁ!!


「行かない!! 今日はもう無理!! やだぁ~~」


 睦月に手を引っ張られる。ずりずり。


「早く~~自分が言い出したんでしょ」
「違う~~違わないですけど~~そんなつもりじゃなかったぁ~~」


 無理やり立たされ、半ば強引に寝室へ連れて行かれる。


「まぁまぁ、優しくするからでさせて?」


 睦月にベッドに押し倒され、優しく唇が重なった。


「……睦月さんのそれは信用出来ない」
「ひどくね? でも俺はぁ、如月が少し疲れてるくらいが大人しくてちょうど良いかな」


 太腿の間に睦月の手がくる。


「ひどい……優しくしてーーぁあっ」


 指入れるなんて聞いてない。いつも出さない声が出て、口元を手で押さえる。恥ずかしさで顔が真っ赤に染まる。


「わぁ、かわいい。優しくするって。心配性だね。夜は長いよ、如月」


 いつになく、艶かしい微笑みを浮かべる睦月に、少しだけ気持ちがそそられた。


 今日はこれも悪くないかもしれないーー。


 睦月に身を委ねた。


 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...