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14話(2)#妹に見られて感じちゃう?!バレる?バレない?背徳感に快感?!
しおりを挟むうっざーーーー!!
どういう状況? 何が起こってるの? 如月ってなんかSNSにあげたの? 田植えに如月がいたことよくみんな覚えてるね!!!
朝からずっと如月についての質問攻めに遭っている。どうやら、何かバズっているらしい。残念ながら、あまりSNSは得意ではない。登録は一通りしているけど。
「如月先生、田植えに一緒に来てたよね? 知り合いなの? 会わせて!」
「如月先生とどういう関係?!」
「如月先生のSNS知ってる?」
「如月先生って「だーーーーっ!! うるさいうるさい!! 帰る!!」
教科書や筆記用具を鞄に詰め、教室を飛び出す。
帰りの会は終わってないが授業は終わっている。帰ってもいいでしょ。歩きながらスマホを取り出す。たくさんの如月への問い合わせの通知。
普段、連絡なんてしてこないくせに。教室で話しかけてくることもしないくせに。こういう時だけ友達面。絶対何も教えない!
スニーカーを履いていると、星奈が走って追いかけてきた。
「ねぇ、大丈夫?! お姉が何か迷惑かけてない?!」
「え? 何かって?」
不安なのか、自分の手をきつく握っている。迷惑と言われ、真っ先に兄が思い浮かぶ。
「いや……SNS、注意してね」
星奈は俯き、また明日、と呟き教室へ戻っていった。注目を集めているのは分かる。それとは違う何かがあるというのか。なんだか怖い。早く帰ろう。急いで学校を出た。
*
ーー夕飯 家族会議
「それぞれの状況は分かった」
カレイの煮付けを食べながら、状況を整理する。
「俺は会社でゲイだと思われてる程度で済んでいるし、如月は写真撮られたことで、満狂と一緒に注目されて、バズってる。卯月はそれ関係で、問い合わせがひどいと。どうするべき?」
神谷のようには案が浮かばない。
「はいはーーい! 今どんな風にバズってるのか見てみたいです!」
卯月が手を挙げた。
「如月をエゴサしよう!!」
スマホを取り出し、登録しているSNSアプリに名前を入れ、検索する。
「そんな面白くないと思いますけど……」
如月はみんなの食べた食器を重ね、キッチンへ持って行った。
ぉお……これは……炎上してる。ふしだらな交友関係? 誰にでも手を出して気持ち悪いって……なにこれ。卯月の写真ネットにあがってるし。削除依頼出さないと。
うわ、この写真、神谷じゃん。慰安旅行の旅館の写真が、こんな形で……。これ発信源、蒼? 見せられない……。
「何が書いてあるんですか?」
「みちゃだめ」
如月が覗き込んで来たので、サッと胸に画面を当て、隠す。
「私のエゴサなのに~~」
肩に顎が乗る。後ろから抱きしめられた。
「そんなことしても見せません!!」
「…………(むっ)」
耳に如月の吐息を感じる。え? 何?
「……み、せ、て」
耳元で囁かれ、軽く甘噛みされた。
「ぁあっ……」
耳に吹きかかる吐息、体温、柔らかな痛みにスマホを持つ手が一瞬緩む。如月は手から抜け落ちたスマホを拾い、検索結果を見た。
そんな俺たちを呆れながら卯月が見て、訊く。
「これ、犯人突き止めたり、何か対処するの?」
「写真の削除依頼はかけますけど、それ以外は何かするつもりはありません。良いことも書かれれば、悪いこともいっぱい書かれるでしょうし」
「そんなくだらないことに一喜一憂していたら疲れますから。それに私、SNSやってませんし」
思い出したかのように、如月が縛っていた髪の毛を解いた。肩から甘い匂いがふわっと香り、ドキっとする。
「よいしょっと。それに、多分、思った方向性と違う風にバズったから、こうやって悪い噂を書きまくって、修正してるのだと思いますよ」
後ろから如月に抱きしめられたまま座る。服の下に如月の手が這い、肌に触れる手に鼓動が早くなる。
「ちょっと……」
「でもさぁ~~職場でも色々やられて、SNSでも拡散されてこのままで良いの? やり返す的なさ~~」
スマホを見ながら卯月が言う。
「~~~~っ」
胸の突起を親指で執拗に触られ、肩がビクッとなる。出そうになる声を必死に堪える。目の前に卯月が居ることで、恥ずかしさを感じ、気分が昂まる。
「お兄ちゃん?」
突然卯月に呼ばれ、平常心を装い、快感で緩んだ顔を引き締める。
「あ……えと、俺は何かやり返すとかはしないつもり。嫌なことはされたし、許せないとは思うけど、誰かの人生を壊していい理由にはならないから」
「それに一般社員の経理に会社から追い出すような力もないしね」
かといって、このまま野放しにしていいのかはわからない。
「私も同感です。好きにやらせておけば良いと思います。気にしたら、余計に調子に乗りますからね?」
チラリと如月が俺をみる。
胸にあった手がゆっくり下がってきた。えっ? 下もいくつもり? これ、好きにやらせておけばいいの? 気にするわ!! 如月の顔を見る。
「……背徳感に快感を覚えるんでしたっけ」
如月の顔が耳元に近づき、小さな声で囁かれる。にやっとした笑みに嫌な予感しかしない。
「まぁ、でも、何かしてやりたい気持ちはありますよね~~」
如月の言葉が俺に言っているのか、卯月に言っているのか分からなくなる。ルームパンツの中に手が入ってきた。あぁ、もうっ!
「う~~ん。あ、今よりバズらせる書き込みをする! そうしたら、炎上してるのもおさまるかも」
「かなり、難易度が高そうに思えますが……どんな投稿が良いか考えないといけませんね」
手が腿の間に添えられ、話の内容が頭に入ってこない。
「~~~~っんっ」
指先が少しでも動くだけでドキドキする。
「どんな投稿がバズるんでしょうか?」
下着の上から撫でるように手が動く。肩がビクっと上がる。
「卯月さんが見てるよ」
「~~~~っ はぁ……」
少しずつ荒くなる呼吸を静かに吐く。赤く染まる頬を片手で隠し、考えてる振りをする。
「え? ちょっと調べてみる」
卯月がスマホに目線を落とした。
「睦月さんはどんな投稿が良いと思いますか?」
ついに、下着の中に手が入ってきた。優しく幹が包み込まれる。今振られても答えられる訳がない。何か言わなければ怪しまれる。うぅ。
「あっ……はぁ……えっと、新作……ぁっ……小説発表とかぁっ!」
卯月がスマホから目を離し、こちらを見た。卯月を意識すればするほど、体が熱くなる。あぁ、見ないで。
「なるほど~~良いかも。衝撃はあった方がいいし」
上下に動く手が徐々に早まり、気持ち良さで目がとろけてしまう。また耳元で小さく囁かれる。
「卯月さんに見られて感じてるの? えっちなお兄ちゃんだねぇ」
恥ずかしくなり、頬が紅潮する。そんなこと言わないで……。
「……はぁ……ぁっ…もうむりなんだけどぉ……」
如月を見つめ、小さな声で訴える。
「新作ですか……半年以上は出してないですね。それに今2本執筆中ですし、追加で書くのはちょっと。ショートショートレベルなら」
あ、手が止まった……良かった。
「書き下ろしショートショートと自撮りは?!」
う、うしろ?! だめ~~!
「ひゃっぁ」
身震いしてしまう。ぁああぁああ!
「お兄ちゃん?」
卯月が不審そうに見てくる。やばい。
「ひゃっくてん満点の案だなっ!」
誤魔化しが荒すぎる。
「そうですか? じゃあショートショート書いちゃおうかなぁ?」
うぅ、笑いながら後ろなぞらないでぇ~~。
「あっ……はぁ……良いと思うよ……はぁ」
気持ち良さで目がしっかり開かず、顔を背ける。
見ないでって思うのに、見てほしいと願う矛盾した欲求。良いところで、手が止まる。それの繰り返し。全て溜まっているものを吐き出したい。言葉攻めが体へ熱を余計に巡らせる。顔も体も火照っていて熱い。
「卯月さん、私、今から書くので、和室からノートパソコン持ってきてくださ~~い」
あっ、前にきた……。如月がまた俺の耳元で囁く。
「イくときは私の目をみてイくんだよ?」
見れるかぁ~~……。
前に来た手が早く動く。言われるがまま、如月の瞳を見つめる。目を細め、艶かしく笑っている如月が映り、気持ちが高揚する。あぁ、もうだめーー。
「~~ぁあっーーはぁんんっ……」
下半身に不快感。あぁーー。思わず俯く。
「お兄ちゃん?」
卯月と目が合い、羞恥で真っ赤に染まった顔を逸らす。
「なんでもないらしいです」
如月がフォローするように、微笑みながら答える。
「まぁ、良いけど。はいよ~~」
卯月は和室へ向かった。
「お願いしま~~す……卯月さんの前でいっぱい出ちゃったね? 背徳感は感じました?」
下着からそっと手が抜かれる。薄い笑みを浮かべ、俺にどろりと粘り気のある手のひらを見せてくる。
「それはもう結構です……み、見せないで……」
ティッシュの箱を渡し、両手で顔を隠す。恥ずかしくてしにそう。
「耳まで真っ赤にしてすごく可愛かったよ、睦月さん。ん」
如月が汚れた手を床に置き、反対の手で唇を指し、何かを訴えてくる。キスですか?
「……もぉもぉもぉ~~!」
顔を傾け、唇を重ね、感触を味わう。そっと口から離し、立ち上がった。
「お風呂洗ってくる!!」
ついでに自分も丸洗い!!!
「えぇ~~一緒に入らない?」
「今日どうしたの!! 間に合ってます!!」
「んーー? 好き過ぎてつらいんです~~」
そんなこと言われたら入るしかない!!!
「もぉっ! 何もしないでよ?!」
薄目で何か企むような表情をする如月に釘を刺す。
「しないって~~」
余裕な顔に腹が立ち、如月の頬を両手で掴み、強く口付けをする。目を見開き、驚いた顔をしている如月を見て満足し、脱衣所へ向かった。
*
「……びっくりした……まぁ、嘘だけど」
「何が嘘なの? 持ってきたよ」
テーブルにノートパソコンと勉強道具を置き、床に座る。
「え~~? 内緒。パソコンありがとうございます。でも、後で書こうかな。ちょっと洗い物してきます」
ティッシュをゴミ箱へ捨て、キッチンへ行ってしまった。
「……お兄ちゃん、めっちゃえっちだったなぁ……」
思い出し、頬が染る。
気付かないと思ったのだろうか。顔を赤らめ、目を半開きにして、必死に堪える兄の姿。でもどこか色っぽく、如月を見る目はうっとりしていた。初めて見る兄の顔だった。
こんな風に目の前でされると流石にこちらもドキドキする。嫌な気はしない。むしろ興味がある。無性に体が疼く。どう発散したらいいの? これ。
この後2人はお風呂でどんなことするのかな。気になるなぁ。興味が湧いた。
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