如月さん、拾いましたっ!

霜月@サブタイ改稿中

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12話(2)#休憩なんて許しません?!お腹も膨れ、遊び疲れたあとはやっぱり?!

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「睦月さん、睦月さん。キスやめないで」


 頬を赤らめながら、ビクッと反応する睦月の反応を楽しみ、声をかける。


「っあ、ぁあっだめ~~っキスするから あぁっ待っ」


 目はとろみ、肩を震わせながら、口付けをする姿にボルテージが上がる。すごくかわいい。いじめたくなる。


「き、如月ぃ~~……ぁあっあ 前、前当たってる……っ~~…はぁ……」


 恥ずかしそうに言う姿にきゅんとくる。


「当たってるんじゃなくて、当ててるんですって」


 離れようとする睦月の腰を後ろから押さえる。


「~~っあぁもぉ……っんぁあっ!!! やめっ!!」


 再び窄みに指を入れる。


「やめます?」


 もっとくれと言わんばかりの熱い眼差しの睦月を見つめる。


「……はぁ……やめてほしいわけじゃ……ぁあっだめ、あぁっ」


 指を動かし、刺激する度に頬を染め、肩をぎゅぅと掴まれる。可愛い。


「睦月さん、キス」
「はぁ……できないよぉ……あっぁあ、待っ、ーーっん」


 睦月と自分の上半身を起こし、唇を重ねる。そして唇を唇で甘噛みして、遊ぶ。少しだけ舌先を入れ、絡めたり、離したりし、戯れる。キスを重ねる度、睦月の目がうっとりし、何度も重ねたくなる。


「本当は後ろからぎゅ~ってする方が好みなんですけどねぇ」


 向かい合い抱きつく形で座る。


「…はぁ……もうむりなんなんだけどぉ……はぁ……」


 胸に寄りかかり、休憩しようとする睦月の顎を持ち引き離す。


「早いってば」
「……早いは傷つくーー~~っ」


 顎を持った手でそのまま顔へ引き寄せ、唇を重ねる。舌を差し込み、濃厚に深く絡ませる。好き。大好きだよ。睦月さん。愛を込める。


「っはぁ……あっ、ぁあっ!! だめ…あっ、あぁっ、あっもうっ…ぁあっ~~っ」


 もう一度、後ろに手を入れ、指で攻める。最初はゆっくり、徐々に激しく。


 頬は紅潮し、力強く肩を掴む手。息切れしながら、薄く涙を浮かべ、虚な表情は、もうどうなってもいいと訴えているかのよう。自分の身体も全体に熱が渦巻いていく。抑えきれない。


「…はぁ……睦月さん……はぁ…」
「あっ、一旦うしろやめっ……あぁっ!!」


 抜かれる瞬間でさえ、ビクッと反応する姿に堪らなくなる。


「…一緒に気持ち良くなりましょ…はぁ…」


 お互い、前の方に手を伸ばす。


「はぁ……はぁ…うんーーっぁあっ」


 喘ぐ声も、とろけるような目も、反応する体も、何もかも可愛いよ。睦月さん。やっぱり私はあなたを見ていたい。



 ーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーー
 ーーー
 *


「ひ、疲労感が……」


 ふらつく体で、汚したものを全て処理する。如月はなんで何もしないの。


「睦月さん、お腹空きました」


 お昼ご飯の時間を少し過ぎている。俺、今シーツ変えてるのに!


「お腹空いたよぅ」


 後ろから抱きしめられる。何急にもう。いつも冷たいくせにずるい!


「これ変えて着替え終わったら作るから」
「うん」


 如月は睦月から離れ、リビングにあるノートパソコンの元へいく。


 とりあえず全部洗濯しよう。今ならまだ間に合う。洗濯機に汚れたものを全て入れ、回す。洗濯機の中には着替えた如月の服がちゃっかり入っている。


 キッチンへ向かい、炊飯器の中を見る。2人分くらいの炒飯は作れそうだ。納豆炒飯でも作ろうかな。冷蔵庫から納豆を手に取り、タレを入れかき混ぜる。


 フライパンをコンロに置き、ごま油を入れ、火をつける。卵を1つ割り入れ、取り出しておいたご飯をフライパンに投入した。


 フライパンを揺すりながら木べらで混ぜていく。


 OK OK。
 納豆をフライパンに入れた。


「くっさ!!!!」


 リビングから如月の声が聞こえた。


「え?」


 作ってる側からしたら、何も感じない。換気扇を強くする。


「何作ってるんですか?」


 如月がフライパンを覗きにきた。


「納豆炒飯だよ?」
「普通の炒飯でいいのに……」


 眉間にシワが寄っている。美味しいのに。


 塩と胡椒を適度に入れ、醤油を回しかけ、また木べらで混ぜていく。完成~~!


 大皿に炒飯を移し、スプーンを2つ添え、リビングへ向かった。机に皿を置き、横並びに座る。


「くさいです。とても」


 如月が炒飯を食べようとしない。納豆とご飯で食べるより、美味しいのに。


「食わず嫌いだって。美味しいよ?」
「う~~ん」
「ほら、がんば」


 ぱく。


「あ、食べてしまうと、あんまり気になりませんね! 美味しさを感じます」
「でしょ~~」
「お昼ご飯、作ってくれて、ありがとうございます」


 如月が炒飯を食べながら目を細め、優しく俺に微笑みかける。


 こんなことで良いならいくらでも作るよ。


 *


 有休休暇を取らされた。確かに、消費はしては、いなかった。勤続年数が地味に足りず、まとめて取ることが出来ない。


 こんな週末明けの月曜日に取るなど、この世の終わりだ。することも特にない。1人は寂しいな。


 携帯を手に取り、電話をかける。


『もしもし? 僕もうすぐ出勤なんだけど?』
「今すぐうちへ来い。待っているよ、湊」
『はーー』


 通話を切った。


 くるか、来ないかは湊の自由だ。別に来なくてもいい。私には、今、そばにいてくれるやつはこいつしか居ない。 


 私の我儘になんだかんだいつも付き合ってくれる。


 1時間程経ち、家のチャイムが鳴った。
 本当に来たのか。バカだな。玄関を出て、出迎える。


「皐さん、僕の返事は無視ですか?」
「来る、来ないは、自由だ。自分が選んだことだよ、湊」
「来いって言っといて、人になすりつけるなんて、ひどいなぁ。家、入らないの?」
「……私の家は何もないからな」


 私も愚かだ。湊が来る前提で、出かける準備をしていた。


「どっかいく気満々だね? 僕クールビズ だけど良いかなぁ?」


 湊が少し嬉しそうに笑っている。


「あぁ、構わないよ。では、私もワンピースからブラウスとスカートに変えることにしよう」


 一度部屋に戻り、服を選ぶ。後ろから湊に声をかけられた。勝手に部屋に上がって図々しいな。


「僕さぁ、皐のこと好きなんだよね」


 真面目な顔をしている。服を選ぶ手が止まる。


「タイミングがおかしい」
「それはあるね~~でも、今言いたくなった。だって、僕のために選んでくれているんでしょ、服」
「…………」


 湊が私に近づき、顔を寄せる。キスでもするのか? いいだろう。近づいた顔に軽く唇を重ね、離す。


「ーーんっ……ちょ……皐さん?」


 神谷の頬が染まっている。


「まぁ、セフレくらいにならしてやってもいい」


 それなりには愛している。だが、こんな若い奴と恋人になるなどあり得ない。これ以上の関係は考えられない。


「セフレですか。本気? 自分の顔、鏡で見たら~~?」

 見なくても分かる。こんなしょうもない告白だ。なのに顔が熱い。自分をつけ回すような、くだらないストーカー男に振り回されている。


 毎日かかってくる電話を待つ自分も鬱陶しいし、会いたいと思い、こうやって、相手の都合も考えず、呼びつける自分も愚か者だ。


「友達以上恋人未満だね、湊」
「セフレ枠に僕をしないでよ?」


 湊が私の隣に座り、並べた服を手に取った。一緒に選んでくれるのか?


 そういえば最近、弥生のこと考えていないな。


 あぁ。私の生活が湊に毒されていく。


 *


「ただいまぁ~~」


 学校も終わり、帰宅する。誰の返事もない。今日は兄もいるはずなのに、誰の返事も聞こえない。


 玄関でスニーカーを脱ぎ、廊下に上がると、なんだか異臭がする。


「くっさ!!!」


 納豆?


 廊下を進み、リビングの空いていない窓を全て開けていく。部屋の中は納豆のくさみが充満している。


「痛っ!!!」


 何かを踏んだ。足の裏を見る。人生ゲームのピンだ。辺りを見回すと、人生ゲームで使うお札や駒が散乱している。なんじゃこりゃ。


「もう~~」


 ある程度かき集め拾う。机の上に置こうとしたが、トランプが散らばっている。おまけにノートパソコンが2台、炒飯を食べたであろう、大皿とスプーンも放置されていて、置く場所がない。


「勉強出来ないじゃん!」


 トランプを束ね、ケースに仕舞う。足に何かが当たった。


 カタカタカタカタ……

 
 下を見ると、ジェンガでドミノ倒しが作られている。足で触ってしまったようだ。なんの捻りもなく、蛇のように並べられたジェンガはどんどん倒れていく。


 どこに続いているのだろうか。その先を追う。倒れたジェンガの最後のひとつは消しゴムに当たった。


 消しゴムには何か紙が貼ってある。手に取り、確認する。


『卯月おかえり、いつもありがとう。むつき、やよい』


 なんなのさ。もう~~。


 ジェンガの側には如月に後ろから抱きしめられながら寝る兄の姿があった。如月の右手にはスマホが握られており、面白いのか分からないような動画が垂れ流しになっている。


 一緒に見ていたのだろう。眠くなっちゃったのかな。2人とも、とても気持ち良さそうに寝ている。


「部屋汚いし~~」


 いい大人がこんなに散らかして遊ぶなよ。


 駒やピンを踏まないように避けながら、和室へ向かい、薄手の毛布を抱え、リビングへ戻る。


 兄と如月の寝顔を交互に見つめる。如月の手からそっとスマホを取り、動画を止める。2人に一枚の毛布をかけた。体を寄せ合い、寝ている姿は幸せそうだ。


「一枚でいいよね? らぶらぶだもん」


 2人でいっぱい遊んだのだろう。仕方ない私が片付けてあげよう。


 すーすーと寝息がリビングに響く中、散らかった部屋を静かに片付ける。普段は見ていて、鬱陶しく感じるいちゃつきも今は少し、微笑ましく思えた。
 
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