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10.セリュフとヴィイはケンカするほど仲がいいってやつなの?
しおりを挟む今日はおうちでお勉強してたら,忙しそうにしていて最近来てなかったセリュフとヴィイが一緒に来てくれたの!
「そろそろ俺のことを日記に書いたか?」ってセリュフが言うから、しょうがないから書いてあげようと思います!
「ヴィイのことは書かなくてもいいからな」って続けてセリュフが言うから、意地悪して一緒に書いてあげるんだから!
セリュフはとっても大きな人で、初めて会ったときは怖くて、近くに居たくなかったんだ。
でもね、いまよりも小さかったわたしたちに、大きな声を出したりしなかったし、無理に近づいてこなかったし、セリュフが見かけよりも優しい人だっていうことを、ちゃんとわたしたちに行動で教えてくれたんだよ。
おしゃれな服にはあんまり興味がないのか、いつも地味な服を着ていて、お顔には無精髭があって、年をとったおじさんみたい。
髪はいつ切ったのかわからない感じで伸びてしまって、整えてもない。
わたしもシースも、セリュフのそんな姿をもったいないって思ってるの。
髪が短めでお顔にお髭がないときのセリュフも知ってるからね!
髪の色は濃い茶色で、セリュフの男らしいお顔には似合ってると思う。
瞳の色は、誰に教えてもらったんだっけ、琥珀っていう昔々の樹の液が固まったっていう宝石みたいな色なんだって。
その宝石もいろんな色があるみたいだけど、濃いめの色かなって言ってたのは、エヴァンスだったかな?
無精してる長めの髪だと、セリュフのお顔とか綺麗な色の瞳だとかが見えなくて、もったいないって思うの!
セリュフがおうちに来るときには、シースは恥ずかしがって近くには行けないけど、セリュフの髪やお髭をどうにかしたくて、はさみとかみそりを持ち出して、セリュフの後を少し遠くからいつも追いかけてる。
そういうときはシースを黙って見守りながら応援してるの!
セリュフはシースが黙ったままで刃物を持ち出して追っかけてくるから、「俺シースに命狙われてんのか?」って眉を下げてヴィイに言うから、シースの狙いを知ってるヴィイに毎回爆笑されてる。
ふふふ!
それを見るのが、もう面白くって!
シースは結局恥ずかしがりが勝ってしまって、自分からはセリュフに近づけないから願いはまだ叶わないけど、そんなみんなを見るのが楽しいから、セリュフの髪とお髭はそのままでもいいかな。
ヴィイはね、セリュフよりも背が高いんだけど、筋肉がセリュフほどは付いてないんだって。
そうセリュフが言うから、ヴィイのほうが力が弱いの? ってきいたらヴィイは、「単純な力比べじゃ負けるかもしれないけど剣の腕では俺が勝つよ」って言ってた。
「ほう、じゃあ表出ろ」ってセリフがすごい笑顔でヴィイに言って、ヴィイがセリュフ見ながらニヤリと笑って、エヴァンスが「巻き添えで死人が出るからやめてくれる?」ってげっそりしたような無表情で言ってた。
そうだよ! けんかはだめだよ!
ヴィイのお色はね、いつもお外での警護のお仕事が多いから肌は結構日焼けしてる。
髪はさっぱり短くしてて黒色。
瞳は茶色っていうよりも、もっと赤っぽい。
それでね、ヴィイは遠くから見ると姿勢がよくって、身長が高くて足も手も長いから、すっごくかっこよくて、男から見ても理想なんだって!
たまに来る歳の若いお兄ちゃんたちが言ってたの。
警護のみんながヴィイを頼りにしてて、若いお兄ちゃんたちの憧れなんだって!
サンゼも嫁に行くならああいういい男にしとけよって言われたけど、ヴィイはサンゼの王子様じゃないと思うの。
だってね、セリュフが「ヴィイは獰猛な獣だからサンゼは絶対ああいう男には惚れんなよ」って言ってたもん。
獰猛。
セリュフから習った新しい言葉!
意味がわからなかったからセリュフにきいたら、近寄る女を頭からガブリと食いつく男、って言ったところでヴィイから首を両腕でガシッと抱えられて締められてた。
そのままなんだか二人でお互いに両手使って体のあちこち掴み合いとよけ合いしながらどっか行っちゃった。
欲求不満でいきなり大乱闘よりもマシかぁって、エヴァンスが苦笑して私の頭を撫でてくれたよ。
シースも撫でて欲しそうにわたしの服をツンツンと引いてきたから、場所を変わってあげて、エヴァンスはシースの頭も笑って撫でてくれたよ!
カッコイイ大きいお兄ちゃんたちは、どこかにいるわたしみたいな女の子の王子様だったりするのかな。
もしかしたら、わたしの近くにいる女の子だったりして。
でもやっぱり、大きいお兄ちゃんたちの中には、わたしの王子様はいないと思う。
だって、全然胸がキュンてしないもの!
キュンて、なってみたいもん……
だから早くわたしに会いに来てね!
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