日々、思う事、常々

くぼう無学

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天と地と

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 天国について、思う事がある。
 昔から人はこう言う。良い人が死ぬと、天国へ行くと。そうして、いかにも幸せそうに、死後の生活を送ると。これは、異論はなさそうである。
 そして昔から人は言う。悪い人が死ぬと、地獄へ落ちると。そうして、いかにも苦しそうに、血塗られた死後を送るのだと。これも、異論はなさそうである。
 良い人は天国へ、悪い人は地獄へ、昔からそう相場は決まっている。
 だが、その良いか悪いかは、ぜんぶ人が下しているのである。これは人様の偏見の賜物である。
 その偏見は、国家の司法権を背景とした裁判所で、白にも黒にも転じる。私が白と確信したものが、黒へ転じた事もある。許せない人間が、無罪になった事も。
 してみると、人間の良し悪しの基準は、ぜんたいダメなのである。なぜなら、人間の良いは、他の動物たちにとって、悪いかも知れない。反対に、人間の悪いは、宇宙の法則から見て、まったく良いものかも知れない。真理を考えたくば、あらゆる立場から考えなければ、嘘だ。こう考えていると、頭の中が、こんがらがって来る。我々が描く死後の世界とは、我われの頭脳に模られて、創造されている。
 私たちが知っている、あの世とは、まさに人間にとって、あまりにご都合主義に出来上がっているのではないか知らん。
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