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2.一筋の光
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翌日。
「はい。それじゃあ、次の問2を……水瀬咲来さん」
「え!?」
今は、学校の数学の授業中。わたしは、先生に指名されてしまった。
どうしよう。この問題の答え、自信ないのに……。
「咲来さん、問2の答えは?」
先生に尋ねられ、わたしは急いで席から立ち上がる。
すると聖来をはじめ、複数のクラスメイトの視線が一斉にわたしへと向けられる。
「えっと……」
もし、間違えたらどうしよう。
みんなから注目されると途端に緊張してしまい、わたしは頭の中が真っ白になる。
「あの、すいません。分かりません……」
「え、分からない? それじゃあ……田中くん」
先生が他の生徒を指名したので、わたしが席に着くと、くすくすとクラスメイト何人かの笑い声がする。
「あんな簡単な問題も分からないなんて」
誰かのそんな声も聞こえてきて、わたしは顔が真っ赤になる。
どうしてわたしは、いつもこうなんだろう。自分で自分が嫌になる。
◇
数学の授業が終わり、休み時間。
お手洗いに行った帰り、わたしが廊下を歩いていると、少し前を歩いていた男の子が何かを落とした。
彼は落とし物に気づいていないみたいで、そのまま歩いていってしまう。
「あの、待って! これ、落としましたよ」
わたしは彼が落としたハンカチを拾い、慌てて追いかけて声をかける。
するとこちらを振り返った男の子を見て、わたしはハッとする。
落とし物をした彼は、クラスメイトの滝川くんだったから。
「ハンカチ、どうぞ」
「水瀬さん、ごめん。ありがとう」
「いえ……」
わたしは、下を向いてしまう。
「どうしたの、水瀬さん。最近、なんか元気ないよね?」
「え?」
「いや。水瀬さん、いつもニコニコしてることのほうが多かったから。少し気になってて。あの……何かあった? 俺で良ければ、話聞くよ?」
普段あまり話さない滝川くんが、まさかそんなことを言ってくれるなんて予想外で。わたしは、つい目を丸くしてしまう。
思い返してみれば、さっきの数学の授業でわたしが先生に指名されて答えられなかったときも……。
聖来と一緒になってわたしのことをバカにするクラスメイトが多いなかで、滝川くんはそうではなかった。
彼になら……話しても良いかな?
おばあちゃんがいなくなった今、誰にも心の内を聞いてもらえていなかったわたしは、正直そろそろ限界だったのかもしれない。
「あの……滝川くん。良かったら話、聞いてくれる?」
「ああ」
それからわたしは滝川くんと、次の授業をサボって。
学校の屋上で、彼に話を聞いてもらった。
いつも妹と比べられていること。
大好きな祖母が亡くなったこと。
母親に、いないほうが良かったと言われて傷ついたこと。
勉強しても成績が上がらず、悩んでいること。
苦しい胸の内を全部、全部……わたしは滝川くんに話した。
滝川くんはわたしの話を嫌な顔ひとつせず、時々相槌をうちながら、最後まで聞いてくれていた。
「そっか……苦しかったね」
滝川くんの大きな手が、わたしの頭へとのせられる。
「水瀬さん、今まで一人でよく頑張ってきたね。俺は、水瀬さんがいてくれて良かったって思うよ」
滝川くんが、わたしの頭をそっと撫でてくれる。
「水瀬さんのお母さんは、キミに良いところなんかないって言ってたみたいだけど……水瀬さん、良いところはいっぱいあるよ?」
「え?」
「だって水瀬さんは、誰もやらない教室の花の水やりをしてくれてるし。この前の体育の授業でも、体調が悪そうな子にいち早く気づいて。保健室まで付き添ってあげていたじゃない。キミは、本当に優しい女の子だよ」
滝川くんが、優しく微笑む。
まさか、わたしのことを見てくれている人がいたなんて。
わたしは目頭が熱くなり、涙が溢れて止まらなくなる。
「……ありがとう。滝川くん、本当にありがとう」
「ううん。俺はただ、本当のことを言っただけ」
滝川くんが、わたしの目元の涙を指で優しく拭ってくれる。
それが何だか、いつかのおばあちゃんみたいで。わたしは、また泣けてきてしまった。
「……それにしても、水瀬さんの話を聞いてたら、何か腹が立ってきたなぁ」
「え?」
「いや。実は俺も小学生の頃、親に優秀な姉と比べられていたときがあったから。何だか他人事とは思えなくて」
そうなんだ。あの滝川くんにも、そんなことがあったんだ。
「……そうだ。俺、いいこと思いついた」
「いいこと?」
「うん。水瀬さん、これから俺と一緒に勉強頑張って、今度の期末テストで妹よりも良い点とって。聖来たちを見返してやろうよ」
「ええ!?」
滝川くんのありえない提案に、わたしは金魚みたいに口をパクパクさせてしまう。
「聖来たちを見返すって、そんなの……無理だよ」
しかも、勉強でだなんて。今まで一度も聖来に勝ったことないのに。
「大丈夫。俺がこれから毎日、水瀬さんに勉強教えるからさ」
「そんな。滝川くんに悪いよ」
「ううん。悪くない。俺が、水瀬さんと一緒に頑張りたいなって思ったから。一人よりも、二人のほうがもっと頑張れるでしょ?」
滝川くん……。
「それとも水瀬さんは、ずっとこのままお母さんたちに言われたままで良いの? 悔しくないの?」
「それは……」
わたしの脳裏に、お母さんや聖来の顔が浮かぶ。
……悔しくないと言ったら、ウソになる。
このまま聖来たちに言われっぱなしなのは、絶対に嫌だ。
わたしは、拳をギュッと握りしめる。
それに……やる前から無理だなんて、決めつけたらダメだよね。
そんなことは、期末テストが終わってからいくらでも言えば良い。
わたしは、滝川くんを真っ直ぐ見据える。
「滝川くん、わたし……頑張ってみたい。だから、わたしに勉強を教えて下さい」
「喜んで。それじゃあ、咲来……これから俺と一緒に頑張ろう」
「はいっ!」
こうしてわたしは、来月の期末テストに向けて滝川くんに勉強を教えてもらうことになったのだった。
「はい。それじゃあ、次の問2を……水瀬咲来さん」
「え!?」
今は、学校の数学の授業中。わたしは、先生に指名されてしまった。
どうしよう。この問題の答え、自信ないのに……。
「咲来さん、問2の答えは?」
先生に尋ねられ、わたしは急いで席から立ち上がる。
すると聖来をはじめ、複数のクラスメイトの視線が一斉にわたしへと向けられる。
「えっと……」
もし、間違えたらどうしよう。
みんなから注目されると途端に緊張してしまい、わたしは頭の中が真っ白になる。
「あの、すいません。分かりません……」
「え、分からない? それじゃあ……田中くん」
先生が他の生徒を指名したので、わたしが席に着くと、くすくすとクラスメイト何人かの笑い声がする。
「あんな簡単な問題も分からないなんて」
誰かのそんな声も聞こえてきて、わたしは顔が真っ赤になる。
どうしてわたしは、いつもこうなんだろう。自分で自分が嫌になる。
◇
数学の授業が終わり、休み時間。
お手洗いに行った帰り、わたしが廊下を歩いていると、少し前を歩いていた男の子が何かを落とした。
彼は落とし物に気づいていないみたいで、そのまま歩いていってしまう。
「あの、待って! これ、落としましたよ」
わたしは彼が落としたハンカチを拾い、慌てて追いかけて声をかける。
するとこちらを振り返った男の子を見て、わたしはハッとする。
落とし物をした彼は、クラスメイトの滝川くんだったから。
「ハンカチ、どうぞ」
「水瀬さん、ごめん。ありがとう」
「いえ……」
わたしは、下を向いてしまう。
「どうしたの、水瀬さん。最近、なんか元気ないよね?」
「え?」
「いや。水瀬さん、いつもニコニコしてることのほうが多かったから。少し気になってて。あの……何かあった? 俺で良ければ、話聞くよ?」
普段あまり話さない滝川くんが、まさかそんなことを言ってくれるなんて予想外で。わたしは、つい目を丸くしてしまう。
思い返してみれば、さっきの数学の授業でわたしが先生に指名されて答えられなかったときも……。
聖来と一緒になってわたしのことをバカにするクラスメイトが多いなかで、滝川くんはそうではなかった。
彼になら……話しても良いかな?
おばあちゃんがいなくなった今、誰にも心の内を聞いてもらえていなかったわたしは、正直そろそろ限界だったのかもしれない。
「あの……滝川くん。良かったら話、聞いてくれる?」
「ああ」
それからわたしは滝川くんと、次の授業をサボって。
学校の屋上で、彼に話を聞いてもらった。
いつも妹と比べられていること。
大好きな祖母が亡くなったこと。
母親に、いないほうが良かったと言われて傷ついたこと。
勉強しても成績が上がらず、悩んでいること。
苦しい胸の内を全部、全部……わたしは滝川くんに話した。
滝川くんはわたしの話を嫌な顔ひとつせず、時々相槌をうちながら、最後まで聞いてくれていた。
「そっか……苦しかったね」
滝川くんの大きな手が、わたしの頭へとのせられる。
「水瀬さん、今まで一人でよく頑張ってきたね。俺は、水瀬さんがいてくれて良かったって思うよ」
滝川くんが、わたしの頭をそっと撫でてくれる。
「水瀬さんのお母さんは、キミに良いところなんかないって言ってたみたいだけど……水瀬さん、良いところはいっぱいあるよ?」
「え?」
「だって水瀬さんは、誰もやらない教室の花の水やりをしてくれてるし。この前の体育の授業でも、体調が悪そうな子にいち早く気づいて。保健室まで付き添ってあげていたじゃない。キミは、本当に優しい女の子だよ」
滝川くんが、優しく微笑む。
まさか、わたしのことを見てくれている人がいたなんて。
わたしは目頭が熱くなり、涙が溢れて止まらなくなる。
「……ありがとう。滝川くん、本当にありがとう」
「ううん。俺はただ、本当のことを言っただけ」
滝川くんが、わたしの目元の涙を指で優しく拭ってくれる。
それが何だか、いつかのおばあちゃんみたいで。わたしは、また泣けてきてしまった。
「……それにしても、水瀬さんの話を聞いてたら、何か腹が立ってきたなぁ」
「え?」
「いや。実は俺も小学生の頃、親に優秀な姉と比べられていたときがあったから。何だか他人事とは思えなくて」
そうなんだ。あの滝川くんにも、そんなことがあったんだ。
「……そうだ。俺、いいこと思いついた」
「いいこと?」
「うん。水瀬さん、これから俺と一緒に勉強頑張って、今度の期末テストで妹よりも良い点とって。聖来たちを見返してやろうよ」
「ええ!?」
滝川くんのありえない提案に、わたしは金魚みたいに口をパクパクさせてしまう。
「聖来たちを見返すって、そんなの……無理だよ」
しかも、勉強でだなんて。今まで一度も聖来に勝ったことないのに。
「大丈夫。俺がこれから毎日、水瀬さんに勉強教えるからさ」
「そんな。滝川くんに悪いよ」
「ううん。悪くない。俺が、水瀬さんと一緒に頑張りたいなって思ったから。一人よりも、二人のほうがもっと頑張れるでしょ?」
滝川くん……。
「それとも水瀬さんは、ずっとこのままお母さんたちに言われたままで良いの? 悔しくないの?」
「それは……」
わたしの脳裏に、お母さんや聖来の顔が浮かぶ。
……悔しくないと言ったら、ウソになる。
このまま聖来たちに言われっぱなしなのは、絶対に嫌だ。
わたしは、拳をギュッと握りしめる。
それに……やる前から無理だなんて、決めつけたらダメだよね。
そんなことは、期末テストが終わってからいくらでも言えば良い。
わたしは、滝川くんを真っ直ぐ見据える。
「滝川くん、わたし……頑張ってみたい。だから、わたしに勉強を教えて下さい」
「喜んで。それじゃあ、咲来……これから俺と一緒に頑張ろう」
「はいっ!」
こうしてわたしは、来月の期末テストに向けて滝川くんに勉強を教えてもらうことになったのだった。
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