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14. これからも
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北条財閥のパーティーから、数日後。
学校では、先日行われた期末テストの全ての答案用紙が返却された。
数学の他にわたしは、日本史と英語のテストの点数が聖来よりもわずかに上だった。
なので最終的にわたしは、聖来よりも3教科良い点をとることができたのだった。
1学期の中間テストまでは、聖来に完敗だったから。
紫苑くんに放課後勉強を教えてもらった日々が、こうしてちゃんと結果に繋がってすごく嬉しい。
◇
「はぁ……。まさか私が、咲来ちゃんに学校のテストで負ける日が来るなんて」
放課後。わたしは今、聖来と一緒に家のリムジンに乗って帰宅中。
今までは、歩いて通学していたわたしだけど。
北条財閥のパーティーのあとお母さんから『これからは、咲来も車で通学しなさい』って言われて。
それからは、わたしも聖来と一緒に車で送迎してもらうようになった。
「ああもう、めちゃくちゃ悔しいー! 北条さまのお相手に選んでもらったのも、咲来ちゃんだったし。どうして、咲来ちゃんばっかり……」
「ははっ」
相変わらずな聖来に、わたしは苦笑いすることしかできない。
「だけど……」
車に乗ってからずっと、ひとりでブツブツ言っていた聖来がわたしのほうを見る。
「咲来ちゃんのことだから。きっと私の見えないところで、勉強を頑張ってたってことだよね」
「聖来?」
「認めたくないけど……やっぱり、咲来ちゃんはすごい。さすが、私のお姉ちゃんだわ。やるじゃない」
少し上から目線だけど、そんなところもまた聖来らしくて。
「ふふっ」
わたしは、思わず声を出して笑ってしまう。
「なっ、何よ。どうせ咲来ちゃん、ざまぁみろとか思ってるんじゃないの!?」
「そんなこと、思うわけないじゃない」
「は!?」
聖来が、ムッとした表情になる。
「咲来ちゃんはいつもそう。いい子ぶってるっていうか。私がどれだけ嫌なことを言っても、同じように言い返してくることは一度もなくて。そういうところが、逆に見ててムカつくの。だから、つい嫌なことばかり言ってしまってた」
聖来……。
「そりゃあわたしも、妹にバカにされて腹が立つときもあったよ? 聖来は人としてバカだし、自己中でワガママで……。性格も本当にブスだなって思うときも、何回もあった」
「ちょっ、咲来ちゃんひどい!」
わたしが遠慮せずに言い過ぎたせいか、聖来が目に涙を浮かべる。
「ほら、すぐ子どもみたいに泣く。だから、思ってることも言えなかったんだよ。聖来を、泣かせたくはなかったから」
わたしは、聖来の目元の涙を指で拭ってあげる。
聖来は、いつも偉そうだけど。こう見えて意外と繊細で、傷つきやすい子だから。
「おばあちゃんも、わたしや聖来にはいつも笑顔でいて欲しいってよく言ってたし。おばあちゃんを悲しませるようなこと、わたしにはできなかった」
「うう……っ」
「それに聖来は、わたしにとって……たったひとりの、大切な妹だから」
「咲来ちゃんっ!」
隣に座る聖来がシートベルトをしたまま、こちらへと抱きついてくる。
「ごめん。咲来ちゃんは私にとっても、たったひとりの大切なお姉ちゃんのはずなのに。今までたくさん、傷つけてごめんなさい」
「良いよ。こうして謝ってくれたから、許してあげる……って言いたいところだけど。やっぱり聖来のこと、すぐには許してあげられない」
「えっ!? ど、どうして!?」
わたしに抱きついていた聖来が、焦ったように顔を上げる。
「だって、聖来。わたしには今謝ってくれたけど、紫苑くんにはまだ一度もちゃんと謝っていないでしょう?」
「あっ」
聖来がハッとした表情になる。
「姉であるわたしのことはともかく、これまで紫苑くんにも失礼なことを言ったんだから。やっぱり彼にもちゃんと謝って欲しい。今までずっと、そのことが引っかかってたんだよね」
──『咲来ちゃんと一緒で、滝川くんも地味だから。ほんと似たもの同士で、ふたりはよくお似合いだわ~』
「ど、どうしよう。私ったら、滝川くんが北条財閥の御曹司だってことも知らずに、地味だとか失礼なことを……!」
自分の言ったことを思い出したのか、聖来の顔がサッと青ざめる。
「ほら、そういうところだよ。聖来のダメなところ。御曹司とかそんなの関係なく相手が誰であろうと、人が傷つくようなことは言ったらダメだよ」
「う。ご、ごめんなさい……」
シュンと肩を落とす聖来。
「まあ、紫苑くんは優しいから。聖来がちゃんと謝れば、きっと許してくれるよ。だから、近いうちに一緒にクッキーでも作って、紫苑くんに謝りに行こう」
「えっ。どうしてクッキー!?」
「紫苑くん、甘いものが好きらしくて。前に一度わたしがクッキーを作って渡したら、気に入ってくれたから」
「へえ。滝川くんが、甘いものを好きって意外……でも私、料理とかそういうのは苦手なのよね……」
基本何でも器用にこなす聖来の唯一の弱点は、料理や裁縫が苦手なことだ。
「私、やりたくないわ。きっと上手くできないもの。ねえ、咲来ちゃんがやってよ」
「大丈夫だよ。わたしも手伝うから。それに、やる前からできないって決めつけるのは良くないよ」
わたしも最初、紫苑くんに『テストで妹よりも良い点をとって、見返してやろう』って言われたときは、そんなの無理だって思ってた。
成績優秀な聖来に、勉強では今まで一度も勝てたことがなかったから。
だけど……放課後、紫苑くんに毎日勉強を教えてもらって。わたしなりに、努力もして。今回の期末テストで、初めて聖来よりも良い点をとることができたから。
何事も、やってみないと分からないんだってことがよく分かった。だから……。
「ねえ、聖来。苦手なら無理強いはしないけど、一度頑張って作ってみよう? 昔は、おばあちゃんと3人でよく一緒にお菓子作りしてたでしょう? 聖来、おばあちゃんに上手だって褒めてもらってたじゃない」
「言われてみれば、そんなこともあったわね。おばあちゃん……会いたいなあ。あの頃みたいに、久しぶりにお菓子作ってみようかな。咲来ちゃん、教えてくれる?」
「もちろん。喜んで」
それから後日、わたしは聖来と小学2年生のとき以来、久しぶりにふたりで仲良く一緒にお菓子作りをしたのだった。
◇
数日後の放課後。わたしは久しぶりに紫苑くんと、学校の図書室にいる。
紫苑くんは今日も今まで通りに左目を前髪で隠し、メガネを掛けている。
北条財閥の御曹司ということは、やはり学校では秘密らしい。
「この前、聖来が今までのことを謝ってくれて。お母さんや妹と少しずつだけど、昔みたいな関係に戻りつつあるの」
「そっか。良かったな」
「これも全部、紫苑くんが勉強を教えてくれたおかげだよ。ありがとう」
「ううん。俺は、ただ咲来のためにやっただけ。だって、咲来にハンカチを拾ってもらったあのとき、咲来の泣きそうな顔を見ていられなかったから」
紫苑くんが、わたしの頬にそっと手を添える。
「だから最近は、咲来がよく笑ってくれるようになって嬉しい」
紫苑くん……。
「ありがとう。ねぇ、何か私にお礼をさせてくれない?」
「お礼?」
「うん。毎日テスト勉強を教えてもらったお礼がしたくて」
「そうだなぁ。だったら、咲来……俺に好きって言ってよ」
え!?
紫苑くんのとんでもない要望に、わたしは繰り返し目をパチパチ。
「だって俺、咲来からまだ一度もちゃんと好きだって言われてないし」
「そっ、そうだっけ!?」
てっきり、言ったとばかり思ってた。
「うん。だからさ、聞かせて?」
紫苑くんの顔が近づき、至近距離で見つめられる。
「う……」
そんなにじっと見つめられると、緊張するんだけど。
「何? なかなか言えないってことは、もしかして咲来、俺のこと好きじゃないの?」
「そ、そんなことない! わたしは、紫苑くんのことが本当に好きだもん……って、あっ」
「ん。よく言えました。えらいよ、咲来」
紫苑くんが、わたしのおでこにチュッと口づける。
「ねぇ、咲来。ギュッてして良い?」
わたしが頷くと、紫苑くんがそっと抱きしめてくれる。
「これからもずっと、俺のこと好きでいてよね? 俺は、まだ中学生の子どもだけど。俺の隣は、もう咲来以外考えられないんだから」
「うん、わたしも。紫苑くんと、ずっと一緒にいたい」
わたしと紫苑くんの顔が、どちらともなく近づく。
「咲来、大好きだよ」
「わたしも。紫苑くんが大好き」
オレンジ色に染まる夕方の図書室で、わたしたちは初めてのキスをした。
「これからもたまにはここで、ふたりで一緒に勉強しよっか」
「うん!」
「もちろん勉強だけでなく、これからは俺に咲来のことも色々と教えてくれる?」
「えっ、何を知りたいの?」
「そうだなぁ……まずは、俺のどこが好きなのか教えて欲しい」
「え!?」
紫苑くんとの秘密の課外授業は、これからもまだまだ続いていきそうです──。
【完】
学校では、先日行われた期末テストの全ての答案用紙が返却された。
数学の他にわたしは、日本史と英語のテストの点数が聖来よりもわずかに上だった。
なので最終的にわたしは、聖来よりも3教科良い点をとることができたのだった。
1学期の中間テストまでは、聖来に完敗だったから。
紫苑くんに放課後勉強を教えてもらった日々が、こうしてちゃんと結果に繋がってすごく嬉しい。
◇
「はぁ……。まさか私が、咲来ちゃんに学校のテストで負ける日が来るなんて」
放課後。わたしは今、聖来と一緒に家のリムジンに乗って帰宅中。
今までは、歩いて通学していたわたしだけど。
北条財閥のパーティーのあとお母さんから『これからは、咲来も車で通学しなさい』って言われて。
それからは、わたしも聖来と一緒に車で送迎してもらうようになった。
「ああもう、めちゃくちゃ悔しいー! 北条さまのお相手に選んでもらったのも、咲来ちゃんだったし。どうして、咲来ちゃんばっかり……」
「ははっ」
相変わらずな聖来に、わたしは苦笑いすることしかできない。
「だけど……」
車に乗ってからずっと、ひとりでブツブツ言っていた聖来がわたしのほうを見る。
「咲来ちゃんのことだから。きっと私の見えないところで、勉強を頑張ってたってことだよね」
「聖来?」
「認めたくないけど……やっぱり、咲来ちゃんはすごい。さすが、私のお姉ちゃんだわ。やるじゃない」
少し上から目線だけど、そんなところもまた聖来らしくて。
「ふふっ」
わたしは、思わず声を出して笑ってしまう。
「なっ、何よ。どうせ咲来ちゃん、ざまぁみろとか思ってるんじゃないの!?」
「そんなこと、思うわけないじゃない」
「は!?」
聖来が、ムッとした表情になる。
「咲来ちゃんはいつもそう。いい子ぶってるっていうか。私がどれだけ嫌なことを言っても、同じように言い返してくることは一度もなくて。そういうところが、逆に見ててムカつくの。だから、つい嫌なことばかり言ってしまってた」
聖来……。
「そりゃあわたしも、妹にバカにされて腹が立つときもあったよ? 聖来は人としてバカだし、自己中でワガママで……。性格も本当にブスだなって思うときも、何回もあった」
「ちょっ、咲来ちゃんひどい!」
わたしが遠慮せずに言い過ぎたせいか、聖来が目に涙を浮かべる。
「ほら、すぐ子どもみたいに泣く。だから、思ってることも言えなかったんだよ。聖来を、泣かせたくはなかったから」
わたしは、聖来の目元の涙を指で拭ってあげる。
聖来は、いつも偉そうだけど。こう見えて意外と繊細で、傷つきやすい子だから。
「おばあちゃんも、わたしや聖来にはいつも笑顔でいて欲しいってよく言ってたし。おばあちゃんを悲しませるようなこと、わたしにはできなかった」
「うう……っ」
「それに聖来は、わたしにとって……たったひとりの、大切な妹だから」
「咲来ちゃんっ!」
隣に座る聖来がシートベルトをしたまま、こちらへと抱きついてくる。
「ごめん。咲来ちゃんは私にとっても、たったひとりの大切なお姉ちゃんのはずなのに。今までたくさん、傷つけてごめんなさい」
「良いよ。こうして謝ってくれたから、許してあげる……って言いたいところだけど。やっぱり聖来のこと、すぐには許してあげられない」
「えっ!? ど、どうして!?」
わたしに抱きついていた聖来が、焦ったように顔を上げる。
「だって、聖来。わたしには今謝ってくれたけど、紫苑くんにはまだ一度もちゃんと謝っていないでしょう?」
「あっ」
聖来がハッとした表情になる。
「姉であるわたしのことはともかく、これまで紫苑くんにも失礼なことを言ったんだから。やっぱり彼にもちゃんと謝って欲しい。今までずっと、そのことが引っかかってたんだよね」
──『咲来ちゃんと一緒で、滝川くんも地味だから。ほんと似たもの同士で、ふたりはよくお似合いだわ~』
「ど、どうしよう。私ったら、滝川くんが北条財閥の御曹司だってことも知らずに、地味だとか失礼なことを……!」
自分の言ったことを思い出したのか、聖来の顔がサッと青ざめる。
「ほら、そういうところだよ。聖来のダメなところ。御曹司とかそんなの関係なく相手が誰であろうと、人が傷つくようなことは言ったらダメだよ」
「う。ご、ごめんなさい……」
シュンと肩を落とす聖来。
「まあ、紫苑くんは優しいから。聖来がちゃんと謝れば、きっと許してくれるよ。だから、近いうちに一緒にクッキーでも作って、紫苑くんに謝りに行こう」
「えっ。どうしてクッキー!?」
「紫苑くん、甘いものが好きらしくて。前に一度わたしがクッキーを作って渡したら、気に入ってくれたから」
「へえ。滝川くんが、甘いものを好きって意外……でも私、料理とかそういうのは苦手なのよね……」
基本何でも器用にこなす聖来の唯一の弱点は、料理や裁縫が苦手なことだ。
「私、やりたくないわ。きっと上手くできないもの。ねえ、咲来ちゃんがやってよ」
「大丈夫だよ。わたしも手伝うから。それに、やる前からできないって決めつけるのは良くないよ」
わたしも最初、紫苑くんに『テストで妹よりも良い点をとって、見返してやろう』って言われたときは、そんなの無理だって思ってた。
成績優秀な聖来に、勉強では今まで一度も勝てたことがなかったから。
だけど……放課後、紫苑くんに毎日勉強を教えてもらって。わたしなりに、努力もして。今回の期末テストで、初めて聖来よりも良い点をとることができたから。
何事も、やってみないと分からないんだってことがよく分かった。だから……。
「ねえ、聖来。苦手なら無理強いはしないけど、一度頑張って作ってみよう? 昔は、おばあちゃんと3人でよく一緒にお菓子作りしてたでしょう? 聖来、おばあちゃんに上手だって褒めてもらってたじゃない」
「言われてみれば、そんなこともあったわね。おばあちゃん……会いたいなあ。あの頃みたいに、久しぶりにお菓子作ってみようかな。咲来ちゃん、教えてくれる?」
「もちろん。喜んで」
それから後日、わたしは聖来と小学2年生のとき以来、久しぶりにふたりで仲良く一緒にお菓子作りをしたのだった。
◇
数日後の放課後。わたしは久しぶりに紫苑くんと、学校の図書室にいる。
紫苑くんは今日も今まで通りに左目を前髪で隠し、メガネを掛けている。
北条財閥の御曹司ということは、やはり学校では秘密らしい。
「この前、聖来が今までのことを謝ってくれて。お母さんや妹と少しずつだけど、昔みたいな関係に戻りつつあるの」
「そっか。良かったな」
「これも全部、紫苑くんが勉強を教えてくれたおかげだよ。ありがとう」
「ううん。俺は、ただ咲来のためにやっただけ。だって、咲来にハンカチを拾ってもらったあのとき、咲来の泣きそうな顔を見ていられなかったから」
紫苑くんが、わたしの頬にそっと手を添える。
「だから最近は、咲来がよく笑ってくれるようになって嬉しい」
紫苑くん……。
「ありがとう。ねぇ、何か私にお礼をさせてくれない?」
「お礼?」
「うん。毎日テスト勉強を教えてもらったお礼がしたくて」
「そうだなぁ。だったら、咲来……俺に好きって言ってよ」
え!?
紫苑くんのとんでもない要望に、わたしは繰り返し目をパチパチ。
「だって俺、咲来からまだ一度もちゃんと好きだって言われてないし」
「そっ、そうだっけ!?」
てっきり、言ったとばかり思ってた。
「うん。だからさ、聞かせて?」
紫苑くんの顔が近づき、至近距離で見つめられる。
「う……」
そんなにじっと見つめられると、緊張するんだけど。
「何? なかなか言えないってことは、もしかして咲来、俺のこと好きじゃないの?」
「そ、そんなことない! わたしは、紫苑くんのことが本当に好きだもん……って、あっ」
「ん。よく言えました。えらいよ、咲来」
紫苑くんが、わたしのおでこにチュッと口づける。
「ねぇ、咲来。ギュッてして良い?」
わたしが頷くと、紫苑くんがそっと抱きしめてくれる。
「これからもずっと、俺のこと好きでいてよね? 俺は、まだ中学生の子どもだけど。俺の隣は、もう咲来以外考えられないんだから」
「うん、わたしも。紫苑くんと、ずっと一緒にいたい」
わたしと紫苑くんの顔が、どちらともなく近づく。
「咲来、大好きだよ」
「わたしも。紫苑くんが大好き」
オレンジ色に染まる夕方の図書室で、わたしたちは初めてのキスをした。
「これからもたまにはここで、ふたりで一緒に勉強しよっか」
「うん!」
「もちろん勉強だけでなく、これからは俺に咲来のことも色々と教えてくれる?」
「えっ、何を知りたいの?」
「そうだなぁ……まずは、俺のどこが好きなのか教えて欲しい」
「え!?」
紫苑くんとの秘密の課外授業は、これからもまだまだ続いていきそうです──。
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