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7. 決意を新たに
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あれからわたしは、勉強も兼ねて寝る前や時間のあるときは、前に紫苑くんにオススメされた歴史の漫画をよく読むようになった。
「咲来ちゃん、何読んでるの?」
学校の休み時間に、わたしが自分の席で歴史マンガを読んでいると、ナナちゃんとミサキちゃんがやって来る。
「ああ、これ? 徳川家康の本だよ」
「あっ。そのマンガ、あたしも読んだことある。分かりやすいし、けっこう面白いよね」
わたしが数学の問題の解き方を教えて以来、学校でナナちゃんたちと話すことが増えた。
「ていうか、来週から期末テストだけど。みんな、勉強進んでる? ナナ、英語やばくてさ」
わたしが、ナナちゃんやミサキちゃんと話していると。
「えっ、うそ! 聖来ちゃん、すごい~!」
突然、女の子たちの大きな声が聞こえてきた。
「あの、北条財閥のパーティーに招待されただなんて!」
「ふふ。でしょー?」
聖来が、とても自慢げな顔をしている。
「北条財閥って、あの有名な……?」
聖来たちの話が聞こえたのか、ナナちゃんが声を出す。
北条財閥とは、日本でも有数の大財閥だ。
「ナナ、噂で聞いたんだけど。北条財閥の御曹司って、ナナたちと同い年らしくて。すっごくイケメンらしいよー!」
「へぇー。それは一度お目にかかりたいなぁ。ああ、あたしもパーティーに行きたい」
ナナちゃんとミサキちゃんが、ふたりで盛り上がっている。
北条財閥の御曹司……か。すっごくイケメンって、一体どんな人なんだろう。
少し興味はあるけど。たとえどれだけイケメンでも、図書室で一瞬だけ見えた紫苑くんのあの素顔には敵わないんだろうな……って。
何を考えてるんだろう、わたし。
わたしがチラッと紫苑くんのほうを見ると、彼は自分の席で静かに読書をしていた。
本を読む姿も知的で、ただそれだけでかっこいいなんて……やばい。
「あれ。でも、聖来ちゃんが招待されたのなら、咲来ちゃんも北条財閥のパーティーに行くの?」
「へ!?」
ミサキちゃんにいきなり質問されて、紫苑くんのほうを見ていたわたしは胸がドキッと跳ねる。
「えっと、わたしは……」
「咲来ちゃんは、パーティーには行かないわよ」
ミサキちゃんの質問に答えようとしたわたしの言葉を、聖来が遮る。
いつの間にかわたしの席の近くに、聖来が来ていた。
「お母さんが、咲来ちゃんは行かなくて良いって言ったのよね。こんな出来損ないの娘なんか、恥ずかしくて連れて行けないって」
聖来に言われて、わたしは手のひらを握りしめる。
悔しいけど、聖来の言うとおりだ。
来週末の北条財閥主催のパーティーに、家族で招待されたけど。お母さんに『咲来は行かなくて良いわ』って言われたから。
わたしだけ、家でひとり留守番することになった。
「咲来ちゃんは、家で一人寂しく勉強でもしてれば? まぁ、咲来ちゃんがいくら勉強したところで、私には一生勝てないだろうけどぉ」
聖来が高笑いしながら、わたしの元を離れていく。
く、悔しい。
わたしは、聖来の背中を睨みつける。
聖来はわたしにとって、たった一人の姉妹だから。
本当は聖来とはもっと仲良くしたいし、勝ち負けとか勝負なんてしたくないけど。
ここまで言われたら……やっぱり、何が何でも聖来に勝ちたい。
今まで放課後、毎日わたしに勉強を教えてくれた紫苑くんのためにも……。
来週の期末テストでまずは1教科だけで良いから、絶対に聖来よりも良い点をとってみせる。
このときわたしは、改めて強く思った。
「咲来ちゃん、何読んでるの?」
学校の休み時間に、わたしが自分の席で歴史マンガを読んでいると、ナナちゃんとミサキちゃんがやって来る。
「ああ、これ? 徳川家康の本だよ」
「あっ。そのマンガ、あたしも読んだことある。分かりやすいし、けっこう面白いよね」
わたしが数学の問題の解き方を教えて以来、学校でナナちゃんたちと話すことが増えた。
「ていうか、来週から期末テストだけど。みんな、勉強進んでる? ナナ、英語やばくてさ」
わたしが、ナナちゃんやミサキちゃんと話していると。
「えっ、うそ! 聖来ちゃん、すごい~!」
突然、女の子たちの大きな声が聞こえてきた。
「あの、北条財閥のパーティーに招待されただなんて!」
「ふふ。でしょー?」
聖来が、とても自慢げな顔をしている。
「北条財閥って、あの有名な……?」
聖来たちの話が聞こえたのか、ナナちゃんが声を出す。
北条財閥とは、日本でも有数の大財閥だ。
「ナナ、噂で聞いたんだけど。北条財閥の御曹司って、ナナたちと同い年らしくて。すっごくイケメンらしいよー!」
「へぇー。それは一度お目にかかりたいなぁ。ああ、あたしもパーティーに行きたい」
ナナちゃんとミサキちゃんが、ふたりで盛り上がっている。
北条財閥の御曹司……か。すっごくイケメンって、一体どんな人なんだろう。
少し興味はあるけど。たとえどれだけイケメンでも、図書室で一瞬だけ見えた紫苑くんのあの素顔には敵わないんだろうな……って。
何を考えてるんだろう、わたし。
わたしがチラッと紫苑くんのほうを見ると、彼は自分の席で静かに読書をしていた。
本を読む姿も知的で、ただそれだけでかっこいいなんて……やばい。
「あれ。でも、聖来ちゃんが招待されたのなら、咲来ちゃんも北条財閥のパーティーに行くの?」
「へ!?」
ミサキちゃんにいきなり質問されて、紫苑くんのほうを見ていたわたしは胸がドキッと跳ねる。
「えっと、わたしは……」
「咲来ちゃんは、パーティーには行かないわよ」
ミサキちゃんの質問に答えようとしたわたしの言葉を、聖来が遮る。
いつの間にかわたしの席の近くに、聖来が来ていた。
「お母さんが、咲来ちゃんは行かなくて良いって言ったのよね。こんな出来損ないの娘なんか、恥ずかしくて連れて行けないって」
聖来に言われて、わたしは手のひらを握りしめる。
悔しいけど、聖来の言うとおりだ。
来週末の北条財閥主催のパーティーに、家族で招待されたけど。お母さんに『咲来は行かなくて良いわ』って言われたから。
わたしだけ、家でひとり留守番することになった。
「咲来ちゃんは、家で一人寂しく勉強でもしてれば? まぁ、咲来ちゃんがいくら勉強したところで、私には一生勝てないだろうけどぉ」
聖来が高笑いしながら、わたしの元を離れていく。
く、悔しい。
わたしは、聖来の背中を睨みつける。
聖来はわたしにとって、たった一人の姉妹だから。
本当は聖来とはもっと仲良くしたいし、勝ち負けとか勝負なんてしたくないけど。
ここまで言われたら……やっぱり、何が何でも聖来に勝ちたい。
今まで放課後、毎日わたしに勉強を教えてくれた紫苑くんのためにも……。
来週の期末テストでまずは1教科だけで良いから、絶対に聖来よりも良い点をとってみせる。
このときわたしは、改めて強く思った。
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