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一章
9.宿で食事
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しばらく歩いていたハルトとシノはどうにか宿を見つける事ができ二階の一部屋を借りることができた。転移初日に案内された部屋とは比べ物にならないほどに質素な部屋だが文句を言っていては生きてはいけないと思いハルトは我慢した。
「本当に俺と同じ部屋で良かったのか?」
「うん」
「そ、そうか」
女の子と同じ部屋で泊まるということに耐性のないハルトはソワソワしながら剣を壁にたてかけベッドに座った。その時小さい音だがハルトのお腹がなった。
「腹減ったな」
「買っといた」
「いつの間に!!?」
シノはコートの中から袋に入れられた食べ物を取り出し机の上に並べた。どれも元の世界ではないようなものだがどことなく似ているものもあった。
(これどう見ても忙しい人の味方の冷凍食品じゃねぇか)
「これ食べれるのか?」
「見てて」
シノは机に置いた食品を手に取りそれを上に投げる。落下する食品に向かってシノは指を指した。その瞬間宙で食品は炎に包まれた。そして食品はそのまま落下してきたのでシノがそれを受け止めようとしたが想像以上に熱く弾き返してしまった。しかし奇跡的に食品は机の上に乗っかった。
机に置かれた食品を見て絶対焦げ焦げになってるだろうと思いながらもシノに「開けてみて」と言われ恐る恐る開封してみると中からモワっと暖かい蒸気が出てくる。そしてその袋の中を見てみると焦げておらずしっかりと料理として完成していた。
「凄いな。これ!」
「食べて食べて」
「わかった」
しかしここでハルトはある重要なことに気づく。それは箸かスプーンか他の何か。それがなければこの熱々なものを食べる事は出来ない。
「これどうやって……」
聞こうとした瞬間シノはコートの中から一つのスプーンを取り出しハルトに見せる。
「なんでコートに入ってんだ!?」
シノのコートの中がどうなってるのか疑問に思いながらもハルトはスプーンを受け取り袋の中に突っ込んだ。そしてスプーンでよそって口に運ぶ。
(これってもしかしてチャーハンか?! 全然元の世界のチャーハンとは似ても似つかないけど味はほぼ一緒だ)
ハルトは久しぶりに元の世界の食べ物の味を感じて満足そうな顔を浮かべた。それを見てシノは微笑んでいた。
「シノも食べないのか?」
「あーん」
シノは口を開けてハルトに食べさせてと目で語りかけていた。年頃のハルトに対してはあまりにも刺激的な行動だった為変な気持ちが一瞬通ったがただ妹に飯をあげてやっているという心構えにすぐさま切り替えスプーンをシノの口に近づける。スプーンを口を入れたシノはそのままスーッと唇をスプーンに付けながら後ろに動かした。
「美味しい。ありがとハルト」
「あ、あぁ」
ハルトはシノの咥えたスプーンを眺めていた。
「どうしたの?」
「あ、い、いやなんでもない」
妹に飯をあげたあとにそのまま自分がまた食べているだけという設定にしてハルトは再び食べだしたがそれでも耐えきれず頬が赤くなっていた。その様子を見てシノはまたもや微笑んだ。
「本当に俺と同じ部屋で良かったのか?」
「うん」
「そ、そうか」
女の子と同じ部屋で泊まるということに耐性のないハルトはソワソワしながら剣を壁にたてかけベッドに座った。その時小さい音だがハルトのお腹がなった。
「腹減ったな」
「買っといた」
「いつの間に!!?」
シノはコートの中から袋に入れられた食べ物を取り出し机の上に並べた。どれも元の世界ではないようなものだがどことなく似ているものもあった。
(これどう見ても忙しい人の味方の冷凍食品じゃねぇか)
「これ食べれるのか?」
「見てて」
シノは机に置いた食品を手に取りそれを上に投げる。落下する食品に向かってシノは指を指した。その瞬間宙で食品は炎に包まれた。そして食品はそのまま落下してきたのでシノがそれを受け止めようとしたが想像以上に熱く弾き返してしまった。しかし奇跡的に食品は机の上に乗っかった。
机に置かれた食品を見て絶対焦げ焦げになってるだろうと思いながらもシノに「開けてみて」と言われ恐る恐る開封してみると中からモワっと暖かい蒸気が出てくる。そしてその袋の中を見てみると焦げておらずしっかりと料理として完成していた。
「凄いな。これ!」
「食べて食べて」
「わかった」
しかしここでハルトはある重要なことに気づく。それは箸かスプーンか他の何か。それがなければこの熱々なものを食べる事は出来ない。
「これどうやって……」
聞こうとした瞬間シノはコートの中から一つのスプーンを取り出しハルトに見せる。
「なんでコートに入ってんだ!?」
シノのコートの中がどうなってるのか疑問に思いながらもハルトはスプーンを受け取り袋の中に突っ込んだ。そしてスプーンでよそって口に運ぶ。
(これってもしかしてチャーハンか?! 全然元の世界のチャーハンとは似ても似つかないけど味はほぼ一緒だ)
ハルトは久しぶりに元の世界の食べ物の味を感じて満足そうな顔を浮かべた。それを見てシノは微笑んでいた。
「シノも食べないのか?」
「あーん」
シノは口を開けてハルトに食べさせてと目で語りかけていた。年頃のハルトに対してはあまりにも刺激的な行動だった為変な気持ちが一瞬通ったがただ妹に飯をあげてやっているという心構えにすぐさま切り替えスプーンをシノの口に近づける。スプーンを口を入れたシノはそのままスーッと唇をスプーンに付けながら後ろに動かした。
「美味しい。ありがとハルト」
「あ、あぁ」
ハルトはシノの咥えたスプーンを眺めていた。
「どうしたの?」
「あ、い、いやなんでもない」
妹に飯をあげたあとにそのまま自分がまた食べているだけという設定にしてハルトは再び食べだしたがそれでも耐えきれず頬が赤くなっていた。その様子を見てシノはまたもや微笑んだ。
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