ルカの日常

ひいらぎ

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出会い

知らない場所

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ユラユラ揺れて、ついた先にはいっぱいの人間がいた。

そして、あたちと同じネコや、イヌがいた。


イヌを初めて見たのは、この日だった。



あたちは、小さいにおへやに入れられて、閉じ込められた。




知らない場所、知らない環境、知らない人やネコやイヌ。。。



もう全てがわからなかった。

この時はまだ、お母さんや、兄弟、お姉さんにもう二度と会えないとは気づいてなかった。
いいや、そんなことに頭を使っている余裕がなかった。


ごはんを食べる元気もなく、ただただ夢であればいいなと。
起きたら、全て嘘だったよと、何事もなかったかのように元に戻ると思って。
ひたすら、眠り続けた。
寝ているはずなのに、全然疲れが取れず、夢の世界にもいけなかった。
ただただ、自分の身に起きたことから目を逸らしただけだった。



朝になり、賑やかになった。
こんなにうるさい朝は、初めてだった。


知らない人間に、抱っこされて、お手入れされて、ごはんを渡され、撫でられた。
誰なの。
あたちの知っているみんなはどこにいったのよ。



ここはどこ。
夢でも、嘘でもなかった。


もうあたちは、あそこには戻れないんだ。
お母さんにも、兄弟にも、お姉さんにも会えないんだ。
あたちはひとりぼっちになっちゃったんだ。


どうして。
あたちが何かしたの?
あたちがいい子じゃなかったから?
あたちが兄弟のおやつ取ったから?
あたちがお母さんに甘えすぎたから?
あたちがお姉さんの言うことを聞かなかったから?


わからない。
ごめんなさい。
あたちが悪かったのかもしれない。
でも、こんな知らない場所にいきなり連れてこなくてもいいじゃない。
みんなの元を離れなくちゃいけない理由がわからない。


どうして。。。


ごめんなさい。。。
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