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第2部
#38 褒美
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「……戻った」
本当は戻りたくなんてないのだけれど。ここから逃げ出して、自由になれるんだったら、俺はとっくの昔にそうしていた。
「お帰りなさいませ。間抜け面を彼らに晒して、のこのこと帰ってきたんですね」
黒い──蝶なのか蝙蝠なのか蛾なのか知らないが──群れの中から一人の男が現れる。
「やることはやっただろ」
俺を下等に見ている目をしている。俺が絶対に逆らわないと確信した笑い方をしている。気に食わない、あの声も、あいつそのものも。
だからできるだけの反抗をしただけだ。とてもつまらない、子どもじみた感情であることは知っている。
俺は何でも言う通りにすると思うなよ、とは口には出さず、心に留める。
「ええ、確かにそう。でも……連れてくる人を間違えていますよ?」
俺には想定済みの反応だった。男が俺に近づいてきて、至近距離で止まった。女のような、フェミニンだがどこか官能的な香水の匂いがした。
男が俺の顎に細い指をあてがうと、二十度ほど押し上げて更に厭味ったらしい言葉を続けた。
「どうなさったのです? 僕は、貴方だったらできると思ったから、お願いをしたのです」
「お願い……ッハ、脅しの間違いだろ。変なこと言いやがって」
男の口角が少し上がった。こいつは、俺が何を返しても笑う。それ以外の反応を、俺はまだ見たことがない。
「ふふ、忘れていなかったんですね。逃げても構わないのに、貴方こそ、変わった御人……」
蠱惑的な台詞を平然と吐いてあとずさる。クラシックローズの匂いが辺りに香った。
「で、要件はそれだけかよ」
「いいえ、そんなはずはありません。悪い子にはお仕置きが必要です。自分から着替えておいて……わかっているんでしょう?」
「違う! これはアンタに強要されて仕方なく……」
感情を煽られるとコントロールできなくなるという自身の悪い癖を、男にいいように扱われている。わかっていながら止めることができない性であるということも、おそらくはお見通しだろう。
すると男は、急に泣き出してしまいそうな顔をして、俺の二の腕に両方の手で触れた。
「僕だって仕方なく、なんですよ? 愛おしい兄弟からの指示で……もしも逆らえば、その怒りを貴方にぶつけるでしょうから」
「…………」
「ふふ、怖がらなくていいですよ。ほんの少しだけ、貴方を泣かせてしまうかもしれませんけれどね」
俺が抵抗しようとした時にはもう遅かった。男があまりにも強く腕を握るから、逃れようとも逃れられない。
「や……や、めろよ!! それ以上触る……な!」
「フフフ、可愛いですね。アメとムチは上手に使い分けろと言いますが、僕のムチは結構痛いですよ」
その言葉の真の意味はわからない。だが、嫌なことをされるという事だけは、それだけはわかる。
「いや、だ……ぁ!!」
遂に俺は床に組み敷かれ、逃げ場を失った。手首を男に押さえつけられて、俺は袋の中のねずみそのものだ。
「安心してください。ちゃんと一人連れてきたんですから、優しくしますよ。今夜は特別に、ね」
「んっ……ふ……ぁ、やめ……」
「ここを、貴方の居場所にしてあげましょう。僕に身を委ねて」
熱く舌を絡ませたキスの後で、男が俺の耳元で優しく囁いた。
いつの間にか俺の腕は背中で曲げられ交差して──。
「っわあ?! な、なん、だよ……っ」
五つの頭を持った赤い蛇が、俺の手首や二の腕、首にまとわりつく。胸板を上下で挟むように蛇の頭が混ざり合うと、夢でも見ていたかのように変形して麻縄になった。
「縛り加減は如何ですか? あぁ、これくらいなら丁度いい、ですね」
白いドレスと正反対の、赤い縄に優しく指をかけながら、男の頬が僅かに上気する。
俺の顔は段々と熱くなっていった。男の太腿が、股間に当たっている。わざとらしくぶつかる太腿を避けようとすると脚が余計に食いこんで、意識がそこに集中してしまう。
「う……こんな事して、楽しいのかよ」
俺が言葉だけの反論をすると、男は半目で笑った。
「僕にはよく分かりません。ですが、貴方が見たままの感情があるんだと思います。……貴方はどうですか? 女の子なのにここを固くして」
そしてまた男の太腿が押し当てられた。先程よりも強く上下に擦られて、性器に熱が宿るのがわかった。
俺はこの男とキスをして、ドレスの上から股間に触れられただけで勃起してしまったのだ。
「うる、さ……い、あっああっ」
情けない声を上げて、男の手の中に落ちていく。避けようと足を動かすと、スカートの中に風が入り込んで、嘲笑うように俺の脚を撫でていった。
「わかりますか? 服の上からでもよく見えますよ」
「あ、バカっ、言うな……あっ」
股下に触れていた腿が手に変わり、天井向かって上り詰めた性器が、着ている布を突き破らんとしていた。男の手が俺の性器に当たる度、気持ちよくて背中を反らした。
「あ、いい事を思いつきました」
男が俺の顔の前で、手を広げて翳した。一瞬にしてあたりが真っ暗になったから、何が起きたのかと警戒する。
「み、見えない……っ!! 何しやがった」
「クス、ただの目隠しです。視覚を遮断するだけで、人の感度は何倍にも膨らむんですよ、不思議ですね」
「あっ……っひ……!!」
俺は上半身を起こされ、胸元を背後から両手で執拗にまさぐられた。締め付けられたり、捏ねられたり。それだけで痺れるほどの震えが背筋を駆け上っていくのに、男の指先が突起に当たると脳がぐらぐらと揺れて、蕩けた。
男の吐息が項にかかって肩を竦めると、縄が体に食い込んでマゾヒズムを加速させた。
「あら? もう言葉も出ませんか」
「う、うぅ……っあ」
理性を保つのに精一杯で、他に何も考えられなかった。女装させられて、しかも男に体を弄ばれて勃起しているなんて。
自尊心などもうここには存在しなくて、この男に修復不可能になるまで切り刻まれ、ハンマーで打ち砕かれるだけだ。
プライドも何もかも失った気がして、俺の目尻は熱くなっていく。泣いているんだ──俺が。
惨めったらしい。情けない。悔しい。
「フフ、こんなにも可愛らしくなった貴方を、このまま犯してしまうのも惜しいですね。それに、そちら側の役はあまり得意ではないですし……」
「へ、あ……なに……っ」
男は俺を体ごと振り向かせると、膝立ちの俺の股下に、自分の足を潜らせた。
「最初に言いましたよね、優しくすると。さぁどうぞ」
「まって……うわっ」
背中を軽く押さえられ、俺と男の体が共に床に沈んでいく。体の芯を抜かれたように力が入らなくなった俺は、顔を上げるのがやっとだった。
男は俺の足の間に入れた足を、山折りにした。うつ伏せの状態で、ちょうど尻を持ち上げられるような姿勢になった俺の性器は、再び男のしっかりとした太腿に触れて熱を持った。
「遠慮しなくていいんですよ、こちらにどうぞ」
「んむ……?!」
男は俺の後頭部に手を回すと、ゆっくりと下に向かって倒した。口元に、柔らかく張りのあるものが当たる。
「どうぞ、お好きになさって。貴方の舌で」
「……んっ……」
はだけたスーツの内側にある男の体からは、甘い蜜のような香りがした。
何もせずにいるのも怖くなり、恐る恐る口を開けて少しだけ舌を出す。初めから距離が近かったから、男の肌に届くまで時間はかからなかった。
「ふふ……お上手ですよ、もう少し、上に……」
俺は男の胸元に舌を這わせて、突起を探る。男の言うとおりにして顔を上に持っていくと、小さな乳頭を探り当てた。男はため息のような声を漏らす。見つけたその蕾を食んで、吸ったり舐めたりを繰り返した。
「はぁ……良いです、すごく。……ふふ、んっ」
男はいやらしい声を出すと、俺の頭を撫でながら、反対の手で空いている自分の胸を触っているようだった。
俺は頭が真っ白で、パニック状態に近かった。とにかく言われるがまま、されるがまま体を使った。
それからしばらくすると、俺は床に寝かせられ、男に逆レイプ紛いなことをされた。多分、三回以上は男の中でエクスタシーを迎えたと思う。焦らされ続けて限界寸前だった俺は、無我夢中で喘ぐことしか許されなかった。
途中で気絶し、次に目を覚ますと部屋には誰もいなかった。直前のことを思い出し、また顔が熱くなる。
俺はあの男が恐ろしくてたまらなかった。今後男の名を呼ぶことは、もう一度あるかないか──だろう。
***
信じている人に体を求められたら、その場で素直に受け入れられる人は、そう多くはないと思う。でも──あたしはできる。あたしは、変わってるから。
「…………」
あたしは部屋に帰ると、ローブをベッドの端に脱ぎ捨てて、仰向けになって寝た。
「……ふぅ……」
──今日はちょっと疲れたな。そんなことを考えながら、仮眠をしようと目蓋を閉じた。
あたしは気を失うように眠ってしまったらしい。十分か、或は一時間か。どのくらい眠っていたのかも曖昧だった。
目を開けると、ベッドの脇に腰をかけてあたしを見ているグレーの髪の女性がいた。
「あなた……いつからそこに……?」
「いつからかしらね。とてもかわいい寝顔だったわ」
目覚めたばかりで、視界が未だに定まらない。女性が目を糸のように細めて笑っている。あたしは体を起こそうと、腹部に力を入れ──。
「あ……れ? やだ、なに……?」
あたしの体は、磔にされたように動かなかった。
どうやら、ベッドの四隅に四肢を固定されているらしい。顔を捻って確認すると、ベルトで手首や足首を拘束されている。
「それはワタシのシュミ。今のアナタの格好に、とても似合っているわよ。そうね、シチュエーションは『敵に捕われたスパイ』あたりでどうかしら」
「え……?」
「冗談よ。アナタ、疲れているでしょう? だから、ね」
あたしを不安にさせないように微笑む女性は、ベッドの上を這ってあたしに跨がった。赤のレオタードが、女性の体のラインをより一層際立たせている。
「ん……な、なに……??」
笑った表情の仮面を身に着けたように、顔を一切変えず、黒のインナースーツに包まれたあたしの胸に手を置いた。
「隠す必要もないから言うけれど。ワタシ、女の子じゃないと性的興奮を感じないの。よく見せて」
女性はあたしの首元で揺れているファスナーの先を掴むと、下へ下へと降ろして肌を露出させた。
「あっ……だめ、どこまでさげるのっ……!?」
「そうね、お楽しみは後にとっておくべきよね。一旦ここで止めておきましょうか」
そう言うと、ファスナーを臍のあたりで止めた女性は、ひらけたインナースーツの襟を持って、容赦なく左右に広げた。スーツに収まっていた胸が零れて顕になった。
「アナタ、思っていた以上におっぱいが大きいのね」
「ひゃっ……う、ううっん……」
露出した肌を、女性の白い手がなぞる。細い指が胸の上で弧を描いたり、肝心なところに触れそうで触れなかったりを繰り返す度に、あたしの体は少し跳ねた。女性の視線がずっとあたしの胸を見つめていて、おもむろに体は火照っていく。
「ウフフ……綺麗で健康的な体ねぇ……食べてしまいたくなるわ……」
女性はあたしの乳房を下から上に舐め、口に含んだ。
「ああん! そこ、だめっ」
乳頭から女性の唇が離れると、その形は触れられていない方と比べて明らかだった。さっきまでなぶられていた左の方が、輪郭がしっかりとしている。
「んっ……両方とも可愛がってあげないと、フェアじゃないわね」
反対側の胸の真上で、女性が微笑む。今度は快楽という罠から抜け出すことのできないあたしの乳輪に沿ってぐるりと舌を這わせた。まだ触れられていないのに、薄いピンクの乳房は硬直していった。
「ひゃぁ……あ! んぅ……やんっ」
小さな突起は、あたしの理性とは裏腹に、女性の生暖かい舌を欲しがっている。じっくりとたっぷりと観察されたあとで、トラップに掛かった小さな獣のように追い込まれた乳房は、ぬらりとした赤くて大きな舌に食べられてしまった。
「んーん……。おいしいわ……チュッ、チュウ」
「ふっ、ん……そこっあっ、あーー!」
わざとらしく音を立てて、乳首を吸い上げられる。同時に、女性は右手であたしの左胸を鷲掴みにすると、ハンバーグを捏ねるように練ったり、指の腹で乳頭の窪みを擦ったりした。
我慢しても、抑えきれない欲情が先走りする。あたしの体は素直に快楽を呑み込んでいった。下腹部の昂りを感じる。
「はあっ……はあっ……」
「うふふ。とっても甘美。どんなデザートよりも……。さ、お楽しみはこれからよ」
女性の舌と指に、二つの乳房は完全に勃起してしまった。なんて緻密な罠。女性の息が胸にかかる度、更に感じて熱くなっていく。
「今度は、なにを、するの……もう放してぇ」
女性は向きを変えず、あたしの乳から顔も指も離すと、足と足の間に顔をおろした。布一枚を隔てた先にある性器を見つめて、熟す頃合いを見計らっているようだ。
「ダメよ、アナタに拒否権はないわ。フフ、蒸れているでしょう? 開けるわよ」
「あっ…………はあっ」
インナースーツの胸から臍までのファスナーとは別に付いている、排泄用の入口を開かれる。見るまでもなく、興奮を極限まで高められたあたしの性器は濡れていた。
「ほぉら、こんなによだれを垂らしてる。いやらしい子だわ」
「ごめ、なさいっ……ゆるしてぇ……」
「どうしましょうかしらぁ……こんな所をひくひくさせて、誰を誘っているのよぉ? ……もしかして、あの男の子?」
女性の親指が小陰唇を押し広げた。
あたしの今の姿勢ではちょうど隠れて見えないけれど、ひやりとした空気が触れるのが伝わってくる。
「そんなこと……ないっ……ふぅっ」
「そう。なら、好きにしてもいいわよね」
「はぁ……話が別っ……ああっ!!」
女性は左手の指二本で小陰唇に釘を刺し、右手の親指でクリトリスを撫で始めた。衝撃のような感覚に腰が浮き、橋のように背中を反らせた。
「気持ちいい? これからココをもっと気持ちよくさせてあげるから」
「あ、あーー……そん、なとこ、だめ、ひぁん」
指の腹がクリトリスを責め立てる。押したり、トントンと叩いたり、挟んで捻ったり。あたしの悶絶する声すら、女性にとっては興奮する材料のひとつだった。
「うふふふふ、よく見てご覧なさい。アナタのクリトリス、もうこんなに大きくなったわよ」
「そんな……ぁ、も、もうやめてぇ」
クリトリスが女性の指によって上向きに押さえつけられると、生々しい肉の色をした突起の先端があたしにも見えた。あたしはクリトリスから感じる指の熱に、全身を震わせた。
「体が痙攣してる。余程敏感なのね」
「はっ……ふっ……ぅん」
あたしは無意識に、クリトリスを女性の指に擦りつけてエクスタシーを求めていた。あたしの腰が上下に動くのに気づくと、女性は指の熱を引き剥がした。
「まぁだ、ダメ。準備をするから……イイ子なら待てるわよね?」
押し付けられたクリトリスも勃起して戻らなくなっている。あたしはそれを見て堪らなくなった。
「ああん、がまんできない……っ」
「そんなことないわ、少し苦しいけれど、すぐに良くなるから」
あたしを諭すと、女性は化粧棚の中から卵型のローターを手に取った。他にも幾つか手に取っては、あたしの方を見て笑っている。
女性はベッドに戻ってくるなり、あたしの口をギャグボールで塞いだ。
「んっ……んう?!」
「何も喋れなくなっちゃったわね。でも安心して、ワタシがこの手で、言葉で、道具たちで、アナタを満足させてあげるから」
焦燥感と羞恥と快感のアンバランスさに、目の前が霞んだ。
女性は長いまつげを震わせながら、あたしの勃起した乳首をローターで蓋して、その上から可愛らしいデザインの絆創膏で剥がれないよう固定した。反対側も同じようにローターを付けられる。
「あとはコレを塗って……うふふ、これで完成ね」
「んっ……?!」
女性は蜂蜜のような色をした液体の詰まった瓶の蓋を回して開ける。瓶の中に二本の指を沈めると、上辺を掬って指の腹に乗せた。蜜はあたしの性器に満遍なく塗りこまれ、最後に膨らんだクリトリスをペッティングされる。
「それじゃあ、始めるわ」
そう告げると、女性は乳首に付けたローターの先にあるスイッチを、左右同時に押した。
「ん……!! んんーっ……!!」
あまり強くはない振動が、胸の中心で押しつぶされていた突起を震わせた。あたしは背中を反らせて感じる。身体中を汗と興奮が駆け巡っていた。
「これからがイイトコロよぉ、全身で感じて……」
見えないところで、性器を弄ばれる。また性器の唇を広げられ、今度は綿のような、毛羽立った筆のようなものでクリトリスに悪戯をされた。
「んんーーーっ!! んうっ、んっ」
両方の乳房と、クリトリスを同時に責められて、あたしの体はゾクゾクしっ放しだった。腰を激しく揺らして、もっともっと、と欲しがっている自分がいることは明白だった。
「ほぉら……イッてしまいなさい。忘却の境に。ワタシが見ていてあげるからね」
「……っ!! んっ、あ、あん、んあ……ああーー!!」
あたしの腰の動きに乗せて、筆の愛撫する速度も早くなる。性器に擦り込まれた蜜のような液体は媚薬だろう。ブラシの刺激を求めて性器は熱を帯び、あたしは一心不乱に腰を振った。
快感が最高潮に達すると、あたしの体は絶頂に無我夢中になった。
「フーーッ……フゥッ……」
「いい子、いい子。でも、これで終わりじゃないわ。まだまだアナタを楽しませるオモチャが山ほどあるの」
それから女性はペニスバンドやバイブレーション、アナルビーズと、どこからともなく現れる道具達を休みなく使って、あたしを恍惚の海に沈めた。
それからあたしは、何度も何度も、気絶するまで何度も絶頂に達し、叫び続けた。
本当は戻りたくなんてないのだけれど。ここから逃げ出して、自由になれるんだったら、俺はとっくの昔にそうしていた。
「お帰りなさいませ。間抜け面を彼らに晒して、のこのこと帰ってきたんですね」
黒い──蝶なのか蝙蝠なのか蛾なのか知らないが──群れの中から一人の男が現れる。
「やることはやっただろ」
俺を下等に見ている目をしている。俺が絶対に逆らわないと確信した笑い方をしている。気に食わない、あの声も、あいつそのものも。
だからできるだけの反抗をしただけだ。とてもつまらない、子どもじみた感情であることは知っている。
俺は何でも言う通りにすると思うなよ、とは口には出さず、心に留める。
「ええ、確かにそう。でも……連れてくる人を間違えていますよ?」
俺には想定済みの反応だった。男が俺に近づいてきて、至近距離で止まった。女のような、フェミニンだがどこか官能的な香水の匂いがした。
男が俺の顎に細い指をあてがうと、二十度ほど押し上げて更に厭味ったらしい言葉を続けた。
「どうなさったのです? 僕は、貴方だったらできると思ったから、お願いをしたのです」
「お願い……ッハ、脅しの間違いだろ。変なこと言いやがって」
男の口角が少し上がった。こいつは、俺が何を返しても笑う。それ以外の反応を、俺はまだ見たことがない。
「ふふ、忘れていなかったんですね。逃げても構わないのに、貴方こそ、変わった御人……」
蠱惑的な台詞を平然と吐いてあとずさる。クラシックローズの匂いが辺りに香った。
「で、要件はそれだけかよ」
「いいえ、そんなはずはありません。悪い子にはお仕置きが必要です。自分から着替えておいて……わかっているんでしょう?」
「違う! これはアンタに強要されて仕方なく……」
感情を煽られるとコントロールできなくなるという自身の悪い癖を、男にいいように扱われている。わかっていながら止めることができない性であるということも、おそらくはお見通しだろう。
すると男は、急に泣き出してしまいそうな顔をして、俺の二の腕に両方の手で触れた。
「僕だって仕方なく、なんですよ? 愛おしい兄弟からの指示で……もしも逆らえば、その怒りを貴方にぶつけるでしょうから」
「…………」
「ふふ、怖がらなくていいですよ。ほんの少しだけ、貴方を泣かせてしまうかもしれませんけれどね」
俺が抵抗しようとした時にはもう遅かった。男があまりにも強く腕を握るから、逃れようとも逃れられない。
「や……や、めろよ!! それ以上触る……な!」
「フフフ、可愛いですね。アメとムチは上手に使い分けろと言いますが、僕のムチは結構痛いですよ」
その言葉の真の意味はわからない。だが、嫌なことをされるという事だけは、それだけはわかる。
「いや、だ……ぁ!!」
遂に俺は床に組み敷かれ、逃げ場を失った。手首を男に押さえつけられて、俺は袋の中のねずみそのものだ。
「安心してください。ちゃんと一人連れてきたんですから、優しくしますよ。今夜は特別に、ね」
「んっ……ふ……ぁ、やめ……」
「ここを、貴方の居場所にしてあげましょう。僕に身を委ねて」
熱く舌を絡ませたキスの後で、男が俺の耳元で優しく囁いた。
いつの間にか俺の腕は背中で曲げられ交差して──。
「っわあ?! な、なん、だよ……っ」
五つの頭を持った赤い蛇が、俺の手首や二の腕、首にまとわりつく。胸板を上下で挟むように蛇の頭が混ざり合うと、夢でも見ていたかのように変形して麻縄になった。
「縛り加減は如何ですか? あぁ、これくらいなら丁度いい、ですね」
白いドレスと正反対の、赤い縄に優しく指をかけながら、男の頬が僅かに上気する。
俺の顔は段々と熱くなっていった。男の太腿が、股間に当たっている。わざとらしくぶつかる太腿を避けようとすると脚が余計に食いこんで、意識がそこに集中してしまう。
「う……こんな事して、楽しいのかよ」
俺が言葉だけの反論をすると、男は半目で笑った。
「僕にはよく分かりません。ですが、貴方が見たままの感情があるんだと思います。……貴方はどうですか? 女の子なのにここを固くして」
そしてまた男の太腿が押し当てられた。先程よりも強く上下に擦られて、性器に熱が宿るのがわかった。
俺はこの男とキスをして、ドレスの上から股間に触れられただけで勃起してしまったのだ。
「うる、さ……い、あっああっ」
情けない声を上げて、男の手の中に落ちていく。避けようと足を動かすと、スカートの中に風が入り込んで、嘲笑うように俺の脚を撫でていった。
「わかりますか? 服の上からでもよく見えますよ」
「あ、バカっ、言うな……あっ」
股下に触れていた腿が手に変わり、天井向かって上り詰めた性器が、着ている布を突き破らんとしていた。男の手が俺の性器に当たる度、気持ちよくて背中を反らした。
「あ、いい事を思いつきました」
男が俺の顔の前で、手を広げて翳した。一瞬にしてあたりが真っ暗になったから、何が起きたのかと警戒する。
「み、見えない……っ!! 何しやがった」
「クス、ただの目隠しです。視覚を遮断するだけで、人の感度は何倍にも膨らむんですよ、不思議ですね」
「あっ……っひ……!!」
俺は上半身を起こされ、胸元を背後から両手で執拗にまさぐられた。締め付けられたり、捏ねられたり。それだけで痺れるほどの震えが背筋を駆け上っていくのに、男の指先が突起に当たると脳がぐらぐらと揺れて、蕩けた。
男の吐息が項にかかって肩を竦めると、縄が体に食い込んでマゾヒズムを加速させた。
「あら? もう言葉も出ませんか」
「う、うぅ……っあ」
理性を保つのに精一杯で、他に何も考えられなかった。女装させられて、しかも男に体を弄ばれて勃起しているなんて。
自尊心などもうここには存在しなくて、この男に修復不可能になるまで切り刻まれ、ハンマーで打ち砕かれるだけだ。
プライドも何もかも失った気がして、俺の目尻は熱くなっていく。泣いているんだ──俺が。
惨めったらしい。情けない。悔しい。
「フフ、こんなにも可愛らしくなった貴方を、このまま犯してしまうのも惜しいですね。それに、そちら側の役はあまり得意ではないですし……」
「へ、あ……なに……っ」
男は俺を体ごと振り向かせると、膝立ちの俺の股下に、自分の足を潜らせた。
「最初に言いましたよね、優しくすると。さぁどうぞ」
「まって……うわっ」
背中を軽く押さえられ、俺と男の体が共に床に沈んでいく。体の芯を抜かれたように力が入らなくなった俺は、顔を上げるのがやっとだった。
男は俺の足の間に入れた足を、山折りにした。うつ伏せの状態で、ちょうど尻を持ち上げられるような姿勢になった俺の性器は、再び男のしっかりとした太腿に触れて熱を持った。
「遠慮しなくていいんですよ、こちらにどうぞ」
「んむ……?!」
男は俺の後頭部に手を回すと、ゆっくりと下に向かって倒した。口元に、柔らかく張りのあるものが当たる。
「どうぞ、お好きになさって。貴方の舌で」
「……んっ……」
はだけたスーツの内側にある男の体からは、甘い蜜のような香りがした。
何もせずにいるのも怖くなり、恐る恐る口を開けて少しだけ舌を出す。初めから距離が近かったから、男の肌に届くまで時間はかからなかった。
「ふふ……お上手ですよ、もう少し、上に……」
俺は男の胸元に舌を這わせて、突起を探る。男の言うとおりにして顔を上に持っていくと、小さな乳頭を探り当てた。男はため息のような声を漏らす。見つけたその蕾を食んで、吸ったり舐めたりを繰り返した。
「はぁ……良いです、すごく。……ふふ、んっ」
男はいやらしい声を出すと、俺の頭を撫でながら、反対の手で空いている自分の胸を触っているようだった。
俺は頭が真っ白で、パニック状態に近かった。とにかく言われるがまま、されるがまま体を使った。
それからしばらくすると、俺は床に寝かせられ、男に逆レイプ紛いなことをされた。多分、三回以上は男の中でエクスタシーを迎えたと思う。焦らされ続けて限界寸前だった俺は、無我夢中で喘ぐことしか許されなかった。
途中で気絶し、次に目を覚ますと部屋には誰もいなかった。直前のことを思い出し、また顔が熱くなる。
俺はあの男が恐ろしくてたまらなかった。今後男の名を呼ぶことは、もう一度あるかないか──だろう。
***
信じている人に体を求められたら、その場で素直に受け入れられる人は、そう多くはないと思う。でも──あたしはできる。あたしは、変わってるから。
「…………」
あたしは部屋に帰ると、ローブをベッドの端に脱ぎ捨てて、仰向けになって寝た。
「……ふぅ……」
──今日はちょっと疲れたな。そんなことを考えながら、仮眠をしようと目蓋を閉じた。
あたしは気を失うように眠ってしまったらしい。十分か、或は一時間か。どのくらい眠っていたのかも曖昧だった。
目を開けると、ベッドの脇に腰をかけてあたしを見ているグレーの髪の女性がいた。
「あなた……いつからそこに……?」
「いつからかしらね。とてもかわいい寝顔だったわ」
目覚めたばかりで、視界が未だに定まらない。女性が目を糸のように細めて笑っている。あたしは体を起こそうと、腹部に力を入れ──。
「あ……れ? やだ、なに……?」
あたしの体は、磔にされたように動かなかった。
どうやら、ベッドの四隅に四肢を固定されているらしい。顔を捻って確認すると、ベルトで手首や足首を拘束されている。
「それはワタシのシュミ。今のアナタの格好に、とても似合っているわよ。そうね、シチュエーションは『敵に捕われたスパイ』あたりでどうかしら」
「え……?」
「冗談よ。アナタ、疲れているでしょう? だから、ね」
あたしを不安にさせないように微笑む女性は、ベッドの上を這ってあたしに跨がった。赤のレオタードが、女性の体のラインをより一層際立たせている。
「ん……な、なに……??」
笑った表情の仮面を身に着けたように、顔を一切変えず、黒のインナースーツに包まれたあたしの胸に手を置いた。
「隠す必要もないから言うけれど。ワタシ、女の子じゃないと性的興奮を感じないの。よく見せて」
女性はあたしの首元で揺れているファスナーの先を掴むと、下へ下へと降ろして肌を露出させた。
「あっ……だめ、どこまでさげるのっ……!?」
「そうね、お楽しみは後にとっておくべきよね。一旦ここで止めておきましょうか」
そう言うと、ファスナーを臍のあたりで止めた女性は、ひらけたインナースーツの襟を持って、容赦なく左右に広げた。スーツに収まっていた胸が零れて顕になった。
「アナタ、思っていた以上におっぱいが大きいのね」
「ひゃっ……う、ううっん……」
露出した肌を、女性の白い手がなぞる。細い指が胸の上で弧を描いたり、肝心なところに触れそうで触れなかったりを繰り返す度に、あたしの体は少し跳ねた。女性の視線がずっとあたしの胸を見つめていて、おもむろに体は火照っていく。
「ウフフ……綺麗で健康的な体ねぇ……食べてしまいたくなるわ……」
女性はあたしの乳房を下から上に舐め、口に含んだ。
「ああん! そこ、だめっ」
乳頭から女性の唇が離れると、その形は触れられていない方と比べて明らかだった。さっきまでなぶられていた左の方が、輪郭がしっかりとしている。
「んっ……両方とも可愛がってあげないと、フェアじゃないわね」
反対側の胸の真上で、女性が微笑む。今度は快楽という罠から抜け出すことのできないあたしの乳輪に沿ってぐるりと舌を這わせた。まだ触れられていないのに、薄いピンクの乳房は硬直していった。
「ひゃぁ……あ! んぅ……やんっ」
小さな突起は、あたしの理性とは裏腹に、女性の生暖かい舌を欲しがっている。じっくりとたっぷりと観察されたあとで、トラップに掛かった小さな獣のように追い込まれた乳房は、ぬらりとした赤くて大きな舌に食べられてしまった。
「んーん……。おいしいわ……チュッ、チュウ」
「ふっ、ん……そこっあっ、あーー!」
わざとらしく音を立てて、乳首を吸い上げられる。同時に、女性は右手であたしの左胸を鷲掴みにすると、ハンバーグを捏ねるように練ったり、指の腹で乳頭の窪みを擦ったりした。
我慢しても、抑えきれない欲情が先走りする。あたしの体は素直に快楽を呑み込んでいった。下腹部の昂りを感じる。
「はあっ……はあっ……」
「うふふ。とっても甘美。どんなデザートよりも……。さ、お楽しみはこれからよ」
女性の舌と指に、二つの乳房は完全に勃起してしまった。なんて緻密な罠。女性の息が胸にかかる度、更に感じて熱くなっていく。
「今度は、なにを、するの……もう放してぇ」
女性は向きを変えず、あたしの乳から顔も指も離すと、足と足の間に顔をおろした。布一枚を隔てた先にある性器を見つめて、熟す頃合いを見計らっているようだ。
「ダメよ、アナタに拒否権はないわ。フフ、蒸れているでしょう? 開けるわよ」
「あっ…………はあっ」
インナースーツの胸から臍までのファスナーとは別に付いている、排泄用の入口を開かれる。見るまでもなく、興奮を極限まで高められたあたしの性器は濡れていた。
「ほぉら、こんなによだれを垂らしてる。いやらしい子だわ」
「ごめ、なさいっ……ゆるしてぇ……」
「どうしましょうかしらぁ……こんな所をひくひくさせて、誰を誘っているのよぉ? ……もしかして、あの男の子?」
女性の親指が小陰唇を押し広げた。
あたしの今の姿勢ではちょうど隠れて見えないけれど、ひやりとした空気が触れるのが伝わってくる。
「そんなこと……ないっ……ふぅっ」
「そう。なら、好きにしてもいいわよね」
「はぁ……話が別っ……ああっ!!」
女性は左手の指二本で小陰唇に釘を刺し、右手の親指でクリトリスを撫で始めた。衝撃のような感覚に腰が浮き、橋のように背中を反らせた。
「気持ちいい? これからココをもっと気持ちよくさせてあげるから」
「あ、あーー……そん、なとこ、だめ、ひぁん」
指の腹がクリトリスを責め立てる。押したり、トントンと叩いたり、挟んで捻ったり。あたしの悶絶する声すら、女性にとっては興奮する材料のひとつだった。
「うふふふふ、よく見てご覧なさい。アナタのクリトリス、もうこんなに大きくなったわよ」
「そんな……ぁ、も、もうやめてぇ」
クリトリスが女性の指によって上向きに押さえつけられると、生々しい肉の色をした突起の先端があたしにも見えた。あたしはクリトリスから感じる指の熱に、全身を震わせた。
「体が痙攣してる。余程敏感なのね」
「はっ……ふっ……ぅん」
あたしは無意識に、クリトリスを女性の指に擦りつけてエクスタシーを求めていた。あたしの腰が上下に動くのに気づくと、女性は指の熱を引き剥がした。
「まぁだ、ダメ。準備をするから……イイ子なら待てるわよね?」
押し付けられたクリトリスも勃起して戻らなくなっている。あたしはそれを見て堪らなくなった。
「ああん、がまんできない……っ」
「そんなことないわ、少し苦しいけれど、すぐに良くなるから」
あたしを諭すと、女性は化粧棚の中から卵型のローターを手に取った。他にも幾つか手に取っては、あたしの方を見て笑っている。
女性はベッドに戻ってくるなり、あたしの口をギャグボールで塞いだ。
「んっ……んう?!」
「何も喋れなくなっちゃったわね。でも安心して、ワタシがこの手で、言葉で、道具たちで、アナタを満足させてあげるから」
焦燥感と羞恥と快感のアンバランスさに、目の前が霞んだ。
女性は長いまつげを震わせながら、あたしの勃起した乳首をローターで蓋して、その上から可愛らしいデザインの絆創膏で剥がれないよう固定した。反対側も同じようにローターを付けられる。
「あとはコレを塗って……うふふ、これで完成ね」
「んっ……?!」
女性は蜂蜜のような色をした液体の詰まった瓶の蓋を回して開ける。瓶の中に二本の指を沈めると、上辺を掬って指の腹に乗せた。蜜はあたしの性器に満遍なく塗りこまれ、最後に膨らんだクリトリスをペッティングされる。
「それじゃあ、始めるわ」
そう告げると、女性は乳首に付けたローターの先にあるスイッチを、左右同時に押した。
「ん……!! んんーっ……!!」
あまり強くはない振動が、胸の中心で押しつぶされていた突起を震わせた。あたしは背中を反らせて感じる。身体中を汗と興奮が駆け巡っていた。
「これからがイイトコロよぉ、全身で感じて……」
見えないところで、性器を弄ばれる。また性器の唇を広げられ、今度は綿のような、毛羽立った筆のようなものでクリトリスに悪戯をされた。
「んんーーーっ!! んうっ、んっ」
両方の乳房と、クリトリスを同時に責められて、あたしの体はゾクゾクしっ放しだった。腰を激しく揺らして、もっともっと、と欲しがっている自分がいることは明白だった。
「ほぉら……イッてしまいなさい。忘却の境に。ワタシが見ていてあげるからね」
「……っ!! んっ、あ、あん、んあ……ああーー!!」
あたしの腰の動きに乗せて、筆の愛撫する速度も早くなる。性器に擦り込まれた蜜のような液体は媚薬だろう。ブラシの刺激を求めて性器は熱を帯び、あたしは一心不乱に腰を振った。
快感が最高潮に達すると、あたしの体は絶頂に無我夢中になった。
「フーーッ……フゥッ……」
「いい子、いい子。でも、これで終わりじゃないわ。まだまだアナタを楽しませるオモチャが山ほどあるの」
それから女性はペニスバンドやバイブレーション、アナルビーズと、どこからともなく現れる道具達を休みなく使って、あたしを恍惚の海に沈めた。
それからあたしは、何度も何度も、気絶するまで何度も絶頂に達し、叫び続けた。
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