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第1部
#23 悪魔と呼ばれた人々の檻
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屋内には窓一つなく、自然の光を受け付けない。じめっとした空気のせいで気分が悪い。扉が閉まると、真っ先にここから出たいと思った。
「ベンティスカ! どこにいるの!?」
「聞こえる場所にいるのなら、苦労はしませんよ。見てください」
レイセン君が指差す方向には、二つに分けられた小部屋がある。鉄格子の壁を隔てて、部屋の奥には先へと続く扉。その隣にはレバーが設置されていた。
「先に進めってことかな……」
「この構造、我々を二手に分断させたいのでしょうね」
「ベンティスカが待ってる、行こう」
僕は右の部屋、レイセン君は左の部屋へと進んだ。互いの様子は鉄格子を介して確認できる。
「ご主人様、何が起きるかわかりません。武器を」
「うん、そうだね」
レイセン君がレバーに左手を乗せる。右手にはしかと剣を握っていた。僕は背負っていた弓を構えた。
「いくよ……せーの……!」
レバーをほぼ同時に引く。部屋の入口が音を立てて閉じられた。
「うわっ、やっぱり」
「上から何か降ってきます!」
人型をした赤い物体が落下する。僕は咄嗟に矢を番え、ふらふらと起き上がる気味悪い物体を狙った。
奇形の物体──僕達と同じ生という概念を持っているのかさえも定かでない。上半身は人のそれに模した形、下半身は溶け出したスライム状のもの。相容れないはずの物質が渾然一体となっている。
「レイセン君! そっちは大丈夫?」
矢を放ち、僕を見上げた怪物の額を穿つ。──一人仕留めた。僕の部屋には残り二体、レイセン君の部屋でも何体か蠢いている。
「ええ、心配はいりません」
僕は身の安全をいち早く確保するために、颯爽と敵の位置を注視した。手前に一体。その斜め後ろに、落下の反動で未だ蹌踉めいているものが一体。先ずはこちらを睨みつけてくる目前の敵を倒す。
「……そう簡単に死なないよって……うわぁ!?」
攻撃までにまだ時間があるだろう、という僕の読みは外れた。後ろの怪物が何かを吐いて、それが僕の左肩を掠める。
「油断大敵ですよ」
「わ、わかってる……っ」
左腕に血が滲む。痛みはないが、これがもし毒だったら、と思うと末恐ろしい。
矢を二本持ち、残った怪物を一度に仕留めようと試みた。二本の矢を、敵の急所めがけて弦に番える。
「集中……集中……」
全ての動作、自らの精神を的に向ける。一つとして狂ってはならない。
腕を最大限まで伸ばし、最適なタイミングを見計らって、放つ──。
「あ……意外にできた」
「これで傷を」
「わっ……と。ありがとう」
僕よりも先に戦闘を終えていたレイセン君が、可愛らしい形をした小瓶──天使の涙を差し出した。僕は小瓶の蓋を開け、蜜のような半固形の液体を、掠めた左肩に擦り込ませるように塗る。傷口に馴染んできた頃、染み込んだ薬が甘い香りと共に傷を癒やす。
「これ、すごいね。いつになったら傷、治るかなぁ……」
「……! 扉が」
レバーの横の扉が開く。敵を倒したからか、それとも一定時間経ったからだろうか。なんにせよ、僕たちは先に進まなければならない。
「行きましょう。もう、戻れません」
「うん。君も、気をつけて」
「お互い様です」
僕たちは、別々に開いた扉の先へと進んだ。
階段を登る靴の音が響く。行き先を照らす蝋燭がゆらゆらと燃えている。この先で待ち構える何かを想像して、益々戻りたいという衝動に駆られる。
「また扉か……」
登りつめた先には、早く開けろと言わんばかりの開き戸。僕は仕方なくドアノブを撚る。
「なんだろう、ここ……」
正方形の部屋。縦、横、高さ、全てが同じ長さで作られた空間。薄霧が漂うのが目に見える。
僕の全身が部屋に入った途端に、入口の扉が殆ど意図的に閉じられた。
「嘘だろ!? 冗談よしてよ……」
ドアノブを再び撚るも、開く気配がない──閉じ込められた。
しかしこの部屋は正方形であるだけで、明かりも窓もない。僕は無意味だと知りつつも、周りを歩いてみることにした。
「なんだろう……これ……」
敷き詰められた煉瓦の壁に、誰がどう見ても不自然な隙間。観察すべくしゃがんだと同時に、それは加湿器と同じ要領で煙を吐き出した。
「わっ!? 何だよ一体……」
驚きのあまりに尻餅をつく。隙間から吐き出される妙な煙と、睨み合いを続けた。
「うっ……ゲホッ、ゲホ……」
煙を吸い込んだときにはもう遅かった。胸を焼き切るような痛みが襲う。
「……!?」
身体の奥からのし上がる血の塊を吐き出し、酷くむせた。
こんな所に長居しては、いつか死んでしまうだろう。しかし出口もない。朦朧とした意識で無駄に足掻こうとするも、指一本力が入らない。
「あぁ……」
再び喉を血が登ってくる。
ああ、またこれか。また僕は死の淵を見るのか。何度死にかければ気が済むんだろうか。
「うっ……ゲホッ……はぁ」
全てを諦めたように、床で一人大の字になる。
毒ガスまみれの部屋に閉じ込められて死を迎える。なんてくだらない死に様だろう。
もういっそ、初めから死んでいた方が──。
「……あ、あい……た」
次に目を開けた時、壁だったはずの平面にはくぼみが出来ていた。おそらく、残念ながら、出口ではないのだろう。
「行くしかない……かぁ」
固められた空間に穴が空いたように、ガスの濃度が薄くなる。手袋が汚れることも気にせず、僕は吐血した口元を拭った。
***
「あっつ……今度は何……」
赤く淀む部屋の暑苦しさに、顔をひどく歪ませる。
しかも、どうやらここは二階みたいだ。柵で形作られた道に、床一面の網。降りることは到底できそうにない。
何故、こんな造りの部屋があるのだろう。一階の様子など見えなくても良い。
僕に、何かを見せようとしているのかもしれない。
「ご主人様、そちらにいらっしゃるのですか!?」
「レイセン君!?」
僕は柵から身を乗り出し、溶岩の煮えたぎる底を俯瞰する。
「……どうやら、手探りで進むしかないようですね」
見渡す限りの溶岩を泳ぐ一匹の蛇のような通路。道中、幾つかの仕掛けがあるのが見える。何を意味しているのかは、進んでみなければわからない。
「レイセン君、気をつけて!」
レイセン君は剣を支えに身をかがめた。長さ一フィートにも満たない高さと幅の正方形──この蛇の腹を潜るには、匍匐前進する他ない。
ただ傍観することしかできないのがもどかしい。息を呑んで行く先を追うと、レイセン君の動きが止まる。
「どうしたの?」
「行き止まりです……ご主人様、そちらに何かありませんか」
「何かって……あ、これかな」
入口の脇に付いたレバー。今にも壊れそうな程に錆びついた機械に近づいた。壁に塗りたくった赤の色でも字が書かれていた。
〝Pull〟
引け、と直接言われたような気がした。これなら僕でもできる。そう思ってレバーを握った瞬間──。
「痛っ!!」
触覚がそれを掴んだ途端に拒絶反応を起こす。指から滴る血の涙。
取手に剃刀のように尖った刃が並んでいる。これを引かなければならないと知った時、思考が止まった。
「でも、引かなきゃ……」
覚悟を決め、再び剃り刃を握りしめて、引いた。
「うっ……お、重いし……いたい」
僅かに引っ張っただけでは何の反応も示さない。掌にめり込んでくる痛みを堪え、そこから滲むものは目を瞑って見ないようにした。
「う……あああああっ!!!!」
「ご主人様!!」
レイセン君が僕の異様な叫びに声を上げる。
「どう? 通れる!?」
「……もう少し……あと少しです!」
「わかった!」
一秒でも早く手を離したい。しかし今この手の力を抜いたら意味がない。天を仰ぎ、ただ引っ張ることだけを考えた。
「潜ったら言って、できれば早く!」
この時間がとてつもなく長く感じる。催促している余裕すらなかった。
「……潜りました、もう、大丈夫です」
「っああ……ハァ……痛いな……」
僕は一気に手を離し、両の手を確認した。朱肉に手を押し付けたよりも酷い有様だった。こんな仕掛けがまだ他に幾つもあるならば、ひとたまりもない。
僕はひりひりと痛む両手に触れぬよう、慎重に小瓶を咥え、ゆっくりと流れる雫で傷を癒やした。
「ベンティスカ! どこにいるの!?」
「聞こえる場所にいるのなら、苦労はしませんよ。見てください」
レイセン君が指差す方向には、二つに分けられた小部屋がある。鉄格子の壁を隔てて、部屋の奥には先へと続く扉。その隣にはレバーが設置されていた。
「先に進めってことかな……」
「この構造、我々を二手に分断させたいのでしょうね」
「ベンティスカが待ってる、行こう」
僕は右の部屋、レイセン君は左の部屋へと進んだ。互いの様子は鉄格子を介して確認できる。
「ご主人様、何が起きるかわかりません。武器を」
「うん、そうだね」
レイセン君がレバーに左手を乗せる。右手にはしかと剣を握っていた。僕は背負っていた弓を構えた。
「いくよ……せーの……!」
レバーをほぼ同時に引く。部屋の入口が音を立てて閉じられた。
「うわっ、やっぱり」
「上から何か降ってきます!」
人型をした赤い物体が落下する。僕は咄嗟に矢を番え、ふらふらと起き上がる気味悪い物体を狙った。
奇形の物体──僕達と同じ生という概念を持っているのかさえも定かでない。上半身は人のそれに模した形、下半身は溶け出したスライム状のもの。相容れないはずの物質が渾然一体となっている。
「レイセン君! そっちは大丈夫?」
矢を放ち、僕を見上げた怪物の額を穿つ。──一人仕留めた。僕の部屋には残り二体、レイセン君の部屋でも何体か蠢いている。
「ええ、心配はいりません」
僕は身の安全をいち早く確保するために、颯爽と敵の位置を注視した。手前に一体。その斜め後ろに、落下の反動で未だ蹌踉めいているものが一体。先ずはこちらを睨みつけてくる目前の敵を倒す。
「……そう簡単に死なないよって……うわぁ!?」
攻撃までにまだ時間があるだろう、という僕の読みは外れた。後ろの怪物が何かを吐いて、それが僕の左肩を掠める。
「油断大敵ですよ」
「わ、わかってる……っ」
左腕に血が滲む。痛みはないが、これがもし毒だったら、と思うと末恐ろしい。
矢を二本持ち、残った怪物を一度に仕留めようと試みた。二本の矢を、敵の急所めがけて弦に番える。
「集中……集中……」
全ての動作、自らの精神を的に向ける。一つとして狂ってはならない。
腕を最大限まで伸ばし、最適なタイミングを見計らって、放つ──。
「あ……意外にできた」
「これで傷を」
「わっ……と。ありがとう」
僕よりも先に戦闘を終えていたレイセン君が、可愛らしい形をした小瓶──天使の涙を差し出した。僕は小瓶の蓋を開け、蜜のような半固形の液体を、掠めた左肩に擦り込ませるように塗る。傷口に馴染んできた頃、染み込んだ薬が甘い香りと共に傷を癒やす。
「これ、すごいね。いつになったら傷、治るかなぁ……」
「……! 扉が」
レバーの横の扉が開く。敵を倒したからか、それとも一定時間経ったからだろうか。なんにせよ、僕たちは先に進まなければならない。
「行きましょう。もう、戻れません」
「うん。君も、気をつけて」
「お互い様です」
僕たちは、別々に開いた扉の先へと進んだ。
階段を登る靴の音が響く。行き先を照らす蝋燭がゆらゆらと燃えている。この先で待ち構える何かを想像して、益々戻りたいという衝動に駆られる。
「また扉か……」
登りつめた先には、早く開けろと言わんばかりの開き戸。僕は仕方なくドアノブを撚る。
「なんだろう、ここ……」
正方形の部屋。縦、横、高さ、全てが同じ長さで作られた空間。薄霧が漂うのが目に見える。
僕の全身が部屋に入った途端に、入口の扉が殆ど意図的に閉じられた。
「嘘だろ!? 冗談よしてよ……」
ドアノブを再び撚るも、開く気配がない──閉じ込められた。
しかしこの部屋は正方形であるだけで、明かりも窓もない。僕は無意味だと知りつつも、周りを歩いてみることにした。
「なんだろう……これ……」
敷き詰められた煉瓦の壁に、誰がどう見ても不自然な隙間。観察すべくしゃがんだと同時に、それは加湿器と同じ要領で煙を吐き出した。
「わっ!? 何だよ一体……」
驚きのあまりに尻餅をつく。隙間から吐き出される妙な煙と、睨み合いを続けた。
「うっ……ゲホッ、ゲホ……」
煙を吸い込んだときにはもう遅かった。胸を焼き切るような痛みが襲う。
「……!?」
身体の奥からのし上がる血の塊を吐き出し、酷くむせた。
こんな所に長居しては、いつか死んでしまうだろう。しかし出口もない。朦朧とした意識で無駄に足掻こうとするも、指一本力が入らない。
「あぁ……」
再び喉を血が登ってくる。
ああ、またこれか。また僕は死の淵を見るのか。何度死にかければ気が済むんだろうか。
「うっ……ゲホッ……はぁ」
全てを諦めたように、床で一人大の字になる。
毒ガスまみれの部屋に閉じ込められて死を迎える。なんてくだらない死に様だろう。
もういっそ、初めから死んでいた方が──。
「……あ、あい……た」
次に目を開けた時、壁だったはずの平面にはくぼみが出来ていた。おそらく、残念ながら、出口ではないのだろう。
「行くしかない……かぁ」
固められた空間に穴が空いたように、ガスの濃度が薄くなる。手袋が汚れることも気にせず、僕は吐血した口元を拭った。
***
「あっつ……今度は何……」
赤く淀む部屋の暑苦しさに、顔をひどく歪ませる。
しかも、どうやらここは二階みたいだ。柵で形作られた道に、床一面の網。降りることは到底できそうにない。
何故、こんな造りの部屋があるのだろう。一階の様子など見えなくても良い。
僕に、何かを見せようとしているのかもしれない。
「ご主人様、そちらにいらっしゃるのですか!?」
「レイセン君!?」
僕は柵から身を乗り出し、溶岩の煮えたぎる底を俯瞰する。
「……どうやら、手探りで進むしかないようですね」
見渡す限りの溶岩を泳ぐ一匹の蛇のような通路。道中、幾つかの仕掛けがあるのが見える。何を意味しているのかは、進んでみなければわからない。
「レイセン君、気をつけて!」
レイセン君は剣を支えに身をかがめた。長さ一フィートにも満たない高さと幅の正方形──この蛇の腹を潜るには、匍匐前進する他ない。
ただ傍観することしかできないのがもどかしい。息を呑んで行く先を追うと、レイセン君の動きが止まる。
「どうしたの?」
「行き止まりです……ご主人様、そちらに何かありませんか」
「何かって……あ、これかな」
入口の脇に付いたレバー。今にも壊れそうな程に錆びついた機械に近づいた。壁に塗りたくった赤の色でも字が書かれていた。
〝Pull〟
引け、と直接言われたような気がした。これなら僕でもできる。そう思ってレバーを握った瞬間──。
「痛っ!!」
触覚がそれを掴んだ途端に拒絶反応を起こす。指から滴る血の涙。
取手に剃刀のように尖った刃が並んでいる。これを引かなければならないと知った時、思考が止まった。
「でも、引かなきゃ……」
覚悟を決め、再び剃り刃を握りしめて、引いた。
「うっ……お、重いし……いたい」
僅かに引っ張っただけでは何の反応も示さない。掌にめり込んでくる痛みを堪え、そこから滲むものは目を瞑って見ないようにした。
「う……あああああっ!!!!」
「ご主人様!!」
レイセン君が僕の異様な叫びに声を上げる。
「どう? 通れる!?」
「……もう少し……あと少しです!」
「わかった!」
一秒でも早く手を離したい。しかし今この手の力を抜いたら意味がない。天を仰ぎ、ただ引っ張ることだけを考えた。
「潜ったら言って、できれば早く!」
この時間がとてつもなく長く感じる。催促している余裕すらなかった。
「……潜りました、もう、大丈夫です」
「っああ……ハァ……痛いな……」
僕は一気に手を離し、両の手を確認した。朱肉に手を押し付けたよりも酷い有様だった。こんな仕掛けがまだ他に幾つもあるならば、ひとたまりもない。
僕はひりひりと痛む両手に触れぬよう、慎重に小瓶を咥え、ゆっくりと流れる雫で傷を癒やした。
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