138 / 232
第二部 第一七章 弾劾裁判
3
しおりを挟む
捕り物の一夜が明け、空は風もなく晴天に恵まれていた。
メラニアを助け出してダンジョンから出て一〇日間以上、ゴーストとしての活動を続けていて日の光を浴びていなかったため、ようやくまともに日を浴びれる身となっている。
ブラックミルズの郊外にある神殿には、商店街の連中や冒険者ギルドの職員が、とある貴族の弾劾裁判があると噂を流して人が集まり、ごった返していた。
「ベアード神殿長殿、神殿は政治不介入だったはずだが……。それにこの人だかり……私は王を迎えにあがっただけだぞ」
「サイアス宰相閣下、こたびはアクセルリオン神のご神託がありましてな。是非とも、ご参加して頂きたい」
ベアード神殿長と話す目の鋭い狐顔のやせ型の男が、ジェネシスを傀儡の王に就け、国政を牛耳っている男であった。
俺はそんな国を実権を握る男の姿を横目に見て、反対側に座るアルガドの父であり、王国の大貴族であるデルガド・クレストン公爵が苦虫を噛み潰した顔をしているのに気付いた。
すでにサイアスとデルガドは、ジェネシス出奔後の権力の空白期間を王都で互いに権力闘争を行っていた。
だが、王であるジェネシスが自らの居場所を二人に知らせ、保護をした方に力を貸すと使者を送りブラックミルズに呼びつけていたのだ。
「陛下からの使者殿が迎えにこいと言うから、こんな辺境まで迎えにきたのに、なにゆえサイアス宰相がこの場にいるのだ」
「まぁ、デルガド殿も落ち着かれよ」
ベアード神殿長がブラックミルズの領主であるデルガドを宥めつつ場を納めていた。
そんな中、準備終了の合図がメリーたちから俺に伝えられていた。
そして、俺からベアード神殿長へ目配せを送る。
「んんっ! お二方にはお待たせしましたが、本日は陛下のお出ましの前に一つ座興を用意いたしましたので、お暇つぶしにご覧あれ」
ベアード神殿長が咳ばらいをすると同時に、神殿の中から縄で縛られ顔を腫らしたアルガドが、メリーを始めとした追放者とアルマ、そしてメラニアに引き立てられてきた。
「アルガドっ!!! おい、我が家の嫡男をなにゆえ縄目にして衆人に晒しておるのだっ!!」
「これは……。アルガド殿が何か犯罪でも起こしましたかな?」
アルガドの父であるデルガドは、息子の姿に驚き、サイアス宰相はマリアンからの連絡が届いていたのか、アルガドが捕えられたのを知って喜んだ顔をしていた。
「実は、このアルガド・クレストン殿に対する弾劾裁判を行いたいと、ブラックミルズのギルドマスター殿から申し出がありましてな。お二方にもご臨席を賜りたく」
ベアード神殿長が長い眉に隠された奥の瞳を見開くと、デルガドとサイアスを見据えていた。
「犯罪だと……。だが、その前にブラックミルズのギルドマスターは私が任命したのはアルガドであったはず。いったい誰が……」
「おやおや、クレストン公爵家の嫡男殿が領内で犯罪とは……。これは、国法が定めた貴族法の面からも由々しき事態ですな」
ベアード神殿長が目配せを送ってきたので、冒険者ギルドの制服に着替え終えた俺は二人の男の前にでていった。
「お初にお目にかかります。ブラックミルズ商店街連合会会長兼ブラックミルズ商店街支部の冒険者ギルドでギルドマスターをやらせてもらっているグレイズと申します。こたびはお二人にご臨席頂き、犯罪者アルガド・クレストンに対する弾劾裁判を執りおこなわせて頂きます」
「おいっ! 下郎! 我が息子の弾劾裁判だと! 平民風情が貴族を捕えてタダで済むと思うなよ」
「デルガド殿、その発言は慎まれよ。国法は法の下に平等であると規定されているはずだ。平民であろうが貴族であろうが犯罪を犯せば罰せられる」
「クッ! サイアス……貴様っ!」
デルガドとサイアスは前王からの遺恨があり、お互いに嫌い合っているため、視線が交わるたびにいがみ合っていた。
「グレイズとやら、私たちは外野だ。遠慮なく弾劾裁判を始めよ。これは、王国宰相としての命令である」
マリアンを通じてアルガドをたぶらかし、クレストン家の失脚を狙っていたサイアスは『我が策成れり』と思ったらしく、俺に弾劾裁判を進めるように促してきた。
「グレイズとやら、貴様が裁こうとするのは貴様の住むブラックミルズを領有するクレストン家の嫡男であることを忘れるなよっ! 息子に罪なくば、お前がこの地で生きられると思うな」
一方、息子を犯罪者として引き立てられたデルガドの目は血走り、俺を呪い殺しそうな勢いで睨みつけてきていた。
そんな二人の視線を受けつつ、一礼を返すと、集まった一般市民の方へ向き、弾劾裁判の開催を告げていく。
「ただいまより、クレストン家嫡男であり、ブラックミルズ冒険者ギルドのギルドマスターであるアルガド・クレストンの弾劾裁判の開催を宣言するっ!! 最初に犯罪内容の確認を」
集まった者たちへ見やすいように大きな幕にアルガドの犯した罪が大書されて物が冒険者たちの手で広げられていく。
幕に書かれた内容を見た者が字が読めない者へ伝える声で会場はざわついていた。
「一つ、アルガド・クレストンは治安を維持する権限を有するブラックミルズの冒険者ギルドのギルドマスターの地位にありながら、国法で違法と定められた物を売買する闇市開催を主導し、その事実を周囲に漏らさぬための場所を提供していた。違法品の販売は国法に触れる行為であり、開催した者、又は開催に関与した者は死罪、または身分剥奪の上奴隷落ちと規定されている」
チラリとデルガドの方を見たが、アルガドが闇市を開催していたとは知らなかったようで、顔色が青く変化していた。
「お、お前! 我が家の息子が闇市を開催しただと!! 証拠を示せ! 証拠を!! 言いがかりも甚だしいぞ」
息子の不行跡を認める訳にはいかないデルガドが証拠を示せと強弁していくる。
「お待ちくださいませ、只今証人をお連れします」
俺が指をパチンと鳴らすと、闇市を仕切っていたヴィケットが連れ出されてきていた。
「アルガドが闇市を開催した証人として、フラマー商会のヴィケット会頭にお越し頂きました。では、ヴィケット殿、証言を頼みます」
事前に罪を減じることを前提に、アルガドの闇市関与を証言しろとヴィケットに対して、ジェイミーが『お願い』をしたため、顔が青黒く腫れている。
そんなヴィケットの姿を見たアルガドが大きく首を振って喚きたそうにしているが、猿轡のせいで声が出ない様子であった。
「フラマー商会のヴィケットと申します。さきほど、グレイズ殿のおっしゃられた通り、私はブラックミルズにてアルガドの手先として闇市を取り仕切っておりました。私はアルガドの元使用人で、闇市の資金で大きく成長したフラマー商会はアルガドが実質的なオーナーとなっております。闇市開催はすべてアルガドの遊興費を稼ぐために計画されたことで、私は指示通りに開催しただけなのです。私には拒否権がなかったのです。逆らえば、死が訪れると知っていて拒否などできるわけがありませんでしょう!! 私もアルガドの被害者なのですっ!」
ヴィケットは散々に痛めつけられた後、提示された減刑の申し出に縋りついたことで、アルガドを見切り、自己保身に走っていた。
ただ、減刑といっても闇市に関われば、死罪又は奴隷落ちなので、減刑されても初老に近いヴィケットの残りの人生は牢獄の中が大半になるはずであった。
自分を裏切って売ったヴィケットに、アルガドが怒りを覚えたのか掴みかかろうとして走り出すが、メリーによって縄を引き戻され、無残に地面に転がっていた。
「ほぅ、闇市の開催とは……これは大問題ですなぁ。デルガド殿、どうされるつもりですかな?」
したり顔でデルガドを見るサイアスであるが、そっちも色々と悪事の尻尾は握っているので、今のうちだけは楽しい気分に浸らせてやるつもりであった。
メラニアを助け出してダンジョンから出て一〇日間以上、ゴーストとしての活動を続けていて日の光を浴びていなかったため、ようやくまともに日を浴びれる身となっている。
ブラックミルズの郊外にある神殿には、商店街の連中や冒険者ギルドの職員が、とある貴族の弾劾裁判があると噂を流して人が集まり、ごった返していた。
「ベアード神殿長殿、神殿は政治不介入だったはずだが……。それにこの人だかり……私は王を迎えにあがっただけだぞ」
「サイアス宰相閣下、こたびはアクセルリオン神のご神託がありましてな。是非とも、ご参加して頂きたい」
ベアード神殿長と話す目の鋭い狐顔のやせ型の男が、ジェネシスを傀儡の王に就け、国政を牛耳っている男であった。
俺はそんな国を実権を握る男の姿を横目に見て、反対側に座るアルガドの父であり、王国の大貴族であるデルガド・クレストン公爵が苦虫を噛み潰した顔をしているのに気付いた。
すでにサイアスとデルガドは、ジェネシス出奔後の権力の空白期間を王都で互いに権力闘争を行っていた。
だが、王であるジェネシスが自らの居場所を二人に知らせ、保護をした方に力を貸すと使者を送りブラックミルズに呼びつけていたのだ。
「陛下からの使者殿が迎えにこいと言うから、こんな辺境まで迎えにきたのに、なにゆえサイアス宰相がこの場にいるのだ」
「まぁ、デルガド殿も落ち着かれよ」
ベアード神殿長がブラックミルズの領主であるデルガドを宥めつつ場を納めていた。
そんな中、準備終了の合図がメリーたちから俺に伝えられていた。
そして、俺からベアード神殿長へ目配せを送る。
「んんっ! お二方にはお待たせしましたが、本日は陛下のお出ましの前に一つ座興を用意いたしましたので、お暇つぶしにご覧あれ」
ベアード神殿長が咳ばらいをすると同時に、神殿の中から縄で縛られ顔を腫らしたアルガドが、メリーを始めとした追放者とアルマ、そしてメラニアに引き立てられてきた。
「アルガドっ!!! おい、我が家の嫡男をなにゆえ縄目にして衆人に晒しておるのだっ!!」
「これは……。アルガド殿が何か犯罪でも起こしましたかな?」
アルガドの父であるデルガドは、息子の姿に驚き、サイアス宰相はマリアンからの連絡が届いていたのか、アルガドが捕えられたのを知って喜んだ顔をしていた。
「実は、このアルガド・クレストン殿に対する弾劾裁判を行いたいと、ブラックミルズのギルドマスター殿から申し出がありましてな。お二方にもご臨席を賜りたく」
ベアード神殿長が長い眉に隠された奥の瞳を見開くと、デルガドとサイアスを見据えていた。
「犯罪だと……。だが、その前にブラックミルズのギルドマスターは私が任命したのはアルガドであったはず。いったい誰が……」
「おやおや、クレストン公爵家の嫡男殿が領内で犯罪とは……。これは、国法が定めた貴族法の面からも由々しき事態ですな」
ベアード神殿長が目配せを送ってきたので、冒険者ギルドの制服に着替え終えた俺は二人の男の前にでていった。
「お初にお目にかかります。ブラックミルズ商店街連合会会長兼ブラックミルズ商店街支部の冒険者ギルドでギルドマスターをやらせてもらっているグレイズと申します。こたびはお二人にご臨席頂き、犯罪者アルガド・クレストンに対する弾劾裁判を執りおこなわせて頂きます」
「おいっ! 下郎! 我が息子の弾劾裁判だと! 平民風情が貴族を捕えてタダで済むと思うなよ」
「デルガド殿、その発言は慎まれよ。国法は法の下に平等であると規定されているはずだ。平民であろうが貴族であろうが犯罪を犯せば罰せられる」
「クッ! サイアス……貴様っ!」
デルガドとサイアスは前王からの遺恨があり、お互いに嫌い合っているため、視線が交わるたびにいがみ合っていた。
「グレイズとやら、私たちは外野だ。遠慮なく弾劾裁判を始めよ。これは、王国宰相としての命令である」
マリアンを通じてアルガドをたぶらかし、クレストン家の失脚を狙っていたサイアスは『我が策成れり』と思ったらしく、俺に弾劾裁判を進めるように促してきた。
「グレイズとやら、貴様が裁こうとするのは貴様の住むブラックミルズを領有するクレストン家の嫡男であることを忘れるなよっ! 息子に罪なくば、お前がこの地で生きられると思うな」
一方、息子を犯罪者として引き立てられたデルガドの目は血走り、俺を呪い殺しそうな勢いで睨みつけてきていた。
そんな二人の視線を受けつつ、一礼を返すと、集まった一般市民の方へ向き、弾劾裁判の開催を告げていく。
「ただいまより、クレストン家嫡男であり、ブラックミルズ冒険者ギルドのギルドマスターであるアルガド・クレストンの弾劾裁判の開催を宣言するっ!! 最初に犯罪内容の確認を」
集まった者たちへ見やすいように大きな幕にアルガドの犯した罪が大書されて物が冒険者たちの手で広げられていく。
幕に書かれた内容を見た者が字が読めない者へ伝える声で会場はざわついていた。
「一つ、アルガド・クレストンは治安を維持する権限を有するブラックミルズの冒険者ギルドのギルドマスターの地位にありながら、国法で違法と定められた物を売買する闇市開催を主導し、その事実を周囲に漏らさぬための場所を提供していた。違法品の販売は国法に触れる行為であり、開催した者、又は開催に関与した者は死罪、または身分剥奪の上奴隷落ちと規定されている」
チラリとデルガドの方を見たが、アルガドが闇市を開催していたとは知らなかったようで、顔色が青く変化していた。
「お、お前! 我が家の息子が闇市を開催しただと!! 証拠を示せ! 証拠を!! 言いがかりも甚だしいぞ」
息子の不行跡を認める訳にはいかないデルガドが証拠を示せと強弁していくる。
「お待ちくださいませ、只今証人をお連れします」
俺が指をパチンと鳴らすと、闇市を仕切っていたヴィケットが連れ出されてきていた。
「アルガドが闇市を開催した証人として、フラマー商会のヴィケット会頭にお越し頂きました。では、ヴィケット殿、証言を頼みます」
事前に罪を減じることを前提に、アルガドの闇市関与を証言しろとヴィケットに対して、ジェイミーが『お願い』をしたため、顔が青黒く腫れている。
そんなヴィケットの姿を見たアルガドが大きく首を振って喚きたそうにしているが、猿轡のせいで声が出ない様子であった。
「フラマー商会のヴィケットと申します。さきほど、グレイズ殿のおっしゃられた通り、私はブラックミルズにてアルガドの手先として闇市を取り仕切っておりました。私はアルガドの元使用人で、闇市の資金で大きく成長したフラマー商会はアルガドが実質的なオーナーとなっております。闇市開催はすべてアルガドの遊興費を稼ぐために計画されたことで、私は指示通りに開催しただけなのです。私には拒否権がなかったのです。逆らえば、死が訪れると知っていて拒否などできるわけがありませんでしょう!! 私もアルガドの被害者なのですっ!」
ヴィケットは散々に痛めつけられた後、提示された減刑の申し出に縋りついたことで、アルガドを見切り、自己保身に走っていた。
ただ、減刑といっても闇市に関われば、死罪又は奴隷落ちなので、減刑されても初老に近いヴィケットの残りの人生は牢獄の中が大半になるはずであった。
自分を裏切って売ったヴィケットに、アルガドが怒りを覚えたのか掴みかかろうとして走り出すが、メリーによって縄を引き戻され、無残に地面に転がっていた。
「ほぅ、闇市の開催とは……これは大問題ですなぁ。デルガド殿、どうされるつもりですかな?」
したり顔でデルガドを見るサイアスであるが、そっちも色々と悪事の尻尾は握っているので、今のうちだけは楽しい気分に浸らせてやるつもりであった。
1
お気に入りに追加
9,222
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。