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アルガド視点
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※アルガド視点
「メラニアっ! 起きよっ! メラニアっ!! これは一体どういうことだ!! 起きよっ!!!」
翌朝、日が昇り広場に人が行き交う時間を見計らって、宿内に響き渡るほどの大声でメラニアを叩き起こす。
すでにわたしの大声によって、宿の従業員たちが集まってきており、ざわざわとしてこちらを指差していた。
「う、ううん。頭が痛い……。これは、アルガド様、寝すぎてしまったようです……ね?」
薬の効果が切れ、目覚めたメラニアが剣を手にベッドの上に仁王立ちしているわたしを見て息を呑んでいたいた。
「ア、アルガド様!? 一体なぜ、わたくしに剣をお向けになられるのです」
メラニアは自体が把握できていないようで、目をパチクリとさせて驚いていた。
「お前は、この状況を見て、わたしがこうしていることの意味も分からぬ女なのかっ! この売女めがっ!」
剣先を隣でいびきをかいて眠る男に向けていく。すると、メラニアの視線も隣で寝ている男を捉えたようだ。
「はっ!? これは、一体……この方は誰……です?」
「白々しい嘘を言いおって!! わたしを虚仮にしただけでなく、嘘を吐いてこの場を乗り切ろうと申すかっ!! この淫売がっ!」
わたしは怒りの演技をして、握った剣の先をいびきをかいている男の首元に押し込んでいく。
鋭利な剣で首筋を貫かれた男は、血を噴き上げ、ベッドを血まみれに濡らしていくと再び起きることの無い世界へ旅立つ。
「ひぃっ! 血、血がっ! アルガド様っ! これは何かの間違いですっ! わたくしはこの殿方を知りませぬっ!」
「白々しいと申しておるっ! こやつは最近出入りなった商人であると知っておるわ。しかも、お主が気に入り懇意にしていたこともなっ! だが、このような関係だったとは!! 許せぬっ!! お前との婚約は破棄させてもらう! 淫売令嬢とは付き合えぬわっ!」
「ち、ちが、違いますっ! わたくしはそのようなことはしておりませぬっ!」
「その恰好でベッドに男と寝ていて何もなかったなどということを信じる男がどこの世界におるのだっ! 馬鹿者っ!!」
眠らせた後、メラニアは下着姿にしてベッドに寝かせていたため、今は服を着ていないのである。この格好をして『何も無かった』という言葉は誰が見ても嘘として見られる。事実、騒ぎを聞きつけて駆け付けていた従業員たちはわたしを肯定するような気配をさせている。
「ですがっ! わたくしには記憶がないのですっ! 昨日、アルガド様とワインを飲んで……」
「うるさいっ! 見苦しいぞっ! 婚約したその日に間男とベッドを共にした売太の言葉など聞きたくもないわっ!」
わたしは息絶えた男の首を剣で切り離すと、その頭部の毛を鷲掴みして、テラスにへと出ていった。
そして、騒ぎを聞いて広間に集まっていた住民たちに向けて、声を高らかに宣言した。
「昨日、婚約したわたしの婚約者であるメラニアが、こともあろうに婚約した夜に間男をベッドに引きずり込み夜を共にしていた不貞行為がさきほど発覚した。わたしは婚約者として、間男を成敗し首だけにしたが、どうに我が婚約者たる自覚にかけるメラニアに腹を据えかねた。よって、わたしはここにメラニアとの婚約を破棄することを宣言するっ!!! これはわたしの本意ではないが、メラニアの裏切り行為をどうしても許すことができなかったと思ってくれるとありがたい」
わたしの言葉に広場に集まっていた住民たちがざわざわと騒ぎ始める。
どうやら、事の顛末が住民たちにも理解でき始めている様子であった。
「ち、違いますっ! わたくしはそのような不貞は働いて――」
シーツを身体に巻き付けたメラニアがテラスに出てきて必死に抗弁を試みる。
その姿はまさに不貞がバレた女の慌てふためく姿と住民たちには映っているだろう。
「ならば、この男がどうしてお前のベッドに寝ていたか説明をしてもらおうか」
わたしは衆人環視の中で、メラニアを更に悪者にするべく追い詰めていく。
「そ、それは、わたくしには記憶がなくて……」
メラニアの言葉に広場からざわつきが起きる。完全に住民たちはメラニアを悪者だと判断したようだ。
既成事実と彼女の言葉がイメージを定着させていく。
「さっきも言ったが、君との婚約は破棄させてもらう。実家にもこたびの君の行為に関しては抗議させてもらうつもりだ」
「ア、アルガド様、お待ちください、それだけは、それだけはお許しください」
実家に連絡すると言うと、メラニアが急に頭を擦り付けて謝り始めたが、わたしは一瞥もくれることなく、広場に集った住民に再び宣言した。
「わたしはメラニアとの婚約を破棄する。今よりこの女はわたしとは何ら関りのない女になったと宣言しておく」
宣言を終えると、平伏して謝るメラニアに間男の首を投げつけ、その場を後にした。
こうして、メラニアとの婚約を破棄をしたが、住民たちはこちらの予定通り、わたしに同情的な世論が醸成され、メラニアはいたたまれなくなったのか、そのまま姿を消していた。
ただ、メラニアの失踪を気にしたグレイズが『彼女の捜索をしろ』とうるさく騒いだので、形ばかりの捜索依頼を冒険者ギルドに指示して出しておいた。貴族女が失踪となれば、自死する場所を探しての決意の失踪であろうことは予測されるので、今頃はどこかで首を切って死んでくれているだろう。
「メラニアっ! 起きよっ! メラニアっ!! これは一体どういうことだ!! 起きよっ!!!」
翌朝、日が昇り広場に人が行き交う時間を見計らって、宿内に響き渡るほどの大声でメラニアを叩き起こす。
すでにわたしの大声によって、宿の従業員たちが集まってきており、ざわざわとしてこちらを指差していた。
「う、ううん。頭が痛い……。これは、アルガド様、寝すぎてしまったようです……ね?」
薬の効果が切れ、目覚めたメラニアが剣を手にベッドの上に仁王立ちしているわたしを見て息を呑んでいたいた。
「ア、アルガド様!? 一体なぜ、わたくしに剣をお向けになられるのです」
メラニアは自体が把握できていないようで、目をパチクリとさせて驚いていた。
「お前は、この状況を見て、わたしがこうしていることの意味も分からぬ女なのかっ! この売女めがっ!」
剣先を隣でいびきをかいて眠る男に向けていく。すると、メラニアの視線も隣で寝ている男を捉えたようだ。
「はっ!? これは、一体……この方は誰……です?」
「白々しい嘘を言いおって!! わたしを虚仮にしただけでなく、嘘を吐いてこの場を乗り切ろうと申すかっ!! この淫売がっ!」
わたしは怒りの演技をして、握った剣の先をいびきをかいている男の首元に押し込んでいく。
鋭利な剣で首筋を貫かれた男は、血を噴き上げ、ベッドを血まみれに濡らしていくと再び起きることの無い世界へ旅立つ。
「ひぃっ! 血、血がっ! アルガド様っ! これは何かの間違いですっ! わたくしはこの殿方を知りませぬっ!」
「白々しいと申しておるっ! こやつは最近出入りなった商人であると知っておるわ。しかも、お主が気に入り懇意にしていたこともなっ! だが、このような関係だったとは!! 許せぬっ!! お前との婚約は破棄させてもらう! 淫売令嬢とは付き合えぬわっ!」
「ち、ちが、違いますっ! わたくしはそのようなことはしておりませぬっ!」
「その恰好でベッドに男と寝ていて何もなかったなどということを信じる男がどこの世界におるのだっ! 馬鹿者っ!!」
眠らせた後、メラニアは下着姿にしてベッドに寝かせていたため、今は服を着ていないのである。この格好をして『何も無かった』という言葉は誰が見ても嘘として見られる。事実、騒ぎを聞きつけて駆け付けていた従業員たちはわたしを肯定するような気配をさせている。
「ですがっ! わたくしには記憶がないのですっ! 昨日、アルガド様とワインを飲んで……」
「うるさいっ! 見苦しいぞっ! 婚約したその日に間男とベッドを共にした売太の言葉など聞きたくもないわっ!」
わたしは息絶えた男の首を剣で切り離すと、その頭部の毛を鷲掴みして、テラスにへと出ていった。
そして、騒ぎを聞いて広間に集まっていた住民たちに向けて、声を高らかに宣言した。
「昨日、婚約したわたしの婚約者であるメラニアが、こともあろうに婚約した夜に間男をベッドに引きずり込み夜を共にしていた不貞行為がさきほど発覚した。わたしは婚約者として、間男を成敗し首だけにしたが、どうに我が婚約者たる自覚にかけるメラニアに腹を据えかねた。よって、わたしはここにメラニアとの婚約を破棄することを宣言するっ!!! これはわたしの本意ではないが、メラニアの裏切り行為をどうしても許すことができなかったと思ってくれるとありがたい」
わたしの言葉に広場に集まっていた住民たちがざわざわと騒ぎ始める。
どうやら、事の顛末が住民たちにも理解でき始めている様子であった。
「ち、違いますっ! わたくしはそのような不貞は働いて――」
シーツを身体に巻き付けたメラニアがテラスに出てきて必死に抗弁を試みる。
その姿はまさに不貞がバレた女の慌てふためく姿と住民たちには映っているだろう。
「ならば、この男がどうしてお前のベッドに寝ていたか説明をしてもらおうか」
わたしは衆人環視の中で、メラニアを更に悪者にするべく追い詰めていく。
「そ、それは、わたくしには記憶がなくて……」
メラニアの言葉に広場からざわつきが起きる。完全に住民たちはメラニアを悪者だと判断したようだ。
既成事実と彼女の言葉がイメージを定着させていく。
「さっきも言ったが、君との婚約は破棄させてもらう。実家にもこたびの君の行為に関しては抗議させてもらうつもりだ」
「ア、アルガド様、お待ちください、それだけは、それだけはお許しください」
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「わたしはメラニアとの婚約を破棄する。今よりこの女はわたしとは何ら関りのない女になったと宣言しておく」
宣言を終えると、平伏して謝るメラニアに間男の首を投げつけ、その場を後にした。
こうして、メラニアとの婚約を破棄をしたが、住民たちはこちらの予定通り、わたしに同情的な世論が醸成され、メラニアはいたたまれなくなったのか、そのまま姿を消していた。
ただ、メラニアの失踪を気にしたグレイズが『彼女の捜索をしろ』とうるさく騒いだので、形ばかりの捜索依頼を冒険者ギルドに指示して出しておいた。貴族女が失踪となれば、自死する場所を探しての決意の失踪であろうことは予測されるので、今頃はどこかで首を切って死んでくれているだろう。
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