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第四章 〜乙女ゲーム開始直前 / 盲目〜
90. 壊れた関係 side クリスフォード
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あの日から、ヴィオラは日に日に憔悴していった。
何度もルカディオに手紙を書いたが返事は一向にこない。
父のエイダンに何度も王都に帰りたいと申し出ていたが、その願いは王太子によって却下された。
つい先日、ノアに面会に来た王太子と初めて顔を合わせ、今後王家もクリスフォードとヴィオラを保護すると言われた。
王太子に直接『王都は危険だ。今は領地を出るな』と命令が下ったのだ。この国の臣下である限り、王族の命令に背くことはできない。背けば不敬罪で処罰対象だ。
そして王都が危険だという理由を、険しい表情を浮かべた王太子の口から直接聞く。
それを聞いて、ヴィオラは泣き叫んだ。
ルカディオに会わせてくれと懇願したが、エイダンからそのルカディオから会う事を拒まれていると言われ、それを王太子にも肯定されたヴィオラは呆然とし、その後は一言も発しなくなった。
クリスフォードも、こればかりは驚愕して言葉が出てこなかった。
まさかフォルスター侯爵家がそんな事になっていたなんて全く知らなかったのだ。ヴィオラ達を危険から遠ざける為に父が情報を遮断していた事を聞くと、怒っていいのか複雑な気持ちが胸に広がる。
流石に王太子から危険性を説かれればクリスフォードも黙るしかない。
(だから僕やヴィオラが何度手紙を出しても返事が来なかったのか・・・)
その理由に、胸がキリキリと痛んだ。
ヴィオラを取り合うライバルとはいえ、クリスフォードにとってもルカディオは幼馴染だ。心配である事には変わらない。
ただエイダンから今のルカディオはヴィオラだけでなく、エイダン含めたオルディアン家の者達や、自分の父親との面会さえも断っていると聞き、何も言えなくなった。
深く傷ついたルカディオは、これ以上傷つかないように全てを拒絶しているのだと察した。
それ程にルカディオの精神的負担は大きく、本人の意思を無視してこちらの意思を通せば心が壊れるかも知れない。
そう言われてしまえば尚更だった。
そしてヴィオラは、部屋に篭るようになってしまった。
皆心配して話を聞こうとしたが、何を言ってもヴィオラに届かなかった。
ルカディオに拒絶されている事実に絶望し、心を閉ざしてしまっている。エイダンやクリスフォードも心配し、治癒魔法をかけながら声をかけるが、やはり反応は返って来なかった。
それでも皆、根気強くヴィオラに語りかけた。
皇弟であるノアも、虚な目をしたヴィオラに優しく声をかけ、庭の散歩に連れ出したりと気にかけてくれている。
彼もルカディオに誤解させる原因を作ってしまった事に心を痛めているようだった。でも仕方ない。あの時誰であってもヴィオラの治療を優先するだろう。
彼もヴィオラも何も悪くない。
もちろんルカディオも、悪くない。
ただ、タイミングが悪かっただけだ。
そしてある出来事がきっかけで、ヴィオラに変化が訪れた。
憔悴しきっているヴィオラを心配した下位精霊達が、ヴィオラの周りに集まり出したのだ。
夢の中に出て来た女神によると、今までも精霊達はずっと二人を見守っていたが、近づきすぎると精霊付きだと邪神に気づかれる恐れがあるため、彼らはつかず離れずの距離にいたらしい。
だが今はヴィオラが非常事態ということで、近くに来て愛し子を癒しているとのことだった。
『非常事態ってどういうことですか!?』
『ヴィオラは心の支えを失くして潰れそうになっている。今は思考を止めてしまっているけれど、それがいつ負の感情に転化するかわからない。邪な心に飲まれてしまえばそれこそ邪神を呼び寄せてしまうわ。精霊達はヴィオラを守ろうとしているのよ』
『…………どうすれば、ヴィオラは元気になるんですか?』
『そればかりは私にもどうしようもないわ。ヴィオラ自身が向き合わなきゃいけない問題だから。でも少しずつヴィオラが精霊の声に応え始めてる。だから今は彼らに任せましょう。貴方達の邸に認識阻害の結界を張っておいたわ。その中でなら精霊と一緒にいても邪神の目をごまかせると思うから』
『――――――僕らが解放される道はないんですか?』
クリスフォードは絶望したヴィオラを見るのが辛かった。
あんなヴィオラを見るのは初めてだ。イザベラに虐待されていた時だってあんな生気を失ったような顔をしたことはなかったのに。
それだけ、ルカディオの存在がヴィオラの支えだったのだ。それが自分じゃない事が悔しくもあった。
ヴィオラと本当の意味で通じ合える兄妹になれたのは最近の話だから無理はないのかもしれない。それまでずっとヴィオラは母親の偽りの愛を向けられる自分に嫉妬していたのだから。
当時のあの息が詰まる邸の中で、ルカディオだけがヴィオラの希望だった。それは今も変わっていない。
例え自分達がまだ子供だとしても、あの2人は本気で想い合っていた。クリスフォードが嫉妬するほどに。
女神の加護さえなければ、自分たちは自由に暮らせていたのではないかという考えが消えない。敬うべき尊い存在であるはずなのに、こうして目の前にすれば恨み言を言ってしまいそうになる。
『……ごめんなさい。加護を取り消すことはできない。そうすればこの世界は終わってしまうから』
泣きそうな表情を浮かべる女神を見て、言葉に詰まる。
その重責から逃げたいんだという言葉は紡げなかった。
言っても無駄な気がしたから。
どうあっても逃げられない。
結局人間は、神の意向に逆らえないということだ。
こうしてヴィオラとクリスフォードは長い時を領地で過ごす事になった。
ヴィオラは少しずつ笑顔を取り戻していった。
邸の中には小さな妖精の姿をした下位精霊や、人の子供のような姿の中位精霊が集まるようになった。
女神の結界内でしか彼らとは交流できないが、その愛らしい容姿で純粋に愛し子を慕う姿は、徐々にヴィオラの冷たくなった心を溶かしていった。
そして皇弟であるノアもヴィオラに寄り添い、支えてくれていた。これからもヴィオラとクリスを守ると決意し、護衛として2人の側に居続けた。
数ヶ月後、精霊と皆に支えられて気持ちを持ち直したヴィオラは、決して読んでもらえないとわかっていても、ルカディオに手紙を送り続けた。
ルカディオを想う気持ちを魔力に乗せれば、ヴィオラの手紙に加護がつき、想い人を癒し、守ってくれると夢の中で光の精霊ディーンに聞いたらしい。
だから今日もヴィオラはルカディオの為に手紙を書く。その手紙の加護がルカディオを守ってくれるようにと。
ここまで関係が壊れてしまったのに、何故か2人の婚約は破棄されなかった。
フォルスター侯爵家の崩壊に、イザベラが関わっている可能性が高い事に罪悪感を持った父エイダンが、婚約をそのままにしていたのだ。
エイダンの治療によって正気を取り戻したダミアンは、騎士団内での権力を失い、フォルスター侯爵領主として再出発を果たした。
だがダミアンとルカディオの仲は、王都と領地で離れて暮らすほどに冷め切っており、エイダンは王太子の命で王都にいるルカディオの後見人のような立場を取っていた。
まだ、繋がっている。
いつかきっと、誤解は解ける。
そう信じて、ヴィオラはただひたすら、
その日を待ち続けていた───。
─────────────────────
次、新章です。
何度もルカディオに手紙を書いたが返事は一向にこない。
父のエイダンに何度も王都に帰りたいと申し出ていたが、その願いは王太子によって却下された。
つい先日、ノアに面会に来た王太子と初めて顔を合わせ、今後王家もクリスフォードとヴィオラを保護すると言われた。
王太子に直接『王都は危険だ。今は領地を出るな』と命令が下ったのだ。この国の臣下である限り、王族の命令に背くことはできない。背けば不敬罪で処罰対象だ。
そして王都が危険だという理由を、険しい表情を浮かべた王太子の口から直接聞く。
それを聞いて、ヴィオラは泣き叫んだ。
ルカディオに会わせてくれと懇願したが、エイダンからそのルカディオから会う事を拒まれていると言われ、それを王太子にも肯定されたヴィオラは呆然とし、その後は一言も発しなくなった。
クリスフォードも、こればかりは驚愕して言葉が出てこなかった。
まさかフォルスター侯爵家がそんな事になっていたなんて全く知らなかったのだ。ヴィオラ達を危険から遠ざける為に父が情報を遮断していた事を聞くと、怒っていいのか複雑な気持ちが胸に広がる。
流石に王太子から危険性を説かれればクリスフォードも黙るしかない。
(だから僕やヴィオラが何度手紙を出しても返事が来なかったのか・・・)
その理由に、胸がキリキリと痛んだ。
ヴィオラを取り合うライバルとはいえ、クリスフォードにとってもルカディオは幼馴染だ。心配である事には変わらない。
ただエイダンから今のルカディオはヴィオラだけでなく、エイダン含めたオルディアン家の者達や、自分の父親との面会さえも断っていると聞き、何も言えなくなった。
深く傷ついたルカディオは、これ以上傷つかないように全てを拒絶しているのだと察した。
それ程にルカディオの精神的負担は大きく、本人の意思を無視してこちらの意思を通せば心が壊れるかも知れない。
そう言われてしまえば尚更だった。
そしてヴィオラは、部屋に篭るようになってしまった。
皆心配して話を聞こうとしたが、何を言ってもヴィオラに届かなかった。
ルカディオに拒絶されている事実に絶望し、心を閉ざしてしまっている。エイダンやクリスフォードも心配し、治癒魔法をかけながら声をかけるが、やはり反応は返って来なかった。
それでも皆、根気強くヴィオラに語りかけた。
皇弟であるノアも、虚な目をしたヴィオラに優しく声をかけ、庭の散歩に連れ出したりと気にかけてくれている。
彼もルカディオに誤解させる原因を作ってしまった事に心を痛めているようだった。でも仕方ない。あの時誰であってもヴィオラの治療を優先するだろう。
彼もヴィオラも何も悪くない。
もちろんルカディオも、悪くない。
ただ、タイミングが悪かっただけだ。
そしてある出来事がきっかけで、ヴィオラに変化が訪れた。
憔悴しきっているヴィオラを心配した下位精霊達が、ヴィオラの周りに集まり出したのだ。
夢の中に出て来た女神によると、今までも精霊達はずっと二人を見守っていたが、近づきすぎると精霊付きだと邪神に気づかれる恐れがあるため、彼らはつかず離れずの距離にいたらしい。
だが今はヴィオラが非常事態ということで、近くに来て愛し子を癒しているとのことだった。
『非常事態ってどういうことですか!?』
『ヴィオラは心の支えを失くして潰れそうになっている。今は思考を止めてしまっているけれど、それがいつ負の感情に転化するかわからない。邪な心に飲まれてしまえばそれこそ邪神を呼び寄せてしまうわ。精霊達はヴィオラを守ろうとしているのよ』
『…………どうすれば、ヴィオラは元気になるんですか?』
『そればかりは私にもどうしようもないわ。ヴィオラ自身が向き合わなきゃいけない問題だから。でも少しずつヴィオラが精霊の声に応え始めてる。だから今は彼らに任せましょう。貴方達の邸に認識阻害の結界を張っておいたわ。その中でなら精霊と一緒にいても邪神の目をごまかせると思うから』
『――――――僕らが解放される道はないんですか?』
クリスフォードは絶望したヴィオラを見るのが辛かった。
あんなヴィオラを見るのは初めてだ。イザベラに虐待されていた時だってあんな生気を失ったような顔をしたことはなかったのに。
それだけ、ルカディオの存在がヴィオラの支えだったのだ。それが自分じゃない事が悔しくもあった。
ヴィオラと本当の意味で通じ合える兄妹になれたのは最近の話だから無理はないのかもしれない。それまでずっとヴィオラは母親の偽りの愛を向けられる自分に嫉妬していたのだから。
当時のあの息が詰まる邸の中で、ルカディオだけがヴィオラの希望だった。それは今も変わっていない。
例え自分達がまだ子供だとしても、あの2人は本気で想い合っていた。クリスフォードが嫉妬するほどに。
女神の加護さえなければ、自分たちは自由に暮らせていたのではないかという考えが消えない。敬うべき尊い存在であるはずなのに、こうして目の前にすれば恨み言を言ってしまいそうになる。
『……ごめんなさい。加護を取り消すことはできない。そうすればこの世界は終わってしまうから』
泣きそうな表情を浮かべる女神を見て、言葉に詰まる。
その重責から逃げたいんだという言葉は紡げなかった。
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どうあっても逃げられない。
結局人間は、神の意向に逆らえないということだ。
こうしてヴィオラとクリスフォードは長い時を領地で過ごす事になった。
ヴィオラは少しずつ笑顔を取り戻していった。
邸の中には小さな妖精の姿をした下位精霊や、人の子供のような姿の中位精霊が集まるようになった。
女神の結界内でしか彼らとは交流できないが、その愛らしい容姿で純粋に愛し子を慕う姿は、徐々にヴィオラの冷たくなった心を溶かしていった。
そして皇弟であるノアもヴィオラに寄り添い、支えてくれていた。これからもヴィオラとクリスを守ると決意し、護衛として2人の側に居続けた。
数ヶ月後、精霊と皆に支えられて気持ちを持ち直したヴィオラは、決して読んでもらえないとわかっていても、ルカディオに手紙を送り続けた。
ルカディオを想う気持ちを魔力に乗せれば、ヴィオラの手紙に加護がつき、想い人を癒し、守ってくれると夢の中で光の精霊ディーンに聞いたらしい。
だから今日もヴィオラはルカディオの為に手紙を書く。その手紙の加護がルカディオを守ってくれるようにと。
ここまで関係が壊れてしまったのに、何故か2人の婚約は破棄されなかった。
フォルスター侯爵家の崩壊に、イザベラが関わっている可能性が高い事に罪悪感を持った父エイダンが、婚約をそのままにしていたのだ。
エイダンの治療によって正気を取り戻したダミアンは、騎士団内での権力を失い、フォルスター侯爵領主として再出発を果たした。
だがダミアンとルカディオの仲は、王都と領地で離れて暮らすほどに冷め切っており、エイダンは王太子の命で王都にいるルカディオの後見人のような立場を取っていた。
まだ、繋がっている。
いつかきっと、誤解は解ける。
そう信じて、ヴィオラはただひたすら、
その日を待ち続けていた───。
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