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りた

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今日の午前10時頃、依頼人であるローゼンクロイツの校長先生と副校長先生がやってきた。

なんでも学校の敷地内に魔物がよく出るようになってしまったという。今は学校の教員たちで何とかできてるけど数が多くて強大な力を持つ者もいるらしい。
いくら世界屈指の名門校とは言えど生徒たちに戦わせるわけにはいかない。本来なら彼らを守ることが学校側の使命だからだ。

結果、師匠に話が回ってきた。

校長先生方が来た時、対応をしたのが私と師匠。

話を聞き終わったあと、師匠は意外にも乗り気ではない言葉を返した。

『私共の本拠地から学校まではかなりの距離がありますので、残念ながら私が行くことはできません。それにクォーツの隊員たちが学校周辺を常に守ることは難しいでしょう』

珍しい。そう思ったところで気づいていれば、いや気づいたところで未来は変わらなかったかもしれないが、あるいは・・・

師匠が珍しいことをする時は無理難題を言いつけられることが多い、ということをこの時の私は忘れていた。

『ですが、この子が学校に通うというのはどうでしょう?13歳と若いですが腕は私が保証致しますし、この子にとってもいい勉強となります』

と言い放った。隣に座っていた私の意見を完全に無視して、私の方を一度も見ることなく。
・・・まぁ師匠だからしょうがない、かな。

『そんなに優秀なお嬢さんに来て貰えるなんて心強い。是非お願いします』

と何故か満面の笑みで二つ返事・・・

はぁ・・・うだうだ考えててもしょうがないし準備し始めなくちゃ・・・

先生方が来た時にローゼンクロイツ専門の仕立て屋さんを呼んでくれたので制服以外のものを用意する。
教科書もリストを貰い、執事長に渡したので今日中に揃えてくれるはずだ。

寮生活になるから衣類や生活必需品をトランクの中に入れていく。

制服を仕立ててもらう過程で着てみたのだが、とても可愛らしいものだった。なんでもローゼンクロイツが拘ったものの1つだという。かなり人気もあるらしい。

紺色のティーレングスドレスで、裾の部分に繊細な刺繍が施されていて、上品かつ清楚、といったイメージのもの。
肩から胸の上あたりまでがレースになっておりあでやかさもある。
ちなみに男の子は黒のテイルコート、ベスト、タイにピンストライプのパンツだそうだ。


あとは今日仕立て屋さんが一緒に持ってきてくれた学校専用のバッグに筆記用具などを入れれば準備は完了。

再度確認をしてベッドの上に横になる。

2週間後私はローゼンクロイツへと旅立った。
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