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第5章 年末年始
新年
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いよいよ年が明けた。今年は呼び出しもなく、家で静かな正月を迎えられそうだ。結奈は昨夜、年が明けるまで起きていた。年越しそばを食べて紅白歌合戦を見て・・・それは例年と同じだった。
「あけましておめでとう。」
の新年のあいさつをした後、結奈は部屋に戻って日記を書いていた。
『ママ。あけましておめでとう。いつもと同じように年越しそばを食べたよ。ママにもお供えしたけど食べてくれた? 去年はママがいなくなって寂しかったけど、こうしてママと話せるから結奈は大丈夫よ。それに今年はパパがずっといてくれるから楽しみ・・・・』
私は少しうれしくなった。結奈が私と2人でも楽しく正月を迎えたことに・・・。だが今はママとして結奈に言葉をかけないといけない。
『あけましておめでとう。ママも年越しそばを食べたわ。結奈が手伝ってくれたようだからおいしかった。今年はママがそばにいないけど楽しく正月を過ごしてね。ママはいつも結奈を見ているから・・・』
日記の返事を書きながら結奈の寝顔を見た。彼女は幸せそうな顔をしてすやすやとよく眠っている。きっと楽しい初夢を見ているのだろう。私はそっと日記にお年玉の袋をはさんだ。結奈はきっとママからのこれも期待しているのだろうと思いながら。
朝起きると、早速おせち料理を並べ、お雑煮の用意をした。結奈は夜更かしをしたからなかなか起きて来ない。私はぼうっと外を見ながら去年の正月を思い出していた。
――――――――――――――――――――――――
年末は事件が多い。その捜査は年が明けても変わらない。去年は犯人の張り込みで年が明けた。そこは古いアパートの前だった。寒い車内から見張っていると真夜中にそっと犯人の男が帰ってきた。正月を家で迎えようというのか・・・。私たち捜査員は男を取り囲んだ。いくつもの傷害事件を起こして逃走していた狂暴な男ということだが、抵抗もせずに大人しくしていた。もう観念していたというところか。
それから取り調べなど忙しかったが、ようやく夜になって家に帰ることができた。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
理恵が迎えてくれた。その横には結奈も。
「パパ。あけましておめでとう。」
「ああ。あけましておめでとう。」
結奈の新年のあいさつを受けて、ようやく正月が来たような気がした。
「結奈はパパにあけましておめでとうを言うって起きていたのよ。」
「そうだったのか。パパはうれしいよ。」
私は結奈を抱きしめた。彼女は眠そうに目をこすりながらあくびをしていた。
「じゃあ、結奈。パパにも会えたし、もう寝ましょうか。」
「パパと一緒に行こう。」
私は2階に上がって結奈を寝かせた。彼女はすぐに寝息を立てて寝てしまった。その顔は幸せそうで、それを見ているだけで疲れた私も癒されるような気がした。
それからお雑煮を食べ、おせち料理をつまんだ。その様子を座って見ている理恵が言った。
「正月も忙しいの?」
「ああ。しばらくは。犯人も捕まえたことだしな。だが正月過ぎたら交代で休めるだろう。」
「そう。じゃあ、明日、結奈と初詣に行くね。」
「僕の分までお参りしてくれ。」
正月の夫婦の会話はそんなものだった。そしてまた日常に戻っていく。
――――――――――――――――――――――――
「パパ。おはよう。」
結奈に声をかけられて、私はハッと我に返った。私が物思いにふけっているうちにようやく結奈が起きてきたようだ。
「おはよう。用意ができているよ。」
「パパ。すごい。」
「どうだ。でも年末に結奈が手伝ってくれたからだよ。」
結奈と私は早速、お雑煮とおせち料理を食べた。理恵が残しておいてくれた日記のレシピ通りに作ったから問題はないだろう。私の舌には去年の料理と変わらないように思えた。
「おいしい?」
「うん。パパ最高!」
結奈が最大級の誉め言葉をくれた。私は正月から非常なハッピーな気分になれた。
「食べたら初詣に行こうか?」
「うん。」
結奈は毎年、ママと近くの神社に初詣に行っていた。私は不参加だったが・・・。今年は私と2人で初詣だ。
「あけましておめでとう。」
の新年のあいさつをした後、結奈は部屋に戻って日記を書いていた。
『ママ。あけましておめでとう。いつもと同じように年越しそばを食べたよ。ママにもお供えしたけど食べてくれた? 去年はママがいなくなって寂しかったけど、こうしてママと話せるから結奈は大丈夫よ。それに今年はパパがずっといてくれるから楽しみ・・・・』
私は少しうれしくなった。結奈が私と2人でも楽しく正月を迎えたことに・・・。だが今はママとして結奈に言葉をかけないといけない。
『あけましておめでとう。ママも年越しそばを食べたわ。結奈が手伝ってくれたようだからおいしかった。今年はママがそばにいないけど楽しく正月を過ごしてね。ママはいつも結奈を見ているから・・・』
日記の返事を書きながら結奈の寝顔を見た。彼女は幸せそうな顔をしてすやすやとよく眠っている。きっと楽しい初夢を見ているのだろう。私はそっと日記にお年玉の袋をはさんだ。結奈はきっとママからのこれも期待しているのだろうと思いながら。
朝起きると、早速おせち料理を並べ、お雑煮の用意をした。結奈は夜更かしをしたからなかなか起きて来ない。私はぼうっと外を見ながら去年の正月を思い出していた。
――――――――――――――――――――――――
年末は事件が多い。その捜査は年が明けても変わらない。去年は犯人の張り込みで年が明けた。そこは古いアパートの前だった。寒い車内から見張っていると真夜中にそっと犯人の男が帰ってきた。正月を家で迎えようというのか・・・。私たち捜査員は男を取り囲んだ。いくつもの傷害事件を起こして逃走していた狂暴な男ということだが、抵抗もせずに大人しくしていた。もう観念していたというところか。
それから取り調べなど忙しかったが、ようやく夜になって家に帰ることができた。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
理恵が迎えてくれた。その横には結奈も。
「パパ。あけましておめでとう。」
「ああ。あけましておめでとう。」
結奈の新年のあいさつを受けて、ようやく正月が来たような気がした。
「結奈はパパにあけましておめでとうを言うって起きていたのよ。」
「そうだったのか。パパはうれしいよ。」
私は結奈を抱きしめた。彼女は眠そうに目をこすりながらあくびをしていた。
「じゃあ、結奈。パパにも会えたし、もう寝ましょうか。」
「パパと一緒に行こう。」
私は2階に上がって結奈を寝かせた。彼女はすぐに寝息を立てて寝てしまった。その顔は幸せそうで、それを見ているだけで疲れた私も癒されるような気がした。
それからお雑煮を食べ、おせち料理をつまんだ。その様子を座って見ている理恵が言った。
「正月も忙しいの?」
「ああ。しばらくは。犯人も捕まえたことだしな。だが正月過ぎたら交代で休めるだろう。」
「そう。じゃあ、明日、結奈と初詣に行くね。」
「僕の分までお参りしてくれ。」
正月の夫婦の会話はそんなものだった。そしてまた日常に戻っていく。
――――――――――――――――――――――――
「パパ。おはよう。」
結奈に声をかけられて、私はハッと我に返った。私が物思いにふけっているうちにようやく結奈が起きてきたようだ。
「おはよう。用意ができているよ。」
「パパ。すごい。」
「どうだ。でも年末に結奈が手伝ってくれたからだよ。」
結奈と私は早速、お雑煮とおせち料理を食べた。理恵が残しておいてくれた日記のレシピ通りに作ったから問題はないだろう。私の舌には去年の料理と変わらないように思えた。
「おいしい?」
「うん。パパ最高!」
結奈が最大級の誉め言葉をくれた。私は正月から非常なハッピーな気分になれた。
「食べたら初詣に行こうか?」
「うん。」
結奈は毎年、ママと近くの神社に初詣に行っていた。私は不参加だったが・・・。今年は私と2人で初詣だ。
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