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第8章 引き裂かれた結婚 -キハヤ国ー
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ある大きな屋敷で2人の男が酒を酌み交わしていた。一人は王族であるサーブ公、そしてもう一人は取締官のカライだった。
「お前と俺が組めば怖いものなしだ。ちょっと頼みたいことがある。」サーブ公は愉快そうだった。
「サーブ様。今度は何をたくらんでおられるのですかな?」カライは不気味な笑いを浮かべた。
「実はな、妻を娶ろうと思っておる。」
「それはそれは。おめでとうございまする。してそのお相手は?」カライは尋ねた。
「ユーマス大臣の娘、ミイナよ。」サーブ公は言った。
「ほう。それは素晴らしいですな。」カライは大袈裟に驚いて見せた。
「そうだろう。そうしたら大臣の家の財産はすべて俺のものだ。好き放題に暮らせる。だがな大臣は言うことを聞かぬ。せっかく王族の俺が娘を貰ってやろうというのにな。」サーブ公が言った。
「まあ、あなた様のお噂は広く流れているものですから。」
「痛いことを言う。確かに俺はだらしがない馬鹿者と世間で言われているようだが、頭がいいからこうして楽しく暮らせているのだ。そうだろう?カライ。」サーブ公はカライの目を見た。
「わかっております。今度も手を貸しましょう。どうすればよろしいのですか?」カライが尋ねた。
「俺と娘の結婚を王様が勧めていると大臣に伝えよ。王様には俺からうまく言っておくからな。」サーブ公は言った。
「大丈夫なんでしょうか?」
「心配いたすな。大臣も王様の御意向なら逆らえまい。これでうまくいくはずだ。」サーブ公はニヤリと笑った。
次の日、ミイナに連れられて方術師の老人がムタヤの家を訪れた。老人はもう一人、朱色の着物を着た若い女性を連れて来ていた。彼女はスザクという老人のお供の者だった。
老人は家に上がって母親のモリ―を診た。そしてなにやら呪文を唱えて手をかざした。するとモリ―の様子がかなり良くなったように見えた。
「気に病むことが多くあって、気の流れが乱れておるだけじゃ。方術だけでよくなるじゃろう。よくなるまでここに来てあげよう。」老人が言った。
「ありがとうございます。」ムタヤが頭を下げた。
「ありがとうございます。こんなところまで来ていただいて・・・」モリ―も体を起こして礼を言った。
「よかったですわ。」横にいたミイナも笑顔で言った。
「ミイナさんにもお礼を言います。私たちがこんなことになったのに・・・あなたにも迷惑をかけて・・・」モリ―はすまなそうに言った。
「気にしておりませんよ。それより早く良くなってください。」ミイナは言った。
「そんなことは病人は気にせずにゆっくり寝ているのじゃ。さあ。」と老人が言うと、スザクがモリ―を横にさせた。そして
「儂たちはこれで・・・」老人とスザクは立ち上がって家を出て行った。その後をミイナが続いた。ムタヤも見送りに外に出た。
「ミイナ殿。すまなかった。礼を言う。」ムタヤは頭を下げた。
「ムタヤ様。早くお母様がよくなられたらいいですね。では。」ミイナはそう言って帰っていった。
王宮ではサニー王が執務をしていた。そこに
「王様。ご機嫌麗しゅう。」とサーブ公が現れて片膝をついて頭を下げた。
「サーブ公。今日はいかがした?王宮に来ることなどめったにないのに。」サニー王は眉をひそめていった。
「王様。今日は大事なお話があります。」サーブ公は言った。
「ほう?なにかな?」
「実は結婚の話を・・・ユーラス大臣から娘をという話がございました。」サーブ公は言った。
「確かその娘は・・・」サニー王は昨年の公金横領の事件を思い出した。
「はい。公金横領して死んだウキヤ執行官の息子と婚約しておりました。しかしあの事件で破談になっております。そこで私の妻にしてはどうかとのことでございます。」サーブ公は言った。
「ほう。よいのか?」
「はい。その娘は裏切られたと言って気を落としているようでございます。しかし私の妻になるならと喜んでいるようでございます。その娘を妻に迎えて王族とのつながりを確かなものとして、ユーラス大臣にこれからも大いに働いていただこうと考えております。」サーブ公は言った。
「おお、そうか。そこまで考えてくれたか。よし、その話を勧めよ。結婚式には私も出よう。」サニー王は言った。
「ありがたき幸せ。」サーブ公は頭を下げた。その下の顔はニヤリと笑っていた。
ユーラス大臣の屋敷にカライ取締官が訪れていた。
「今日は一体、どんな用かな?」ユーラス大臣が尋ねた。
「これは内々のお話ではありますが、王様は大臣の御息女と王族のサーブ様の御結婚を強く望んでおられる。」カライは言った。
「これは何と!王様が!本当でございますか。」ユーラス大臣は驚いて聞き直した。
「はい。大臣と王族のつながりを強めてない一層、執務に励んでいただきたいとのご意向です。よいお話とは思いますが。」カライは微笑みながら言った。
「それは・・・本来ならばありがたいお話ですが、先日、娘は破談になったばかり・・・。サーブ公に申し訳なく・・・」ユーラス大臣はこの話に乗り気ではなかった。サーブ公のよくない噂はユーラス大臣も知っていた。王族とはいえ、娘が不幸になるのは目に見えていた。
「しかし内々とはいえ、王様の御意向ですぞ。いくら大臣といえでも無下にお断りになるのは。」カライは意外だという顔をして言った。
「ですが・・・」
「いやいや、これはキハヤ国にとっての大事でございます。これをお汲み取りになって。」カライはユーラス大臣に断る隙を与えなかった。断りにくくなったユーラス大臣は、
「では娘の意思を聞いてみたいと思います。さすがに破談の後にということですので・・・。こればかりは。」ユーラス大臣は言った。
「そうですか。ならば御息女をここに。王様に報告しなければならないのでこの場で決めていただきましょう。」カライは言った。
「はあ、ならばここに連れてきましょう。おーい。ミイナを呼んでまいれ。」ユーラス大臣が召使に命じた。するとしばらくしてミイナが一礼して現れた。
「ミイナ殿か。私は取締官のカライだ。今日は王様からよいお話をあなたに持って参った。」カライが微笑みながら言った。
「これは恐れ多いことです。」
「実はあなたとサーブ公の御結婚を王様は望んでおられる。そうなればあなたは王族だ。そしてこのユーラス家も王家とのつながりが深くなる。もちろんサーブ公は心の広いお優しい方だ。過去にあなたに何があったかは知っておられるがそんなことは気にしないとおっしゃった。だからこのお話をぜひとも受けていただきたい。」カライは言った。
「せっかくではございますが、このお話お断りいたします。」ミイナはきっぱりと答えた。
「ミイナ殿。大事なことですぞ。もっとよく考えてみたらいかがかな。」カライの言葉は強くなっていった。
「いくら考えても同じ事でございます。王様の御厚意を無にして恐れ多いことではありますが、私には心に決めた人がおります。」ミイナは言った。
「もしやその者とは?」カライは鋭い目でミイナを見た。
「ムタヤ様でございます。」ミイナは負けずに言った。
「その者とは破談になったと聞いたが。」カライは言った。
「今はムタヤ様のお父上の嫌疑で城下を追放になり人目に出ることはできませぬが、必ずやその疑いは晴れると信じております。そうなれば私たちの結婚を父も許してくれると思います。私はそれまでお待ちするつもりです。」ミイナは言った。その堂々とした態度にカライは言い返すことはできなかった。
「まあ、よく考えよ。王様の御意向であるぞ。ユーラス大臣もそのことを考えていただきたい。またご返事をもらいに来る。」カライは怒ったように屋敷を出て行った。
「ミイナ。それほどあの男のことを・・・」ユーラス大臣が言いかけたが、
「お父様、お許しください。こればかりは私のわがままをお聞きください。」そう言ってミイナは部屋を出て行った。
カライは報告のためにサーブ公の屋敷を訪れていた。
「俺の方はうまくいった。王様は乗り気だ。お前の方はどうだ?」サーブ公の機嫌はよかった。
「それが・・・断られました。」カライは言った。
「なに!」サーブ公の機嫌は悪くなった。
「大臣はあと一歩というところだったのですが、娘の方がかたくなに断りまして。」カライは言った。
「どうしてだ?何が不満なのだ?」サーブ公が訊いた。
「実は破談になった男のことを思っているようで・・・。」カライが言った。
「ムタヤだったな。そうか・・・そんなことか。それならいい手があるだろう。」サーブ公はニヤリと笑うと、
「ジャグ、ジャグはおらぬか?」と大きな声で呼んだ。すると細身の目つきの悪い若い男が出て来た。
「ジャグ。またお前の出番だ・・・」サーブ公はジャグとカライに思いついた企みを話した。
「お前と俺が組めば怖いものなしだ。ちょっと頼みたいことがある。」サーブ公は愉快そうだった。
「サーブ様。今度は何をたくらんでおられるのですかな?」カライは不気味な笑いを浮かべた。
「実はな、妻を娶ろうと思っておる。」
「それはそれは。おめでとうございまする。してそのお相手は?」カライは尋ねた。
「ユーマス大臣の娘、ミイナよ。」サーブ公は言った。
「ほう。それは素晴らしいですな。」カライは大袈裟に驚いて見せた。
「そうだろう。そうしたら大臣の家の財産はすべて俺のものだ。好き放題に暮らせる。だがな大臣は言うことを聞かぬ。せっかく王族の俺が娘を貰ってやろうというのにな。」サーブ公が言った。
「まあ、あなた様のお噂は広く流れているものですから。」
「痛いことを言う。確かに俺はだらしがない馬鹿者と世間で言われているようだが、頭がいいからこうして楽しく暮らせているのだ。そうだろう?カライ。」サーブ公はカライの目を見た。
「わかっております。今度も手を貸しましょう。どうすればよろしいのですか?」カライが尋ねた。
「俺と娘の結婚を王様が勧めていると大臣に伝えよ。王様には俺からうまく言っておくからな。」サーブ公は言った。
「大丈夫なんでしょうか?」
「心配いたすな。大臣も王様の御意向なら逆らえまい。これでうまくいくはずだ。」サーブ公はニヤリと笑った。
次の日、ミイナに連れられて方術師の老人がムタヤの家を訪れた。老人はもう一人、朱色の着物を着た若い女性を連れて来ていた。彼女はスザクという老人のお供の者だった。
老人は家に上がって母親のモリ―を診た。そしてなにやら呪文を唱えて手をかざした。するとモリ―の様子がかなり良くなったように見えた。
「気に病むことが多くあって、気の流れが乱れておるだけじゃ。方術だけでよくなるじゃろう。よくなるまでここに来てあげよう。」老人が言った。
「ありがとうございます。」ムタヤが頭を下げた。
「ありがとうございます。こんなところまで来ていただいて・・・」モリ―も体を起こして礼を言った。
「よかったですわ。」横にいたミイナも笑顔で言った。
「ミイナさんにもお礼を言います。私たちがこんなことになったのに・・・あなたにも迷惑をかけて・・・」モリ―はすまなそうに言った。
「気にしておりませんよ。それより早く良くなってください。」ミイナは言った。
「そんなことは病人は気にせずにゆっくり寝ているのじゃ。さあ。」と老人が言うと、スザクがモリ―を横にさせた。そして
「儂たちはこれで・・・」老人とスザクは立ち上がって家を出て行った。その後をミイナが続いた。ムタヤも見送りに外に出た。
「ミイナ殿。すまなかった。礼を言う。」ムタヤは頭を下げた。
「ムタヤ様。早くお母様がよくなられたらいいですね。では。」ミイナはそう言って帰っていった。
王宮ではサニー王が執務をしていた。そこに
「王様。ご機嫌麗しゅう。」とサーブ公が現れて片膝をついて頭を下げた。
「サーブ公。今日はいかがした?王宮に来ることなどめったにないのに。」サニー王は眉をひそめていった。
「王様。今日は大事なお話があります。」サーブ公は言った。
「ほう?なにかな?」
「実は結婚の話を・・・ユーラス大臣から娘をという話がございました。」サーブ公は言った。
「確かその娘は・・・」サニー王は昨年の公金横領の事件を思い出した。
「はい。公金横領して死んだウキヤ執行官の息子と婚約しておりました。しかしあの事件で破談になっております。そこで私の妻にしてはどうかとのことでございます。」サーブ公は言った。
「ほう。よいのか?」
「はい。その娘は裏切られたと言って気を落としているようでございます。しかし私の妻になるならと喜んでいるようでございます。その娘を妻に迎えて王族とのつながりを確かなものとして、ユーラス大臣にこれからも大いに働いていただこうと考えております。」サーブ公は言った。
「おお、そうか。そこまで考えてくれたか。よし、その話を勧めよ。結婚式には私も出よう。」サニー王は言った。
「ありがたき幸せ。」サーブ公は頭を下げた。その下の顔はニヤリと笑っていた。
ユーラス大臣の屋敷にカライ取締官が訪れていた。
「今日は一体、どんな用かな?」ユーラス大臣が尋ねた。
「これは内々のお話ではありますが、王様は大臣の御息女と王族のサーブ様の御結婚を強く望んでおられる。」カライは言った。
「これは何と!王様が!本当でございますか。」ユーラス大臣は驚いて聞き直した。
「はい。大臣と王族のつながりを強めてない一層、執務に励んでいただきたいとのご意向です。よいお話とは思いますが。」カライは微笑みながら言った。
「それは・・・本来ならばありがたいお話ですが、先日、娘は破談になったばかり・・・。サーブ公に申し訳なく・・・」ユーラス大臣はこの話に乗り気ではなかった。サーブ公のよくない噂はユーラス大臣も知っていた。王族とはいえ、娘が不幸になるのは目に見えていた。
「しかし内々とはいえ、王様の御意向ですぞ。いくら大臣といえでも無下にお断りになるのは。」カライは意外だという顔をして言った。
「ですが・・・」
「いやいや、これはキハヤ国にとっての大事でございます。これをお汲み取りになって。」カライはユーラス大臣に断る隙を与えなかった。断りにくくなったユーラス大臣は、
「では娘の意思を聞いてみたいと思います。さすがに破談の後にということですので・・・。こればかりは。」ユーラス大臣は言った。
「そうですか。ならば御息女をここに。王様に報告しなければならないのでこの場で決めていただきましょう。」カライは言った。
「はあ、ならばここに連れてきましょう。おーい。ミイナを呼んでまいれ。」ユーラス大臣が召使に命じた。するとしばらくしてミイナが一礼して現れた。
「ミイナ殿か。私は取締官のカライだ。今日は王様からよいお話をあなたに持って参った。」カライが微笑みながら言った。
「これは恐れ多いことです。」
「実はあなたとサーブ公の御結婚を王様は望んでおられる。そうなればあなたは王族だ。そしてこのユーラス家も王家とのつながりが深くなる。もちろんサーブ公は心の広いお優しい方だ。過去にあなたに何があったかは知っておられるがそんなことは気にしないとおっしゃった。だからこのお話をぜひとも受けていただきたい。」カライは言った。
「せっかくではございますが、このお話お断りいたします。」ミイナはきっぱりと答えた。
「ミイナ殿。大事なことですぞ。もっとよく考えてみたらいかがかな。」カライの言葉は強くなっていった。
「いくら考えても同じ事でございます。王様の御厚意を無にして恐れ多いことではありますが、私には心に決めた人がおります。」ミイナは言った。
「もしやその者とは?」カライは鋭い目でミイナを見た。
「ムタヤ様でございます。」ミイナは負けずに言った。
「その者とは破談になったと聞いたが。」カライは言った。
「今はムタヤ様のお父上の嫌疑で城下を追放になり人目に出ることはできませぬが、必ずやその疑いは晴れると信じております。そうなれば私たちの結婚を父も許してくれると思います。私はそれまでお待ちするつもりです。」ミイナは言った。その堂々とした態度にカライは言い返すことはできなかった。
「まあ、よく考えよ。王様の御意向であるぞ。ユーラス大臣もそのことを考えていただきたい。またご返事をもらいに来る。」カライは怒ったように屋敷を出て行った。
「ミイナ。それほどあの男のことを・・・」ユーラス大臣が言いかけたが、
「お父様、お許しください。こればかりは私のわがままをお聞きください。」そう言ってミイナは部屋を出て行った。
カライは報告のためにサーブ公の屋敷を訪れていた。
「俺の方はうまくいった。王様は乗り気だ。お前の方はどうだ?」サーブ公の機嫌はよかった。
「それが・・・断られました。」カライは言った。
「なに!」サーブ公の機嫌は悪くなった。
「大臣はあと一歩というところだったのですが、娘の方がかたくなに断りまして。」カライは言った。
「どうしてだ?何が不満なのだ?」サーブ公が訊いた。
「実は破談になった男のことを思っているようで・・・。」カライが言った。
「ムタヤだったな。そうか・・・そんなことか。それならいい手があるだろう。」サーブ公はニヤリと笑うと、
「ジャグ、ジャグはおらぬか?」と大きな声で呼んだ。すると細身の目つきの悪い若い男が出て来た。
「ジャグ。またお前の出番だ・・・」サーブ公はジャグとカライに思いついた企みを話した。
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