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第1章 異世界でレベリング

第6話 ボス到来

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「う、うがぁぁぁぁ!?」

 腕が、腕が、ナイ。
 しかもとても痛い。7階層の神経毒の野郎よりも全然痛い。

「【スキル】〈苦痛耐性〉がレベル5になりました。」

 あいつは強すぎる。紅い身体に黒い大剣、あいつは何だ・・・・

「か、〈鑑定〉。」

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ダークオーガ Lv75
 ・常闇とこやみのダンジョン地下10階層のボス。
 ・驚異的なスピードと圧倒的なパワーから、冒険者ギルドの討伐ランクはA+に推定される。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 冒険者ギルドがこの世界にもあるのか。しかも、常闇のダンジョンだって?って、左腕が無い状態で何言ってやがる、俺。
 あいつとのレベルは13・・・・絶望的だな。

 だが・・・[英雄]がここで諦めたらダメだろ。

「かかって来やがれ。」

 左腕の切り口にボタナ草を貼り、立ち上がる。

「ການທໍາລາຍ!」

 さっきと同じように、大剣での斬撃攻撃がくる。
 こいつはボスオークと違って、大振りな割にスピードがあるからスキが少ない。

「よっと。」

 一応、この攻撃は避けられる。だが、手負いの状態で、しかもレベル差は13ときているので、ずいぶんと分が悪い。

「〈フレアボルト〉!」

 雷属性と炎属性の融合魔法。ダークオーガの身体に、電流が走り、灼熱の炎が焦がす。
 しかし、さほどダメージは入らない。いやむしろ、火に油を注いだように、ダークオーガの怒りを買う。

「ຄວາມມືດດໍາ!」

 ダークオーガが唸ると、狭いボス部屋が揺れる。
 何かの魔法か【スキル】を使ったのか、あいつの身体が黒い瘴気《しょうき》に包まれる。黒煙の中に鈍く輝く紅色が、怪しく見えた。

「これがダークオーガと呼ばれる由縁《ゆえん》か。」

 俺は剣を構えて、奴と対峙する。5歳児と常闇のダンジョンの10階層ボス、傍から見ればあからさまに不利、というか蹂躙《じゅうりん》されるのが目にやすやすと浮かぶ光景だ。身長差は3倍くらいある巨体をこの狭い空間でどう捌くか。

「はぁっ。」

 先制攻撃をしかけ、出方を探る。

「ຕາຍ.!」

 大剣に阻まれ、剣が刃こぼれする。
 右腕に違和感を感じ、見てみると黒い染みが出来ていた。どうやら、あの瘴気に触れると毒されるらしいな。

「ຄັ້ງ!!!」

 なっ、速い。
 後ろに下がる余裕も無く、剣で受け止めるしかなかった。

 ガキンと金属音が鈍く響き、腕がしびれる。その後、金属が落ちる音が剣撃の余韻をかき消す。
 もう欠けていた俺の剣は、この攻撃をうけとめたのを最後に、折れてしまった。

「わりぃ、じいちゃん。」

 けっこう良い代物だったはずだ。ボスオーク戦でも刃こぼれひとつ出来なかったし。
 これで攻撃手段が魔法だけになった。しかも、俺は満身創痍でダークオーガはほぼ無傷。・・・・だが、これでいい。これこそが好機だ。


「これで最後だ、俺も、お前も。」


 〈英雄の一撃〉が発動し、付近に蒼色の光が漂う。その一つ一つの光は小さいが、数多く集まれば強い輝きになる。
 この一撃必殺のスキルを乗せた魔法を放つため、ダークオーガに照準をロックし、

「〈ファイヤ〉!」

 蒼色の光が右手に収束し、残魔力をすべて乗せた業火が狭いボス空間を真っ赤に染め上げる。
 その余波で俺もだいぶ火傷したが、〈熱耐性〉のおかげで、大事には至らない。

『【スキル】〈熱耐性〉がレベル8になりました。』

「gnn・・」

 それを最後に、ダークオーガはただの炭になった。

「レベル75になりました。魔力量が375000に上昇し、ステータスポイントが70ポイント付与されました。エクストラポイントが1ポイント付与されました。」

 さて、残りの魔力量は・・・

「うぉ?」

 いきなり視界が暗くなった。何故だ?

「ステータスオープン。」

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 イロアス  5歳 Lv70    魔力量001300/350000

【称号】
 [俊足の暗殺者]
 [忍び寄る者]
 [暗殺者]
 [スライムキラー]
 [ゴブリンキラー]
 [英雄]
 [到達者]
 [ダンジョンに挑みし者]
 [進みし者]

【イレギュラーユニット特典】
 ・1LvUPごとに魔力量+5000、ステータスポイント+10。
 ・10LvUPごとにエクストラポイント+1

【ステータスパラメーター】  SP…116
 ・筋力…100     ・魔法防御力…95
 ・知力…100     ・物理防御力…95
 ・素早さ…100    ・器用…100

【エクストラスキル】    EP…2
 ・〈鑑定〉Lv2
 ・〈超回復〉Lv5

【スキル】
 ・〈忍び足〉Lv6
 ・〈熱耐性〉Lv8
 ・〈苦味耐性〉LvMAX
 ・〈回復促進〉Lv5
 ・〈苦痛耐性〉Lv4
 ・〈ランページ〉Lv3
 ・〈英雄の一撃〉LvMAX
 ・〈暗視〉Lv6
 ・〈毒耐性〉Lv7
 ・〈石化耐性〉Lv5
 ・〈麻痺耐性〉Lv5
 ・〈催眠耐性〉Lv5
 ・〈頭痛耐性〉Lv5

【アイテムボックス】
 ・セプチーニの枝×1
 ・スライムの破片×47
 ・リフレ草×64
 ・ボタナ草×9
 ・傷薬入りのビン117g
 ・輝緑石×6
 ・オークの角×24
 ・ボスオークの角×2
 ・魔力石×1
 ・ポイズンスライムの破片×2 [毒]
 ・ディーパの羽根×2 [麻痺毒]
 ・ヨーウィーの牙×4 [神経毒]
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「残り魔力1200か。」

 で、〈暗視〉の【スキル】は・・・


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【スキル】
 〈暗視〉Lv6…消費魔力60000
 ・一時間の間、暗闇での視力が高くなる。Lvが高くなるほど、効果がます。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「消費魔力が無駄に多すぎるだろ。」

 思わず、口に出てしまった。でも、暗いところで、目がよく見えるようになるだけで6万かよ。
 でも、これがなきゃ壁にぶつかるだけ。
 しかし、〈超回復〉をしないと左腕が治らない。(火傷したり、斬られたりと左腕は大変だな。)

「頼むぞ、魔力石。」

【アイテムボックス】から魔力石を取りだし、中に貯まった魔力を吸いだす。
 この中には、ボスオーク戦からの一週間貯め続けた魔力がある。

「これでどうだ?ステータスオープン。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 イロアス  5歳 Lv75    魔力量206300/375000

【称号】
 [俊足の暗殺者]
 [忍び寄る者]
 [暗殺者]
 [スライムキラー]
 [ゴブリンキラー]
 [英雄]
 [到達者]
 [ダンジョンに挑みし者]
 [進みし者]

【イレギュラーユニット特典】
 ・1LvUPごとに魔力量+5000、ステータスポイント+10。
 ・10LvUPごとにエクストラポイント+1

【ステータスパラメーター】  SP…156
 ・筋力…100     ・魔法防御力…95
 ・知力…100     ・物理防御力…95
 ・素早さ…100    ・器用…100

【エクストラスキル】    EP…2
 ・〈鑑定〉Lv2
 ・〈超回復〉Lv5

【スキル】
 ・〈忍び足〉Lv6
 ・〈熱耐性〉Lv8
 ・〈苦味耐性〉LvMAX
 ・〈回復促進〉Lv5
 ・〈苦痛耐性〉Lv4
 ・〈ランページ〉Lv3
 ・〈英雄の一撃〉LvMAX
 ・〈暗視〉Lv6
 ・〈毒耐性〉Lv7
 ・〈石化耐性〉Lv5
 ・〈麻痺耐性〉Lv5
 ・〈催眠耐性〉Lv5
 ・〈頭痛耐性〉Lv5

【アイテムボックス】
 ・セプチーニの枝×1
 ・スライムの破片×47
 ・リフレ草×64
 ・ボタナ草×9
 ・傷薬入りのビン117g
 ・輝緑石×6
 ・オークの角×24
 ・ボスオークの角×2
 ・ポイズンスライムの破片×2 [毒]
 ・ディーパの羽根×2 [麻痺毒]
 ・ヨーウィーの牙×4 [神経毒]
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 けっこう取り出したつもりだったのだが、20万とちょっとしかない。
 意外と貯まらないものだな。

「〈超回復〉。」

 身体が柔らかい緑色の光に包まる。斬られていた左腕は再生し、右腕の黒い染みも消えた。
 だが、まだ魔力は足りてない。もっと魔力を取りださないと。
 …
 このくらいか?もうほとんど残ってないぞ魔力石に。

「ステータスオープン。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 イロアス  5歳 Lv75    魔力量146300/375000

【称号】
 [俊足の暗殺者]
 [忍び寄る者]
 [暗殺者]
 [スライムキラー]
 [ゴブリンキラー]
 [英雄]
 [到達者]
 [ダンジョンに挑みし者]
 [進みし者]

【イレギュラーユニット特典】
 ・1LvUPごとに魔力量+5000、ステータスポイント+10。
 ・10LvUPごとにエクストラポイント+1

【ステータスパラメーター】  SP…156
 ・筋力…100     ・魔法防御力…95
 ・知力…100     ・物理防御力…95
 ・素早さ…100    ・器用…100

【エクストラスキル】    EP…2
 ・〈鑑定〉Lv2
 ・〈超回復〉Lv5

【スキル】
 ・〈忍び足〉Lv6
 ・〈熱耐性〉Lv8
 ・〈苦味耐性〉LvMAX
 ・〈回復促進〉Lv5
 ・〈苦痛耐性〉Lv4
 ・〈ランページ〉Lv3
 ・〈英雄の一撃〉LvMAX
 ・〈暗視〉Lv6
 ・〈毒耐性〉Lv7
 ・〈石化耐性〉Lv5
 ・〈麻痺耐性〉Lv5
 ・〈催眠耐性〉Lv5
 ・〈頭痛耐性〉Lv5

【アイテムボックス】
 ・セプチーニの枝×1
 ・スライムの破片×47
 ・リフレ草×64
 ・ボタナ草×9
 ・傷薬入りのビン117g
 ・輝緑石×6
 ・オークの角×24
 ・ボスオークの角×2
 ・ポイズンスライムの破片×2 [毒]
 ・ディーパの羽根×2 [麻痺毒]
 ・ヨーウィーの牙×4 [神経毒]
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 14万か、〈超回復〉ってチート能力すぎるから消費魔力量が半端ないな。

「〈暗視〉。」

 おお!よく見える。消費魔力が多すぎるけど、これは野戦で有用だな。

「さて、帰りますか。」

 地下11階層への階段に背を向けて、家への帰路につく。
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