時効まで半年

靴の盗み方

靴の盗み方

「今だ！チーノ!!」勢いよく走った３人の青年は大人の男性を背中から倒し1人は右肩、もう1人は左肩を押さえ、動きを封じた。そしてもう1人は動けないように男性の両足を曇った空に上げ、宙に浮いた状態で最年少の僕は両方の靴を強引に引っ張り、合流予定のメルカド(市場)まで逃げるが盗まれた男が「ふざけんな！このやろー！！」と叫ぶと僕は笑いながら風になったつもりで走りまくった。

6歳にして罪の意識なく窃盗をしていた。と言うのも僕はペルーのリマ市のラ・ビクトリアと言う街に生まれたんだが当時は犯罪が当たり前と言うか若い人は大体パンディージャ(日本で言うカラーギャング)に所属していて犯罪してお小遣い稼ぎをしていた。
日系でつり目の僕はチーノ(中国人)と呼ばれていたが正式メンバーではなく幼馴染の兄とかその友達関係が横に広がり自然と知り合っていくのが通例である。

僕自身は貧乏の中でも実家があってご飯は食べられる部類だったが幼馴染のお母さんが売春するような街なので犯罪＝大人がやるイタズラ　みたいな感覚でしかなくて"大人に見られたい"とか"なんかカッコいい！"と言うふわふわした気持ちで加担していたその傍でハエ叩きを右手に持って家中のハエを叩く正義のヒーローを兼業していた。

今思えば窃盗した靴をお兄さんに渡したら褒められて帰されるので無償で犯罪をしていた事になるのが憧れを逆手にとられた僕はなんともマヌケである。

そこから学べたのは"犯罪者には黒と透明の2種類が存在していること"だ。私利私欲を満たす黒と無知によって搾取される透明色が存在する。どこの犯罪組織もこの2種類でできてる気がする。が、あれ？犯罪組織だけなのかな？正義の味方であるはずの警察は？ん？

逮捕がブーストかかりそうなのでこの話は後編で話すか...

ただ間違いなく言えるのはこの頃の僕は後者の犯罪者だったと言えるだろう。























ちっくしょーーー！！！