痛み。
五年前の夏、姉は帰らぬ人となった。
葬儀が行われたあの日、あなたとわたしは出会った。
棺桶に眠る彼女に、唇を落とすあなた。
「白雪姫なら、生き返るのにね……」
涙ひとつ見せないあなたに、心が締め付けられる。
そっと呟いたわたしの言葉に、あなたは切なく笑って言った。
「僕は王子様には、なれなかったな」
その儚い笑顔に、今にも消えてしまいそうな姿に
幼いわたしは、恋をした。
毎週金曜日連載中です。(更新時間不定期)
第1章
第2章
第3章
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