上 下
49 / 60

第49話 魔国と魔王

しおりを挟む
 勇者が我が国を敵国認定したという話は大陸中を駆け巡った。

 ほとんど知られていない新興国という事もあり、魔王が現れたのだともっぱらの噂だとか。



「あん?うちが勇者に敵対する国だって?そりゃその通りだな」

「そうですか。それでは残念ですが、今後我々は取引出来ません」

 行商の一行が去っていく。もう何組目か。俺が思っていた以上にこの世界での勇者というのは特別な存在らしい。周辺国は勇者に従い、俺の国を討伐するつもりとの事だ。



「ところで魔国ってなんなんだろうな?」

「我が国の名称らしいです。王様が決めてくれないので」

「じゃあ魔国でいいや。本当に攻めてくる国はあるのか」

「わかりません。我が国には諜報も伝達も整備されていませんので。ただ、勇者様の覚えをよくしようとして既に動いていても不思議は無いですね」

 うん知ってた。勢いで国を名乗っているが、俺は王には成りたかったが国を率いたかったわけじゃない。意味がわからないかもしれないが、ただTOPとしての王でありたかっただけなんだ。運営は母者とリリスに丸投げしているが流石に厳しいだろう。




「ふーむ困ったな。俺が国を周って皆殺しにするのは簡単だが、無駄な殺しはしたくない。勇者を単独で絞めたら静かになるかな?」

「勇者を殺せば完全に魔王として扱われますよ。痛めつけて反抗の意思を奪えば可能かもしれません」

「それが一番手っ取り早いか」

 今度こそ俺の手で勇者を屈服させて事態を収拾しよう。



「待ちなさい、そんな場合じゃないわよ」

「アマンダか、お前ちゃんと報告に来いよ」

「色々あるのよ、それより赤鬼の一団がこっちに向かってるの」

「あちゃー、あいつら功を焦ったか。」

 あいつら立場が苦しいから勇者に縋ってたんだもんな。チャンスがあれば飛びつくか。

 ルバンカもいるんだろうか?殺しはしたくないが、殺しに来ているんだ。甘い対応をするつもりはない。



「どうしますか?」

「うちには兵隊は居ないんだ。俺が出る」

 フレアとケトは置いていく事にした。







「王にお目にかかれて光栄です。こちらから敵の姿を確認できます」

「うむ」

 俺は再び変装していた。身長2.3メートル、禍々しい鎧と巨大な剣を背負う大男だ。

 案内をしているのは元難民の男。俺の知らない間に村には人が流入し続け、既に町レベルの人口となっている。



 殆どは南の国の苛烈な税から逃げ出した農民。この地域が元々所属していたトーリアの民もそこそこいる。中には元兵士・商人・技術者等も含まれており、なんとか国として最低限の面目が立ちつつある。

 我が国に逃げ込んだものは3年無税という事もあり、ちゃんと国民として登録してくれるし逃げ出した民が集まる救世の国だ。ただし仕事は殆ど無い、金を稼ぐのは王。避難所みたいなもんだな。




「あれか。うん?戦士が500前後と、後ろについているのは戦闘員じゃないな」

「占領して駐留するつもりでは無いかと」

 山の上からこちらに向かってくる鬼共を確認した。ここは東以外を山で囲まれた地域だ。北南西から来る場合は必然沢山の山を超えてくる事になる。

 明らかに疲弊した攻め手、有利な位置から相手を窺える守り手。余程の馬鹿なのか、馬鹿な無茶を通すほどの状態か。



「駐留つっても子供もいるぞ。ありゃ居住地を捨ててきたな」

 これは脅した程度じゃ引かないかもな。

「散られると面倒だな。俺1人で行くから治療と受入れの準備をしておけ」

「1人で!?無茶です!」

「いいから黙ってみていろ」





 先回りした位置に立ち、剣を地面に刺して鬼どもが来るのを待った。心構えをさせてやる温情だ。



 鬼の隊列は俺を見つけて止まった。斥候すらいないのは減点だな。

「お前!魔国の者か!」

「勿論そうだ。お前らがこの先に押し通るなら皆殺しにする。弁解があるなら言え」

「俺達は人間の勇者の言葉に従ってここに来た!邪魔をするなら殺す!」

「ふむ。よく考えてみろ、ここは新しい国だ。お前たちはここで平和に暮らす事も出来る、兵士として雇ってもいい。何も勇者の下僕として生きることも無いだろう」

「馬鹿め!我ら赤鬼族は勇者と共に在る!勇者に歯向かうものは許さん!」

「……そうか、残念だ」



 本当に残念だ。俺にはこいつらを攻撃する理由はあっても攻撃したい理由は無い。

「あぁそうだ、姫のルバンカはどうしているんだ。あいつも賛成しているのか?」

「なに?お前はあいつの知り合いか?あいつなら姫巫女様に逆らった罪で殺してやったわ!」

「……そうか」



 これで光の玉は揃わなくなったか。いや、こんな場での言い合いを信じる必要は無いな。てか凄く嘘っぽい、ルバンカはこいつよりかなり強かったぞ。ただまぁ、里を想っていたあいつは引き離され虐げられているという事だ。




「俺の名はアレキサンダー。この国の偉大な王だ」

「嘘をつけ!アレキサンダーは子供だ!殺せ!」

 鬼族の戦士たちが咆哮を上げて襲ってくる。たかだかLv100も行かない普通のやつら。遅い、不様、訓練しているのか?

「水面みなも蹴り」

 魔力を励起し、地に手をついて地面ギリギリを平行に蹴る。鋭い蹴足から魔力が迸り、鋭いナイフとなって鬼共の足首から下を斬り飛ばした。



「ぎゃぁぁぁぁ!!足!足が!!」

「全員武器を捨てろ。嫌な奴はこのまま殺してやる。隠し持っていたら後ろの連中も殺す」



 武装解除させた後、治療できる所まで引きずって運んだ。足首を失ったのは戦士の8割ほど、残りは無傷で投降した。非戦闘員も無事だ。鬼共の生命力なら死にはしないだろう。

 嫌な仕事をしてしまった。憎くも無い相手に仕方なく攻撃した。大怪我を負った連中を保護するのも大きな負担だ。怪我をしていない奴らも見張らなきゃならない。

 だが殺すのは嫌だった、脅して引き返すとも思えなかった。これからまだこんな事が続くんだろうか?



「勇者をやるしかないか」

 早く勇者を屈服させよう。喧嘩はいくらでも相手になってやる。だが戦争は違うだろう。分からないならあいつの首1つで終わらせる。





「怪我人が多すぎるのじゃ!こんなもんどうしろってんだあのクソガキャア!」

「オババ、調子が戻ってるぞ」

「うるせぇクソガキ!加減てもんを知らねぇのか!」

「オババもクソガキになってるから安心しろ」

 オババ…じゃなくてベルがどったんばったん大騒ぎして治療している。スマンな、俺には何もできん。

「ケト、フレア、勇者の所に行くぞ。こんな事は止めさせる」

『いこー!』

『わかったのです。でも治療だけしていくのです。ゲェッコゲッコ!ゲコゲッコー!ゲコー!』

 それ詠唱なの?ケトの鳴き声に合わせて静かな雨が降りだし、怪我人達のうめき声が止んだ。



「おぉー、流石大精霊だな」

『しっかり力を取り戻したのです!母が力を取り戻したら完全に治せると思うのです!』

「そうか、まぁそれまでは今の状態で出来る仕事をさせるしかないな」

『早く行こうよ―』

「よし、行くか」




 さっさとケリをつけようとフレアの背に乗ったんだが。

「待って待って、またお客よ。今度は大物」

「またお前か、今度は何だ」

「魔王よ、本物の魔王。あなたに会いたいんですって」

「はぁ?」





 魔王が会いに来る?クッソ胡散臭いな。いや本物だとしても知ったことではないが。

 勇者の敵とか魔国とか言われてるから立場を奪われて怒ってるのか?

「見たらびっくりするわよ」

「顔が頭と腹に付いてたりするのか」

「なにそれ、化け物じゃない」

「魔王だろ」

 今更どんな魔王でも構わん。ダンジョンではこの惑星に寄生して食い尽くすつもりのエイリアン(見た目判断)とも戦ったんだ。



 面会はその辺の道端だ。俺は忙しいんだよ、自称魔王相手に時間を使えるか。

 魔王が待っていると言う場所に向かうと、ド派手な赤い燕尾服にシルクハットと白マントいうイカれた男がいた。こいつか。

「俺が国王のアレキサンダーだ。お前が魔王だな、イカれた恰好なのですぐに分かったぞ。要件を言え」



『魔王様は私ではない。無礼者め、部屋も用意せずこの様な対応を受けるとは』

「黙れ。私が魔王だ。アレキサンダー王、よろしく頼む」

「はぁ?」

 魔王を名乗る少女。10歳くらいか?勇者と同時に生まれたとするなら不思議は無いか、そういや勇者も弱っちいクソガキだったな。



「まぁいいや、お前を魔王と信じてやる。それでなんのようだ」

『キサマッ!』

「構わん。この国は勇者と対立しているんだろう?我らで手を組まないか。勿論勇者を倒すまでの話だ」

「いらん、帰れ」

『いい加減にシロ!無礼者メッ!』

 イカれた男が爪を伸ばして突いてくる。これが魔族の攻撃か。

「アレキサンダー流・燕旋擺柳」

 突いてくる腕を取り、そのまま肘を決めて相手がつんのめった所で足を払う。半回転して倒れた男の首に貫手を寸止してやった。



「くだらん争いはやりたくなくてな。ここで二人共殺して終わらせてもいいぞ」

 話が大きくなるくらいならここで殺った方がマシだ。

「すまない、失礼した。許してほしい」

「ちっ!王を名乗るなら気軽に謝るな」

「そうか、そうだな。私は、王には相応しくない。自分でもわかっているんだ」

『魔王様っ!』




 ん~?なんでこんな場でいきなりヘラってんの?やはりヤバい奴だな。いや、これは使えるのでは?俺の話術で上手く利用できちゃうのでは?





「魔王よ、確かにお前はクソ雑魚だ。その貧弱な体、貧弱な精神。お前のどこを見ても王の資質は無い。ただの小娘に過ぎない」

「そう…か。う、うぅ、私も、ずっとそう思って」

『魔王様ァァァ!!そのような事はありまセェェン!私は!我々は!魔王様のコトガァァァ!オオオオオ!ラブリー魔王様ァァァ!!』

 なんだこいつ、やっぱやべぇな。



「だが魔王よ、そこの男を見てみろ。貧弱で貧相で見どころの欠片も無いお前を王と認めているじゃないか。お前の価値はそこにある、お前は1人ではどうしようもない貧弱で貧相で無価値だが、お前にはお前を慕う国民がいる。お前の価値は王としての価値なのだ」

「王としての…」

『魔王様はラブリィィ!!L!O!V!E!ラブリィィまおゴボォォ!』

 邪魔なので腹にぶち込んでおいた。



「俺を見ろ。俺は強い、強靭な精神も持っている。だが国に対して何も出来ていない、国民も俺を信頼していない。俺とお前は真逆なんだ。俺の持っていない物をお前は持っていて、お前の持っていない物を俺は持っている」

「あなたに無いものを私が?」

『狂人な精神なんて無い方がいいのです』

「ぼくは信頼してるのに!」

(うるせぇ邪魔するとお前らもぶん殴るぞ!)



「魔王よ、俺達は鏡の表と裏だ。お互いに欠けている物をピッタリ補い合える。お前には俺が必要で、俺にはお前が必要なんだ。俺の物になれ、共に歩んでいこう」

「え!?」

「共に勇者を打ち倒し、平和な国を築くんだ。魔族も人間も関係無い、それを俺達が証明するんだ」

「は、はい・・・!」



 ちょっろ。こんなんでいいのかよ。ストレス溜まってたんだろうなぁ、頭撫でるだけでも行けたんじゃないか?

 思わぬ所で国力が手に入った。我が国はまだ国としての体裁が整っていないからな。この際魔族でも何でもいいわ、暴れたらブチのめすのみ。





 こうして我が魔国は魔王とその国を丸ごと併呑し、立派な国となる。予定。

先に勇者やってこないなとな。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

処理中です...