ゲームっぽい世界に転生したので人間性を捨てて限界まで頑張る ~転生勇者もヒロインズも魔王もまとめてぶちのめす~

無職無能の自由人

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第21話 5歳 いいから転職させろ!

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「アレキサンダー・ドライバー!」

『GAAAAAA!!』

「ファファファ!貴様の肉体の秘密!見破ったぞ!」

 こいつには直接攻撃が効かない、それは間違いなかった。だが地面に叩きつける攻撃は別だ。おぉ大地母神の加護よ!母なる大地こそ我が武器なり!



「ウィィィィィィ!!アイム ナンバワーーン!!」

『ゆるしてよぅ、こわいよぅ』

「身に沁みたかフレアよ、武器など使わなくてもお前は俺に勝てない。俺の気分次第でいつでもお前を殺せるぞ」

『ごめんなさい、ごめんなさい』

 とても悪いことをしている気分になるが、こいつは幼い話し方ではあっても大人の竜だと言っていたし、最初は俺とカバンちゃんを無言で殺しに来た奴だ。それなりの対応という物が必要である。半端な関係はくだらない失敗を生むのだ。



「フレア、これで分かっただろう。強大な竜であっても自分だけで生きていくことは出来ない。強い人間が現れたら蹂躙されてしまうのだ。だから俺と友達になろう。一人じゃ弱くても、二人なら誰にも負けないさ!俺の名前はアレキサンダー、偉大な王になる男だ!お前の敵は俺の敵!お前の喜びは俺の喜び!お前はもう一人ぼっちじゃない!!」

『アレキサンダー!ぼく、ぼくキミについていく!』

「おう!よろしくな相棒!俺達はズッ友だぜ!」




 やはり屈服した相手の説得はやりやすくていい。これで優秀な乗り物をゲットだぜ!友達っていいもんだなぁ!

 そして今度こそ竜のわからせ完了!






 さて、帰ろう。宝が一杯残ってるがこれ管理できるのか?

『全部持っていっていいよ!』

「いやいいよ、自分でなんとかしろ。それよりこれからは無闇に人を襲うなよ。勇者ってのもどこかにいるらしいからな」

『はーい』

「肝心の王冠は持ってるな?」

「はい。全てあなたのおかげです。このお礼は必ず」

「いらんいらん、俺はこれで上級冒険者になって転職が出来るはずなんだ。しっかり口利きしてくれりゃそれでいい。お前の為にやったんじゃない」

「それでもありがとうございました。それと、これまで名乗らなかった無礼をお許しください。私の名はエリ…」

「やめろやめろ!聞いてもロクな事がない。厄ネタだ」

「………」

 今世紀最大にむっすりしてしまった。こいつはカバン大好きカバンちゃん、俺とは一期一会の関係よ。




「帰るぞ!フレア、俺達を乗せて飛んでくれ」

『はーい!』

 随分嬉しそうに乗せてくれた。こいつはずっと一人だったんだ、それも仲間に迫害された逃亡者。俺と一緒にいる間くらいは楽しくしてりゃいいだろう。

 気持ちのいい空からの帰還だ、俺も仕事を終えて清々しい気分。

「ふわぁ、すごい!」

「いや俺も同じくらい飛んでただろ?」

「一緒にしないでください」

 たはは!手厳しい!



「そうだカバンちゃん、その王冠かぶっとけ」

「え?そんな事できませんよ、勝手にそんな」

「何言ってんだ、それはガキが山で拾った玩具の王冠だろ?本物は王様がかぶってるんだからな」

「いや、あの、それは」

「いいからかぶれ、景気づけだ」

 ごちゃごちゃ言うから助けてやった事をダシにして無理やりかぶらせた。俺達は竜の山に登って竜を倒し、その財宝を持ち帰ったんだ。堂々と自慢しなくてどうする。

「王都が見えたぞ、適当に広場を見つけて降りてくれ」

「えええええ!?」




 ドズゥン!!

 ん~いいねぇ!民草がわーきゃー言ってるのが尚良し!ドラゴンバスターにしてドラゴンライダー様のご帰還だ!

「………」

「それじゃこれでな、ギルドにはちゃんと話しておいてくれ。明日には転職しにいくから。元気でやれよ」

「………」

「なんだよ。フレア、頬ずりしてペロッと舐めてやれ」

『うん!』

「ちょっ!うんぶ!」

 ふむ、ベッちょり行ったな。悪く思うな。

「あーばよー!」

『バイバーイ!』

 これでカバンちゃんとは二度と会うこともないだろう。会うとしたら俺が王として侵略する時だ。会わない方がいいだろう?




「次は俺の家に行こう。フレアの家よりずっと小さいけど、母者と産まれたばかりの弟に会っていけよ」

『えっ!?家族の紹介って人間には特別な意味があるんじゃ?』

「いやねぇよ、どこで覚えたんだ」

 バッサバッサと空を行く。十分早いし何より快適だ。地上を行く人は小さく、小さな町がちょっとずつ距離を取って点在してる。竜族ってのはこんな視点を持っていて、しかも最初から強いんだもんな、そりゃ驕りもするわ。

 そんでもって俺も驕ってるんだが、王を目指すなら驕りくらい必要だからいいんだよ。せせこましい王なんて嫌だ。

 だから竜も驕っていい。魔王も、勇者も、大きく構えていてもらいたいねぇ。





 ドズゥン!!

「母者!只今戻りました!」

「びえぇぇぇぇ!!あぎゃあああああ!!!」

「おかえりなさいアレキサンダー。随分派手なご帰還ね、この子がびっくりしてしまったみたい」

 あ、しまった。



「すいません母者、友達と会っていただけませんか。表で待っています」

「あらあらそれはご挨拶しなくては」

『こんにちは!アレキサンダーのお友達でフレアっていいます!』

「あら~大きいお友達ね、アレキサンダーをよろしくね。こっちは弟のダイオスよ、この子とも仲良くしてね。ところでとても綺麗な鱗ね、たまに剥がれたりしないかしら」

『うん!よろしくね!』



 母者は大物である。俺の産まれた時はビビり散らかしてネグレクトだったが、それで慣れたのかな?

 母者が外れかけの鱗を見つけたので剣を使ってベリベリ剥がし、お土産の金の壺を渡して御暇した。あまり長居するものじゃない。





 ドズゥン!!

「オババー!オババー!」

「静かに来れねぇのかクゾガキぃ!こんなデカブツを連れてくるんじゃないよ!」

 すげぇなこいつ怖いものはねぇのかよ。いきなりこんなの来たら俺でもびびるぞ。



「オババすまん、あの氷晶溶けちまった。代わりにこの絨毯貰ってくれ。自動洗浄、自動修復、自動ダニ殺しが付いた魔道具の一品らしい」

「ふん!別にクレと言った覚えはないよ。それにしても派手にやってるようだね」

「あぁ、でもまだ薬とか魔法関連は何も分かってないんだ」

「前も言ったがあんたは学ばなきゃならない。今のままじゃ手に入らない物が多すぎる」

「うぬぬぬ」

「それとあの氷晶は生半可な物じゃない、溶けて終わるなんて事は無いと思うがね」

「ほ?」

「学びな」



 渡す物も渡したのでお暇した。別に学園編の襲来を恐れたわけじゃない。

 その後は人里離れた森に飛んで夜の狩りに励んだ。フレアは夜は眠るそうだ。まぁ余裕があっていいんじゃないスかね。





 翌日。王都冒険者ギルド。

「おう、成果は届いてるか?」

「アレキサンダー様、妹の名は第23王女エリセラ・リリアーナ・トーリア・ヴァリエル。ご助力ありがとうございました。私の名はアストリア・カリーナ・トーリア・ヴァリエル。この国の第16王女です 」

「はあぁぁぁぁ!?なんでいきなり名乗ってんだよ!」

「絶対阻止されるので先制しました」

「その通りだよ!なんでそんなに解像度高いの!?なんで分かってるのに言ったの!?」

「名前だけの無価値な王女ですけどプライドがあるので。それとあなたが分かりやすすぎます」



「クソ!関わりたく無いから聞かなかったのに!」

「昨日妹がぶつぶつ言ってましたよ。礼も聞き入れないし名前も聞かない無礼者だって」

「あのクソガキがぁ!」

「でもすごく優しくて強い私のスパダリナイト様だって言ってましたよ」

 なんだよ仕方ねぇなぁ。まぁでも俺クソカッコイイからな。大体筋肉がそこらの男とは違うんだよ。

「へっ、ガキがませた事を言いやがって」

「まぁ嘘なんですけど」

「あああああ!!いいから転職させろや!!」





「もちろんです。それでは奥にどうぞ」







 ――――――――

 赤竜の特性

 神聖属性以外無効

 火属性吸収

 レベルダウンMAX

 転んだら痛い
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