ゲームっぽい世界に転生したので人間性を捨てて限界まで頑張る ~転生勇者もヒロインズも魔王もまとめてぶちのめす~

無職無能の自由人

文字の大きさ
上 下
15 / 60

第15話 5歳 知恵無き者

しおりを挟む
「オレ、ハラ、ヘッタ、オマエ、クウ」

 ウマ、ウマ、ヘビ、ウマイ、デモ、カラダ、カユイ、トテモ、カユイ

 ナンデカユイ?フロ、フロ?、フロ・・・半年体洗ってねぇじゃねぇか!!



 危ない危ない、ソロ山籠りで野生に馴染みすぎてしまったようだ。もう少しで引き返せない場所まで行ってしまう所だった。

 今も体長1000mはありそうな馬鹿げた巨大ヘビ?をぶちのめして生でいただいている。とても文明人とは思えないぜ!まぁド田舎生まれで機械も何もない生活しかしてないが。



 辛い冬が明けて春、獲物が多くなるので没頭してしまったな。暖かくなって痒くなってきたか。そろそろ一度帰ろう、母者も寂しがっているだろうし産まれた子にも会いたい。

 手土産は……、そうだ、ずっと冷たいままの謎の氷晶でいいか、これから暑くなるだろうしな。氷の結晶を大きくした様な綺麗な宝石?置いておくと周囲を冷やしてしまうんだが、身に付けると寒さも暑さも感じなくなる不思議アイテム。これは俺が求めた神秘の1つと言っていいんじゃね?

 冬に出会った雪だるまの親玉を倒して手に入れた。吹雪を吐き出すわ氷を飛ばすわでいかにも氷属性って感じだったが、今の俺は物理しか使わないので特に影響がなかった。寒い時は筋肉を震わせるシバリングで熱を生み出せるのだ。逆に熱い敵なら危なかったな。

 早く魔法使いたいです。



「ステータス」

 ―――――――――

 アレキサンダー

 5歳

 ジョブ 狂戦士

 レベル 532



 体力 53466

 魔力 532



 スキル

 狂化ρ

 体力+5%

 体力+20%

 体力+50%

 体力+100%

 体力+200%

 体力+300%

 体力+400%

 体力+500%

 鍛錬ω

 天壌無窮



 スキルアーツ

 狂戦士化

 ――――――――――

 レベルは500を超えた。強い敵を求めて彷徨ったがそれでも成長速度は鈍化している。

 スキルアーツが増えないのは狂戦士の特徴なのかね、俺もかっこいいスキルぶっぱしたいです。好きなのは下り飛龍、地ずり斬月、菩薩掌とかですお願いします。

 狂化はもう段階が分からん、俺はとっくに狂ってるって事なんだろう。まともなら山籠りなんてしないよな。俺がおかしいのはこのスキルのせいだ。



 転職したら引き継ぎになるのかなぁ、だが全部消えて狂化も消えるならそれはそれでアリだと思う。

 有り余る体力を使って地道なトレーニングを積んでるんだ、レベルシステムの恩恵が無くても俺はウルトラ強いぜ。システムは遊び、本当の強さは人の肉体と精神に宿るのだ!たぶん。



 早速帰り支度をする。簡単な拠点には色々な不思議便利アイテムがあるが、氷晶程のものはない。また来るかもしれないし埋めておこうかな?でも場所がわからなくなりそう。持ち帰って売ろうかな?でも袋も何も無い、うーん・・・あ。

 蛇の皮を剥いで袋代わりにすることにした。あれなら高く売れそうだし、普段から這いずってるんだから多少引きずって持って帰ってもたぶん大丈夫だろ。

 まってろよー、兄ちゃん大急ぎで帰るからな。





 翌日、王都。

 カランコロン。

 あぁいい音だ。文明の音がするぜ。冒険者ギルドはこうでなくちゃな。

 綺麗な王都に不釣り合いな血と酒と汗の混ざり合う匂い。くっせぇな、折角昨日は体を綺麗にしてきたってのに。

(むぅ、ば、馬鹿な、し、信じられん。この王都に伝説のデビルチルドレンが)

(知っているのかライガン!)

 なんか見たような顔がいるな、何もかもみな懐かしい。



「あら、君って前に他の町で会った魔物を売りに来ていた子じゃない?王都に来ているなんてお姉ちゃんビックリしちゃった!」

 し、新姉!新姉じゃないか!

「あ!お姉ちゃん!どうしてここに?ぼくはここに引っ越したんだよ!」

「そうなのね。でも、あんまりここに来ちゃ危ないって言ったでしょ?」

「ごめんなさ~い、でも売りに来ないと弟と妹が困っちゃうから」

「あらあらお兄ちゃんなのね、それじゃ買取のおじさんのところに行こうね」

 新姉が手を差し出してくるので食い気味に握りしめる。はぁ、癒やされるぅ!僕と契約してお姉ちゃんになってよ!



「おいおい!いつからここはガキのお守りをするようになったんだよ!」

「うろちょろするんじゃねぇよガキィ!」

 昼間から酔っ払った不貞冒険者共が絡んできた。よくある事なんだが、子供を脅して何か得るものがあるんだろうか?実に不思議である。

「お姉ちゃんこわいぃ…」

「大丈夫よ、待っててね。ギランさん、アントンさん、相手は子供ですよ。引かないなら罰則がありますよ」

「ちっ!覚えてろよ」

 不満たらたらで引き下がった。いや下がるのかよ、何しに来たんだ。まぁ大体あんなのは後で襲ってくるんだ。俺が金を得たのを見てついてきたら始末してしまえばいい。だがお前らのお陰で新姉に甘えることに成功したからな!優しく叩きのめしてやるぜ。



「僕くんこっちよ。ヤムさ~ん買取のお客さんです、よろしくおねがいしますね」

 新姉は窓口まで案内して去ってしまった。さようなら温かい手のお姉ちゃん、また会おう。おててふりふり。

「随分小さいお客さんだね。買取っていうのは?」

「あぁ、デカいから表に置いてある。来てくれ」

「え、えぇ?君さっきと雰囲気違わない?」



 表にはクソデカ蛇皮が置いてある。とてもパンピーに運べる重さじゃないしそこらのナイフで刃が立つ代物じゃないので安心して置いといた。

 これでも取ってきたのはほんの一部だ。艷やかで伸縮性があり硬い。一級品の皮だろ。

 買取のオッサンがはしゃいでいたがおっさんにはしゃがれてもな……。5トン程の皮はオークションが云々と言っていたが面倒なので買い取ってもらった。金貨3500枚なら十分だろ、足りなかったらまた取ってきたらいい。



 適当な袋を買って小物を突っ込んだ。力を込めると水が出る水差しとか、馬鹿みたいに丈夫な金属を叩いて作った鍋とか、ずっと綺麗なままで寝心地ばつギュンふわふわ水色羊毛とか、金は十分だし捨てるのも勿体ないので持って行く。




 金は出来た、土産もある。よし、兄ちゃん帰るぜ!

「おい待てガキィ!それ置いていけや」

「知るかぼけが!」

 両手両足をへし折って出発した。やっぱ俺ってこんなもんだ、家には長居しないようにしよう。







 その日の午後。

「ただいま!今もどりました!」

「ア、アレキサンダー!」

「母者、ご無沙汰しました。金を持ってきので産まれた子に会わせて欲しい。大丈夫、すぐに出ていきます」

「何を言ってるの、ここはあなたの家でしょ」

「ですが、俺がここにいるとみんなに迷惑が」

「大丈夫よ、村のみんなにはお金を撒いたから、誰もあなたを怖がったりしないわ」

「は、母者!あの金で買収を!?」

「そうよ、人の心はお金で買えるの。ここはあなたの家だからね、安心して帰ってきなさい」

「母者ー!」

「ところでいくら持って帰ってきたの?」



 やっぱり金なんだよなぁ!うじうじ悩んでいたが母者は金で全てを解決してしまっていた。これからも安心して金を運んでこよう!母者が上手く金を使ってくれる!

「イエス!」

 母者も俺の帰還を喜んでガッツポーズを決めている。家族ってあったけぇ。



 産まれた子は弟だった。かわいい、かわいいんだが、寝てるだけだな…。起きててもまだ話せないし、正直言うと思ってたほど面白味はない。まぁ赤ん坊ってこんなもんだよな、普通の赤ちゃんでみんな安心だろう。



 謎の氷晶を渡したが怖がって返されてしまった。危ないことは無いと思うんだが、あまり価値が高いものを置いとくのもよくないかな?代わりに汚れないモコモコ羊毛を渡しておいたので弟と一緒に楽しんで欲しい。




「オババー、オルカー」

「なんだクソガキ、帰ってきたのかい。まだまだママが恋しいのかい?ケェッケッケ」

 うぜぇ。

「オババ、まだまだだが色々見て回ってるよ。これは土産だ」

 実家で返された謎の氷晶と、元々用意していた洗濯不要の羊毛を渡した。羊毛はガッツリ圧縮してもふんわり戻るので結構沢山持ってるんだ。

「ふん、なかなかの物じゃないか。だが魔物から奪うだけじゃ目的は果たせないよ。これらが手に入る場所なら他にも沢山の価値ある物があったはずだ。学びな、今のあんたじゃ取りこぼしが多すぎる」



「学び、学びかぁ。俺天才だからなぁ」

「こりゃ駄目だね」





 一日ゆっくりした後、ギルド加入のために一筆書いてもらって家を出た。

 母者が文字を書けてよかったよ。

 とにかくこれでギルドに所属できる。もう一度ギルド職員を説得して転職だ!

 魔法使いてぇぇぇぇ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

処理中です...